遠藤@犬猫馬好き普通の獣医師の診療日記&訓練手帳

グリーンピース動物病院院長です。過去の診療記録はリストをご参照下さい。最近の記事の内容は私生活です。

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午前診はえらく閑でめげてましたが。
 
午後診はパソコンの前に座らなくても良いくらいには来院がありました。
 
そんなに難しい症例ではないのですが、普通に高齢犬に見られる問題として、高齢犬の変形性骨関節症が1件来てましたので、紹介してみたいと思います。
 
高齢犬と言っても、しっかりとした足取りで十分に長い散歩もやって来ているコーギちゃんなのですが。先週の来院の少し前から右前足の痛みを訴えていたそうです。
 
触診では痛みとかは無かったのですが。歩行は明らかに右前足をかばうものでした。
 
エックス線検査を試みます。肘を強く曲げた側面の写真と、前に伸ばして前後方向で取った写真とに、肘関節付近に骨棘と呼ばれる尖がった新生骨が複数見られました。大型犬に良く見られる内側鉤状突起分離症とかは無いようです。
 
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前足をかばう原因は、この骨棘が出来るような炎症性の問題だと思います。
 
非ステロイド性消炎鎮痛剤を1週間分処方しました。犬は特に肥満という感じではないですから、体重減少は指示しませんでした。
 
1週間経過した本日、再来院して来ましたのを診ると、すっかり改善して調子良い状態です。
 
ここで、治療を打ち切ったりするのはどうかと思いますので、非ステロイド性消炎鎮痛剤を出し続けるか、もう少し根本治療に繋がるような何かを試みるかのどちらかですから。
 
飼い主様と相談の上、週1回の注射を4週連続試みることにしました。
 
しばらく前から販売されるようなった注射薬で、変形性骨関節症の根本治療に繋がる、週に1回4週連続皮下注射という面白いお薬が使えます。
 
私の症例でも数件使用していますが、何年も非ステロイド性消炎鎮痛剤を使わなければならなかったラブの股関節の痛みが、注射の後2年近く薬要らずになった例もあるのです。
 
注射開始時に痛みがある場合では、注射の効果がはっきりと実感出来るのは3回目から4回目であるということと、これが効くからといって、使用量を増やすと却って効果が無くなってしまうという、不思議なところがあることを飼い主様に説明しながら注射を実施しました。
 
注射の後、今までのかかりつけの獣医さんは、この4年前くらいからフィラリア予防前の血液検査をしてくれないようなって、この子の健康状態に不安を感じているということでしたので、格安のフィラリアセット検査は5月一杯で終了していることを了解していただいた上で、採血を実施しました。
 
全血球係数と生化学16項目を測定してみると、内蔵機能やホルモンバランスについてはかなり良好な状態だという結果が出ました。
 
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コーギちゃん。変形性骨関節症が早く良くなって下さい。そしてお姉さまを安心させてやって下さい。

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今朝は、昨日クッシング症候群と仮診断したシーズちゃんのACTH刺激試験をやりました。
 
9時前にお預かりして、まず採血を行ない。すぐにコートロシンという副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を注射剤に製品化したホルモン剤を筋肉注射します。
 
ACTHを大目に注射すれば、副腎皮質はその持てる能力一杯の副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を分泌しますので、1時間後に採血してコルチゾールの量を測定すれば、副腎の生物活性的なサイズが評価出来るということなのです。
 
注射後1時間の採血も無事に終了し。さっきシーズちゃんは帰って行きました。
 
結果は、多分明後日にはこちらにFAXが入ると思います。
 
ところで、昨日夕方に、多尿多飲、多食の症状を呈する13才のパピヨンの男の子の来院がありました。
 
この春のフィラリア予防開始の血液検査で、健康診断コースを取られて、詳しい血液検査を実施したところ、肝機能、腎機能には異常なく、アルカリフォスファターゼの高値のみが観察されたことと、多尿多飲多食という臨床症状が一致したということなのです。
 
ACTH刺激試験を実施したいのですが。当院に1本だけ準備しているコートロシンは、明日つまり今日のシーズちゃんのために予約されているような状態ですから、火曜日か木曜日に検査を実施することで了解を得ることが出来ました。
 
