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ずっと以前から興味を抱いている陶芸家がいる。 三上 亮さんという陶芸家で、その筋ではたいへん人気のある本格的な陶芸家だ。 私はこの方の作品を数点持っているが、なかでも一番よく使うのは、なんといってもこの湯のみだ。 この湯のみ 手びねりで、高台もなく、ずんぐりして重く 概観は暗く、無骨な感じだ。 はっきり言えば野暮ったいかもしれない。 その昔 江戸っ子の自称“通”たちは、自慢げに『野暮と化け物は箱根から先』などと言ったが、 三上さんは神奈川県の足柄あたりで作陶しているはずなので場所的には確かに微妙なところなのだが、 世の中に陶芸の世界だけは、洗練された粋の世界を超越して、“野暮ったい粋”っていうのが 存在するようです。 野暮だから故に粋って感じがあるのです。 あるいは 粋な野暮。 映画好きなので、映画に喩えるなら、コロンボ刑事のような“うまみ”。 煮ても焼いても喰えないような 執拗でぐたぐたしてるようなものの その背後にある“きっぱりした味” ・・・ みたいなものです。 あるいは、小津安二郎の映画のまどろっこしい会話の その背後にある“簡潔さ”・・・のような ああ 陶芸だけじゃないじゃん。確かに映画にもあるわ でも、他にはなかなか見つけられないような気もする そういう粋のある世界。 |
三上 亮
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