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ギリシャ国債の民間債権放棄問題は、ギリシャ政府による集団行動条項(CAC)の発動という部分デフォルトの形でひとまず当面の決着をみた。
そして、今回の債権放棄が部分的デフォルトである以上、国債スワップデリバティブ協会は、CDS発動を否定できずに今回債権放棄に応じなかった民間債権者にはCDSの保険金として債権額が保障されることとなる。
今回のCDS発動は規模が小さく、事前に関係金融機関(おそらくドイツ系であろう)はすでにかなりの引き当てを積んでいるであろうから、このことがパニックになる恐れはないようである。
今回の債権放棄に応じなかった民間債権者の姿は、明らかにはされていないが、報道等から垣間見えるのは、労組等からの反発の強い年金基金、欧米系ヘッジファンドが多いようである。
まあ、さすがヘッジファンドというところであろうか。ギリシャ国債はでは全額払い戻しを受けながら、マーケットでは恐らくギリシャデフォルトをちらつかせながら、相場を引き下げて買いこんできたことであろう。どんなときでも儲けを出すアクティブファンドの姿を見た思いがする。変な話、ここまでやってくれるのであればこういうファンドに投資したくなってくるものだ。(まあ、一般人はなかなか投資できるものではないだろうし、富裕層対象で一口億単位であろうが・・・)
今回のギリシャの影響については、ポルトガル、アイスランドへの飛び火が言われているが、投資家の立場に立てば、国家は強制的に債権放棄を迫ってくるものとの認識がこれで生まれたことになる。
当然、ギリシャ債権、ポルトガル、アイスランドなど今後のデフォルト危機に陥る可能性のある国の国債については、ポジションを下げざるを得ないであろうし、最後まで反対してCDSで保険を掛けるということから、CDS市場でのCDSの値上がりが更なる債権安を誘導する可能性は否定できない。
(余談であるが、ヘッジファンドによる日本国債の売りたたきにもこのCDSが使われる恐れがある。国債市場とは比べものにならない少額の資金でCDS指数を持ち上げていけば、恐怖感につられて日本国債は雪崩を打って売り浴びせられる、というシナリオが懸念される)
ギリシャは何とか3月20日までの延命はできたわけであるが、と言っても部分的には破たんしたという事実も残り、その後の財政改革、国内の強烈な反対運動、政権の崩壊リスク、さらにはポルトガル、アイスランドへの波及など考えていけば、何ら問題は解決されたとは言えない状況であろう。
やはり、部分的であれギリシャは破たんしたという事実、これをマーケットは今後、特に3月20日以降、どう織り込んでいくのか、本当の危機はこれから大きくなっていくリスクも捨てきれないと考えられる。
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本日ザラバの下落に続いて、日経先物イブでも-100円の9550円あたりをつけている。またダウ先物も-80ドル近辺となり久しぶりにリスクオフしはじめた株式市場である。
一方で為替はというと、1ドル80.91円と81円を抜けて円高が進み始めている。ユーロは106.37円とこちらも円高が進んでいる。
もとよりマーケットはこの間の円安、株高の煮詰まり感から適度な調整が欲しかったところであるが、結構大きな調整となる可能性もはらんでいる。
やはり、変化の材料としては、1)ギリシャ債務問題特に、民間債権放棄にかかわるCDS発動問題 2)イランを巡るイスラエルの軍事攻撃を押しとどめられなかったオバマ-ネタニエフ会談と、同時進行している原油高が景気に与える影響 という2点に絞られるであろう。
1)のギリシャ問題については、夕刊の毎日新聞に「欧州の大手銀行が債権放棄に同意」という趣旨の見出しが躍り、安定化へ向かうのかと思ったが、よくよく見てみるとドイツ銀行、バリパなど名を連ねているが、それらを集めても全民間債権の2割しかないことがブルームバーグ等で報道されている。欧州系の記事を読みに行くと、集団行動条項の発動によるCDS発動リスクが書かれており、残念ながらわが毎日新聞の報道は読者の目をごまかすものと言わざるを得ない。ここらあたりに日本の大手新聞のレベルを疑わざるを得ないと感じる。
