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10月31日の経済財政諮問会議で,吉川洋社会保障国民会議座長が,社会保障の機能強化のための追加所要額を2015年度で7.6〜8.3兆円(消費税率換算で2.3〜2.5%程度)と報告した。「消費税率はどこまで上がるか」(http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/19492657.html )では,これを前提にした場合,財政収支改善のために必要な消費税増税を加えると,私の見積もりで2015年度の消費税率は12%程度が目安と書いた。
11月20日の諮問会議民間議員資料では,同じ吉川座長の報告を前提にして,社会保障部門に安定財源を充てるには2015年度で消費税率が13.2〜13.5%程度になるとされている。こちらが,私の見積もりから消費税率1.5%分,大きくなっているのは,必要な消費税の考え方が違うからである。
「『中期プログラム』の二部門アプローチ」(http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/20527190.html )で示したように,国・地方を一体で,歳出・歳入項目を
(歳出)=(歳入)
のように表すと,
社会保障公費負担+その他歳出=消費税+税(消費税以外)+財政赤字
と図式化できる。
二部門アプローチは,これを社会保障部門とその他一般部門に分割して,消費税で賄えていない社会保障公費負担財源はすべて財政赤字に充てられていることを前提にした。つまり,
(社会保障部門) 社会保障公費負担=消費税+財政赤字
のようになる。
このことの裏返しで,消費税以外の税収は一般部門に充てられることになり,
(一般部門) その他歳出=税(消費税以外)+財政赤字
という関係が一般部門の事情とはおかないましに決まってしまう。かりに消費税以外の財源が過剰であれば,一般部門で無駄遣いが助長されかねない。
実際のところは一般部門にも財政赤字が残るので,そこまで心配することはないが,こちらの財政収支改善をどう図るかをしっかり見ておく必要がある。それを議論する前に,あるべき消費税率の水準は決まらない。今後の諮問会議でこのことが議論になれば,あらためて取り上げたい。
(関係する過去記事)
消費税率はどこまで上がるか
http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/19492657.html
「中期プログラム」の二部門アプローチ
http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/20527190.html
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