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細々と連絡用、みたいな

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どうもやっぱりお葬式ってものの印象は深く。とても深く。
本当の意味での通常運転にはまだまだ戻っていないような気がします。

というか、たぶん以前の通常運転には戻らずに、
あたしにとっての新しい通常運転の形を模索しているような印象。

そんで、今日はじーちゃんの葬式で見かけた風景をスナップする
メモのような記事を書いておこうかなと思いました。

当然、脈絡は期待できません(爆)


***


お通夜・告別式は、たいへん立派な総合斎場で営まれました。
自分が今まで知っているお葬式を、例えば、うん10万円コースだとすると、
じーちゃんのはゆうにうん100万円超えのコースなんではないかという…
じーちゃん、自分で積み立ててたんだってさ。
なんだか本当にきれいなお花にあふれた立派なお式でした。


相方さんちは、いわゆる珍名・奇名のたぐいでして、
彼の親戚だけが名乗っており、日本に数十人しか生息してないらしいんですが
その一族はどうやら全国展開ちゅう。青森からも九州からも弔問客がきてたもんね。
じーちゃん慕われていたんだなぁ。
そして、どうやら懐かしい顔同士が出会うらしくて、なんだか皆さん笑顔でした。
大往生のお葬式ってのは、出るほうも気が楽なんでしょうね。
彼我を比べると、本当にいろいろ違うなぁって思った。


じーちゃんの孫のうち、とある兄弟がそろって神主さんになってるんですね。
つまり、相方さんのいとこさん。お父様も神主だそうで跡を継いでね。
で、その片方が、神社庁(っていうんだっけ?でも公務員じゃないはず。じーちゃんの話はワカラン)
にお勤めで、相方宅からわりと近い、車で30分のところの神社に赴任してきました。
そんで、彼の初仕事ってのが、相方さんの妹さんが今年の2月に産んだ娘のお宮参り。
じーちゃんの初ひ孫のご祈祷を、孫が初仕事でやったわけ! 
これもねぇ〜 本当に不思議な縁だよね。


なによりもじーちゃんが喜んでてねぇ〜 孫がひ孫のお祓い…って、そりゃあんまないもん。
お見舞い行ったときは、椿さんの話題のあとは、神主氏の話でしたよ。
あたしを相手に、彼の経歴やら年収やらなにやら洗いざらいお話になって
孫自慢にしちゃなんだろ?と思ってたら、着地点がまたじーちゃんらしかった。


「そういうわけだからね!
 年収もまぁまぁで、おうちは新築!家賃光熱費は神社もち!仕事は一生安定!
 だからね? あなたのお友達で、誰かいい人いませんか?
 あの子はいい子だから誰を紹介しても安心!よろしくお願いします!」


ばぁちゃんにこの話をしたら、叔母様がたにまで伝わって、みんなじーちゃんたら〜って大爆笑。
大笑いしてから、んもー じーちゃんたら…って、みんな涙、涙なのでした。


みんな幸福になってね!って、彼の頭には本当にそれしか残っていなかったの。
本当の意味で、大黒様、福の神様みたいになっちゃってたんだなぁ。


その神主のいとこ氏は、じーちゃんの葬式にじーちゃんの喪服を着て出た。
彼が先だって別件のお葬式に出ることになった時、こっちに赴任したてで
喪服の準備とか無くて、実家から遅らせるヒマもないんで、
じーちゃんに喪服を借りにきたんだって。
そしたら、じーちゃんはそれが合うならあげるよって喪服をあげちゃった。


それで、自分用には新しい喪服を発注したんだね。
新調した喪服は、じーちゃんが死んじゃうほんの少し前に届いた。
そして、その新品の夏服喪服を、こんどはうちの相方氏が着てお葬式に出た。
彼の孫ふたりが、彼のサイズと大体いっしょで、彼の喪服を着ている話になるわけ。
なんだか不思議なめぐり合わせね〜って、あたしたちは感慨しきり。


湯灌(ゆかん)の儀ってのをやってね。ご遺体を最後のお風呂に入れるわけですよ。
真ん中にどーんと平たいバスタブを置いた、不思議な座敷に通されてですね。
肌を見せないようにバスタオルで被ったまま、シャワーしてシャンプーしておひげも剃って。
葬儀会社の美人のお姉さんとお兄さんが、そりゃぁ丁寧にじーちゃんを洗ってくれてね。
それで、ご家族もみんな出てって、頭あらったり顔をぬぐったりしてあげてね。
ばぁちゃんがありがとうありがとうって泣きながら、じーちゃんをシャンプーしてね。


