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細々と連絡用、みたいな

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えー。今は機嫌が悪いです。理由は、自分がバカだからです。
この話は、(今日のところは) 以上。


機嫌が悪いので、機嫌が悪くなった理由とはまったく関係ないんですが、
読んだ人の機嫌まで悪くなりそうな話を、全然かまわずに話してみたいと思います。
いわゆるとばっちりですが、なにか文句でも? ああん?
ああ、もうすでにすげぇ感じ悪いですねー。でももう今日はこのノリで行きます。


去年だったと思いますが、うっかり富士山の樹海に行ってしまいました。
別に死にに行ったわけではなく、相方と走りに出かけたついでに観光でよったのです。


樹海は本当に美しい森でした。
死にに行くなんてもったいない。生きて帰って自慢とか宣伝すべきです。
鑑賞に堪えうる、みたこともない奇妙な風景が続く、じつに美しい森です。


青木ヶ原樹海ってのは、富士山が噴火して溶岩がドバっと地表を覆ったその上にできた森です。
地表が溶岩ってことは、土がないんです。たぶん、ほとんど10cmくらいしか。
で、溶岩ってのは、穴ぼこぼこ凸凹で、なんだかすごい奇妙なカタチなわけです。
たぶんアレに似ています。漫画版の「ナウシカ」で見る「粘菌」。あれに覆われた地表。
私は納得しましたが、分かる人ばかりでもなさそうですね。が、今日は気にしません。


で、そんな凸凹溶岩の上に、うっすらうっすら積もった落ち葉がかすかな土となり、
その土を頼りに、樹木がすげぇぇ頑張って、踏ん張って立ち上がりました。
根っこは土が浅いので地面に入っていかず、地表を這います。
溶岩の穴でもなんでも根っこを突っ込んで、己の幹を支えます。
支えられない幹は地面をのたうちます。ぐるっと巻いてから頑張って上向きに生えたりします。


そうするとですね、地表面にはなんとも不思議な、岩と根っこと木が絡み合った風景が広がり、
いったいこれが溶岩なのか木なのか土なのかなんだかよくわからないヘンテコな景色が現れます。


・・・はい。説明がめんどくなりましたので、樹海の画像探してきました
大丈夫、山岳ハイキングなHPです。ホラー系ではありません。
しかし写真とるのはホラー系の方が上手だったですね。


で、そうふっておいて、話はまよわずホラー系の方向に行きます。


樹海の溶岩はところどころ磁力を帯びていて、方位磁石がまったくききません。
しかも手付かずの自然林なので、昼なお暗かったりします。
この状態で迷子になると、生還したくてもうっかり凍死できちゃったりする関係で、
死にきれないはずの人も死ねてしまうので、自殺のメッカになってしまったのでありましょう。


そんな樹海を歩くときは、遊歩道から一歩もそれてはいけません。
それてはいけませんよといいながら、微妙にそれそうになる獣道を、
相方ときゃぴきゃぴ散歩したわけであります。周辺にほかの二人連れもたくさん見受けます。
てゆうか、アレが全部心中希望者だったらどうしようって人数です。観光地ですから。


霊というものが世に在るのなら、樹海には10個師団は駐屯していそうなので、彼らからしたら
実に腹の立つ光景かもしれませんが、美しい風景は美しいので、皆きゃぴきゃぴなのです。
気分は、あれです。お化け屋敷かキモ試しのノリなのであります。


そして、そんな人々のきゃぴきゃぴを打ち砕く光景に出会います。


木に書かれたのろいの言葉。
これを脱いだ人は何を着て帰ったのかわからないような、ひとそろいの靴や洋服の散乱。
これまたちょうどいい感じに垂れ下がったロープ。


いやな光景です。
自殺する気で来ても、やめときたくなるだろう、いやな光景です。
これを見ても思いを遂げる奴は、実はやり直せる根性があるだろうと確信しそうなくらいです。


さらに遭遇するのは、「自殺防止ポスト」って奴です。
なんで名前がわかったかって、バッチリそう書いてあるからです。


これはもう遊歩道の大きな辻ごとに立っていて、形は鬼太郎の妖怪ポストに似ています。
嘘です。わりとモダンなカタチです。
各団体、競うように設置しており、キリスト教から仏教からなにからいろいろ揃っとります。
ここで役に立たなきゃ宗教じゃないので、頑張って欲しいです。