ただ、パピヨン君の診察をしている時に、異常に咳き込むのに気が付きまして。
 
飼い主様に了解を得て聴診してみたところ、異常に脈が飛びます。不整脈の存在は確かです。心雑音は聴こえませんので、弁の部分での逆流とか大動脈や肺動脈などの部分が狭くなっているとかは考え難いです。
 
胸部エックス線検査と、コンピュータ解析装置付き心電図検査を実施することにしました。
 
結果は、気管虚脱に、左右心室の軽度の肥大と、心室性期外収縮というものでした。
 
心室性期外収縮は、安静にしている時には生じないようですが、興奮した時にこれが多発すると、いきなり心室細動に移行して、突然死する可能性があると思います。
 
一応気管支拡張剤と抗不整脈剤を処方しました。今後の経過によっては、心臓病の専門医に紹介して詳しく診てもらった方が良いかも知れません。
 
生き物は、高齢になるといろいろ出るものであります。
 
ただ、それはそれで仕方のないことですから。人間であれ、動物であれ、生きている間なるべく元気で活動出来て、それなりの寿命をまっとう出来るように維持して行くのが、医療、獣医療の役割りだと思います。そのためには動物の状態を正確に観察して、必要であれば確定診断に繋がるように適切な検査を実施して行きたいと考えるところであります。
 
 
 
 
 
 

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本日午前診を受診したシーズー犬の8才女の子ですが。 当初の受診目的は狂犬病予防とフィラリア予防でした。
 
しかし、飼い主様は、彼女の愛犬がこの3ヶ月から4ヶ月の間、異常なほどに水を飲むということをすごく気にされていて。
フィラリアの検査で採血するのであれば、せっかくの血液で自分の犬の飲水量増加の原因が判らないだろうか?と言われます。
 
この子の場合、未避妊ですから、飲水量増加の原因リストに子宮蓄膿症を加わえておくべきことを説明させていただいて。
子宮蓄膿症については腹部エコー検査を実施することにして。
 
採血を実施して、フィラリアの抗体検査と同時に、全血球計数と血液生化学検査ひと通りを行ないました。
 
血液検査を行なっている間に、腹部エコー検査を行ないました。
 
エコー検査では、子宮には異常は認められず。腎臓や肝臓、脾臓、膀胱も異常ありません。
 
副腎は、私の実力不足のせいか?腸内容のシャドーが影響して描出出来ませんでした。
 
血液検査の結果が出てみると、アルカリフォスファターゼの数値が3,500オーバーです。それ以外はGPTの極く軽度な上昇と、ナトリウムイオン、クロールイオンの僅かな低値があるだけでした。
 
臨床症状は、多尿多飲、多食、腹部膨満、運動したがらず易疲労性ありですから。 血液検査の結果と考え合わせると、副腎皮質機能亢進症すなわちクッシング症候群が最も疑わしいと思います。
 
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クッシング症候群の確定診断のためには、今からACTH刺激試験という検査でその存在を確定して。 その後もう一度高用量デキサメサゾン抑制試験という検査で、その原因が脳下垂体の異常による下垂体性クッシングか、副腎癌による腫瘍性クッシングのどちらかか?という鑑別を行なう必要があることを、飼い主様にお話ししました。
 
とりあえず明日に、ACTH刺激試験を実施するということで、今日のところはいったん帰られました。
 
クッシング症候群については、今年に入ってから5件ほど疑わしい症例があって、そのうち4件についてACTH刺激試験を行なっています。
 
1件は、スクリーニング試験と臨床症状からすごく怪しいという結果が得られていたのですが。飼い主様が更に2回も血液検査を行なうと聴いて、嫌になられたのか?それ以上の検査を望まれませんでした。
 
ACTH刺激試験を実施した症例のうち2件については高用量デキサメサゾン抑制試験で下垂体性クッシングと確定診断がついて、副腎皮質を穏やかに破壊するお薬での治療を実施したのですが。1件は全然大丈夫だったのと。1件は非常に疑わしいグレーゾーンという結果で、3ヶ月から半年後にACTH刺激試験の再検査を実施することにしてます。
 
