イワヒバの楽しみ

イワヒバ職人のブログです。改作などを中心に掲載します。イワヒバ栽培が益々楽しくなれば幸いです。なおコメント返信などは出来ません。

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斑の概念


万華鏡が登録された時のことです。買い入れたいのですが素性が全くわかりません。夏、真っ青な葉を見せられて『秋になるときれいなんだ』と言われても買い入れて良いものか悩んでしまいます。写真あるいは画像でも見ていませんでしたので何とも言いようがありません。著名な大ベテランでも柄性の説明が出来ないのです。出来ない理由の一つは柄性に対する言葉の定義付けが成されていないからだと感じました。歴史ばかり古いイワヒバ界においてもう少しどうにかならんもんかと職人は常々思っています。栽培法にしてもしかりです。
万華鏡は染め分け芸をする品種でした。一天四海などと違い散斑部分の多い染め分け芸です。四海明暉なんかが近い芸かなと思いました。
そこで自らのホームページに掲載してある『斑の概念』をここでアップさせて頂こうと思います。

イワヒバの斑の名称に付きましては古くから慣用的に用いられていて人によって表現が異なったりします。斑芸に対する言葉の概念が確立されていませんので職人の独断と偏見で名称の定義付けを行ってみます。

①先斑
葉の先端部から現れる斑を称します。時には先斑が深まって葉元まで覆うこともあります。白斑系の多くの品種は中斑があまり目立たないため先斑品種と言えるかも知れません。丹頂、雲井鶴、晃明殿などです。
※日輪状に現れるため日輪斑と表現されている場合もありますし春の曙斑など言われている場合もありますが職人に言わせれば何とも不確定な使い方です。職人はこれに対して日輪斑・春の曙斑と言う言葉は使用しません。
イメージ 1
白斑品種もしくは先斑品種と言える丹頂です。

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白斑品種の白寿です。

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日照斑品種の福寿です。まずは先斑が現れます。

②中斑
葉の中央部に現れる斑を称します。斑切れ良く現れる品種もありますし曙斑的に現れる品種もあります。
盛夏の頃から現れるこの中斑を狭義に日照斑と呼んでいる場合もあります。まず先斑を現してそれが移行する形で中斑になる品種と先斑をほとんど現さずいきなり中斑を現す品種もあります。
イメージ 4
中斑に移行した春駒です。

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いきなり中斑、あるいは曙斑を現す雲仙です。

③鹿ノ子斑
葉全面に現れる不規則的な斑を称します。マダラ斑と言っても良いかもしれません。明星や轟など緑の部分をはっきり残すこのタイプの代表的な品種です。
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轟です。

④砂子斑
斑が薄く現れているような部分に対して、あるいは散斑に対して古くより使用されているようです。言葉の概念が一番はっきりせず違うタイプの柄性にも使用されています。鹿ノ子斑品種の内、緑の部分に斑が散斑状に流れ込む品種に使います。九重錦、錦襴織、駿河錦など基本的には鹿ノ子斑品種の概念に含まれると思いますが斑が流れますので砂子斑品種として区別した方がわかりやすいかもしれません。古金襴も同類ですが葉全体に斑を現します。白晃麒麟のような類も砂子斑と説明される向きがありますが言葉の概念を明確化するためには避けるべきです。
イメージ 7
錦襴織です。

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古金襴です。画像は散斑に見えますが系列からしてあくまで砂子斑です。何の系統かと言うことも斑芸名称を定義付ける一つの根拠とします。

⑤曙斑
日輪状に現れた先斑に「春の曙斑」と表現している場合がありますが「砂子斑」同様曖昧な使用法と考えます。春蘭などでは斑切れのはっきりしない大虎斑に使用します。イワヒバでは先斑を現さない暁や白鳥、旭龍などの中斑に使用するのが妥当と考えます。
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暁です。

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白鳥です。

⑥散斑(多くは白散斑)
先斑は現れますが葉全体が白っぽくなり中斑は目立たなく曙斑という表現でまかなわれていた品種の柄性です。白晃麒麟や金牡丹、平成錦がこれにあたります。
言語的には、あるいは表面的には砂子斑と変わりませんが系統によってイワヒバ独自の使い分けが必要だと思います。
イメージ 11
白晃麒麟です。

