岩本康志のブログ

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 財政投融資に関する基本問題検討会(私もメンバーの一人)が昨年12月にまとめた「今後の財政投融資の在り方について(中間報告)」に,財投機関による民間準拠の財務諸表の作成について,以下のような説明がある。

「平成19年度の財投対象となる独立行政法人等(31法人)は、全て民間会計準拠の財務諸表を作成している。
 また、5公庫を除く26法人については、作成した民間準拠の財務諸表について公認会計士による監査を受けている。更に、5公庫のうち、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫及び農林漁業金融公庫については、平成20年10月に統合し株式会社化されることから、公認会計士の監査が義務づけられることとなる。また、公営企業金融公庫については、平成20年10月に廃止され、これに伴い新しく設立される地方公営企業等金融機構は公認会計士の監査を受けることとなる。」

 後半部は少しこみ入っている。5公庫のうち4公庫は今年秋以降には公認会計士の監査を受けることになる。残り1つは受ける予定がないことになるが,それは沖縄振興開発金融公庫である。沖縄公庫は,2012年度以降に株式会社日本政策金融公庫(今年10月に設立)に統合される予定である。沖縄振興特別措置法による2011年度までの沖縄振興計画が策定されていることが,沖縄公庫の統合が遅れる事情とされている。これによって,沖縄公庫の会計の改革も先送りにされた。沖縄公庫が公認会計士の監査を受けることが沖縄振興計画にとって支障となるならばやむをえないが,そうでなければ,いずれ統合されれば監査を受けることなので,前倒しで準備して悪いことではないように思うが,どうだろうか。
 今からこんなことをいっても,公会計改革は地味な課題なので,それだけの目的の法改正にはなかなかつきあってもらえない。行革推進法に「沖縄振興開発金融公庫の会計は企業会計原則に従うように所要の法改正をおこなう」旨の条項を盛り込むのが,最近でのチャンスだった。そのときには,上に引用した文章は,「5公庫は,政策金融改革によって,平成20年10月以降には公認会計士の監査を受けることになる」と簡潔にまとめられたところだった。

(参考)
「今後の財政投融資の在り方について(中間報告)」(財政投融資に関する基本問題検討会)
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/siryou/zaitoa/zaitoa191212/04.pdf

『国民経済計算』2006年度確報での社会保障基金の財政収支が不思議な動きをしている。フロー編・付表6では,財政収支の計数が,所得支出勘定・資本調達勘定から導かれる純貸出/純借入(項目26)と『資金循環統計』から推計される資金過不足(項目28)の2つ現れる。2006年度の計数は,項目26が-3819億円,項目28が-23兆310億円と,22.6兆円もの差異がある。
  貯蓄−投資=金融資産の増加−金融負債の増加
の関係から,両者は概念的に同じものである。2つの推計方法での推計誤差が違うことで計数の差異が生じるが,これほど大きくなるのは尋常ではない。
 少なくともどちらかの手法に巨大な推計誤差があることになる。現在のところ,原因がわからず調査中。

 私は,財政健全化の指標にはできるだけ国民経済計算を用いるのがよいと考えている。予算・決算からの指標は政府の一部分しかカバーできず,例えば一般会計に目標を課すと特別会計につけを回して一般会計だけきれいにする,特別会計を含めた目標にすると独立行政法人等につけ付回しをするなど,尻抜けになってしまうおそれがある(拙稿『隠れ借金』(http://www.e.u-tokyo.ac.jp/~iwamoto/Docs/1999/KakureShakkin.html )を参照)。それを防ぐには,国民経済計算を利用して,一般政府全体に網をかけるのがよい。このときの指標が大きな誤差を含むと,この目論見もうまく働かない。このため,こうした誤差には敏感になってしまうのである。

「特殊法人の会計」(http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/202411.html)の続編。

 特殊法人等改革基本法に沿った特殊法人等改革で,特殊法人・認可法人の多くは独立行政法人化・特殊会社化・民間法人化された。特殊会社・民間法人・学校法人・財団法人化されたもの,される予定のものや共済組合として整理したものをのぞき,今後とも特殊法人・認可法人として特別の組織形態をとるものはごく少数となった。ここでまとめておこう。

 日本私立学校振興・共済事業団
 日本放送協会
 日本中央競馬会
 日本銀行
 日本赤十字社
 預金保険機構
 農水産業協同組合貯金保険機構

 これらのうち,日本私立学校振興・共済事業団にのみ,企業会計原則にしたがう旨の規定が設置法にある。また,行政コスト計算書を作成しているのは,日本私立学校振興・共済事業団,日本銀行,預金保険機構,農水産業協同組合貯金保険機構の4法人である。
 これら機関は,特殊法人等改革での検討の結果,独立行政法人・株式会社の組織形態をとることができない,あるいは適当でないと判断されたということであろうが,会計制度について,独立行政法人なみ,株式会社なみの制度とするのが適当でないという検討はされたのであろうか。されていないのであれば,あらためて検討する必要があろう。

特殊法人の会計

 11月19日に,財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会,公会計基本小委員会及び公企業会計小委員会合同会議(名前が長すぎる)が開催された。議題は,種々の公会計基準の改訂について,ワーキンググループで検討された案を承認するものであった。
 そのなかで,企業会計原則が変更された場合,特殊法人の会計はどうなるのかについて,興味深いやりとりがあった。独立行政法人との対比で,以下に説明する。
 独立行政法人の場合は,独立行政法人通則法で会計は企業会計原則によることが記され,「独立行政法人会計基準」にしたがって財務諸表を作成しなければいけない。企業会計原則に変更があった場合は,それにそろえて独立行政法人会計基準も変更することになる(そろえない場合もあるが)。
 特殊法人・認可法人のほとんどは,企業会計原則にしたがうという規定は設置法にない。「特殊法人等会計処理基準」が作られており,そこに「法人の会計処理及び財務諸表の作成等については、この会計処理基準に定めるところによるもののほか、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って行うものとする。」という規定はあるが,これによって特殊法人の財務諸表が企業会計原則にしたがうということにはならないらしい。例えば,企業会計基準に減損会計が導入されたことの対応を見てみよう。独立行政法人の場合,独立行政法人会計基準の方を改訂して,減損会計を取り入れた。特殊法人の場合,特殊法人等会計処理基準にとくにそのような規定はない。すると,上に引用した規定にしたがい,減損会計を適用するのかというと,そういうことではないらしい。

 こういう状況には,私は納得していない。会計は特殊法人のガバナンスの重要な柱である。特殊法人の数は大きく減少したとはいえ,古い制度のままでは不備が多く,後から制度設計された独立行政法人並みの制度に整備すべきである。まず,設置法で会計は企業会計原則にしたがうことを明記する必要がある。企業会計基準準拠で財務諸表を作成して支障のない法人は,民間企業なみの扱いにする。特殊事情がある場合には,「行政コスト計算書作成指針」か「独立行政法人会計基準」を適用する。ただし,会計基準の乱立を避けて,行政コスト計算書作成指針と独立行政法人等会計基準は統合していくべきであろう。

(参考)
11月19日の審議会の議事録・配布資料は下記のURLで見ることができる。
議事録
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/gijiroku/zaiseid/zaiseid191119.htm
配布資料
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/siryou/zaiseidg/zaiseidg191119a.htm

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