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さきほどの基本マニュアルをつかって、問題をみてみよう。
問われているのは基本的なポイントであることを見抜くこと。
それが合格へのパスポート。
 
平成18年行政書士試験 
記述問題44 
保健所長がした食品衛生法に基づく飲食店の営業許可について、近隣の飲食店営業者が営業上の利益を害されるとして取消訴訟を提起した場合、裁判所は、どのような理由で、どのような判決をすることとなるか。
 
※判決には基本マニュアルにも書いたように4つのタイプがある。
はたして、どれを採用するべきか?
判決の種類は4つ。
・訴え却下判決(訴訟要件の不備)
・請求棄却判決(請求に理由がない)
・取消判決(請求に理由がある)
・事情判決(請求に理由はあるが、取消すと公益に著しい影響や障害が生じる場合。請求を棄却した上で、処分が違法である旨を主文で宣言する)
このケースでは、営業許可をうける当事者でもなく、近隣の営業者。
同業他社が出店するのを阻害したかったのであろう。
第三者が営業許可を受けることにつき、その営業許可処分そのものに口をだす権利はなく、処分そのものの法律上の利益がない。
すなわち訴訟要件を満たさず、不備によって却下がなされるだろう。
よって、解答としては次のようにでも書いておけばいいだろう。
多少、いいまわしに違いはあったもいい。
(解答例)
原告に訴えの利益はなく、訴訟要件を欠く理由で、裁判所は却下の判決をする。
 
平成20年行政書士試験
記述問題44 
Xは、Y県内に産業廃棄物処理施設の設置を計画し、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、Y県知事に対して設置許可を申請した。しかし、Y県知事は、同法所定の要件を満たさないとして、申請に対し拒否処分をした。これを不服としたXは、施設の設置を可能とするため、これに対する訴訟の提起を検討している。
Xは、誰を被告として、いかなる種類の訴訟を提起すべきか。
 
※問題文は年々長文化しているが、問われているのは基本的なポイント。
落着いて、なにが問われているのか、問われているポイントはなにか、を見極めよう。
設置許可申請→拒否処分→Xが訴訟することができるのはなにか?
Xの目的=産業廃棄物処理施設の設置。
目的を達成するためには①拒否処分の取消、そして②設置許可が必要。
処分を取り消してもらっても、また営業許可を申請しないといけないし、許可されないかもれない。
そこで、それら2つを同時に可能にするために2つの訴えを併合する。
①処分取消の訴え
②設置許可の義務付け訴訟
これらをまとめて書けばいいだだろう。
多少、いいまわしに違いはあってもかまわない。
 
(解答例)
Xは、Y県を被告として、拒否処分取消訴訟と設置許可義務付け訴訟を併合提起する。
 
平成21年行政書士試験
記述問題44 
Xは、外務大臣に対して旅券の発給を申請したが拒否処分をうけたため、取消訴訟を提起した。これについて、裁判所は、旅券法により義務づけられた理由の提示が不充分であるとして、請求を認容する判決をなし、これが確定した。この場合、行政事件訴訟法によれば、外務大臣は、判決のどのような効力により、どのような対応を義務づけられるか。
 
※問題文は試験用紙の余白にチャート化しよう。
旅券申請→拒否処分→取消訴訟
裁判所の判決→取消判決確定
判決の効力→外務大臣はどのように対応するべきか?
外務大臣が判決に影響うけるのはどんなポイントだったろうか?
判決の効力は3つ。
判決の効力
・形成力
取消判決が確定すると、はじめから行政処分がなかったものと同様の状態になる。
第三者効をもつ。
・既判力
実質的確定力。同一事項が後に訴訟上問題になったときでも、反する主張はできない。
当事者にのみ及ぶ。第三者効はない。
・拘束力
処分をした行政庁を拘束する。行政庁は判決趣旨に従う義務がある。
外務大臣が影響を受けるのは「拘束力」
外務大臣としては、とるべき手段は2つある。
旅券を発給するか、発給しないか。
判決をそのまま受け入れて旅券を発給する場合、そのまま発給すればいい。
判決を受け、なお発給しない場合、判決の拘束力の影響から外務大臣は同じ事情の下では同じ処分をすることはできない。そこで、「違う事情」で発給しない方法をとることもできる。
理由が不十分であるとして判決を受けた事情があるのだから、十分な理由にをさしかえて処分すればいい。
これらをまとめて書けばいいだろう。
多少、いいまわしに違いはあってもかまわない。
 
