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皆さん
教員です。各種更新の遅れをお詫びします。
さて標記のとおり、私の所属する日本協同組合学会では、6月28日に参議院議員会館で記者会見を行い、学会理事会として以下の声明を発表しました。
様々な立場の会員が存在し大変に困難な中にありながらも、理事の方々が調整と推進に奮闘された結果と聞いています。
私は同学会会員ですが、大変優れた声明だと考えますし、会員として誇りに思います。理事の方に敬意を表したいと思います。
我々が、この歴史的転換点の中で問われているのは、研究対象となる基盤が根こそぎ破壊されようとしているときにありながらも、なお自らの狭い枠に閉じこもって「研究」や「業務」に専念しているままでいいのか、ということです。
どうか、各関係者の皆様も是非以下を熟読され、今後のそれぞれの現場でのご判断に供していただきたいと思います。
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民主主義の原則を否定するTPP交渉参加に反対する
日本協同組合学会理事会
日本は民主主義の国である。民主主義の原則を否定するTPP交渉参加に反対する。
政府は7月からTPP交渉の正式参加を表明している。交渉に参加するからには、情報を分析したうえでなければならない筈であるが、交渉に入るまでは正確な資料を見ることができないという。それだけではなく、既存メンバー間でこれまでに決めた事柄は原則として再協議しないルールだともいう。密室で議論され且その内容が公開されない。
このようなTPP交渉は、極めて非民主的な交渉であると言わざるを得ない。
このような非民主的な交渉方式では、かりに交渉参加の場で政府が主張する「国益」が議論されたとしても、その内容は最後まで我々国民には開示されないであろう。国民は日本の国益が議論されたかどうかすらも知ることができない。我々は、政府のTPP交渉参加が、わが国の国益を著しく侵害する危険性が高いことを憂慮する。
また、わが国は、農協、漁協、森林組合、生協、信金・信組・労金、労協、医療福祉、中小企業の組合等、組合数36492組合、組合員数80259千人、職員644千人を数えるいわば協同組合の国(コープ・アイランド)でもある。TPPへの参加は、農業等の第一次産業だけでなく、地域に密着した事業に取り組む多くの協同組合活動にも大きな影響を及ぼす。
我々は以下の理由で政府がTPP交渉に参加することに反対を表明する。
1.交渉内容を全く開示しないTPP交渉参加は、国民の意思を反映しない交渉参加となり、民主主義の否定となる危険がある。民主主義の基本である自由と平等は、日本国憲法が保障する何人も侵すことのできない永久の権利である。
2.TPP交渉は国際間の契約であるが、わが国に残された自由はもはや契約を締結するかしないかの選択でしかない。契約内容の自由、形式の自由、相手方選択の自由は著しく制限されている。
3.契約自由の原則の貫徹されない条約の下では、国民の自由は極めて制限される。そのような状態で国民及び国家の利益を確保することは不可能である。
4.TPP議論の本質は、経済活動の自由のためであるかのように装いながら、背後に日米安全保障・防衛問題が隠されており、真の自由貿易の議論ではない。
5.法律はその国の文化の反映である。しかるにISD条項の内容いかんによっては、わが国の司法の及ばない恐れがある。その結果、日本の社会制度・文化・伝統の否定をもたらす危険性がある。
6.協同組合は、自助、自己責任、民主主義、平等、公正、連帯といった価値を基礎におき、自立した人々による地域に根ざした協同組織である。これは日本だけのものではなく、世界共通の基本価値・原則である。民主主義と平和を大切にする日本協同組合学会理事会は、世界の市民が等しく自由と平等を享受し、豊かな地域コミュニティづくりに参画できる世界を希求してやまない。
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日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋 巌
(日本協同組合学会会員:元常任理事・編集委員長)
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