イギリス留学体験記

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5月にイギリスで臨床実習してきました。その時の日記です。救急とホスピスがメインです
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僕がこの前の5月に一月実習に行ったところであり、
休学して1年行った場所でもある
University of Leicesterの日本語のホームページが出来ました!
http://www.leicesteruni-jpoffice.com/
医学関係のことはあまり載ってないけど。

僕は大学3年が終わった後に一年間休学して
English plusコースっと言って、一年間のうち英語のコース半年プラス授業聴講半年なんていうおいしいプランで行きました(さっきみたら俺の行った時よりダイブ値段が上がってたけど…)

ここの英語のコースは本当に良かった〜
英語の勉強って一口に言ってもいろいろあるけど、向こうの大学に通うための英語力を身に付けさせるって言う目標が明確にされてて
Writingはacademic writingっていって論文調の文章の書き方、Speakingは英語でプレゼンテーションをするために必要となるキーフレーズを徹底的に練習した
おかげで、その後の授業聴講のときのプレゼン、小論文も無事つくることができた。

その、授業聴講した生命科学科?はマジマジマジで世界でもトップレベルぽくて
犯罪の遺伝子捜査を確立してノーベル賞候補の呼び声も高い、Sirの称号をもらった先生をはじめ、大学院生がバンバンネイチャーシリーズに投稿するという、とてつもない優秀さ。
毎日のように世界の著明な先生を呼んで講演会とか行われてたし

その他の学部も、MBA、Museum study(博物館学?)、宇宙物理、とかも有名。
周囲にイギリス留学とか興味のある人がいたらぜひ紹介してあげてください

5月31日 火曜日

アメリカで医者になるための情報は山のように流れていますが、イギリスで医者になるための情報ってほとんどないですよね。今日はちょっとそのお話。(ちなみにアメリカ留学についてためになるブログをみつけたのでお気に入りのブログっていうところにリンクしておきました。ぜひ見てみてください。)

日本で医学部を卒業した場合
まずは、IELTSというTOEFLのイギリスバージョンのような試験を受けなくてはなりません。これにはListening, Reading (Academic), Writing (Academic), Speakingの4つのパートに分かれていて各パートごと及び全体平均に0-10点まで0.5点刻みで点数がつきます。これの全体平均で7.0かつSpeaking7.0以上、その他各分野も全て6.0以上を出さなくてはならないそうです。この点数はTOEFLのCBT213点より若干難しいと思います。全ての分野がマルチョイでは無く筆記で、WritingにはData interpretationなどテクニック的な記述方法を知る必要があるものもあり、またListeningも当然イギリス英語なのでアメリカ英語に慣れていてもイギリス英語を知らない人には事前の準備が必要です。ちなみに僕は3年前にこちらで英語のコースに入っていたので全く準備せずに受けたのですが平均6.5点でした。それでも6.5です7.0、、僕にはちょっと厳しいです。。

次に、PLABというテストを受けなくてはなりません。これは医学の試験です。これにはPart1とPart2があってPart1はマルチプルチョイス、Part2はOSCEです。Part1の内容はチラッと見ましたが、臨床です。5つくらい2行程度の症例と病名が書いてあって、どの症例がどの病名にマッチするかを選ばせたりするような問題です。アメリカのStep1とは全く違います。マジ臨床です。この辺からもイギリス医療が病院から始まったPatient orientedなものだということが見て取れます。で、Part1はイギリスに来なくてもインドやパキスタンでも受けられるそうです(←パキスタン人の先生に聞いたからそうやって教えてくれたけど、そんなとこで受けるならイギリスに来るヨ。。。) それほど難しくない印象です。しかも、アメリカのように高得点を取る必要はなく、合格・不合格の二つに一つだそうです。OSCEについてはまだ詳しく調べてませんがこちらはイギリスに来て受験する必要があるそうです。

そのパキスタン人の先生曰く、PLABテストを通すことはさほど難しくない。ところが、それが原因で非常に多くの人がPLABに通ってしまい結果、現在jobを得るのが非常に困難になっていると。その先生はパキスタンの医学部を卒業して現在はイギリスに来て10年近くが経ち、Registrarになっているので優秀な人であることは間違いないのですが、彼もイギリスに来て2年間は試験を受けたり仕事探したりで全くの無職になってしまったという。しかもSenior House Officerのポジションを得ても6ヶ月契約だったりするらしく、半年働いてまた職探しに少し浪人、また半年働いて、ということをしばらく繰り返したとの事。イギリスも個々の教育はすばらしいけど一貫した教育は受けられないかもしれないっとのことを仰ってました。もし君がイギリスで働くつもりなら時々刻々と変化するイギリスの経済、職の状況を調べながらにしたほうがいい、と教えてくれました。