2)については、実感として先週来ガソリン値上げで身近に感じている原油高問題であるが、根底にあるイスラエルとイランの対立関係に着目しておかなければならない。特に、これも毎日などの報道は踏み込みが弱いと思うのだが、アメリカ側の会談の目的は、ネタニエフにイラン攻撃を思いとどまらせ外交ルートの解決を承諾させることにあったはずだが、ネタニエフはイスラエルの生存権を主張して、外交が望ましいが、イスラエルの生存のためには一国でもイラン核施設攻撃をすると言い放った。今回の会談の本質は、イスラエルはイランを攻撃するとネタニエフが言ったことにより、アメリカのもくろみはもろくも崩れたことにある。日本のマスコミはそろいもそろって表面的な羅列に終始し、本質的な切り込みをやれていない。
しかし、中東地域の核は、実際に使うために保有しているのであり、イランが核を持てば必ず核戦争になる地域であり、イランの核問題が解決できなければ、相当深いダメージを世界に与えることになる。
マーケットは正直に上記の問題に反応している。今は危機感がたかまりつつある局面であるから、下げがきつくなるかもしれない。この間のリスクオンの幻想を簡単に吹き飛ばしかねない。
くれぐれもアナリストたちのバラ色論を信用せずに、慎重な投資姿勢がのぞまれる。
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イスラエルによりイランの核関連施設攻撃のリスクが高まりつつある。
イランの総選挙は保守派のアフマディジャネイド政権の大敗北、イスラム超保守派と言われるハメネイ氏派が完全勝利を収めた。イランは完全に戦時体制へ移行する準備に突き進むものと思われる。
また、同超保守派の勝利により、イスラエルのイラン攻撃も現実のリスクとなりつつある。
そういう背景の中でオバマ大統領は、イスラエル支持を改めて表明し、軍事行動も選択肢であることを明言しつつ、まだ外交努力=経済制裁が有効であるとし、イスラエルの攻撃を牽制する発言を行った。近く、オバマ-ネタニエフ会談が行われ、以上のことが再確認されるとともに、どれだけイスラエルのイラン攻撃をとどめることができるか、注目される事態である。
また、イラン総選挙の結果が見えてくる中で、週末に野田、本日には細野とあいついで原発再稼働発言を行っている。
恐らく、中東のリスクが高まる中で、中東原油の確保が近い将来困難になることを見越しての発言であろう。
折からの円安(=円高の揺り戻しでしかないが)、中東の不安などから原油の高騰、ならびに確保に相当な赤信号がともったということであろう。
昨年来の菅の下でのエネルギー政策の放棄から始まり、日本にはエネルギー政策、というよりもエネルギー安全保障という概念がまったくなくなった中で、唐突に原発の再稼働を政府としては急ぐという構図であろう。
原子力問題を云々をここで云々するものではないが、昨年来やかましく言われてきた再生エネルギーなど、中東の地政学リスクの前には何の役にも立たないことは自明のことであったはずである。それを菅退任の条件などと御大層なことを言って、エネルギー安保そっちのけの政局をやってきた民主党の愚かさが、ここで再度浮き彫りになってくる。野田は菅のような、反原発の意識はまったくない、したがって原発問題が収束しようがしまいが関係なく原発再稼働を推し進めるであろう。
未だにエネルギー政策は影も形もない。安全保障にかかわる危機管理ができない政権の下では、国の寄って立つ基本事項でこのように揺さぶられることは、この先も続くであろう。
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来週の金曜日9日に3月限の日経先物のSQを迎える。
一般に来週は波乱が予想される週であるが、底堅い展開を見せる日本株市場で株価急落の可能性はどのあたりにあるか、考えてみた。
まず日経オプションは、10000円コールと9750円プットの残高が大きいことから、上は10000円、下は9750円というところで、上向きのエネルギーが大きそうである。しかし、オプション市場では、9500円ぐらいのプットで大儲けをという筋も結構いるのではないか。
では、堅調と言われる今の市場での暴落の可能性はどこにあるか、ブルームバーグから拾ってみた。
① 海外勢買いに一巡感、裁定解消売り懸念も
