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教員です。
すでに報道機関が伝えているように、2013年3月15日、安倍首相はTPP交渉参加を表明しました。
このブログで度々表明しているように、私はTPPにはメリットが全くなくデメリットが限りなくあることから、TPP交渉参加は絶対にすべきでないと考えています。
TPPについてはいずれまたきちんと書きたいと思いますが、取り急ぎ、3月18日の日本農業新聞(インタビュー記事)を掲載しておきます。
なお、この記事の元になったメモ全文を以下に貼っておきます。是非ご一読ください。
日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋 巌
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インタビューに際して用意した草稿メモ(全文)
2013.3.15 高橋 巌
1.安倍首相が交渉参加を決定したTPPを一言で言うなら、(1)農村、農林水産業や食品の分野に留まらず、およそ人間の生活の全ての領域に関わる協定であること、(2)これまでの国の枠組み、法制度、私たちの生活のあり方、働き方と雇用、環境の全てを激変させる、従来にない凄まじい威力を持つ協定であること、(3)そしてその「激変」は、一般の市民にとって、ほとんど全てが現状を「改悪」することにほかならないこと、の3点になる。
2.にも関わらず、交渉参加決定を強行した安倍首相と自公両党政府に対し、私は深い悲しみと絶望、そして激しい怒りを同時に抱いている。どう取り繕おうと、今回の交渉参 加決定は、自民党の公約違反としかいいようがない。何よりこれは、東日本大震災と原発事故から2年経つてなお苦闘が続く、福島県を中心とする被災者の心情を逆なでする「挑戦」である。断じて容認できない。
3.もとより、現段階から「交渉」に「参加」しようということ自体が、手続き的に不可能なのである。既に決まった「関税・非関税障壁の全面撤廃」というレールの上を走ることを強いられることになる。首相の答弁は、ほぼ全てがウソと欺瞞でしめられている。そもそも「聖域」など最初から確保しようがないのがTPPなのである。
4.今後、農林水産業に留まらず、地域経済全体に多大な悪影響が懸念される。またあらゆる業界で、中小企業を淘汰する方向での再編が進むであろう。グローバル化だけでなく、国内的には大企業による寡占化が著しくなることが懸念される。
5.TPPは、国内の法制度をその協定内容が上回ってしまうといわれている。つまり、各国の憲法すら否定されかねない構造を有しているのである。当面、私たちは、TPP が国内法をより上回るという、この「不当な構造」を実現させないために、あらゆる分野において全力をあげるしかないが、政府機関等にはもう期待できるものは少ない。ではそれはどうしたらいいのか。私たちの対抗策をどう創るか。
6.1990年代後半、GATTからWTOに至る世界的なグローバル化への流れを一旦隘路に 追い込んだのは、1999年のアメリカ・シアトルにおけるWTO新ラウンドを阻止した、途上国・先進国の横断的な市民・農業団体・労働組合・環境保護団体のパワーだった。これによって、追い詰められたグローバル経済を推進しようとする側が、WTOからFTA/EPAにシフトしたのである。TPPはいわばその「最終攻撃」ともいえるものだ。したがって、TPP参加国の市民は今こそ連帯し、ヨコのつながりを固めてTPPを形骸化 していく、そのような国際的な対抗力を持った連帯が求められているのである。今後、私たちが希望を見いだせる方向はそこにしかないだろう。
以 上
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