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歳出歳入一体改革は最悪の壊れ方をした。 |
一体改革
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20日に2008年度2次補正予算案と2009年度予算財務省原案が発表されたので,国の一般会計の基礎的財政収支の動向を見てみよう。昨年の「国債発行は減額に,しかし...(進路と戦略2007)」(http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/1384967.html )のアップデートである。 問題となるのは埋蔵金の扱いだ。財政投融資特別会計の積立金が2008年度に4兆1580億円,2009年度に4兆2350億円,一般会計に繰り入れられる。予算・決算での基礎的財政収支の定義では,特別会計からの繰入は収入と扱われるが,本来は収入としない方が適切だ。毎年1月に中期展望がまとめられる際に内閣府が試算する財政収支では,財投特別からの繰入は収入に計上していない。これにならうと,基礎的財政赤字(埋蔵金調整済)は2008年度で16.8兆円,2009年度で17.3兆円となる。 上の図は,2007年度から2009年度までの基礎的財政収支の対GDP比を示している。(1)当初今年1月の「進路と戦略2007」参考資料での試算,(2)埋蔵金調整前,(3)埋蔵金調整済,の3系列を示している。(2),(3)では,2007年度は決算,2008年度は補正後,2009年度は予算となる。2008年度は,当初予算の段階では1.0%の赤字が,補正後で埋蔵金調整前で2.5%,埋蔵金調整後で3.3%に拡大する。2007年度決算から2008年度埋蔵金調整済計数へはGDPの2%強の悪化であり,目の子の計算で約3分の2が税収減少による収支悪化(自動安定化装置),約3分の1が裁量的財政拡張となるだろうか。 (2009年2月5日・追記)
図の凡例が「2009年度予算・・・」となるべきところ,「2008年度予算・・・」と誤記していたので,訂正しました。 |
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16日に経済財政諮問会議で議論された「中期プログラム」では,「国・地方を通じた年金、医療、介護の社会保障給付及び少子化対策に要する公費負担の費用について、その全額を国・地方の安定財源によって賄うことを理想とし、目的とする。」とされている。これについて,どうして対象が年金,医療,介護,少子化の4分野だけなのか,という議論が研究者仲間であった。生活保護,失業保険,労災保険,福祉等の重要かつ財政支出の大きい制度が存在するのだが,それらは安定財源(消費税)で賄う必要はないのか。 |
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財政再建は長い時間を要する作業である。中期の目標を立てて,それを実現させていくコミットメントが非常に重要になる。小泉政権発足時から,そうした目標の設定と実現を積み重ね,現在に至っているのが財政再建路線である。いま世界的な金融危機に直面しているが,この路線は転換も凍結もする必要はない。 |
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10月31日の経済財政諮問会議で,吉川洋社会保障国民会議座長が,社会保障の機能強化のための追加所要額を2015年度で7.6〜8.3兆円(消費税率換算で2.3〜2.5%程度)と報告した。「消費税率はどこまで上がるか」(http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/19492657.html )では,これを前提にした場合,財政収支改善のために必要な消費税増税を加えると,私の見積もりで2015年度の消費税率は12%程度が目安と書いた。 |



