遠藤@犬猫馬好き普通の獣医師の診療日記&訓練手帳

グリーンピース動物病院院長です。過去の診療記録はリストをご参照下さい。最近の記事の内容は私生活です。

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先週に陥頓ヘルニアで緊急に手術をやって、その後変に吐くので検査して、膵炎という診断に至ったトイプードルのナナちゃんは、その後の治療のよろしきを得て、本日目出度く退院の運びになりました。
 
これからは、食事には特に気を付けて、再発を防がなければなりません。
 
とはいえ、元気な姿でお返しすることが出来てホッとしています。
 
ナナちゃん。いつまでも元気で過ごして下さい。
 
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鼠径ヘルニアの陥頓したのを、11日に手術したトイプードルのナナちゃんのその後ですが。
 
手術の翌日から変に吐くようになりまして。
 
正直、傷んだ腸管の切除と吻合の手術については、我ながら完璧に出来たという自負もありますので。 どうしたものか?と不審に思っていました。
 
手術の2日後の13日の朝にも、夜間に吐いた跡がありますので、一応血液検査で状態を評価してみました。
 
すると。 大方の数値はほぼ正常なのですが。 リパーゼという膵臓とか上部腸管由来の項目が894U/Lという高値を示しています。
 
クライアントに断りを入れて、犬膵特異的リパーゼという膵炎に特殊化した検査を、東京のアイデックスラボラトリーズに依頼しました。
 
同時に、輸液のラインを介して、抗菌剤2種類と、嘔吐止めと消化管運動改善剤、胃酸を押さえるお薬とを投与して、13日の朝から流動食を給餌してみました。
 
一応13日と14日には嘔吐は見られませんでした。
 
ところがです。 14日の夕方にアイデックスからFAXで届いた返答では、犬膵特異的リパーゼの数値が1000μg/Lオーバーというとんでもない数値だということでした。 この項目、正常値は200μg/L以下なのです。
そして、この項目の数値が正常値よりも高い場合にも高くない場合にも、膵炎であるか膵炎でないかがほぼ9割の確率で診断出来るということだったと思います。
 
正直、腸管の手術で上昇するのかどうか?検査センターによる確認が取れているわけではないのですが。過去にセミナーを受講した記憶では、確定にも除外にも9割の確率だということでしたし、膵臓由来の特異的なリパーゼですので、腸管を切る手術くらいで上昇するような項目ではないと思います。
 
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ナナちゃんも、そのオーナーさんも、運が悪過ぎます。
 
そもそも、同じ家で暮らす2頭の犬が、子宮蓄膿症と陥頓ヘルニアとで、1週間のうちに両方共が緊急手術を受けること自体が、非常に珍しいことだと思いますのに。
 
その上に、膵炎を継発するなんて、普通では有り得ないことだと思うのです。
 
それでも、気を取り直して治療を続けていて。 15日の朝まで嘔吐がありませんでしたので、輸液用の静脈カテーテルの状態があまり良くなかったこともあって。 15日の朝からはカテーテルを抜去して輸液を中止し。 投薬を経口に切り替えてみました。
 
午前に来院されたクライアントには、検査結果をお伝えして、そんなに悪い状態ではないと説明をしたのですが。
 
クライアントが帰ったそのすぐ後に、ナナちゃん、嘔吐してしまいました。
 
そんなわけで、現在ナナちゃんは、静脈カテーテルを再留置して、静脈輸液を再開して、投薬も輸液ラインから実施しているようなことであります。
 
さて、ナナちゃん。 私もこんな事例は全く初めてで、正直戸惑っているようなことですが。 これからどうなって行くのでしょうか?
 
