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欧州連合統計局(Eurostat)は日本人にとってはなじみがない機関だと思うが,実は間接的ながら,わが国の統計に大きな影響を与えている。 |
統計・会計
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6月26日にOECDは,ヘルスデータ(Health Data)2008年版を発表した。データが利用可能な最新年の2006年は,加盟国の医療費の実質成長率が3.1%で,1997年以来の低水準となった。また,GDP成長率をわずかに下回り,医療費の対GDP比は8.9%と前年並みとなった。OECD全体を集計してしまうと成長の鈍化の原因は特定しにくいが,興味深い現象である。 |
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社会保障費統計の代表的なものは,国立社会保障・人口問題研究所で作成されている「社会保障給付費」である。これは,国際労働機関(ILO)が定めた国際基準に準拠しているが,この定義による調査が1996年で断絶しているため,現在では国際比較ができなくなっている。典型的な使われ方は,例えば社会保障国民会議での資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/syakaihosyoukokuminkaigi/kaisai/dai03/03sankou1.pdf )14ページにあるように,社会保障給付費の時系列的な推移を示して,「我が国の社会保障給付費は、年々増大している」と説明するものである。社会保障費の上昇を問題視する人に重宝される(「医療費統計の体制転換に向けて」(http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/13193148.html )と同じ書き方になっていますが,わざとやっています)。 |
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わが国の医療費の公的統計は,厚生労働省大臣官房統計情報部で作成されている「国民医療費」である。1954年からのデータが利用可能であるが,日本独自の定義のため,国際比較ができない。典型的な使われ方は,例えば社会保障国民会議での資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/syakaihosyoukokuminkaigi/kaisai/service/dai02/02siryou3.pdf )6ページにあるように,国民医療費の時系列的な推移を示して,「我が国の国民医療費は、年々増大しており、現在33.1兆円である」と説明するものである。医療費の上昇を問題視する人に重宝される。 |
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4月11日に,『国民経済計算』確報の計数の訂正が発表された。「社会保障基金の財政収支が不思議な動き」(http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/1733167.html )で触れた社会保障基金の財政収支について,資金過不足の計数が約19兆円訂正された。「その他負債」の何かの計数が非金融法人企業部門と取り違えられた模様で,企業部門の資金過不足も同時に訂正され,多くの表に修正が及んでいる。『国民経済計算』利用者はご注意ください。 |