さらに、Do you need economical support?っとか聞いてきて、はあ?っと思ってると、「留学生が遠い国から出てくるのは経済的に大変なことなのは俺もよく分かってる、しかも今はイギリス通貨が強くてさらに大変だって事もよくわかってる。だから、もし、お金が必要ならいつでも俺に言え、返す必要は全く無いから。」「俺もたくさんの人の助けを借りてここまで来た、今の俺はお金の心配をする時期は完全に通り過ぎたんだ」涙が出そうになるくらいしびれる話だ。苦労に苦労を重ねて手にした現実を自分と同じように苦労している人に分け与えようと。もちろん俺は断った。俺は十分幸せだ。日本と言う国に生まれたこと、ある程度裕福な家に生まれたこと、医学部に入れたこと、留学まで出来たこと、そしてたくさんの出会い、、、俺も本当にたくさんの人に支えられながらここまで来た。一人で自分の殻に閉じこもってたら絶対この場を踏むことは無かった。勝者の歴史は美しい、しかし勝者あるところに敗者あり、さらに勝負の土俵にすら上がれなかった人もたくさんいる。自己満足では終わりたくない。必ずやこの経験を還元しよう、そう誓った。

Bank Holiday

5月30日 月曜日

銀行休日?あの働き者の銀行マンでさえお休みすることが出来る日という意味らしい。ま、要するに祝日って事。ご存知の方は少ないと思いますがこっちって日本に比べて全然働かなくて休みばっかりっていうイメージありません?でも、実際祝日ってほっとんどないの。このBank holidayっていうのが年に2,3回あるだけ。ゴールデンウィークはおろか春分の日も父の日も文化の日もなーんもないの。意外と日本って特別休日が多い国なんだよ!でも、まあその分一日あたりの仕事量がまったく違うんだよね。こっちは救急だって時間シフト性だから勤務時間は8時から18時とか2時から12時とかキッチリ決まってて休みも確保されてる。時間になると担当してる患者がいても別のシフトの人にきちんとプレゼンテーションして任せて帰っていく。「この患者さんの処置が終わるまで」みたいなテンションの人はほとんどいないね。ま、そういう人も何回かはみたけど、「アー、俺は30分も働きすぎちゃった」とかブツブツ文句言いながら帰っていく。

医学教育について

5月29日 日曜日

この週末はひたすらこの実習の報告書を書いています。A4で10枚程度って書かせすぎだよ。。しかもその要約を英文でA4一枚って英語で1枚書くのも大変だけど、そもそもどうやって10枚の要約を1枚にするの?ほんと意味不明だわ。報告書は他の派遣者の報告書と共に冊子になって全医学部に送付されるそうなので来年度以降この留学に興味ある人は読んでください。ま、俺のはこの日記に書いてたのをほぼそのままだけどね。

で、その報告書に載った内容は他の場所へは転載しないでくださいとかゴチャゴチャ書いてあったので報告書用に書いててまだ日記に書いてない内容を報告書の冊子に載る前にここに乗せときます。それなら問題ないでしょ?

医学教育についてです
4-1 卒前教育
イギリスは高校卒業後すぐに医学部に入学するのですがまず、イギリスの高校は日本の高校より狭く専門的で将来の志望に応じて3科目程度のみを勉強します。そのため大学入学後すぐに専門教育に入ります。Leicesterの医学部は始めの2年半と後半の2年半をPhase I, Phase IIとして大きく分けています。Phase Iは大学での講義中心、Phase IIは病院での実習を行います。前半の講義も日本のように解剖、生理、生化といった科目ごとではなく心血管系、消化器系などといったPatient orientedなもので症状、症候から始めてそのメカニズムを解剖生理レベルまで掘り起こしていくと言う形を取っています。Phase IIは2年半かけてほぼ全科目を8週間ずつローテートするそうです。そこでの役割はただの傍観者ではなくチームの一員として責任を持って仕事を任されるそうです。産婦人科ではお産を取り上げたりPelvic Examさえさせらたりするそうです。大学のAcademic staffと病院の臨床のスタッフは基本的に分かれていて、Phase Iは主に大学のスタッフによって行われるそうですがPhase IIはグループごとのミニレクチャーはあっても病院で臨床を行うスタッフによって行われるそうです。身分もPhase Iを教えるAcademic staffは大学に所属していますが病院で働くスタッフはNHSの職員となっており大学には所属していないそうです。