でも、まあ、そんな泣き言を言っても仕方が無いので、とりあえず膵炎の治療に全力を尽くすことにします。 幸い劇症ではなさそうなので、何とかなるのかも知れません。
 
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火曜日の残業ダブルヘッダー手術のダメージが、徐々に利いて来た金曜日の午後ですが。
 
お電話がかかって来ました。 ってお電話はいつもかかって来ます。
 
内容は、来週木曜日に避妊手術と併せて鼠径ヘルニアの手術を実施しようと予定を組んでいた、7才のトイプードル女の子ナナちゃんから、じゃなくて、ナナちゃんのオーナー様から。鼠径ヘルニアが大きく硬くなって、ナナちゃんが苦しんでいるということです。座ったりが出来なくなって、食欲も廃絶、元気が全然無いということですから。ヘルニアの陥頓の疑いを強く持ちました。
 
ヘルニアの陥頓とは、鼠径ヘルニアとか、臍ヘルニアとか、会陰ヘルニア何かのいわゆる脱腸系のヘルニアの内容が、ヘルニアの穴(ヘルニア輪といいます)から多く脱出し過ぎて戻れなくなり、その上にヘルニア輪で締め上げられて内容の移動が出来なくなった状態をいうのです。
 
陥頓ヘルニアの場合、脱出した腸管が壊死を起こして腸内容が出て来ると、腹膜炎を起こして死んでしまいますから、これは救急疾患ということになると思います。
 
ナナちゃんのオー.ナー様にはすぐに来院するようにお伝えしました。
 
来院したナナちゃんを診ると、まさに陥頓ヘルニアです。 脱出した内容物がカチカチになっていて動きません。
 
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エコー検査を実施してみると、内容は腸管とか子宮とかのようです。
 
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午後診が終わったら残業手術をしたい旨看護師長さんにお伺いを立てて了解を得て。 ナナちゃんについては前腕の静脈にカテーテルを留置して、乳酸リンゲル液にビタミン剤を添加した輸液を開始しました。
 
午後7時に午後診が終了したら、早速麻酔導入です。
 
アトロピン皮下注射、鎮静剤投与、モニター類装着、麻酔導入と気管挿管、静脈輸液の再開と仕事は順調に進み、いよいよ手術です。
 
ヘルニア嚢を切開してみると、内容は子宮と小腸でした。ヘルニア輪で絞扼されて血液循環が止まっていて、壊死しかかっています。
 
内容をもう一度腹腔内に戻すために、ヘルニア輪を少しだけ切って広げなければなりませんでした。
 
次いで、卵巣子宮全摘出を行ない。それから壊死した小腸を切除して、健康な小腸の断端を吻合します。
 
言葉で言えば簡単なものですが。手術の終了は午後10時頃でした。
  
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この画像は、切除した腸管の物ですが、右側から上に向かってカーブしている管状の構造が腸管で、それに抱かれているような物が、腸間膜の脂肪です。 腸管の右上の部分が黒くなっているのは、壊死している部分です。
このまま放置していたら、そこが破れて内容物が出て、腹膜炎になってナナちゃんは死亡していたと思います。
 
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実は、ナナちゃんは、今週火曜日に子宮蓄膿症で緊急手術をやったトイプードルのココちゃんと同居しておりまして。
 
同じオーナー様のワンちゃんが、1週間のうちに2頭緊急手術を受けるという事態もそうそう無いこととは思います。
 
運という奴は、難しい物ですね。
 
疲れましたが。ココちゃんに続いてナナちゃんも助けることが出来て、ホッとすると同時に嬉しく思います。

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05/09 膵炎猫ちゃん

8日火曜日から膵炎で入院していた黒猫のヤンガスちゃんですが。
 
預かっている間にも、治療中にも関わらず、悪化の一途を辿って。
 
9日の夜からは、尿の排出も止まってしまいました。本日朝一番の血液検査では尿毒症に陥ってしまっていることが確認されました。
 
治癒の見込みも無いと判断したので、飼い主様にお返しして自宅で看取っていただくようにお話ししていたのですが。
奥様は夕方ご主人が帰宅されてからの退院を希望されましたので、夕方まで治療を継続することとしておりました。
 
しかし、黒猫ヤンガスちゃんは、退院を待たずに、昼前に逝ってしまったのです。
 
非常に残念に感じております。病気に対して全く歯が立たなかったのです。
 
重度の膵炎の場合、医学の発達した人医の分野でも死亡率が高いと聴きますし。 仕方がなかったのかも知れませんが。 それでも悔しい気持ちは変わりません。
 
また、猫ちゃんも亡くなってしまって可哀相なのですが。愛猫を亡くされて心を痛めておられるクライアントのご夫婦にも気の毒な気持ちで一杯であります。
 
この度の膵炎は、チョコレートドーナツを少量食べた直後から始まったということですから、チョコレートが引き金になった可能性も否定出来ません。
 
他の膵炎でも、異常に高カロリー、高脂肪の膵外分泌機能に負担を与える食事が引き金になることもいろいろ言われております。犬猫と一緒に暮らしている方々においては、与える食事にはやはり注意を払っていただきたいと思います。
 