大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長は「海外投資家が下げ過ぎた日本株のウエートを戻す動きにも一巡感が出ている」とし、現状からは一段と買い進みにくいと言う。東京証券取引所公表の投資部門別売買動向によると、売買代金シェアで6割を超す海外投資家は9週連続で日本株を買い越しているが、直近2月4週の買越額は784億と、前週の2407億円から大きく縮小した。
また、日本株は2月以降、海外勢の先物買いが裁定取引による現物買いを巻き込んで上昇してきた。東証データによる裁定取引に伴う現物株式の買いポジション(残高)は、先月24日時点で1兆5067億円と東日本大震災が発生した昨年3月11日時点以来、約11カ月ぶりの高水準。株価指数先物・オプション3月限のSQ算出を9日に控え、海外勢が持ち高調整に動けば、裁定解消売りが誘発される懸念もある。
ということで裁定解消売りが一つあげられる。上で言う裁定買い残の1兆5067億円という金額であるが、2010年以前をみると暴落前の積み上がりは2兆円越えであるので、それからみるとまだまだという感じもする。しかし、前回の最低買い残からの上昇で行くと、7000億円強、2010年以前は1兆円上昇してのち暴落である。ただし、2010年以前と比べると日経平均そのものは20%近く収縮しており、それを勘定にいれるとそれほど安全域は言えないかもしれない。何かの仕掛け=きっかけがあれば、裁定買の現物株を売る動きが加速される可能性もあると考えざるを得ない。
では、起こりうる仕掛け=きっかけは何か
やはり、欧州問題、とくにギリシアの債権放棄にかかわるところの動向が大きな懸念材料として浮上する。
② ギリシャの債務問題をめぐっては、民間債権者が9日までに債務交換に応じるかどうかを判断する。投資家の参加率次第で、ギリシャ政府は集団行動条項(CAC)を発動する可能性がある。CAC適用となれば、ギリシャ国債の保有者は強制的に債務交換に応じることになり、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決済を引き起こすクレジット・イベントに該当し、CDSの決済が実施される。
ギリシャ国債のかかわるCDSに関しては、その残高が20兆円も超えるとか、いや実は3兆円ほどだとか、実際のところはっきりしない。(CDSについては会計上バランスシートに記載する必要のない事項ということであり、今のところ財務諸表上は不透明と言われている) ある説では売り買い相殺するのではという話もある。しかし、上の記事にあるように、債権放棄に応じないヘッジファンド等が意外と多かった場合、CDS発動のリスクが世界中を駆け巡るのは必至であろう。その際には先物への仕掛け的な売り、リスク回避の売り、裁定買い解消の現物売りと、簡単に暴落が引き起こされる。
期日は9日ということであり。7日、8日あたりに、債権放棄状況が出てくるものと思われ、水・木というSQ波乱日と軌を一にしてくる。
(仕掛けは、実際にCDSが発動されるどうかより、債権放棄に応じない債権者が意外と多いというそれだけで十分であろう)
株価、為替は相当過熱した状態になっており、上記のリスクを考えれば、ここでいったん手じまうという投資家も多くなるのではないか、いずれにしても、買い要因も強いのであるが、SQを前にいったんリスクオフしておこうという、売り要因も強くなると想定される。
なお。
CDSについては、少なくとも債権の貸し倒れに対して購入しているものであり、世界経済に与える打撃は別として、本来のCDSという金融商品の性格からしたら、ギリシャ債権放棄と同時にCDSによる債権保障があってしかるべきと思う。しかし、今回もリーマン級のショックという錦の御旗のもとで、CDS売り手の金融機関(一説にはドイツ系が多いとか、いやアメリカの金融機関が多いとか言う話がある)とギリシャという重債務国の超法規的な救済に走ることになる。何もなければCDS発行の金融機関は掛け捨てであるから、丸儲け、いったん事が起こり保険金である債権相当額を支払う事態になれば、全世界の大きな力で、支払い免除となる。これこそ新自由主義の極致であろう。国家的なサギは全世界の悲鳴を後押しにして許され、大手金融機関は常に治外法権の世界におかれ、全世界の富を蓄積させていくのである。
*ギリシャ国債のサムライ債は債権放棄の対象とならなかったようです。日本への投資期待という話もありますが、額が少なすぎて債権放棄実務のほうが高くつくという計算のようです。 |
