高橋巌ゼミブログ

農・食・地域・生活破壊の原発、TPP、改憲、全ての戦争策動、特定秘密保護法廃止!!311被災者支援を!【8.9万アクセス感謝】

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【写真左から1〜7、13枚目:所山発電所。元の水流は極めて細いが落差(高低差)により発電を確保している。この水流で発電できるというのが驚き。やはり発電機は長年現役、建屋も極めて小規模・簡素/8〜11枚目:吉和発電所。山間地域にあり、取水口と導水管は他の施設より長い。山間部のため非常用の連絡体制も確保されている】


 (http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/53169376.html からつづき)

 2.佐伯中央農協・所山発電所
  所山発電所は、廿日市市の小瀬川水系にある出力205kw、使用水量0.23㎥/s、有効落差119.8mに達する施設で、旧虫所山農協により1963年12月により運転開始されました。比較的少ない水量を落差の大きい水管で補っている。水路延長は1,443mで水車はフランシス水車・回転数1,215r.p.mです。
 2010年度発電実績は220,360kwh(一般家庭消費換算64世帯相当)、電気事業収入の約214万円に対して電気事業費用は約590万円と厳しい収支になっていますが、これは修繕期間が長かったことによるもので、次年度は大幅な改善が見込まれます。集塵は志和堀と異なり自動化されていますが、地域在住の農協職員OBが保守員として定期的に点検を行っています。水利権は農協が許可を受け、漁業権補償も行っています。なお、以下の吉和発電所とともに、農水省「農山漁村活性化プロジェクト」補助による総額5,400万円(補助率55%)の補修工事を行っており、水車ランナ取替や水路橋改修等を行っています。

 3.佐伯中央農協・吉和発電所
  吉和発電所は、廿日市市の太田川水系にある出力450kw、使用水量1.33㎥/s、有効落差45.35mのやや規模の大きい施設で、旧吉和村農協により1958年より建設申請、1965年12月に一部施設変更の上稼働されました。水路延長は2,135mで水車は横軸単軸単流渦巻型・回転数910r.p.mです。2010年度発電実績は2,500,702kwh (一般家庭消費換算728世帯相当) 、電気事業収入は約2,070万円、電気事業費用は約773万円と良好な収支になっています。集塵はやはり自動化され、地元支店の農協職員やOB職員が巡回していますが、山中の施設のため、緊急時は農協支店長宅に通報されるなど非常システムが構築されています。上記補助金による補修工事では、取水口ゲートや電気設備などの補修工事を実施しています。

 4.四和電化農協・四和発電所(参考)
  四和発電所は、所山発電所に近接していますが、志和堀発電所と同様に、電化専門農協で運営されています。廿日市市小瀬川水系に位置し出力180kw、使用水量0.97㎥/s、有効落差25.50mの施設で、1961年より稼働されています。

            (http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/53171725.html につづく)

※なお、本ブログのレポートは、調査研究成果の一部を要約して報告しています。
 詳しくは、高橋巌(2012a)「原発事故と食料・資源・エネルギー問題に果たす協同組合の意義」『協同組合研究』31巻1号,pp.31-37、同(2012b)「再生可能エネルギーにおける農山村の役割−脱原発・オルタナティブとしてのエネルギー地域自給に着目して−」『日本大学学部連携研究推進シンポジウム:21世紀における新たなエネルギーシステムの構築に向けた総合的研究報告資料』(http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/53171764.htmlに掲載)、の両論文、及びこれを要約・加筆修正した、同(2012c)「協同組合セクターと再生可能エネルギー−エネルギー分散・地域自給としての小水力発電に着目して−」『協同組合研究誌 にじ』(JC総研:近刊印刷中)、をご一読ください。※なお、本ブログのレポートは、調査研究成果の一部を要約して報告しています。

          日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋  巌 

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【写真左から1〜6、12枚目:志和堀発電所の全景。この規模で約171世帯の発電が可能!発電機は60年間近く現役、導水管もコンパクトで建屋も極めて小規模である/7枚目:非常時の待機場所/8〜9枚目:取水口とその巡視路。流れの規模も理解できよう/10枚目:ゴミなどは手作業で取り除く。貴重なムラの仕事である/11枚目:宿泊所。発電所の施設は以上で全て。まさに電力のコンパクトな地産地消施設!】


 教員です。

 今年に入ってから、喫緊の課題である「脱原発」を具体化するための様々な方策を考えてきました。

 私の意見は、以下のパブコメに出したとおり【原発・核燃サイクルの即時廃絶】です(具体的には、
http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/53165269.html 及び以下の論文をご一読ください)。