(解答例)
拘束力により旅券を発給するか、理由を十分にして再度拒否処分をする義務がある。
 
基本をくりかえし、くりかえし。
問われるポイントはいつも同じ。
大事なポイントをしっかりと覚えましょう。
細かい、誰もしらない論点では差はつかない。
そんなポイントは、ほかの誰もできないから心配ない。
基本ポイントができていれば、かならず合格基準はクリアする。
 
やるべきこと。
勉強初心者→基本の読み込み
勉強が進んだ人→過去問3年分の演習&基本の読み込み
勉強最終段階→本年の新司法試験短答問題を解く&基本読み込み
 
ここまでくれば、試験で問われる基本ポイントがどれなのかがはっきりと意識できているだろう。
あとは、ひたすら基本の読み込み&解答トレーニングを繰り返すのみ。
 
合格までに、最低3回。
このサイクルをやった人は、まず間違いなく合格する。
 
これを行政法と民法について、実践してほしい。
そのほかの分野については、時間がなければ省略してもいい。
 
 
 
 
 
・不利益処分の事前の対処→行政手続法
事後の権利利益の救済
・違法な行政処分→行政事件訴訟法
・違法な行政処分or不当な行政処分or不作為→行政不服審査法
 
今日は最後、行政事件訴訟法について。
行政事件訴訟法 法令データ
 
行政訴訟の歴史。
帝国憲法はドイツモデルを採用していた。行政裁判(抗告訴訟)は裁判所で扱う司法の対象ではなく、行政機関である行政裁判所の管轄とした。
戦後、憲法改正にともない、制度を英米モデルに変更。
行政裁判も司法体制に組み込み、抗告訴訟の審理判決を司法裁判所の管轄とした。
(参考)憲法32条「裁判を受ける権利」、裁判所法3条「一切の法律上の争訟」
 
行政事件訴訟の分類。
1 主観的訴訟=原告個人の権利保護を目的とする訴訟
①抗告訴訟
公権力行使に関する訴訟。
②当事者訴訟
公権力行使以外の公法関係に関する訴訟。
2 客観的訴訟
③機関訴訟
④民衆訴訟
 
1 抗告訴訟の類型
抗告訴訟には6タイプがある。
①処分取消の訴え
②裁決の取消の訴え
③不作為の違法確認の訴え
④無効確認の訴え
⑤義務付けの訴え
⑥差止めの訴え
 
それそれの内容をみていこう。
①処分取消の訴え
行政処分に不服がある場合、処分の取消を求めて提起する。
目的=行政処分の公定力の排除。
公定力→行政行為の確定的な有効力。執行力。
行政処分は公定力をもつ。
重大かつ明白な瑕疵があり無効とされる場合を除き、たとえ違法で不当であっても、行政処分は公定力を有する。
したがって、行政処分の影響をなくすためには、行政庁がみずから職権で取消すか、裁判所の判決で取消すしかない。それまでは、たとえ違法で不当であっても、一応適法で有効な行為として通用する。
つまり、国民サイドからできる行政処分の効力をなくす唯一の方法が、処分取消の訴えなのです。
不服申立と大きく違う点に、執行停止の制度があります。
また、旧請願法では請願をした後でなければ訴訟を提起することができないとされていましたが、現行不服法では前置主義は採用せず、不服申立ができる場合であっても、取消訴訟をただちに提起することができます。
提訴期間
主観的期間=処分裁決があったことを知った日から6ヶ月。
客観的期間=処分裁決があった日から1年。
(参考)
不服審査法での申立期間は「知った日の翌日」「あった日の翌日」から起算する違いに注意しよう。
試験でも狙われる。
 