せっかくなのでビラを読んでみました。

「全ての重荷を負ったものは、私の元へ来なさい。
 キリストはあなたの罪のために、あなたの代わりに死んでくださいました。」
すまん、今ここで言われても、それでどうしたらいいのかちょっと意味が分からん。


「御仏とは、あなたの身体にも宿っています。」
ごめん。やっぱり意味分からん。今、切羽つまってるんで、もっと分かりやすくお願い。
この辺説明したいならこのくらいはがんばらないとダメだと思う。


「あなたを待っているご家族がいます」
いたら来ないよって人にはもんのすごく逆効果だと思うんですが・・・

「命はなにものにもまして尊いのです」
わかったからお金貸して。たんないの。一億。


・・・というわけで、もちろんどれも真剣で、真心めいっぱいな感じは頭が下がるのですが、
何種類も読んでもイマイチ即効で自殺防止に効きそうな感じはしませんでした。


だいたいどの宗教も、現世で苦労したら、天国や来世で報われるからね〜って教えているので、
いざってとき、人の弱さの背をおしかねない構造があり、その点は諸刃の剣だと思います。


ところが。1種類だけ、すごく即効で自殺防止になると思ったビラがありました。
山梨県(静岡県?)の警察が作っているビラでした。


内容は、死体がどのように腐乱し、うじがわき、どのように野犬に食いちぎられ、
捜索隊がどのような苦労とイヤな思いをし、どう解剖され、後始末にどのくらいお金がかかるのかを
おまわりさんの視点からたんたんと書いたもので、最後は確かこんな風に締めくくってありました。

「美しく死のうとお思いでしょうが、それは幻想です。
現実的には、あなたの御身体は今お話したような惨状に至ります。 どうぞご一考を。
下記までお越しください。お名前は、決してお聞きしません。
お話をお聞きできますし、質素ですが温かいお食事とお宿をご用意できます。」

これは効くと思いました。
自分が死にたい気分だったときを思うと、この1枚の説得力はすごいものがありました。


私は、きゃぴきゃぴデートの真っ最中に、ビラを見つめて立ち尽くしてしまいました。
このビラを、死にたい気分になっているときの自分に読ませたいと思ったし、
死んでしまった私の、私の父に、目の中につっこんででも読ませたかったと思いました。
つっこもうにも、その目はもう失われているという現実も噛み締めました。


自殺に際した人が戦う相手は、たぶん借金でも失恋でもなんでもなく、
心にわいた幻想「そうだ、美しく人知れずそっと眠ろう」みたいな幻想だと思うのです。


辛いとき、苦しいとき、真っ暗な自己嫌悪に陥ったとき、きっぱり立ち直るためには、
「現実を正確に直視」するのが一番有効なんじゃないか、という話です。
たぶん、死にたいんじゃないのです。生きるための努力が辛すぎるだけなのです。
辛いのからはなんとかして逃げるとしても、死ななくていいはずなのです。


脳みその妄想は、楽なほうへ、美しいほうへ、自分に都合がいいほうへ流れ下りますが、
そうではなく、きっぱりと、正しく、広い視野で現実を見るしかない。


その現実っていうのは、たとえば、樹海で死んだらぜんぜん美しくなんかないってことであり、
忌まわしい評判とは無関係に、樹海という森はとてもとても美しい、ということでもあり、
必死な人間たちが死を選ぶ地が、必死の努力で樹木たちが生きる地でもある、ということです。


現実とは、多面的で、複雑で、決して白と黒では割り切れない、割り切ってはいけないのです。
割り切れないということこそが現実で、世界の不思議さで、得がたい宝物で、
だから、我々が不完全で断罪すべき存在であったとしても、生きていて良いはずなのです。


地に倒れたら、樹海の木のようにのたうちまわっても、ぐるっと巻いて上に向き直ればいい。
生きましょう。世界の複雑さと雑多さをそのままこの身に封じて。


これが、今日もバカをこいた自分自身に言いたいことであります。
憶えとけよ、馬鹿!



