どうも教員です。
先日の3月1日(土)(結構前になってしまいました;汗)、明治大学生田キャンパスにおいて、標記の研究会が約60名の参加を得て開催されました。
「食育」については、最近「食育基本法」が制定され、また学会も設立されるなど、多くの人々の関心を呼んでいますし、本研究室の本年度卒論でも2名の学生がテーマに取り上げました。学校給食を含めて、幅広い観点から重要なテーマとなっています。
私も両親や祖父母から、「お百姓さんが苦労して育てた食べ物だ」「ご飯を残すとバチが当たる」、ということは繰り返し聞いてきました。言うことを聞いたかどうかはともかく、体のどこかに「食べ物を粗末にしてはいけない」という教えは確実に残っていますし、今の仕事にもつながる契機でもありました。これも「食育」の効果の一つなのかもしれません。
しかし、現在「食」に関するあまりに多くの問題が起きる一方、最近では、日本も「アメリカ化」する中、「所得格差」がそのまま「食」に影響を与えることなども指摘されており(所得の高い階層は、自由に安全な「食」を選択する一方、そうでない場合はジャンクフードを選択せざるを得ない)、「食」の重要性に早い段階から取り組み育てることは、一層重要な課題となっています。
また、「食育」を「上から」ある一つの枠組みとして推進することには、個人的には違和感を覚えます。食育は、本来自然なものであり、妙な「伝統回帰」にむすびつけられるものではないこと、やはりそこには、「下からの」地域性や多様性が重要になることを強調したいと思います。
そういう意味で、この企画は時宜に適ったものであったといえます。
この日の報告資料は、学会HPでその概要を報告することとしていますが、以下のように「食育」を語らせるには、ベストメンバーという布陣でした。
武見氏、河野氏は最新の情報とともに考える素材を多数提供して頂きました。
また、私の古巣の職場(中央酪農会議)が取組む「酪農教育ファーム」の第一人者・亀田氏は、同じくもう一つの私の古巣である、埼玉県いるま野農協(私の在職当時は旧狭山市農協)の理事でもあり、報告の合間には地元話と酪農話にも話が咲きました。最近の飼料高騰が酪農経営を急激に悪化させる状況、しかしその中でもボランティア精神を発揮し「食育」に取り組む様子、児童生徒がそれにより「食」の重要性を理解し成長していく姿などに、感銘を受けました。
また、フードシステム学会らしく、「食」の川上から企業など川下までの「食育」の重要性についても、二瓶氏が最新の取組みなどを紹介するなど、非常に参考になる研究会でした。
ところで、私は関東支部委員長として2年間企画・設営・事務を担当してきましたが、何とか任期を全うすることができ、ほっと一息です。これまでご協力頂いた全ての方に、この場を借りて御礼申しあげます。
以下、当日のプログラムを掲載しておきます。
-------------------------------------
日本フードシステム学会 2007年度 第3回関東支部研究会
日 時: 2008年3月1日(土曜日) 13:30〜17:00
場 所: 〒214−8571 神奈川県川崎市多摩区東三田1−1−1
明治大学生田校舎(理工学部)A館2階 A208教室
テーマ:「「食育」の現状・課題とフードシステム」
・座 長:武見 ゆかり氏(女子栄養大学)
・報告1 座長解題 「今、なぜ「食育」なのか」
・報告2 「「食育」の現状及び今後の施策の展開と課題:政策を展開する立場から」
河野 美穂氏(内閣府食育推進室)
・報告3 「生産者の「食育」の現状と課題」
亀田 康好氏(酪農教育ファーム認証牧場 シンボライズファーム)
・報告4 「食品企業における「食育」の取組と今後の展望」
二瓶 徹氏(食品産業センター普及・食育推進部)
--------------------------------------
日本大学食品経済学科:地域経済論研究室/高橋 巌 【2008/3/15追補】
|