②裁決の取消の訴え
不服申立裁決、決定の取消を求める訴訟。
行政処分に不服のあるものが、①取消訴訟の前に審査請求をし、棄却あるいは却下判決を受けた場合。
処分取消訴訟のほかに、同時に、その棄却あるいは却下判決の取消の訴えも提起することができる。
このように、ケースによっては同じ行政処分について、処分取消訴訟と、裁決取消訴訟が併合することがある。
2重に裁判することは、司法経済上無駄であるし、それぞれの判決が矛盾する結果になることもある。
そこで、裁決の訴えについては、行政処分の違法を利用とすることができず、裁決固有の手続き上の瑕疵のみを争いの争点にすることができることにした。
・行政処分の違法性については①処分の取消訴訟で扱う。
・不服審査裁決の手続き上の瑕疵について②裁決の取消訴訟で争う。
このように担当エリアを区分した。
これを原処分主義あるいは原処分中心主義という。
 
①処分取消の訴え、②裁決の取消の訴え、この2つを取消訴訟と呼びます。
取消訴訟を提起するには「訴えの利益」が訴訟要件(提起するための条件)となります。
訴えの利益
処分性
・対象行政行為が「処分」あるいは「裁決」にあたるものでなければいけない。
試験にでる「処分」にあたらないもの。
(法的効果を生じない行為は処分にあたらない。例:通知)
(行政庁の内部行為は処分にあたらない。)
(行政機関相互の行為)
(特殊な内部社会の行為。例:宗教団体内部、大学内部など)
・具体的状況で、客観的にみて、現実の必要性があること=法律上の利益。
法律上の利益がなければ提起できない。
(参考)法律上の利益と反射的利益。
処分の直接の当事者ではない第三者には提起することはできないのか?
できる場合と、できない場合がある。
できない場合→一般公益の保護を目的とする行政処分により、その間接的影響で利益を害された関係人の害された利益は反射的利益。この場合には提起できない。
できる場合→処分によって直接に自己の法律上の利益を侵害されるものである限り、第三者でもよく、また法人でもいい。判例:公衆浴場営業許可、建築確認など。
 
取消訴訟の結果
判決を受ける。
判決の種類は4つ。
・訴え却下判決(訴訟要件の不備)
・請求棄却判決(請求に理由がない)
・取消判決(請求に理由がある)
・事情判決(請求に理由はあるが、取消すと公益に著しい影響や障害が生じる場合。請求を棄却した上で、処分が違法である旨を主文で宣言する)
 
判決の効力
・形成力
取消判決が確定すると、はじめから行政処分がなかったものと同様の状態になる。
第三者効をもつ。
・既判力
実質的確定力。同一事項が後に訴訟上問題になったときでも、反する主張はできない。
当事者にのみ及ぶ。第三者効はない。
・拘束力
処分をした行政庁を拘束する。行政庁は判決趣旨に従う義務がある。
 
(参考)判決を受けた行政庁の反撃手段
行政庁は取消判決に拘束される。
同一事情のもとで、同一内容の処分を繰り返すことは拘束力によって禁じられる。
しかし、違法とされた別個の理由や資料に基づいて、再度同一の内容の処分をすることはできる。
そこで、いったん処分をした後、処分庁は同一性の範囲内で理由を差し替えることで対応できる。
 
③不作為の違法確認の訴え
不作為=法令に基づく申請に対して、相当の期間内になんらかの処分をするべきところを、なにもしないでいる状態。
申請を拒否、却下することは、なんらかの処分をすることにあたるから、不作為にはあたらない。
拒否に不服があれば、不作為違法確認訴訟ではなく、拒否処分の取消訴訟を提起するべき。
不作為の違法確認の訴えの要件
 