 もちろん、自然エネルギー・再生可能エネルギーが原発に代替できれば理想ですし、資源環境の面から将来を見越したときに、大規模な発電方式を地方に立地させること自体を見直し、エネルギー多消費型の経済・エネルギー政策自体を転換させ、「エネルギーの地産地消」を実現する必要があります。
 しかし再生可能エネルギーの発電に占める割合は、現在は約3%に満たないことから、それはすぐには無理ですし、その点を強調しすぎることで、逆に【すぐに止めなくてはならない原発を延命させる危険性】があります。
 よって当面は、火力発電のガスコンバインドの利用等による効率化や大規模水力発電も含めた既存発電所の稼働率を向上させることにより、原発を停止させることが喫緊の課題ですし、それは十分に可能です。

 さて、将来的な「エネルギーの地産地消」に向けた対策として、注目に値するのが「小水力発電」です。ダムを必要とせず一定の流量と簡易な施設による小水力発電(出力30,000kw以下が「中小水力」ですがRPS法の対象になるのは1,000kw以下でダムを要さない流込方式の発電方式)やマイクロ水力発電は、環境を破壊せず災害時の電源にも困らないこと、農業用水が利用できる平地農業地域や水量が豊富な中山間地域など多くの地域で、基本的に枯渇を心配せず、昼夜・季節を問わず常時利用可能で最も効率的な資源利用であり、「電気の地産地消」を促す条件を十分に提供しています。
 「過小評価」といわれる資源エネルギー庁の試算でも、30,000kw未満の水力発電開発余力は1,400万kwに達するほか、農業用水だけでも100万kwに達するという見込みもあります)。

 なかなかブログで書けませんでしたが、1月の広島県の現地調査、2月の日本大学全学シンポジウム、その後も専門誌への執筆などで、この問題を検討してきました。その一端をご紹介したいと思います。

 実は、中国地方の農協等では、1950年代の「農村電化」の際に農協等によって事業化された発電所の多くが、発電機器をメンテナンスしながら「現役」で発電事業を行っています。このことは、他の地区では存在しない中国地方独自の農協事業として異彩を放っていますが、これまでほとんど取り上げられてきませんでした。

 ここでは、農協が事業を行う広島県内4か所の小水力発電所を紹介します。

 1.志和堀電化農協・志和堀発電所

 志和堀発電所は、東広島市の太田川水系河川にある出力95kw、2010年度発電実績は587,530kwh(一般家庭消費換算171世帯相当)、使用水量0.50㎥/s、有効落差25.76mの小規模施設で、1954年9月に運営を開始しています。発電所を運営するのは、組合員約300人の専門農協です。発電専門農協というのも、全国では極めて珍しく、後で述べる理由により、中国地方に集中立地しています。年間売電額は約1,000万円ですが、出資配当を行うような経営状況にはなっていません。
 3人の地元在住高齢者を保守員として契約しており、保守員は800円/hの手当で、24時間交代週3日発電所脇の詰め所に待機し、取水口のゴミを取り除いたり荒天時の導水管や水路の確認などを行っています。保守員への手当等諸経費や補修用資金とする一定額の積立金とともに、農協の売電額から支払われますが、農協の場合は積立金が課税対象となるなど厳しい運営となっています。しかし「地域の発電所」として地元に長年認知され、高齢者の「年金+α」所得にもなるなど地域に貢献しています。なお、2010年に約1,000万円を要するオーバーホールを行った結果、発電効率が向上しています。

          (http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/53169399.html につづく)

※なお、本ブログのレポートは、調査研究成果の一部を要約して報告しています。
 詳しくは、高橋巌(2012a)「原発事故と食料・資源・エネルギー問題に果たす協同組合の意義」『協同組合研究』31巻1号,pp.31-37、同(2012b)「再生可能エネルギーにおける農山村の役割−脱原発・オルタナティブとしてのエネルギー地域自給に着目して−」『日本大学学部連携研究推進シンポジウム:21世紀における新たなエネルギーシステムの構築に向けた総合的研究報告資料』(http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/53171764.htmlに掲載)、の両論文、及びこれを要約・加筆修正した、同(2012c)「協同組合セクターと再生可能エネルギー−エネルギー分散・地域自給としての小水力発電に着目して−」『協同組合研究誌 にじ』(JC総研:近刊印刷中)、をご一読ください。


           日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋  巌

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