4-2 卒後教育
1年目の研修医はHO (House Officer)と呼ばれほぼ全科をローテートするそうです。2年目以降はSHO (Senior House Officer)と呼ばれ希望専攻科に応じていくつかの科をローテーションするそうです。その後専門医試験(MRCP Member of Royal Clinical Physicianなど)に合格するとSpecialist Registrarとなることが出来ます。しかし、その専門医試験は科によっては合格率10%前後の難関になるそうで、本屋に行くと専門医試験対策の本がたくさんならんでいます。Consultantともなるとポジション数も少なく非常に難関だそうです。SHO→Registrar→Consultantの順に自分で患者を診る数が少なくなりその分下のフォローのためのConsultationを受けることと教育が主な仕事となります。基本的に病院のスタッフは大学で基礎研究などを掛け持ちしていることがないので一日中病棟にいて教育にも大きな時間を割きます。こうした影響を受けてかRegestrar、SHOでも教えることに慣れていて僕たち学生にもどんどん教育的質問を出してくれます。

Bad news telling

5月26日木曜日

木曜日はホスピスの日
3週目ともなると病棟の患者さんの名前がほぼ一新した気がします。イギリスのホスピスは平均在院日数が短いことが有名で2週間程度と聞いていたので、ほぼその数字どおりと考えられます。日本の平均は1ヶ月ちょっと(結構古い値なので最近は違うかも)と言われていて、僕が話を聞いたホスピスの先生は1ヶ月ちょっとでは症状コントロールして自分の人生のまとめをして余暇を楽しんでもらうには短すぎる、とおっしゃっていました。なぜ、イギリスはホスピス発祥の地なのにそんなに平均在院日数が短いのか不思議に思っていました。本当にターミナルの患者さんだけしがホスピスに入らないのかと思っていましたが、そういうわけではありませんでした。ボードから名前がなくなった患者さんの中にはまだまだ明らかに元気だった人や、ターミナルではあったけど、最期は家に帰りたいっと話していた方もいました。症状コントロールのために入院して、ある程度安定したら在宅にかえる、そのために外来、訪問看護も充実させている。こういったことが平均在院日数の短小化に寄与しているんだと思います。
ホスピスとは言え、すべての入院患者さんがそのままここで亡くなるわけではない。再三言っているとおり、ホスピスとは死を待つための場所ではなく、症状緩和してQOLを向上させる、というところに専門性があります。特にこの国では。
ホスピスとはいえ、いろんな患者さんがいるんだなっと実感しました

それから、この国は死に行く人の家族にも優しい国だなっと思いました。

昨日までイスに座って話もできていたと言う患者さんで今朝は呼びかけにたまに反応できる程度、尿量も減少傾向という患者さんがいました。ここでの医師の仕事としては彼の状態が癌による避けられないものなのか、感染などによる2次的なもので治療できるものなのかを判断し、さらに痛みなどの症状が無いかを問診と診察で確認することです。そのあとで隣に座っていた娘の様子が困惑しているとわかると、「Is he all right?」と聞いたあとに続けて「Are YOU all right?」っと言葉をかけてあげました。すると彼女は今まで我慢していたものが堰を切って出てきたかのように昨日からの彼の様子の変わりぶりと苦悩を話してくれました。先生は大きくうなずきながら決して口を挟まず耳を傾けます。話が一段落ついたところで先生は話を始めます「彼にしてあげられる最善の事は症状を緩和して少しでも楽にしてあげることだと思います。」「この状態からでは急速に悪くなることもあります」とゆっくり、静かに、でも直接的な表現を使って説明をします。また娘の涙を誘いましたが納得した様子でうなずいていました

bad news telling悪い知らせをどう伝えるか、というのはコミュニケーション技法の中でもむづかしいものの一つだと思います。彼らはあまり考えていないようですが、テクニックとしてはSPIKEという方法が有名です。
S: Setting: 落ち着いて話の出来る場を設定する
P: Perception: これまでの医学的状況の理解度、認識度を知る
I: Invitation: どこまで知りたいか、希望の確認
K: Knowledge: 情報の共有。少しずつ理解度にあわせて小出しに伝える
E: Empathy & Exploration: 共感、探索、肯定を用いて患者の感情に対処する
気が向いたらもう少し詳しく調べてみてください

このようなコミュニケーション技術は緩和ケア医に限らず、全ての医師が身に付けるべきことだと思います。というか、むしろ緩和ケア医にならない医師こそこのような技術の適応があると思います。やはりこの国でも日本と同じように、「○○病院の医師にこんなひどい事を言われた」とかきちんと説明されていなかったっといった苦情を言う患者さんがホスピスにも救急でもしばしば出会います。教科書的な技術だけで完璧になるとは思いませんが、ある意味、接客商売である医師になる以上、コミュニケーション技術は絶対に学ぶべき項目の一つだと思います。

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