日々これ新たなり

安倍相場から本格的な円安・株高になるか、政治の安定にかかっているだろう

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欧州問題の最終的な鎮静化方策はやはりユーロ共同債の発行であろう。しかし、欧州の債権国ドイツはこれを認めない。この問題が堂々巡りしながら、今後も欧州問題は時として火を噴きマーケットを混乱に陥れることになるであろう。
 
こういった中で、ギリシャ、スペイン、イタリアなどの債務国への支援を嫌ってドイツがユーロ離脱するのではという懸念が一方で言われてきたが、逆にドイツのユーロ離脱の方が、ドイツを含むユーロ共同債の発行よりも現実的であるという論文を目にした。
 
長文であるが、下記に貼り付ける。
 
確かに、論文で言うように、ドイツが抜けたほうがユーロとしての財政統合の進化は早く、共同債の発行やECB,IMFの支援もよりやりやすくなるであろう。
 
また、債務国支援から逃れたドイツは、支援という負担から逃れることができる。しかし、このことは、ドイツマルクの高騰を推し進め、現在の好調な輸出に支えられた経済には暗雲となるであろう。
 
また、欧州の他の債務国から見れば、ドイツが抜けることによる一層のユーロ安が進み、ある意味通貨と財政が実質的に統合された状態で、輸出力が強化され景気回復が見えてくるのかもしれない。
 
この時には、ユーロは今のような地位は失うであろうが、ドイツを抜いたユーロ加盟国にとっては、国力と通貨の価値がある意味市場原理通りにバランスが取れ、経済にとっては好循環が期待できる。
 
ぎゃくに、このようなドイツ抜きユーロ論が高まれば、当然ドイツ側は今のドイツの好景気がなんで実現されているのかを悟らざるを得ず、そのためには、むしろ債務国を積極的に支援する道の方が安全だという意見もドイツ国内に生まれてくる可能性もかなりあるように思われる。
 
