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この間報告してきた福島県飯舘村の問題で、私自身、どうしても書いておかねばならないことがあ
ります。
福島県飯舘村の村民の前で、
「現在の放射線レベルはほとんど問題ない、大丈夫」「子供も外で遊ばせて問題はない、全く心配
はない」
などと触れ回り、NHKテレビのニュースでも同様の発言をした発言者として、「チェルノブイリ
で治療に当たった」などとする長崎大学・山下教授がいます。
この人物は、「チェルノブイルで実際に病気(ガンなど晩発性障がい)になった人は、小児甲状腺
ガン以外には、目立つものはない(チェルノブイリのデータでは、発がんなどの発症率と放射性物質
の被ばく量には、明確な関係性が見られません。)」などと各所で述べています。
その一例↓
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110323/219112/
我々は、農業経済学を学ぶ際、学部生の段階から、「君たちは研究者の端くれとして、データは
単にデータとして存在するに非ずということを理解し、そのデータの意味を考えるところから始め
よ」と、恩師から教育されました。
これは、何も農業経済学に限らず、どんな分野であれ、およそ「科学」であれば当然のことです。
そのために、我々は大げさに言えば、命をかけて調査を行っているのです。
ある政府の公式発表を以て、「確定データ」などとできないことは、言うまでもありません。その
データの意味するところ、どこまで信憑性があるかを、周辺の関連調査を含めて注意深く実証しなく
ては、一概に信用するわけにはいきません。まして、当時のソ連邦の政治体制であれば尚更です。
この人物が、もし確定を証明する疫学調査を行えない(行っていない)とすれば、少なくとも「見
られません」ではなく、「分かりません」と表現すべきであり、かつ、諸説ある証言を行う証言者に
ついて、注意深く追跡調査をしてから発言すべきでしょう。
また、もしそれを行っているのであれば、たとえ一般メディア向けプレスへの発言だとしても、
それを明示すべきでしょう。
一方、以下に、当時チェルノブイリ現地で、汚染除去作業を指揮した科学者、ナタリア・マンズロ
ヴァ氏の証言があります。
http://diamond.jp/articles/-/11970
ここには、「チェルノブイリ事故の死者は4千人と報じられているが、実際には100万人が死亡」
という証言が、不可知を前提としながらも述べられています。
ソ連邦で確たる調査も行わず、政府レベルのデータに基づき発言する山下「証言」とどちらに信憑
性があるのか。少なくとも、「目立つものはない」などという断言すべきではないことだけは確かで
しょう。
もう一つ言えば、「科学」に二枚舌などあってはいけないのは当然です。
以下にある飯舘村の証言(氏名は出ていませんが山下教授のことです)をお読みください。
http://diamond.jp/articles/-/11978
小澤祥司【福島県飯舘村・現地レポート】持続可能な村づくりを奪われた村―原子力災害の理不尽
な実態−
「そんな中、県は放射線健康リスク管理アドバイザーに就任した長崎大学の教授を村に派遣した。
しかし、彼は村内の汚染状況にかなり差があることや、そこに住み続けるリスクを明確に示さず、
「安全」、「直ちに健康に影響はない」と村民の前で断言して帰った。「子どもが外遊びをしても何
も問題はない」とまで言い切ったという。」
一方で山下教授は、次では以下のように述べています。
、「複数箇所から放出され、放出量が不明な上、拡散は風向きや地形などによるため、このような結
果になった。予想していたが、恐るべきこと。子どもや妊婦を中心に避難させるべきだ。」と明言し
ています。もちろん、この地域が飯舘村のことを言っているのは明らかです。
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/daisinsai/2011/03/25103728.shtml
時間的なタイムラグはあるにせよ、飯舘村現地での発言は、少なくとも、避難しようとする村民や
役場の人たちに「それが必要ない」と思いとどまらせる役割を果たしたことは、このレポートだけで
なく、現地での複数の証言や、計画的避難に至る経過を見ると間違いありません。
ほぼ同じ時期に、長崎で行ったメディアでのこの発言との整合性、いや明確な矛盾をどう考えるの
か。
ことは、単に学会発表データや論文で若干誤差があった、とか、そういうことではありません。
この人物の発言で、村民全員の生命がどうなるのか、村の将来がどうなるのか、それを左右すると
ころでの発言なのです。
さらにこの資料の中で、この人物はこうも言っています。
「(私が)長崎から来たというだけで歓迎され、現地の人たちは安心する。」
また、別なところでは長崎大学は「東京大学と違って東電の研究費を返上した」などと美化されて
いますが、長崎大学と山下教授らの取組みは、以下によれば、被爆者を一切救出せず見殺しにし続け
たABCCに連なっているともいわれています。以下をご覧ください。
http://snp.naganoblog.jp/e708670.html
このような人物が、国や県のアドバイザーとなり、全ての市民の生命を左右しかねない位置にあり、
国の様々な決定に深く関与しているのです。
飯舘村民の苦悩を思うたびに、胸がちぎれそうです。
かつてチッソ水俣工場側の証言に立ち、水俣病有機水銀主因説を否定してのけた「学者」に対し
て投げつけられた、「御用学者」という学者の自己存在を全面否定する侮蔑的な「用語」。
それを、この人物にも突きつける人が多いゆえんです。
また、そこでは「未必の故意の殺人」という言葉も定着しました。
これは、「死ぬかもしれないと分かっていて、対策を取らなかった場合、単なる過失では済まさ
れない」。。
つまり「ひとごろし」ということです。
あくまでネット上での議論ですが、この人物の肉声が以下に記録され、論評されています
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↓
http://www47.atwiki.jp/goyo-gakusha/pages/42.html
マスクしないでも大丈夫ですって
教授が県内巡回講演してオルグしてんだよ・・・
東日本大震災:放射能の正確な知識養って! 被災地派遣、長大2教授が報告 /長崎
http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20110408ddlk42040481000c.html
ラジオ福島の番組 3月30日放送 長崎大学大学院 山下俊一教授
http://www.ustream.tv/recorded/13743609
http://twitter.com/024442/status/53968764173172736
山下俊一長崎大大学院教授が飯舘村で「全く心配無い」と講演。
食品経由の放射性I摂取のみ警戒すべきで、マスク不要、外遊びOK、
セシウム摂取も全く問題なしと。でも乳幼児、妊婦の健康リスクは
注視すべきと。言葉に自己矛盾ある。せめて『大人に限れば』と
前置きするのが学者のモラルでは?
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ナタリア・マンズロヴァ氏は、自らの悲惨な体験から、標題のとおり、「国民にとって大切なの
は政府発表を鵜呑みにするのではなく、自ら学び、考え、主体的に判断をして行動することである。」
と述べています。
私が、卒業式で卒業生に述べた言葉の意味と奇しくも重なります。
国や電力会社という、今や「未必の故意」に匹敵する犯罪的な存在となった者たちはもとより、こ
のような「御用学者」の実相についても、やがて歴史がその姿を克明にし、末代まで悪罵を投げつけ
られることになるでしょう。
しかし、そんな事後処理の前に、命の危機にさらされる私たち市民自らの手によって、彼らは明確
に弾劾され、速やかなる「退場」を要求されてしかるべき存在、と言わざるを得ません。
日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室:高橋 巌
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