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民法のときの勉強とは、またちょっと違ってきます。
それはなぜか?
民法は私法の一般法で、いわば大枠のルールです。
対して。
行政法は、その名前も示すように。
行政サイドとつきあうための法律。
こういうときは、こうしなさいね。
そういうマニュアルなんです。
社会人経験のある方ならイメージしやすいでしょう。
いまや、どこの会社にでも業務マニュアルがあると思います。
こういうときには、こうする。
そういう手順が決められて、書かれてますね。
それと同じです。
ですので、行政法の勉強は、そのマニュアルを覚えること。
これに尽きます。
ただ逐条逐一、全部を淡々と暗記できればいいですが。
そういう勉強は苦痛でしかないし。
また長くイメージがつきません。
覚えるにも、コツがあります。
まず全体構成をみる。
行政法といいいますが、行政法という法律はありません。
その実体は。
・行政手続法
・行政不服審査法
・行政事件訴訟法
です。
そのほかにも地方自治法とか賠償法とかありますが。
コアの部分は上の3つです。
行政手続法は行政サイドへの申請などのしかた。
そのマニュアルです。
そして。
行政サイドとつきあっていて納得がいかないようなことがあったとき。
納得のいくように申立するためのマニュアルが行政不服審査法です。
さらに。
不服いうだけでは解決せずに行政サイドを相手に裁判で決着をつけたい。
そのためのマニュアルが行政事件訴訟法です。
この大きな流れの中で、今どこ段階の手順を勉強しているのか、をはっきり意識しながら。
手順を覚えていきましょう。
マニュアルの覚え方=手順を覚える。
なるべく自分のイメージがわきやすい具体的ケースを想定しながら、手順をたどってみましょう。
頭にいれやすくなります。
当たり前のようですが、ポイントです。
たとえば試験でも、手順を覚えているのかどうかを問われます。
昨年の行政法の記述問題を試しにみてみましょうか。
平成20年行政書士試験
問題44
Xは、Y県内に産業廃棄物処理施設の設置を計画し、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、Y県知事に対して設置許可を申請した。
しかし、Y県知事は、同法所定の要件を満たさないとして、申請に対し拒否処分をした。
これを不服としたXは、施設の設置を可能とするため、これに対する訴訟の提起を検討している。
Xは、誰を被告として、いかなる種類の訴訟を提起すべきか。40字程度で記述しなさい。
さ。こんなケースの場合には、どんな手順で対処するのでしたっけ?
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行政法の問題の考え方。
行政法→手順をさだめたマニュアル。
↓
・行政手続法
・行政不服審査法
・行政事件訴訟法
↓
どれの問題なのか?
↓
どのような手順があったのか?
2009/7/15(水) 午前 8:32 [ 椎名一成 ]
たとえば、上の問題。
問題文が長いから、それにびっくりして難しく考えてしまうかもしれない。
でも構成はいたってシンプル。
問題文の前半はただの事例の説明。
要は、行政庁に申請したら拒否処分を受けた。
それが困るから、訴訟をしたい。
どんな訴訟ができるのか?という質問。
2009/7/15(水) 午前 8:35 [ 椎名一成 ]
この問題のひっかけは。
「これを不服としたXは、施設の設置を可能とするため、これに対する訴訟の提起を検討している」
この部分です。
「これを不服としたX」とあるもんだから、「あ!不服審査法か!」と思ってしまうと落とし穴にはまる。
やりたいのは不服申立ではなく「訴訟の提起」
つまり不服審査マニュアルではなく。
事件訴訟マニュアルの問題。
あとはマニュアルを覚えているのかどうかってだけ。
シンプルですね。
ちなみに、この場合、申請拒否処分をなんとかしてやめてもらって設置申請をしたいわけだから。
拒否処分をした県を相手に。
拒否処分の取消訴訟と、同時に、設置許可の義務付け訴訟もあわせて提訴したい。
そういう感じです。
2009/7/15(水) 午前 8:41 [ 椎名一成 ]
お世話になってます。
長い間、弁護士を探してますが未だに依頼を受けてくれる弁護士が
現れないところ、
本人訴訟を考えてますが、
知恵と力を貸していただけないでしょうか?
謝礼は後払いになる可能性はありますが・・・
ご検討なさって、一報いただければ助かります。
よろしくお願いいたします。
2009/8/16(日) 午後 1:11 [ ansund59 ]
試験問題に基づいた解説に感謝申し上げます。
テキストと過去問だけでは不十分でしたので勉強になりました。
本当にありがとうございました。
2010/6/3(木) 午後 5:11