ドイツに共同債など支援の拡大を迫るよりも、ユーロ離脱を進めるほうが、より現実的な解決の道を生み出すのかもしれない。
 
そう思うと、なかなか面白い論文であろう。
 
****************************

コラム:ドイツがユーロを離脱する方が相対的に容易=カレツキー氏

2012年 07月 2日
アナトール・カレツキー
ユーロの根本的な問題は「何匹もの猫を統率する」ごとく、利害も伝統も考え方も異なり、意見の合わない17カ国の複雑な政策を調整することの不可能さにあると広く考えられている。そうではない。欧州の境界線はもっとずっと単純だ。
一方の側にはフランス、イタリア、スペイン、その他すべての重要な国々が属し、米国、英国、国際通貨基金(IMF)、欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)幹部の支持を得て、純粋な財政連邦を基盤とする厳粛かつ複雑な技術的解決策、つまりは国家債務の分担を提案している。もう一方の側はドイツだ。時折フィンランド、オーストリア、スロバキアの支持を得て、常に「ナイン(ノー)」を突き付ける。
メルケル・ドイツ首相が拒否をちらつかせる度に、ドイツは孤立して面目を失う。ドイツのヨシュカ・フィッシャー元外相が最近警告した通り、「ドイツは20世紀に2度、自国と欧州の秩序を破壊した。復活したドイツが欧州の秩序を3度崩壊に追い込むなら、悲劇的かつ皮肉なことだ」。しかし破壊屋としてのドイツの役割が徐々に認識されてきたのなら、他の国々は本コラムが先週提案したことを実行すればよい。メルケル首相に対し、大勢の決断に従わないならユーロを離脱してもらうと迫ることだ。
標準的な答えは、ドイツは欧州において「金を支払ってくれる親分」であり、ドイツが抜ければユーロ圏は「破産」してしまう、というものだ。こうした比喩は明確な思考を怠っているだけだ。その理由を理解するために、ドイツのユーロ離脱とギリシャの離脱がもたらす結果を比較してみよう。ほんの数週間前まで欧州当局者らはギリシャの離脱を「制御可能」だと表現していたが、ドイツ離脱の方が3つの理由で混乱は少ない。
第1に、ギリシャによる通貨切り下げは圏内2番目の弱体国スペインからの資本逃避を引き起こし、次いでイタリア、フランスにも影響が広がるだろう。ドイツの離脱はこうしたドミノ現象を招かない。ドイツマルクが復活してして為替相場が再設定されたとしても、「2番目に強い国」が逃避資金を引き寄せるといった事態は起こらない。もちろん一部の人々は、さらなる相場変動で儲けようと引き続きイタリアやフランスからドイツに資金を移動するだろうが、これは現在、欧州からドルやポンド、スイスフランに投資資金が流出しているのと何ら変わらない。
第2の、そして最も重要な点は、ドイツ離脱後のユーロ圏がもっと信頼に足る結束の強い集団になるということだ。ドイツの妨害から解き放たれたECBは米国や日本、英国、スイスの中央銀行に倣い、量的緩和によって短期金利をゼロまで引き下げ、長期金利は2%前後に抑えることが可能になる。同様に重要な点は、ユーロ圏各国政府がようやく純粋な財政同盟を結成し、ユーロ圏全体の財政力を使って共同債を支援できるようになることだ。そうなればユーロ圏は再び、米国、日本、英国のような単一の経済体として扱われるようになり、財政赤字比率という点でも好成績を挙げられる。IMFによると、ドイツを除くユーロ圏の財政赤字の域内総生産(GDP)に対する比率は2011年が5.3%で、英国の約9%、米国、日本の10%を下回る。金融支援を含むグロス債務の対GDP比率は90.4%。英国は98%、米国は103%、日本は205%だ。貿易赤字は英米よりもずっと少ない。要するにドイツ抜きのユーロ圏は破産状態とは程遠いし、ユーロ危機の根幹は競争力の欠如ではなく、相互負担と公的債務のマネタイズ(紙幣増刷による肩代わり)を拒むドイツにあるのだ。
第3に、ドイツの離脱に起因するユーロ圏の分裂は、弱体国が追い出されることによるユーロの崩壊に比べ、法的見地から見てずっと混乱の度合いが小さいだろう。ドイツが抜けても、ユーロは従来の協定によって統治される合法通貨であり続ける。ユーロ建てで交わされた国際的な契約は法的な影響を受けず、新ドイツマルクやドルに対して価値が下がるだけのことだ。これは2008年から09年にかけてポンドが1ポンド=2ドルから1.40ドルまで急落した際、ポンド建て契約に起こったのと同じだ。ドイツ国内法で統治されるドイツ国内の契約(例えばリテール預金や賃金交渉)だけがドイツマルク建てに切り替わる。ドイツ政府は既発国債を(投機家が望むように)マルク建てに転換せず、価値が切り下がったユーロ建てで(契約に明記されている通り)償還してコストを節約しても、法的な問題は生じない。
こうした状況だからといって、ドイツの離脱が痛みを伴わないわけではない。ドイツの輸出企業はマルク高により売上高が減少するだろう。大半のドイツの銀行は、保有しているユーロ圏内の資産がマルク建ての負債とマッチしなくなるため、政府による資本注入を余儀なくされよう。ドイツ連銀は恐らく史上最大の資本増強を必要とするだろう。ECBが運営するユーロ圏決済システム「ターゲット2」に対する債権(5月末時点で6980億ユーロで、その後も急増中)は、価値の減じたユーロ建てでしか返済されないからだ。
しかしこれらはすべてドイツ国内の問題であり、欧州全体の存在を脅かすわけではない。ドイツ以外の欧州にとって、ドイツ抜きのユーロは完璧に存続可能なだけでなく、魅力的でさえある。従ってドイツに対してユーロ離脱を迫ることは、現実味のない脅しではない。
メルケル首相はユーロ圏からの排除という深刻なリスクを冒しているのだということを、欧州指導者らが理解させることさえできれば、首相はもっと協力的な振る舞いを始めるかもしれない。その場合、実際にドイツを退去させることのコストと恩恵は試さなくて済む。
(2012年6月27日)
*アナトール・カレツキー氏は受賞歴のあるジャーナリスト兼金融エコノミスト。1976年から英エコノミスト誌、英フィナンシャル・タイムズ紙、英タイムズ紙などで執筆した後、ロイターに所属した。2008年の世界金融危機を経たグローバルな資本主義の変革に関する近著「資本主義4.0」は、BBCの「サミュエル・ジョンソン賞」候補となり、中国語、韓国語、ドイツ語、ポルトガル語に翻訳された。世界の投資機関800社に投資分析を提供する香港のグループ、GaveKal Dragonomicsのチーフエコノミストも務める。
*このコラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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