なんだか厳かで、しかもとてもアットホームな、不思議に幸福な光景だった。
その空間に集うぜんぶの人間の頭の中には
「ありがとう」と「じーちゃん 大好き」しか存在してないんだ。
「かなしい」とか「これからどうしよう」ってわけじゃないんだよ?
ただ、とにかくみんな「ありがとう」って言ってるんだ。


葬儀会社、高いんじゃないの?儲けすぎなんじゃないの?って思うけれど、
あんなに良い時間を過ごさせてくれるなら、高いコースを払う価値ってあるのね。
そういうこともわかった。


最近の焼き場は高性能らしくて、あっというまの45分で焼きあがるのね。
うちのお父さんの時なんて2時間くらいかかった気がするけど、はやいはやい。
でてきたじーちゃんは、気骨の人だったそのままに骨も多くて、骨壷からあふれんばかり。
いやぁ頑健な方だったんですねって、焼き場の係もぎゅうぎゅう詰め込みながら誉めてた。


最後に、細かい遺灰をさらさらって骨壷に流し込んだとき、
一陣の風が灰をまきあげて会葬者に降りかかり、吸い込み、むせる人もいた。
ああ。いまあたしは元じーちゃんだった元素を吸い込んだのだね。
不思議に感無量。


焼き場で待つ間も、精進落としの食事も、おうちに帰ってからみんなで囲むお茶会も、
なんだかにぎやかで、時に大爆笑の連続だった。
やれ、子供のころあんないたずらして親父に怒られたとか、
あんなこともあった、親父とこんなこともやったの話で盛り上がっててさ。


ここで驚くのは!
なんと、一番笑ってるのは、ばぁちゃんなんだよ、これが!
60代〜50代の息子と娘が久しぶりに勢ぞろいしてさ、
残されたばーちゃんを気遣って、楽しい昔話をしてあげてるわけ。


「そういやぁ、俺がおまえを便所に突き落としちゃってさぁ!」

「ええっ そうなの?兄さん!」

「そうなんだよー、いたずらでドアをばたんってやったら、お前ぽーんと落ちちゃって!」

「えー 私覚えてない〜」

「2歳だったもんね。」

「俺も知らないなぁ〜 あ、姉さん2歳なら、まだ俺、生まれてないころか!」

「お前ったら、もう少しでおぼれるところだったんだよー。
 おしっこが多かったらしくて頭まで沈んじゃって!」

「いやー。親父に怒られた怒られた!近所の海にぶん投げられちゃったよ!」

「そりゃぁお父さんも怒るわなぁ。いたずらにもほどがある!」

「いやー、もう海で溺れて死にそうになりながら、でもこりゃ怒られても仕方ないなって」

「そりゃそうだ!」

「親父は、妹が溺れて苦しかったのをわかれってことだったんだろうなぁ。」

「同じ溺れるなら海の方がましだなぁ〜」

「ええーー!でも、私、ぜんぜん覚えてない〜〜〜!」

「いや〜 忘れてた方がいいって!」

「わっはっはっはっは!」


ばぁちゃんは、爆笑しちゃぁ涙をぬぐい、
若き日のじーちゃんを思い出しては、こっそり一粒泣いて、またひーひー笑って、
泣いて笑って、笑って泣いてのへんてこなサンドイッチ状態になっていた。


いろんな葬式があるんだ。こんなに幸福な葬式もあるんだ。
彼我を比するとちくっと胸が痛んだけれど、でも、あたしも笑いが止まらなかった。


「そうそう、お前が便所に落ちたのは、実はその1回だけじゃないんだよ!」

「えええ〜〜? うそ! やめてぇ!」

「そうなんだよぉ! 全部でねぇ、3回!」

「ぶわっはっはっはっは!」


ああこういう風に、残されたもの同士、癒しあってゆくものなのですね。

閉じる コメント(16)

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胸に染むお話でした(-_-)

2005/7/15(金) 午前 5:53 [ gok**aku_*ori ]

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人間、こうありたいモンだなぁって、そういう理想形のような往生の仕方だね。素晴らしいよな。何がって、いっしーがこういう家族を持つ(かも)ってことがよ〜。面白いよね、人生っちゅーのはさ。 変なたとえだけど、いっしー、いじらしいじゃん。可愛らしささえ感じるわ。

2005/7/15(金) 午前 8:44 ver*v*ry7*

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いっしーは普段から可愛いですが何か?(爆)そこでさぁ「かも」って言わないでくれるかなぁ? 昨日も少しだけケンカしちゃってさ。「かも」じゃないの。「もう絶対に絶対に」なのっ。ああ馬鹿につける薬とは、油断なき自分の制御。