また、確定診断がついた症例のうち1件は、患者様の年齢が2才と異常に若く、そのマルチーズの女の子は、1才ちょっとから肝機能異常、気管虚脱などなどの疾患が発見されていて、どう考えても遺伝的に何かおかしいものがあると思われる症例でした。
 
今日の午後は手術が入っていなくて、動物病院顧客管理ソフトの使用ライセンスが切れるとのことで、管理ソフト作成会社から営業の人がやって来て、ライセンス更新の手続きをやったりした後、この日記を書いています。
 
フィラリア予防と、狂犬病予防のシーズンももう終わりになって、これから長く辛い不景気なシーズンに突入します。
 
リーマンショック以後、私の動物病院は、世間の他の動物病院もそうらしいのですが、ひどい業績低下に悩まされています。
 
何とかしたいのですが、何ともなりません。
 
せめて1件1件の症例を丁寧に診て、良い仕事を積み重ねることにより、皆様にもっともっと信頼される獣医師になって、グリーンピース動物病院をしっかりと経営して行きたいと思います。

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昨日去勢手術後に状態が悪くなって、ICUにて治療をさせてもらったフレンチブルドッグの男の子ですが。
 
夕方から呼吸状態も平常に戻ったのですが。一応一晩は酸素濃度40%の部屋で過ごしてもらいました。
 
今朝はすっかり状態も良くなって、食事も食べてくれて、飼い主様にお返し出来る旨電話連絡を入れさせていただきました。
 
飼い主様の都合により、午後からの退院になりますが。全然大丈夫です。
 
ホッとしました。
 
しかし、短吻犬種は難しいところがあります。最近は航空貨物で犬を送る際に、短吻犬種は断られるようになったのは、こういうことが起きやすい犬種だからということなのです。
 
生き物は難しいです。どんなに事前に検査を入念にやっても、何かが起きる時には起きるわけですから。
 
それでも、この度は、異常に対して早目にいろいろ対策を講じましたので、大事に至らないで済んだのだと思います。
 
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イングリッシュブルドッグ、フレンチブルドッグ、パグなどの口吻が短い犬種の事を一般に短吻犬と括るのですが。
 
これらの犬種については、呼吸循環器系に問題のある子が比較的多い傾向があり、麻酔とか外科手術の際にはヒヤリとさせられることが、時々あります。
 
今日の午後の手術は、6才になるフレンチブルドッグの男の子の去勢手術でした。
 
何で今頃去勢かといいますと。彼は最近飼い主様のお孫さんにえらく熱心にマウンティングするようになったらしいのです。
 
マウンティングが、性的な興奮を伴なっているものか?あるいは自分に対する飼い主様の愛情をお孫さんに奪われるということを怖れて、優位行動を示そうと思っての行為なのか?
 
どちらにしても、去勢手術はその解決の手段の一つでは有り得ます。
 
単吻犬ですので、術前検査は胸部エックス線検査やコンピュータ解析装置付き心電図検査も含めて丁寧に行ないました。
検査の結果では、気管が比較的細めだということ以外は、特段の異常は見つかりませんでした。
 
本日、朝一番に預かって、まず静脈カテーテルを前腕に留置して輸液を行ないます。
 
午後1時から麻酔導入を開始し、麻酔もスムーズに導入出来ました。
 
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ただ、気管チューブを挿管する際に、声門の径が予想よりも小さいのが気になりました。
 
術中の麻酔は至って安定しており。手術もどうということなく終了します。
 
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覚醒は順調で、回復室に収容すると、すぐに立ってこちらを見ています。この時点では全く問題を感じません。
 
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しかし、その後1時間を経過した頃から、嘔吐を繰り返すようになりまして。
 
吐いた後、舌の色が如何にも悪くなって来ましたので、嘔吐止めと胃酸を抑えるお薬を皮下注射して。そのままICUに収容しました。
 
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温度、湿度、酸素濃度がコントロール出来るICUはこんな時に大きな力を発揮してくれますので、助かります。
 
流涎や鼻水も気になりますので、輸液速度はごくゆっくりに設定して、利尿剤も使いながら、テレメーターで測定出来る心電図も装着して、心室性期外収縮とか生じてないか?様子を見ています。
 
フレブル君、今夜は預かって経過を注視した方が良いかと思っています。
 

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