⑦掃込斑
散斑の一種ですがハケで掃いたような斑のタイプです。友白髪などです。小雨錦や日之出鶴は斑色が黄色いですがやはりこのタイプと言えると思います。
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友白髪です。双龍ノ斑も双龍に掃込斑が現れる品種です。

イメージ 12
日之出鶴です。作柄によって日照斑的になります。黄散斑と表現しても良いかと思います。厳格な分類は難しい類いです。

⑧染め分け斑
花で言うと絞り咲きや咲き分けと言った芸です。瑞光錦や一天四海、深山錦などがこれにあたります。
表面的には緑の葉に黄色い斑が出たように見えますが、緑の部分にも潜在的に散斑があります。その散斑が部分的に派手に現れて染め分けとなるわけです。緑と思われる部分を挿し芽しても子供に斑が現れるのはこのためです。よく観察して見て下さい。品種によっては緑の部分にはっきり散斑が見えるものもあります。
イメージ 13
未登録の石岡錦です。

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黒牡丹の染め分け品種、湖東錦です。

⑨分離斑
ほとんど先斑ですが緑の部分と完全に境を分けるタイプです。高砂や天鵞絨がこれにあたります。爪斑と言う表現が使われます。
イメージ 14
天鵞絨です。

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君ヶ代です。これは高砂や天鵞絨と違って白斑が流れ込みますがこの系統の斑芸として良いと思います。

⑩赤斑
赤斑品種は白や黄色の斑を現さず緑の部分にいきなり赤い色素を現してきます。秋には緑も色あせますのでむしろ蘇生後の春には緑の部分も赤斑の部分も鮮明になって一時素晴らしいコントラストになります。茜錦、紅孔雀の他長寿、紫雲城などがこの部類です。
金華山などのように斑の部分が紅葉して赤くなるのとは別物です。
イメージ 15
紅孔雀です。

⑪金銀斑
御所錦に代表される柄性で昔から使われています。独特の柄性ですのでこれはこれで良いと思います。春に動き出す先斑は白斑品種のように白味が強く夏場の先斑の色は強日では黄色みがかってきます。下葉、特に胞子葉の先は白いのでこのあたりの色合いを金と銀になぞらえたようです。一番わかりやすいのは金銀獅子です。
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金銀獅子です。

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御所錦です。

⑫錦斑
不規則に斑芸を現す金銀斑品種に近い芸です。春日錦、富鷹乃華、常盤ノ光などです。先斑を伴うこともあります。金銀斑品種もこのタイプの一種として良いような気もします。
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紅葉が始まった春日錦です。

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常盤ノ光です。日照斑的ですが日輪状にはなりません。

⑬日照斑
先斑と中斑を総称して言う場合と日輪状に出た中斑を言う場合があります。これはイワヒバ独特の斑芸です。まずは先斑を現し、後に中斑に移行します。
イメージ 20
先斑を現した綾錦です。

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先斑が中斑に移行した綾錦です。先斑も中斑も日輪状になります。

★赤斑や分離斑は独立した形で発現しますがその他多くの品種は複合的な、あるいは中間的な芸をします。例えば掃け込み斑系と表現した小雨錦や日之出鶴は細かい散斑系のような現れ方をすることもありますし日照斑的になる場合もあります。
何々品種と表現したとしてもそれはあくまで優先順位の問題です。何々的な何々品種という場合が多くなると思います。
イワヒバをわかりやすく説明するためにこれら言葉の定義づけの必要性を感じます。①〜⑬をうまく組み合わせれば今まで以上にわかりやすく説明出来ると思うのですが・・・・・
頭の硬いベテラン達に言っても『あ〜言えばこう言う』でダメだと思いますがむしろ初心者の方々には職人の『独断と偏見』を受け入れて頂けるような気がしましてブログ掲載としました。
なお一部の先輩にはこの『イワヒバ斑の概念』なるコピーをお見せしています。ご理解頂いているかどうかはわかりません。

次回は斑の出現期について掲載予定です。

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