④無効確認の訴え
原則=無効確認の訴えは認めれない。
例外=行政事件訴訟法36条
いきなりで、あれですが、無効確認は原則認められない。
・不服とする処分に、重大かつ明白な瑕疵があれば、そもそも無効である。
無効な処分に公定力はない。関係者はこれを無視してもOK。
・特定の行政処分の利害関係者は、その行政処分の無効不存在を前提とする民事訴訟や当事者訴訟を提起すれば目的を達成できる。
そこで行政事件訴訟法は無効確認訴訟を原則、認めないことにした。
例外的に認めるケースは。
・当該処分または裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者
・当該処分または裁決の無効などの確認を求める法律上の利益を有する者
・当該処分または裁決の存否またはその効力の有無を前提とする法律関係に係る訴訟によって目的を達成できない者
 
⑤義務付けの訴え
国または自治体に対して、一定の処分をすることを求める訴訟。
・行政庁に対して、特定の者への規制権限の行使を求める。
特定のものにたいして、一定の処分をするべきであるのに、これがなされないとき。
(例)隣家の違法建築物によって日照権の損害を受けている。建築基準法に基づく違反是正命令を行うように求める。
・法令に基づく申請を受けた行政庁に対して、申請者が申請に基づく一定の処分を命じる判決を求める。
(例)開発許可申請に対して相当期間応答しない場合、開発許可の不作為の違法確認訴訟と、開発許可をすべき義務付け訴訟を併合提起できる。
(例)開発申請者に対して、不許可処分をした場合。申請者は不許可処分取消訴訟と、開発許可をすべき義務付け訴訟を併合提起できる。
 
⑥差止めの訴え
行政庁が現在行いつつある継続的処分または将来行おうとする処分の禁止を求める訴訟。
 
行政事件訴訟法の全体像はこれで終了。
 
・事前の不利益処分の対処法→行政手続法
事後の権利利益の救済
・違法な行政処分
→裁判所に提訴→行政事件訴訟法
・違法な行政処分or不当な行政処分or不作為
→行政庁に申立→行政不服審査法
 
司法に公平に判断を求めて、なおかつ判決を得れば命令や債務名義を獲得できる抗告訴訟のほうがかたい手段ではある。
しかし、裁判には費用と時間が必要になる。
行政庁にしても、裁判沙汰になるよりも、もっと柔軟に対応するほうがメリットになることもある。
そこで、行政庁の違法な処分、または不当な処分、あるいは不作為があった場合。
行政庁に不服申立をすることができる。
より柔軟に対応するため、抗告訴訟とは異なり、不当な処分または不作為も対象になる。
 
行政不服審査法 法令データ
 
行政不服審査の類型
①処分についての審査請求
②処分に異議申立
③不作為に対する不服申立
④再審査請求
 
処分に対して不服がある場合。
原則=審査請求か、異議申立か。どちらか一方をすることができます。
例外=特別法で両方をできることになっている場合。この場合には、まず異議申立を行い、その決定を経たあとに審査請求をする。(異議申立前置主義)
 
原則=不服申立が提起されても、その対象となった処分の執行は停止されない。
(執行不停止の原則)
その都度、停止していると行政が停滞するからである。
例外=上級庁の裁量による停止はありえる。
処分の執行によって生じる損害が重大であると判断される場合、執行停止しなけらばならない。
ただし、停止することで公共の福祉に重大な影響があるときは、この限りではない。
 
行政不服審査法に改正される以前には、請願法という法律があった。
請願法では申立できる処分を列記したものに限定し、また行政訴訟するにもまず不服申立できる場合には不服申立をした後でなければ裁判所に提起することはできなかった。(不服申立前置主義)
現行の行政不服審査法では不服申立前置主義は採用せず、ただちに提起することもできる。(自由選択主義)
 
