岩本康志のブログ

経済,財政の話題を折に触れて取り上げます

諸事雑感

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FamaとShillerの対立点

(Twitterに書くには長すぎて,いつものブログよりは短いので,Facebookに書き込んだのですが,気が変わって諸事雑感として,こちらに転写します。)

 FamaとShillerの対立を煽る向きがあるようだが,将来の資産価格の収益率を予測できるか,についてFamaは短期で見るとできない,Shillerは長期で見るとできる,という実証をしたということで,どちらかが誤っているということではない。単純なモデルでは短期的に予測できなければ長期的にもできないので,FamaとShillerの発見を同時に説明するにはどうすればいいのかという大きな問題が,その後の資産価格の研究を動機づけた。...ということはノーベル財団の一般向け発表に,しっかり書かれている。

(参考)
Trendspotting in asset markets
http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/economic-sciences/laureates/2013/popular-economicsciences2013.pdf

(注)
 Facebookでは今のところ,知っている方も知らない方も友達にしていませんので,友達リクエストはしないでいただくようにお願いします。

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 6月7日の『毎日新聞』夕刊掲載の浜田宏一エール大学名誉教授のインタビューが同紙のWebサイトで読める。その末尾(http://mainichi.jp/feature/news/20130607dde012020005000c4.html )で,記者の「壮大な実験と言えるアベノミクスが失敗に終わったら、どうしますか。」という質問に対し,浜田教授は「学者としての責任の取り方、それは公の場で自分の考えの誤りを認めることです。ただし、私たちが責任を問われるなら、今までリフレ政策に反対していた学者や経済評論家、デフレを放置した日銀幹部も総ざんげすべきです。経済を好転させられなかったのだから」と答えている。記事によると浜田教授は「このときばかりは語気を強めた。」そうだが,残念なことであるが浜田教授は大きな思い違いをされている。

「大胆な金融緩和」によって,大した費用も副作用もなしでデフレが脱却でき,なおかつ経済が好転すれば,誰もが大歓迎だ。そういう妙薬があったらいい,という願望は日本のデフレを考える経済学者は皆もっているが,実際にそういう妙薬が存在するかどうかは別の問題である。
 妙薬がなければ,妙薬があると言っていた人間だけが間違っている。
 妙薬を見つけられなければざんげしろ,という言い分は,妙薬が存在することが前提でなければ成立しない。妙薬はないと言っている人間にはとんだ言いがかりである。

 デフレ脱却の妙薬への願望が強すぎると,それは経済学(者)への失望と批判に転換する。妙薬がないことを喜んでいるのか,という批判まで経済学者が受けたりするが,そういうことではない。非伝統的金融政策は効果が弱く,短期間で物価を上昇させるだけの力はもたない(現状の文脈では,2年間で消費者物価上昇率を2%にすることはできない)。それでも時間をかけてデフレから脱却することを目指して,粘り強く金融緩和を継続しようと,これまでやってきた。
 簡単な道があると思いこんで,その道をいつまでも追い求めていては,結局は道を間違うことになる。

(参考)
「特集ワイド:続報真相 アベノミクスはピンチですか 「教祖」浜田宏一・内閣官房参与に問う」
http://mainichi.jp/feature/news/20130607dde012020005000c.html

 3年以上前の記事の続編。

 二大政党下での衆院選は政権選択選挙であると同時に,首相選択選挙でもある。衆院選で政権交代があれば,国民が選挙で現首相を退け,新首相を選んだことになる。それを常例とするならば,衆院選で選ばれていない野田佳彦氏は暫定的な首相である。したがって,野田氏,安倍晋三氏の両者にとって今回の選挙は初めて国民から選ばれる機会となる。
「首相選択選挙」(http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/30753696.html )でも書いたことだが,投票日の夜にはテレビ各局が選挙開票特番を組み,大勢が決したところで党首がインタビューを受けるのが慣例である。衆院選で過半数の議席を得た政党の党首は,その瞬間に首相となることが確定する。ならば,選挙で選ばれた首相であることをアピールするべく,自らの主導で勝利演説をおこない,それを中継してもらってはどうだろうか。従来の慣習に流されるのは,自分が何の役割を担っているのかをわかっていないことをアピールしているようなものだ。