2005/7/15(金) 午前 11:32 isshy☆

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いや〜、だってぇ、こういことは最後の最後までわかんないっていうか・・・。(爆)でも、なんで今喧嘩できるかなぁ。相手は喪中なんだぞ〜。

2005/7/15(金) 午後 0:58 ver*v*ry7*

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うーん。あたしだって気分は喪中だわさ。おかしいなぁ昨日はなんで喧嘩になっちゃったかなぁ。うーんおかしいなぁ。始まりは喧嘩の対極だったのになぁ。難しい難しい。Very姉のぷち小説でも読んで勉強しよう(爆)

2005/7/15(金) 午後 1:37 isshy☆

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ほぉ。悪いのは私のこの口なの、ふさいでしまえってヤツで行きますか。それもまたオツです。

2005/7/15(金) 午後 1:40 ver*v*ry7*

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なんか言葉になりません。いいおはなしありがとうございました・・・。

2005/7/15(金) 午後 11:16 [ かおり ]

去年、祖母が亡くなった時、(入院してからの一年ほどは、ローテーションで泊り込んだりして介護していたので、それなりに関係はあったのですが)想像していたような悲しいって感情はすぐにはあまり感じられず、(それを感じるまでには半年くらいかかったw)妙に冷静だったのを思い出しました。親戚の人観察をひたすらしていて、「あ・・あのおやじの笑い方、いやらしくてイヤだな・・」とか「あの二人は仲悪そうだな・・」とか・・・そんなことばかり、思ってたのですが、そんなひねくれてないで、楽しい話、たくさん思い出してあげればよかったな・・ってちょっと思いましたw。

2005/7/16(土) 午前 2:46 お市

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kaoriさんありがとうね。お市さん、このじーちゃんのお話はシリーズになってまして、「カラスの宝物」書庫の「七福神」と題名につく4連作を書いてしまいました。自分でいうのもアレですが、めったに書けない類の作文を書かせてもらえたなぁと思います。。。もしまだだったらお時間あるとき読んでやってください。TOP記事にもリンクを置きました。<<思い切り泣いてから心底すっきりできる話題>>って奴です

2005/7/16(土) 午前 11:06 isshy☆

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お市さん。悲しみはあとからやってくるので、当日は冷静だったりするもんですよね。あと神経とがってるので人の言動が妙に突き刺さったりするし。だから、ひねくれてたってことじゃないと思いますよ。後悔する必要はないと思うなー

2005/7/16(土) 午前 11:37 isshy☆

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昔から故人を偲んで話す時は、笑いを絶やしてはいけないって言われていたなぁ〜〜(−o−)y−゜゜゜゜゜

2005/7/16(土) 午後 5:27 [ - ]

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なんとまあ、素敵なお葬式でしょうか・・・脚本はどなたが?と思うほどドラマチックでその笑いと涙のサンドイッチにサンドされた様な気になりました。

2005/7/16(土) 午後 11:36 wan*nno*

元彼の彼女は亡くなったのですが、そのお父様は奥様が亡くなると鬱病で引きこもりだったのに、その後の娘の葬式に集まった仲間とすっかり仲良しになり(全員40代)誰よりも張り切ってピンピン楽しく暮らしたそうです。とても素敵な女性だったそうで「死んでも人を集める」「死んで父ちゃんの欝を治す」他数々の称号をもらう人だったそうで。おじーちゃんのお話でそんなことを思い出しました。亡くなっても幸福を残し続けるおじーちゃん。。これも質量保存の法則??

2005/7/17(日) 午後 9:13 [ - ]

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あーあるかも。シアワセ保存の法則。家柄ってものを強く感じましたねー。もうね、先祖がえらいとかそういう家柄じゃなくて、お家の雰囲気ね。どんな哲学がその家系を支配しているかってこと。親は親、子は子、とか、「生まれてくれただけでありがとう」って哲学の中で育った一族は、少なくとも対象恒常性はばっちり保存されてるもんねー

2005/7/19(火) 午前 2:08 isshy☆

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先日、伯母が亡くなって、その49日法要を終えたばかりです。
とても素敵な伯母でしたので残念でなりませんが、その法要で故人の思い出話に花が咲き乱れました。笑いが絶えなかったですよ。
伯母の子供達である、従兄弟四人もまた素敵な人々で伯母は素晴らしいものを残して去りました。

2008/4/4(金) 午前 6:54 ゼットン

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愛し愛された、、、と感じました

2014/5/19(月) 午後 9:29 COCO


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