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おひさしぶりです
最近の僕は、PCPS(人工心肺)の入った患者を毎日泊り込みで管理してます。
先日、そんな僕の前に、うれしい訪問者が来てくれました。
その人はまさに2ヶ月前、今の患者と同じ位置で、ECMO(人工肺)を入れていた患者です。
その人はまだ30代。某難病にかかっていてその疾患の急性増悪をきたし、緊急手術、術後にARDSを発症し
普通の人工呼吸器では全く呼吸を保てず、人工肺を導入してようやくICUに搬送できた患者。
当然ながらARDSに対するECMOは効果がないというエビデンスがある。後に出てくるNO療法も。
これだけやっても見通しは厳しいという病状説明に、泣き崩れる家族
でも僕らはいつものように、戦う。スタッフ一同で毎日レントゲンをチェック
医師、看護師、理学療法士がそれぞれの立場から思ったこと、意見を自由に出し合って、積極的な体位交換、加圧吸引を行った。ECMO導入中にも側々位もとった。当然、MEも日夜問わずこまめに機械を点検してくれる。
毎日熱心に通う家族、クリスチャンの一家で面会のときに毎日祈りを捧げてる。時に教会のお偉いさんも来て祈ってくれる。
そして、小さい子供の声を毎日録音してくる妻。
4日程で、ECMOからなんとか離脱。
これも予後改善効果がないといわれているNOも使いながらではあったけど、NOで酸素化を保っている間に、腹臥位を中心とした計画的な呼吸器理学療法で肺はみるみる改善
ICU入室1週間程度で抜管、次の週には病棟へ笑顔で帰っていった。
その時点で十分、感動だったけど
そんな患者が何と、自分の足で歩いて来たんです!
その日が退院だと報告に来てくれた。
僕が病状説明の際に
「毎日の祈りが通じたとしか思えません、今度からはICUにいる他の重症患者さんたちも良くなるように祈ってくださいね」
という話をしたのを覚えててくれて、教会で皆で本当に祈ってくれたという報告もしてくれました。
でも、当初はこの患者、僕は担当したくないと思ってた。
この患者が来るわずか数日前に僕は同じ30代の重症患者を管理していた。
その人も同じように超重症で深夜に緊急手術をしたが、助けることができなかった。結果論だが前医での診断の遅れが不幸な転機につながった理由のひとつであろう。
悲しさと、さびしさと、やるせなさと、無力感と。
わずか2週間のうちにみた天国と地獄、うれし涙と悲しい涙
これが僕らの仕事、責任、そして醍醐味
さぁ、明日は今の患者のPCPS導入後8日目
機械はもう限界。明日のPCPS離脱、奇跡は起こす。
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