|
浜崎智仁(医学博士)日本脂質栄養学会会長は著書
「コレステロールは高いほうが病気にならない」(ベスト新書)において、
「心筋梗塞を起こしていなければ、家族性高コレステロール血症(300mg/dlを超す)の患者さん以外は、コレステロールを下げる必要はない」
そして、一般的に「コレステロールは高いほど長生きする」と主張されています。
現状は、
・ 「コレステロール低下薬のスタチンは日常の診療で一般に使用されている」
・ 「薬でコレステロールを下げたら、心筋梗塞の死亡率は減ったものの、総死亡率は減らなかった」
という複数の報告がある。
・ コレステロールを低下させても、一番大切な総死亡率は低下しないものが多く、
高齢者ではガンが増えるとの報告がある。
・ コレステロール値の高い患者さんに、食事療法によるコレステロールを下げる治療をしたら、
心筋梗塞が増えてしまったというデータもある。
これらのデータは、コレステロール悪玉説から快方されれば、すべて説明がつく。
すなわち、コレステロールは体に必要なものであること、
あるいは栄養状態が良好であることの指標と理解される。
ここ10年ほどの間に報告された日本の疫学研究はどれも、
「コレステロール値が高いほうが死ににくい」ことを示している。
代表的なものとして、
大阪府の守口市市民保険センターの辻久子氏は、
1997年に同士で検診を受けた1万6461人(平均年齢54歳)を対象に、
循環器疾患(心筋梗塞、脳卒中)の聞け任司が{ある}人と「ない」人の
5年後の総死亡率を比較している。
その結果、高血圧・糖尿病・喫煙習慣が「ある」人は、
「ない」人にくらべて総死亡率が高いことが判明した。
ところが、高コレステロール血症に関しては、
その因子が「ある」人のほうが、5年後の死亡率はむしろ低かったという。
しかも、コレステロールの低いほうから高いほうに20 mg/dl刻みで、
男女別の死亡率を比較したところ、
男性は、コレステロール値が低くなるほど死亡率が上昇し、
女性ではコレステロール値が最も低いグループと、最も高いグループで死亡率が高くなっていた。
(図参照)
そして、男女とも、
「コレステロール値240~260mg/dlの範囲が、最も死亡率が低かった」
そこで、辻氏らは対象者を6年半追跡して、その間に死亡した人達がどのような病気でなくなったのか、死因分析をすると、驚くべき結果が得られた。
コレステロール値が一番高い260mg/dl以上の人たちが、最も循環器疾患の死亡率が低かったのだ。
この数値は欧米の報告例に照らすと「非常識」なデータであるが、
「心筋梗塞と脳梗塞はコレステロールが高いと増えるといわれています。
ところが結果は、循環器疾患の死亡率が一番多くなければいけない部分で、最も少なかったのです」
特に、男性に限ってみると、コレステロール値が260mg/dl以上の高値のグループでは、
一人も循環器疾患で死亡していなかった。
女性も、コレステロール値と循環器疾患の死亡率の間には相関がみられなかった。
当然ではあるが、コレステロール値が高いことは、糖尿病にも関与していなかった。
辻氏は、この研究で明らかになったこととして、
「コレステロール値が40mg/dl上がると、循環器疾患の死亡率は4分3になる」
とまとめている。
|