審理手続手順
①原則=書面審理
例外=口頭意見陳述
行政不服審査法9条
この法律に基づく不服申立ては、他の法律に口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、書面を提出してしなければならない。
②提出先
原則=上級庁(処分をする行政庁の直近の上部庁)
例外=特別法ある場合には、その行政庁に直接。
③申立期間
当該処分があったことを「知った日の翌日」から起算して60日以内。
異議申立前置適用のケースでは、異議申立の決定があったことを知った日の翌日から起算して30日以内。
ただし、処分があった日の翌日から起算して1年を経過した後は申立することはできない。
→発信主義。
申立を郵送した場合、届いた日ではなく、発送した日が締切日。
郵送に要する日数は含まれない。
④受付
・申立が不適法→却下
・申立が適法であるが理由がない→棄却
・申立が適法→認容
裁決は書面でおこない、申立人に送達されて効力を生じる。
※却下と棄却の違いをもうすこし。
却下=申立形式に不備がある場合など法的要件を満たしていない場合は不適法とされて受け付けない。
棄却=形式的要件は満たしているが、その内容に申立に該当する理由がない場合に受け付けない。
⑤裁決、決定
・処分が違法または不当である→処分の取消or撤廃。
・処分が違法または不当ある。しかし、取消すと公共の福祉に重大な影響を与える場合。
→棄却裁決(事情裁決)
事情裁決の場合、取消はしないが、処分が違法または不当であることを宣言する。
(参考)裁決と判決
行政不服審査法→取消裁決、事情裁決
行政事件訴訟法→取消判決、事情判決。
判決は裁判所が決定する。したがってそれには訴訟の結果として形成力、既判力、拘束力が伴う。
裁決には、それらがない。
⑥再審査請求
再審査請求をすることができるケースは限定されている。
裁決に不服がある者は、法律に再審査請求ができる定めがある場合、または、審査請求をすることができる処分につき権限の委任が行われた場合に限って、再審査請求をすることができる。
再審査請求の期間=審査請求についての裁決があつたことを知った日の翌日から起算して30日以内。
⑦教示
不服申立の制度を国民が皆知っているとは限らない。
そこで、不服がある場合には申立ができる旨、教示しなければならない。
行政不服審査法57条
行政庁は、審査請求若しくは異議申立て又は他の法令に基づく不服申立てをすることができる処分をする場合には、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない。
 
行政不服審査法の全体像はこれで終了。
 
過去問をみてみよう。
 
平成21年度行政書士試験
問題14 処分についての審査請求に対する裁決に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 裁決には理由を附すこととされているが、これが附されていなくとも、裁決が違法となることはない。
2 裁決においては、違法を理由として処分を取消すことはできるが、不当を理由として取消すことはできない。
3 裁決は、書面ですることが原則であるが、緊急を要する場合は、口頭ですることも許される。
4 裁決に対して不服がある場合でも、これに対して行政事件訴訟法による取消訴訟を提起することはできない。
5 裁決においては、処分を変更することが許される場合でも、これを審査請求人の不利益に変更することはできない。
 
1 41条で「「裁決は、書面で行ない、かつ、理由を附し、審査庁がこれに記名押印をしなければならない」と決められている。要件を満たさない裁決は当然不適法。
2 不当を理由に申立できるのが審査請求。当然、できる。
3 41で「裁決は、書面で行ない、かつ、理由を附し、審査庁がこれに記名押印をしなければならない」と決められている。口頭での裁決は不適法。
4 裁決が拘束するのは行政庁だけ。申立人はさらに裁判所に提起することはできる。
5 40条の5に「審査請求人の不利益に当該処分を変更し、又は当該事実行為を変更すべきことを命ずることはできない」とある。
 
