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1994年に衆議院に小選挙区制を導入した政治改革の目的は,政権交代可能な二大政党制を作ることにあった。国民が選挙で政権・首相・政策を選択できる姿が目指され,実際に2009年の衆院選で政権交代が実現した。
しかし,単に政権交代可能なだけではなく,政権担当能力のある二大政党が必要であった。誤算は民主党に政権担当能力がなかったことである。民主党は前回総選挙で詳細なマニフェストを提示することで政策選択選挙の実現に大いに貢献したが,そのなかの重要政策が軒並み実現できずにマニフェストは崩壊してしまった。組織の意思決定も満足にできない「決められない政治」からの修正の道筋も見えてこない。
結果として政権担当能力では自民党が優れていたことが判明したとはいえ,2009年に下野したのは自民党の能力にも問題があったからだ。したがって,どこを改善してきたかが今回の総選挙では問われるのだが,それはできているだろうか。
政権担当能力を判断する最初の材料は,マニフェストである。実現の道筋が見えないお題目ではなく,細部まで考えた実現性の高い提案を詰めたマニフェストを用意することが出発点である。今回,民主党と自民党が発表した公約は,とてもマニフェスト選挙の水準には達していない。
政党が政権担当能力を高めること。これが現在で最も重要な課題であるが,そこに焦点が当たっていないことが大問題である。今回の総選挙は残念なことに,政治改革が目指す姿から見れば「1回休み」の状態となった。
(関係する過去記事)
「【政権選択選挙】ブログの方針」
http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/29921506.html
「マニフェスト選挙」
http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/30957663.html
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