なあ、8日火曜日に子宮蓄膿症で緊急手術を行なった2頭のワンちゃんは、どちらも経過良好で、1頭は本日に、もう1頭は明日金曜日に退院出来ることになりました。 こちらは嬉しい結果なのですが。
 
重度の症例だったとはいえ、膵炎に歯が立たなかったのは、やはり残念に思います。

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8日の夜は、膵炎の猫ちゃんだけではなくて、その他にも高齢牝犬の子宮蓄膿症が2件来院があって、緊急で手術をやっている合い間に、マルチーズのココちゃんが玉ネギの入ったかき揚げを食べたということで時間外に来院されたりと、結構大変でした。
 
子宮蓄膿症の1件目は、前日から急に性器よりの排膿が始まったという日本犬系の雑種のミミちゃんです。
 
腹囲も相当膨満していて、かなり大変そうなお腹です。
 
血液検査では中程度の貧血、白血球数特に好中球の増加、血小板数の増加が顕著でした。生化学検査の方には、アルカリフォスファターゼが上昇しているくらいで、大した異常はありません。
 
腹部エックス線検査では、これぞ子宮蓄膿症というようなすごいマス陰影が見られます。
 
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午後7時から手術を始めましたが。 お腹を開けると、子宮の大きさはすごかったです。
 
手術は無事に終了しました。
 
もう1件の子宮蓄膿症は、先日総コレステロールの値が異常に高くて甲状腺機能低下症か?と疑ったトイプードルのココちゃんです。
 
元気食欲が回復しないということで再来院して来ました。
 
ここで、私は彼女の白血球数、特に好中球数と血小板の増加の原因について、それまで重度の歯周病があるために、それが原因か?と疑っていたのが、彼女が未避妊の女の子であるということに思いを致して。ここは絶対に子宮の病気をチェックすべきと考えたのです。
 
腹部エコー検査を飼い主様にお勧めして、実施したところ。
 
お腹の中に、膀胱以外に液体が充満した袋状の構造が沢山みつかりました。でも、それは、エックス線検査では見落としたかも知れないくらいの大きさです。
 
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ココちゃんの飼い主様には、子宮蓄膿症の疑いが濃いということを説明し、手術の同意を得ましたので、当日中、先のミミちゃんの後に、手術を行なうことにしました。
 
さて、午後7時からミミちゃんの子宮蓄膿症手術を実施して。それが終了した時に、待合室でお待ちだったミミちゃんの飼い主様を呼びに行ったところ、待合室のソファでマルチーズを抱っこして気まずそうにお座りの女性が居られます。
 
マルチーズは、この子もココちゃんというのですが。 約1時間半前に玉ネギの入ったかき揚げを、ちょっとだけ食べてしまったということで。 お母さんは相当不安そうにしておられます。
 
ミミちゃんが麻酔から覚醒するまでの合い間に、マルチーズのココちゃんに吐剤を飲ませて吐かせてやりました。
 
吐き出されたかき揚げは、お母さんが考えていたよりもはるかに多かったようでした。
 
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マルチーズのココちゃんは、かき揚げを吐いた後は、全然元気で大丈夫そうでしたから、お薬とか出さずに、何かあったら私に連絡するようにお伝えして帰っていただきました。
 
その後、トイプードルのココちゃんの手術を済ませ、後片付けをして帰ったのは日が変わるころでした。
 
私は遅い夕食を食べた後、深夜にも何回か手術の子や膵炎の子の容態観察を行ないます。
 
今朝は随分疲れてました。
 
でも、この子らが頑張って治ってくれて、飼い主様たちが喜ばれるのであれば、私も頑張り甲斐があるというものであります。
休日は潰れてしまったけれども、有意義な過ごし方が出来たと思います。
 

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