正解は5
 
 
問題15 次の記述のうち、行政不服審査法に関する問題点として、次の解説文中の空欄[A]に挿入すべきでないものはどれか。
  1962(昭和37)年制定の現行行政不服審査法は、それ以前の訴願法と比べれば、権利救済制度として大きく改善されたが、現在では、[A]という問題点も指摘されている。また、1993(平成5)年の行政手続法の制定や2004(平成16)年の行政事件訴訟法改正などとの関係で、見直しが必要だと考えられるようになった。このため、行政不服審査法の抜本的な改正が検討されることとなったのである。
1 行政不服審査法によらない不服申立ての仕組みが多数あるため、一般国民にとってわかりづらく、利用しづらい制度になっている
2 取消訴訟を提起するためには不服申立てに対する裁決または決定を経ることが原則とされているため、権利救済の途が狭められている
3 審理にかなり時間を要しているのが実態であるため、簡易迅速という特色が生かされていない
4 行政権の自己審査であるため、審理手続の運用において公平さに欠けるところが多い
5 不服申立て期間が短いため、権利救済の機会が狭められている。
 
2は逆。かつての請願法では前置主義があった。現在の不服審査法では自由選択主義が採用され、不服申立と抗告訴訟を自由に選択できるようになっている。
正解は2
 
 
 
 
 
行政がなにかを決定して行動する。
それは良い意味でも、悪い意味でも、国民生活に影響します。
良いほうならいいのですが、ある人にとっては良くても、ある人にとっては悪いということもある。
行政庁の行う、そのような行政処分によって、なにか損害があるようなら行政訴訟や損害賠償請求訴訟をおこすことできます。
しかし、できれば、そのような損害がでる前に、ある程度の不利益防止の策があってもいいのではないでしょうか。
 
そのための手段として、不利益処分がおこなわれる前に、弁明の機会を与えるなど。
事前に対処するためのマニュアルが決められました。
それが「行政手続法」です。
 
条文は全部で46条程度しかありませんから、覚えなくてもいいですから、一度さっと目を通しておくと理解が深まります。
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ポイントをまとめます。
 
1申請に対する処分のマニュアル
①行政庁は、できるだけ具体的な審査基準を定める。
支障がある場合を除き、原則公開する。
②行政庁は、標準処理期間を設定する。
設定後、これを公開する。
③行政庁は、申請が届いたら、遅滞なく審査を開始する。
そして、速やかに処理すること。
④行政庁が拒否処分をするときは、理由を提示すること。
⑤公聴会、意見公募など意見をきく機会を設けること。
⑥申請に必要な情報を提供すること。
 
2不利益処分を行うときのマニュアル
①行政庁は、不利益処分の処分基準を定めること。
そして、それを公開するように努めること。
②行政庁は不利益処分の相手方に対して、聴聞または弁明の機会を与えること。
・聴聞→相手方の資格地位を剥奪する重要な処分に対して行われる。
期日を決めて、口頭で行う。原則非公開。
聴聞を行った不利益処分に対しては異議申立はできない。
・弁明の機会→聴聞よりも重要度の低い処分に対して行う。
略式の書類審査。
 
3行政指導マニュアル
法令はすべての場面に対応するように細かくは規定されていない。
したがって個々具体的な事案に対しては、柔軟に運用することも必要になってくるため、行政庁は行政指導という手段も採用する。
しかし、権力のバックボーンのある行政庁が好き勝手にすると国民の権利が守れない。
そこで、手続法では行政指導のマニュアルを用意した。
①所掌事務範囲逸脱禁止
その行政庁に定められた所掌事務範囲を超えて行政指導を行ってはならない。
②不服従者に対する報復の禁止
行政庁は相手側が行政指導に従わなかったからといって、それを理由に不利益処分をしてはならない。
③強制禁止
行政指導は「任意」。
強制してはならない。
④方法
・行政指導の内容、責任者を明確にすること。
・書面の交付を請求されたときは交付すること。
 