***


えーさて。最後には少しはスッキリした話を。
樹海散策中、どーしてもどーしても我慢ができなくなったわたくしは、
相方を見張りにたてて、茂みで用足ししてしまいました。
あれは、実に開放感がありますなぁ。
戸外でも気軽にできる男性が、かなりうらやましいと思いました。

閉じる コメント(23)

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なんだか参考になりました♡観光に行ってみたいです。。

2005/6/2(木) 午後 11:59 あんじぇりか

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ひろこちゃん。世界に復讐。うーんわかるなー。わかっちゃうのがすげぇぇぇイヤだなー(笑) でもさぁ? 私にとって世界は重要だけど、世界にとって私が重要化というとびみょうで、相手に損失を与えられない以上復讐も成立しない。なぁ・・・とか、あるとき思いました(爆) 存在しても良いかを乞うのも、悔しいけど、キレイな景色とかみると、ああまだ生かしてくださいって思ったりもする。 世界は不思議だなぁ。

2005/6/3(金) 午前 0:51 isshy☆

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あんじぇりかさん。ええもうぜひオススメ! 遊歩道から外れなければ全然ふつうのハイキング。路も平坦だし。景色は変わってるし、おまけに、うっかりシタイの第一発見者になっちゃうかもな緊迫したスリル満点(爆)

2005/6/3(金) 午前 0:52 isshy☆

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ゆずさん。樹海、いいとこだよー。もう自然美を満喫しながら人生に直面できるね!(爆)あーそれで、じゃぁ馬鹿の定義を書き足そうかなー(笑)「私が馬鹿だから」「私に何か期待してもダメだってことが分からない」お馬鹿はやめて。・・・と、こういうことなんすよ。まぁでもアレ読んでむかついて去る人もいると思うので、そういう感性の人はもちろん来ないでくれて良いわけで、掲げておけば魔除けにはなると思うんですよねー(笑)

2005/6/4(土) 午後 0:42 isshy☆

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私も樹海にハイキング、行ってみた〜い。関西人なので行き方教えて〜。昔、はとバスで富士山に行った時、樹海の“天然の冷蔵庫”(地下が掘ってあって年中氷があるので昔の人が冷蔵庫として使用していた)には行ったことがあります。ガイドさんが「樹海には入らないで下さ〜い。帰れなくなりますよぉ〜」と言っていたのですが、吸い込まれそうでした。

2005/6/4(土) 午後 0:42 [ - ]

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エレナ姉。なにぃ?行きかた教えろダと? じゃぁまず借りれるだけお金借りてそれでぜーんぶ遊び倒してから、ロープを忘れずに持っていくこと!(え?)そうじゃない行きかたかぁ。あたしに聞くなよ・・・ .ーナビのナビ子さんに行き先を入れる。▲淵啝劼気鵑里いΔ箸りに走る。はいっ。これが一番確実な行きかたでっす。・・・だからゆったろーに馬鹿に期待するなって・・・しくしく(ほくそ笑み)

2005/6/4(土) 午後 1:07 isshy☆

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青春18切符で行きたいなぁ・・・(ええ加減にせい?)

2005/6/4(土) 午後 6:16 [ - ]

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残念ながら、自殺は「症状」といえるでしょうね。 誰にも予見することも、防止することもできない場合も多いのが悲しい3万人という数字なんでしょうね。

2005/6/7(火) 午後 0:23 [ pai*lab*to*y ]

質素ですが温かい食事とお宿をご用意できますってなんかちょっと涙出そうになった。。。あたし、生きる。長生きするし。其の証拠に生命線アホいきに長いわー。樹海の地表ってナウシカの「粘菌」か。分かったヨ。これヒントに書いたんかな。四国在住なんで、樹海ってあんまり馴染みないケド、きれいなんやな。

2005/8/29(月) 午前 0:03 [ kim**824 ]

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なるほど〜。こういう発想もありますね。現実からの逃避としての自殺、しかし自殺も現実の一つに他ならないのであって、思い描いていたのとはかなりかけ離れたゲロゲロなものなんだよって認識、それはとっても大切かもしれないですね。

