高橋巌ゼミブログ

農・食・地域・生活破壊の原発、TPP、改憲、全ての戦争策動、特定秘密保護法廃止!!311被災者支援を!【8.9万アクセス感謝】

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 教員です。

 毎年クリスマスが近づくと、お世話になった故・沼田誠先生のことを想い出します。

 沼田先生は、私が1999年から非常勤講師(兼任)でお世話になっている、駿河台大学経済学部
の日本経済史担当教授であり、講師としての私の「受け入れ担当者」でもありました。

 本当に惜しいことに、6年前のクリスマスの夜、先生は50歳代半ばという若さで急逝されたので
した。

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 沼田先生の研究業績は、単著『家と村の歴史的位相』に集約されているといえるでしょうが、難
解な本だけに、浅学な私としても、決して十分読みこなしたわけでも、理解し得たものでもありま
せん。
 ただ、日本の農村の中での「小農」形態が主流であった日本の農村・農家の位相とその存立根拠
を、ポランニーやチャヤーノフなどを媒介にしながら解き明かしたものであるとは言えると思いま
す。

    http://books.yahoo.co.jp/book_detail/AAM07232/

 そういう意味では、私のように「地域農業・農村」「農業の(多様な)担い手」「小農」「家族経
営」「集落の現代的機能」などを、【現在形の問題】として考えてきた立場からは、その基盤の問題
を、異なるステージから、より深く広く、また長いスパンで洞察されてきた研究者であって、その深
い学問的蓄積をベースにもっとご指導・ご教示をいただきたかったと思いが未だに強く、6年経った
今でも、あまりに早い旅立ちが悔やまれてなりません。
 
 私が駿河台大学でお世話になる経緯は、前任の非常勤講師で古くからの知り合い・K氏が、別な
大学専任教員として転属することになり、彼の紹介で私がその仕事を引き継いだことによります。
 この引き継ぎと称して、所沢の居酒屋で、沼田先生と、K氏、私の3人で飲んだのですが、先生
とはその時以来のおつきあいになります。先生とはその時が初対面でしたが、話題も弾み、その飲
み会が「面接」の代わりとなって、即採用となったのです。

 ところが、その後は和やかな面談もあったものの、基本的には厳しい先生であったという印象が
続きます。
 私は、ちょうど学位論文の審査の過程ということもあって、論文の手直しで昼も夜もない状態で
したが、駿河台大学に非常勤に出かけた際、色々と教えを請おうと飯能の居酒屋でよく席をともに
しました。
 そんな私に対して、農村問題をやっているといいながら、たとえば農村社会学の基礎的文献であ
る有賀喜左衛門もきちんと読みこなしていないことに苦言を呈し、ほかにも私の「甘い研究姿勢」
について、かなり激しく、かつ厳しい指摘も受けました。そして時には、(先生一流の)皮肉であ
しらわれることもありました。
 正直言って愉快でないことも多く、「兼任で行っている非常勤先で、指導教授でもない先生から
何でここまで言われなくちゃならんのか」、と思ったことも度々であったし、先生とは別のフレー
ムワークで研究を続けてきたというわずかな自負もあって、反論し、激しいやりとりをしたことも
度々でした。
 今思えば、先生と最後に直接お会いしたのも、そんな飲み屋でのかなり激しい議論の場でした。
感情的なわだかまりもなかったとはいえず、それが最後の対面になってしまったたことが、これま
た残念でなりません。

 その後、私は今の大学専任教員の仕事を得ることになったので、駿河台大学の出講スケジュール
などの調整のため、先生に電話をし、久しぶりに話をしました。その2年ほど前から、私の出講日
と先生の在室日が合わなくなったので、ずっとお会いしていなかったのです。
 先生は、私の大学への転職をことのほか喜んでくれ、「スケジュールのことは、年明けにでもま
た相談しましょう」ということで和やかなうちに電話を終えました。6年前の12月も近づいた頃だ
ったと思います。それが、先生との最後のやりとりになりました。

 しかし、今考えてみれば、こうした議論の席は、実に得難い「場」であったと思います。
 何より、指摘の半分以上は的を得て真摯に反省すべきポイントであったし、研究姿勢まで問い直
されるという議論は、実に緊張感溢れる刺激的なものであったこと、そういう経験は、直接の恩師
である大学院時代の鈴木福松先生、学位論文の指導を受けた高橋正郎先生とのやりとり以外でそう
あるものではなかったからです。
 いまよりは若い時分でしたが、先生のおかげで相当鍛えられたような気がするのです。

 年齢以上に「古風」な方であったのでしょうし、改めて、古き良き時代の真剣な「研究者の姿
勢」を垣間見ることができたように思います。表面上仲良くしてくれる「先生」よりも、辛いとき
もありましたが、自分の糧になる教えは多くあったと思います。

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 時代も人の気質も変わり、2010年の今日、研究者同士とのやりとりとは言え、こうした「指導」
が一般化できるかどうかは議論が分かれると思います。
 しかし、やり方は考えるとしても、こうした真剣な学問的議論を「ハラスメント」の一言で排除
することだけはしたくないし、自分自身、なぁなぁで流されることだけにはなりたくないと思うの
です(日頃は、緩く過ごしていることも多々ありますけど)。
 同時に、学生と向き合うときも、真剣なときは真剣でありたい、そんな姿勢は堅持したい、と強
く思っています。

 もしこれを読んでいる「研究者」を目指す若い人たちがいたら、このつたない話を、自分の研究
を進める上での一つの参考にしてもらえれば、幸いであると思います。

                 日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋  巌

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