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野田総理と谷垣自民党総裁が極秘会談を行ったということである。
中味は、増税を担保とした話し合い解散に関しての腹の探り合いということらしい。
やはりこの種の政局には正直ついていけない。
私としては、
①民主は早く下野、解党すべきと思っている。それはあまりにも綱領もなく、誰のための何のための政党かわからなくなってしまい、議員である身分が保証されるなら嘘でも平気という党に成り下がったからである。また、最近の菅、野田内閣は悪しき自民でかつ無能な政権となている。(なお、私自身は野党時代の民主を支持していたつもりであったが)
②消費増税ありきの議論は日本経済を冷え込ませるだけのものでしかなく、否応なく格差社会を深刻化させるものでしかないので、今の時点では増税だけの議論は絶対に反対である。やるならば、経済再建の道筋とその達成の中でどのような社会・経済環境になった時に、逆進性のない形で増税を行い、かつ社会保障と財政健全化を行うのか、すべてパッケージで提示するのが政権党の責務だと考えている。
③TPPについては、すべての品目を例外なく高度な自由貿易を目指すというのは、本当の言葉で言えばすべて新自由主義・市場原理主義にゆだねるものであり、日本が目指すべき社会とは相反するものと考えている。これもどうい国造りにするかその指針なき中で、推進するわけにはいかないものである。
④外交・安保については民主党政権でズタズタになってしまった。政治にのぞむものは単に経済だけではない。国の独立と安全をいかに確保するのか、国家観が基本になければならない。その意味では、今少し日本独立の方向へ舵を切る考えを持った集団による統治がのぞましいと考えている。やはり今の政権の考えは安易な対米従属であり、いつアメリカにちゃぶ台返しをうけるかわからない、きちんとした独立国としての強い同盟関係を結ぶべきである。
そう考えていく中で、今回の民・自トップの談合である。自民党には経済再建の道筋と国に対する価値観をきっちりと国民の前に明らかにしたうえで堂々と解散を迫ってほしかったが、どうも谷垣氏は、解散があれば野田の望むものを上げようという腹らしい。
おそらく、民主だけでなく自民も割れていくしかないのであろう。
政策と誰の利益のための政党かを明らかにしない限り、このような立ち回りでは自民もいずれ解党の危機が再燃するのであろう。
谷垣氏には心より失望した。
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極秘会談、民・自に波紋=話し合い解散、連立テーマか 野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁の極秘会談が判明したことを受け、民主、自民両党内では1日、複雑な波紋が広がった。野田、谷垣両氏が消費増税必要論で一致していることから、消費増税関連法案の成立に自民党が協力する代わりに首相が衆院解散を約束する「話し合い解散」を模索したのではないかとの見方も広がっている。 極秘会談は2月25日に都内のホテルで行われた。これに関し、藤村修官房長官は1日午前の記者会見で「そういう事実はない」と否定した。今後の政局への影響を考慮し、沈静化を図る狙いがあるとみられる。一方、同日昼の自民党代議士会では、谷垣氏に説明を求める声が上がり、同氏は「私が野田さんと会ったという事実はない」と強調した。 会談内容は明らかになっていないが、関係者によると、消費増税法案の扱いが主要テーマだった。「反増税」を掲げて首相に圧力をかける民主党の小沢一郎元代表の周辺には、民自両党のトップが「消費増税法案成立−話し合い解散」で折り合うことへの警戒感が募っている。一方、民主党幹部は「今、衆院を解散したら(民主党は)ほとんど落選だ。話すとしたら『連立』しかない」と指摘した。 自民党内では、評価と反発が交錯している。谷垣氏の「対決一辺倒」路線に批判的だった自民党幹部は「自民党が与党になっても消費増税はやらなければならないから、いいことだ」と理解を示した。これに対し、中堅議員の一人は「国会論戦が茶番だということになる。国民を愚弄(ぐろう)する話だ」と谷垣氏を批判した。 (2012/03/01-12:40) |