2005/9/24(土) 午前 1:26 Dr.Watson

最近は、人の死にいく様や死体を見る機会が少ないので、「美しい死」という考えが浮かぶのではないでしょうか。わたしは父を見取りましたが、死にいく身体は残酷なまでに破壊されていきます。そこには、ひとかけらの美しさもありません。血管までもがやせ細り、毛細血管は破れ、血の臭いがする。それが、死体なのです。

2005/12/2(金) 午後 11:55 くろねこ

ただわたしは、父を見取った経験を通して、死後の世界は「天国」であると信じています。父の最期はとても穏やかなものだったので、身体から解放された心は、物欲、身体的苦痛、そして時間という名の制約からも解放されて、天国に行くのだと思ったのです。わたしの心のどこかに、死後の世界を楽しみにしている感情があることは、否定できません。

2005/12/3(土) 午前 0:23 くろねこ

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くろねこさん。タマシイの解放って意味ではそうかもしれませんね。私も自分の父親を見送っているのですが(壁の書庫に私の歴史があります)死は救いであり逃避ともいえる印象があります。病気の苦痛の末〜だと印象も違うのでしょうね。でも死後を楽しみにしていると現世の充実がおろそかになりそうな(個人的な)印象があります。私はぜひ「生きていること」そのものをめいっぱいエンジョイして「えーもうですかぁ?」と惜しがりながらこの世を去ってみたいです。「ああやっとだ…」って去るのはちょっと辛すぎるじゃん

2005/12/3(土) 午前 9:22 isshy☆

「えーもうですかぁ?」って、いい言葉ですね。わたしはまだ、自分の「しあわせの形」がイメージできずにいるのですが、早くそれを見つけて現世を楽しみたいです。

2005/12/3(土) 午後 2:27 くろねこ

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レイさん。そうそう私もそう思った。こんな書き方したら支えてくれる家族がいたら樹海なんかこないよって人には逆効果じゃん!ってね。レイさんも私も選べない関係性である親との絆は薄かったり良いものではなかったようだけど、選べる関係性である旦那や友人といい関係を築いていく余地は十分にあって、幸福になれる可能性は「平等」に誰にでもあるし、どんな人にでも残されていると私は信じます。信じたい。。

2005/12/4(日) 午後 3:18 isshy☆

警察も死体を片付けるよりは、来て話しを聞くほうが断然心が楽ですもんね。だからこそ、切実に自殺志願者に訴えられるんでしょうね。死んだら全てなくなって楽だけどもし、後5年生きたら笑えることも絶対ありますもんねぇ・・待てないんでしょうねぇ

2007/1/19(金) 午後 7:07 [ - ]

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とらさん。この記事のコメントらんは面白いことになってましてね?実は上に並ぶお歴々は結構な率で「本気で死にたい」思ったことがある人々なんだな(笑) そうじゃない人もいるけど・・・つか、書いてる本人がそうだし。そんななかで貴女のコメントったらものすごーく実感がわいてないコメントでね、(私にとって)ステキ。「そういう人もいるんだなぁ(ふーん)」的なその実感のなさというか、まっすぐでまっとうな感じがなんだかとても健康的。いいわー。イヤ新鮮だわ。

2007/1/20(土) 午前 1:29 isshy☆

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(ひとりごと)新しい読者さんがこうして古い記事を掘り出してコメントをくれた。新着コメントを見ている常連が覗いて、ああ昔の記事だな〜と思うだろう。まぁそれはいい。。。昔あった古いコメントがひとつ、今みたら消えている。そのことがなんだか少し不愉快だ。こんなトコまで消したわけね。ログは消せても記憶は消せないし、もう私もすっかりブログも巡回してないんだからそんな手間をかけなくていいのにな。しょぼん。

2007/1/20(土) 午前 2:03 isshy☆

悲しまないでください!!うちこのブログ好きです!!うちかなりのポジティブ人間らしいんで(様は深く考えず、考えても忘れるタイプ♪)難しいことは理解できませんが、末永いお付き合いお願いします★

2007/1/20(土) 午前 3:10 [ - ]

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自殺する気はないけれど、ものすごーく気のめいることがあって、読みました。

おもしろかったです。ナイス押します☆

2014/3/23(日) 午前 1:45 COCO

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