ここまでが行政手続法の全体像。
至って、シンプル。
この骨組みは基本であるので、まずは頭にいれておきたい。
ここまで頭にいれて、過去問をみてみよう。
 
平成21年行政書士試験問題。
問題11 行政手続法が定める不利益処分に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 弁明の機会の付与における弁明は、行政庁が書面ですることを認めたときを除き、指定された日時及び場所において、口頭で行うものとされている。
2 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするときは、聴聞を行わなければならないとされているが、ここにいう許認可等を取り消す不利益処分には、行政法学上の取消しと撤回の双方が含まれる。
3 行政指導に従わない場合に行われる当該事実の公表は、行政手続法上、不利益処分とされ、それを行う場合は、弁明の機会の付与を行わなければならないと規定されている。
4 聴聞において、当事者が利害関係者の参加を求めたにもかかわらず、行政庁がこれを不許可とした場合には、行政不服審査法に基づく不服申立てをすることができる。
5 申請に対して拒否処分を行う場合は、行政手続法上、不利益処分に該当するので、弁明の機会の付与を行わなければならない。
 
1 上にも書いたように弁明の機会は略式で書面による。口頭で行うのは聴聞。
2 許認可の取消しは相手方の資格地位を剥奪する行為。重要であるので聴聞が必要。取消し撤回どちらも地位剥奪行為であるから含まれる。
3 行政指導は法令に基づかないでおこなわれる。よって、不利益処分じゃない。
不利益処分の定義については上記法令データ検索にて手続法2条の4を参照のこと。
(参考)2条の4 不利益処分=行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。
①事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分
②申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分
③名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分
許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの
4 不服審査法の対象は行政庁の違法または不当な処分。聴聞はこれに当たらない。
5 このポイントは頻出。上記2条の4に例外としてある②「申請により求められた許認可等を拒否する処分」から、申請に対する拒否処分は不利益処分にはあたらない。
 
よって、正解は2
 
問題12 行政手続法1条が定める同法の目的に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 行政手続法は、政府の諸活動について国民に説明する責務が全うされるようにすることを主な目的とする。
2 行政手続法は、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。
3 行政手続法は、簡易迅述な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。
4 行政手続法は、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。
5 行政手続法は、国の行政事務の能率的な遂行のために必要な組織を整えることによって、公務の民主的かつ能率的な運営を保障することを目的とする。
1 法令データで1条を参照のこと。国民への政治的アカウンタビリティ責任義務を果たすことではない。
(参考)1条 目的
この法律は、処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。
2 上記1条、そのまんま。正しい。
3 目的は「国民の権利利益の保護に資すること」 間違い。
4 上に同じ。間違い。
5 上に同じ。間違い。
 
よって、正解は2
 
このように、ただ単純に「知ってるか」「知らないか」で大きく違ってくる。
条文はたかだか46条しかない。
憲法よりも少ない。
点数に直結するのだから、試験までに一度は目を通しておくべき。
ゆっくり読んでも30分もかからない。
 
 

行政法 基本1

忘れてはいけないのは、この試験は「行政」書士試験であること。
本来、この試験は「行政サイドの人と仕事のやりとりをするだけの一般、法律の基礎的素養があるか?」というのをみる試験。
行政庁や自治体への提出書類を代行記入、提出申請するのが仕事です。
けっして、どこかの漫画のように弁護士さながらの法律活動するための資格ではないですよ。
 
それをまずイメージとして、頭にいれてください。
 
そして、行政サイドの人と仕事をする上で大切になってくるのが、仕事の進め方。
進め方には決まりごとがあります。
こういう場合には、こうしてください。
ああいう場合には、ああしてください。
 
仕事の進め方マニュアルがあるのです。
 
そのマニュアルが、行政法です。
 
マニュアルの全体像
1 事前手続に関するマニュアル
○行政手続法
2 救済のため行政庁に申立するマニュアル
○行政不服審査法
3 救済のため裁判所に訴えるマニュアル
○行政事件訴訟法
 
ほぼ、1−3のマニュアルがすべて。
それらを覚えれば、試験では行政法6割は正解できる。
あとは。
4 損失をうけたときの賠償マニュアル
国家賠償法
5地方自治体のマニュアル
地方自治法
 
これらをおさえれば、100%。
 
3日で1−3を終えて、ついでに4−5を1日でやって。
1週間で行政法をひととおり学習しおえよう。
 
順次みていきます。
 
 
 
 

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