(関係する過去記事)
「首相選択選挙」
http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/30753696.html

 1994年に衆議院に小選挙区制を導入した政治改革の目的は,政権交代可能な二大政党制を作ることにあった。国民が選挙で政権・首相・政策を選択できる姿が目指され,実際に2009年の衆院選で政権交代が実現した。
 しかし,単に政権交代可能なだけではなく,政権担当能力のある二大政党が必要であった。誤算は民主党に政権担当能力がなかったことである。民主党は前回総選挙で詳細なマニフェストを提示することで政策選択選挙の実現に大いに貢献したが,そのなかの重要政策が軒並み実現できずにマニフェストは崩壊してしまった。組織の意思決定も満足にできない「決められない政治」からの修正の道筋も見えてこない。
 結果として政権担当能力では自民党が優れていたことが判明したとはいえ,2009年に下野したのは自民党の能力にも問題があったからだ。したがって,どこを改善してきたかが今回の総選挙では問われるのだが,それはできているだろうか。
 政権担当能力を判断する最初の材料は,マニフェストである。実現の道筋が見えないお題目ではなく,細部まで考えた実現性の高い提案を詰めたマニフェストを用意することが出発点である。今回,民主党と自民党が発表した公約は,とてもマニフェスト選挙の水準には達していない。
 政党が政権担当能力を高めること。これが現在で最も重要な課題であるが,そこに焦点が当たっていないことが大問題である。今回の総選挙は残念なことに,政治改革が目指す姿から見れば「1回休み」の状態となった。

(関係する過去記事)
「【政権選択選挙】ブログの方針」
http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/29921506.html

「マニフェスト選挙」
http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/30957663.html

(自由民主党の「円高と産業空洞化に対処するためのPT」からアンケートを求められて回答したので,ブログにも回答を掲載しておきます。為替レートについてはすでに多数の専門家があちこちで発言していますので,私の回答はあっさりと,ごく常識的なことをまとめたものです。)

1.現状認識
 名目為替レートで見て戦後最高値の円高となった最大の理由は,日本でデフレが定着して,諸外国にくらべて物価上昇率が低かったからである。しかし,実体経済に影響をもつ実質実効為替レートは,リーマン・ショック以降円高に動いたが,1995年水準に比較するとかなりの円安であり,円高とは言えない。
 円高からメリットを受けるかデメリットを被るかは産業・個人によって異なる。しかし,国内生産物を高く売れ,外国の生産物を安く買えるから,総計では円高はメリットをもたらすと考えられる。
 直近の円高は,欧米の経済の先行き不安によって,日本が相対比較で健全とみなされているからだと考えられる。相対的に健全であるから円高になるという因果関係なので,たとえ急速な円高が短期的に下振れ要因であったとしても,円高によって日本経済が欧米経済よりも相対的に悪くなるわけではない。ただしゼロ金利政策の継続を含む適切な安定化政策がなされることが前提であり,相対的に健全であっても,日本経済には震災の影響,潜在成長率の低下,政府の累積債務等,種々の深刻な課題が山積していることを忘れてはならない。

2.有効な対応策
 決して円高ではない実質実効為替レートのもとで日本の輸出産業が外国市場で競争できないとすれば,問題は為替レートではなく,わが国の産業の競争力が低下していることにある。それに対する適切な処方箋は成長戦略である。以下のような施策に取り組むべきである。
 国内での企業活動の活力を引き出すために,自由な競争市場の育成につとめる。
 上と同じ目的のために,法人税の減税をおこなう。
 FTA交渉を進め,輸出相手国の関税を引き下げるよう努力する。同時に輸入関税の引き下げにより,わが国の消費者の実質購買力を高める。

3.無効な対応策
 単に日本の物価が上がるだけでは,実質実効為替レートに変化がなく名目為替レートが円安になるだけなので,輸出産業の競争環境の改善にはつながらない。かりに円安で100円のものがドル建てで1割安くなっても,国内物価が1割上がって110円になってしまえば,結局ドル建ての価格は安くならないからである。
 為替介入で水準の大幅な調整は無理である。実質実効為替レートで大きく円高ではない現行の水準を過度の円高とは市場は見てくれず,介入が市場の予想に影響を与える余地はほぼ無い。

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