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全部をとりあげることは時間の都合上できないのですが、できるかぎりUPしてみます。
民法の改正によって、従前の行為無能力者は制限能力者となりました。
分類が3つから4つへ、あと準禁治産者=被保佐人の対象から浪費者が外されました。
あとは、だいたい内容的には同じです。
この分野で問われるポイントは5つ。
①保護者が誰か?
②保護者に代理権はあるか?
③保護者に取消権はあるか?
④保護者に同意権はあるか?
⑤保護者に追認権はあるか?
①保護者が誰か?
・未成年=親権者または未成年後見人
・成年被後見人=成年後見人
・被保佐人=保佐人
・被補助人=補助人
②保護者に代理権はあるか?
・未成年=○
・成年被後見人=○
・被保佐人=× 例外あり
・被補助人=× 例外あり
③保護者に取消権はあるか?
・未成年=○
・成年被後見人=○
・被保佐人=○
・被補助人=○
④保護者に同意権はあるか?
・未成年=○
・成年被後見人=× ←よく問われる。
・被保佐人=○
・被補助人=○
⑤保護者に追認権はあるか?
・未成年=○
・成年被後見人=○
・被保佐人=○
・被補助人=○
未成年について、もう少しみてみよう。
原則=未成年とは満20歳に達しないもの。
例外=婚姻による成年擬制。
4つの類型のうち、未成年がもっとも成人に遠い存在であることに注意しよう。
ほかの4つの類型は、基本的は「成人」なのです。
成人のうちで精神的に問題があったりとかして保護が必要だと「家庭裁判所」が「審判」で認定すると成年被後見人や被保佐人になります。
ですから、精神上の障害があって弁識能力がない人でも、家裁の審判を受けるまでは成人なのです。
ところが。
未成年だけは審判など関係なく、未成年です。
未成年は成人に比べて、判断能力が幼いために契約上の不利を受けることが多いです。
そこで、そのような未成年を保護することが必要になります。
◎原則=未成年は単独では法律行為をすることができない。
○例外
・単に権利える、または義務を免れる行為。(負担のない贈与を受ける、利子を受け取る)
→相続承認放棄、貸金の領収などは法定代理人の同意が必要。
・法定代理人に処分を許された財産の処分。(下宿代、学費、おこずかい、など)
・法定代理人により許された営業に関する行為。(営業種類を特定する。登記も必要)
・身分行為の一部。(満15歳以上のものは、同意がなくても遺言ができる)
法定代理人には、通常は親権をもつ親、親権者がなります。
親権者がいないとき、または親権者が管理権を有しないときは後見人がなります。
未成年は上記のように◎原則:単独で法律行為をすることができません。
ですので、法定代理人は未成年本人になりかわって法律行為をすることができますし、未成年がした法律行為に同意したり追認したりすることもできます。
また、未成年がした法律行為を取消すこともできます。
未成年の取消。
これは実はほかの3つの類型よりも、もっとも強烈です。
それだけ保護しないとならない度合いが大きいということでしょう。
スペースと時間の都合上説明を簡略にしますが、取消という行為には2つのタイプがあります。
・意思能力の欠如などを理由に取消す。
・制限能力を理由に取消す。
そして、似てるものに「無効」というものもあります。
今日はこれ以上深入りしませんが、取消と無効の違い、その競合、制限能力と意思能力の競合などの論点もあります。
未成年者本人が自ら、その行為を取消する場合。
◎「未成年である」ことを理由に取消すとき、「法定代理人の同意は必要ない」のです。
未成年者は、取消という法律行為だけは単独で有効にすることができます。
なぜなら、この制度の趣旨は未成年の保護なので、取消ことは未成年の保護につながるからです。
ところで。
法律行為、契約をするということは、通常たいていの場合、相手方がいます。
未成年の保護も大切ですが、未成年の保護と同時に、相手方の保護も考えなくていけません。
そうでないと市場の安心が損なわれるからです。
相手方の保護には4つあります。
①法定追認=民法125条
②取消権の短期消滅時効=民法126条
③催告権
④詐術による取消権否定
契約をしたのはいいが、いつ取消されるかわからないのでは相手方は不安です。
法律関係をすみやかに確定させることが相手方の安心につながります。
そこで。
まず、取消権について。
①法定追認=民法125条
取消権者(この場合は法定代理人)が全部または一部を履行したり、履行の請求をしたりした場合、契約内容を追認したものと看做されます。
②取消権の短期消滅時効=民法126条
追認可能となったときから原則5年で取消権は消滅します。
また行為そのものから20年経過しても消滅します。
次に、制限能力について。
③催告権
1ヶ月以上の期間を定めて、どうするのか確答せよと請求できる。
このとき。
催告を受けたものが単独で追認できるとき(法定代理人や成人になった未成年とか)、返事をしないときは追認したものと看做されます。
また、催告を受けたものが単独で追認できないとき、返事をしないと「取消」たものと看做されます。
④詐術による取消権否定
成人であるとウソをついて未成年者がした法律行為は取消すことができません。
ただ単に「未成年であることを黙っていた」という程度では詐術にはあたりません。
さて。
ここまで未成年のポイントをみてきました。
どれだけ、できるようになったでしょう。
平成22年新司法試験の問題を解いてみましょう。
[民事系科目]
〔第1問〕(配点:2) 未成年者に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 ア.未成年者は,その法定代理人が目的を定めないで処分を許した財産を自由に処分することができる。 イ.意思表示の相手方が意思表示を受けた時に未成年者であったときは,その意思表示は効力を生じない。 ウ.未成年者は,養親となることができない。 エ.未成年者は,遺言をすることができない。 オ.未成年者Aの子に対する親権は,Aの親権者がAに代わって行使する。 1.アイ 2.アオ 3.イエ 4.ウエ 5.ウオ ア 「目的を定めないで処分を許した財産」とはお小遣いのこと。正しい。
イ 制限能力と意思能力は別。よって間違い。
ウ 792条で「成年に達したものは養子をすることができる」とある。正しい。
エ 満15歳以上の未成年は遺言できる。961条。よって間違い。
オ 親が未成年のとき、未成年の親権者または後見人が親権を行う。833条、867条。正しい。
従って、間違いはイ、エ。
正解は3
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