高橋巌ゼミブログ

農・食・地域・生活破壊の原発、TPP、改憲、全ての戦争策動、特定秘密保護法廃止!!311被災者支援を!【8.9万アクセス感謝】

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【写真左から1〜3枚目:朝食と夕食の一部。どれもこれも、本物の「食」を体験できる素晴らしいメニューでした!/4〜7枚目:3日目夜の報告会(反省会)。学生1人1人が感想を述べます。みんなそれぞれが、自分の言葉で素晴らしい感想を述べました。現地の方とも遅くまで意見交換が続きました/8〜10枚目:地元の方には大きな音でご迷惑をかけた?花火大会。申し訳ありません。来年はもっと離れたところでやります/11枚目:4日間とも晴れて気持ちのいい日が続きました。晴れた日は練り塀も特に美しいです/12枚目:想い出多き島を去る。また来年!】


  いよいよ祝島報告も最終回です。
 
 原発を拒否し、食を含めた地域資源循環の中で、地域経済のあり方を考えるというのが、大げさにいえば今回のフィールドリサーチの目指すものでした。
 この取組みは、3年目になるものでしたが、これからの明日を担う学生諸君に、これだけ豊かな自然と、それを声を出してでも守り続け、土と海と風の中で助け合い生きる人たちの姿を見せられたこと、体験させられたことは最高の教育機会であったと思います。

 祝島の暮らしは元々、資源を収奪しない、自然とともに生きてきた暮らしではありましたが、都会ほどではないにしろ加工食品の利用は当たり前になってきました。
 我々は、元々あった島の暮らしを体験する中で、「本物の食」「自然とともに生きる暮らし」をよりリアルに体験し考えよう、ということから今回の実習に取り組みました。ただ、日程が限られる中で、昨年はやや内容が濃すぎたとの感想もあり、今年は自炊回数を減らすなど、適切なバランスになったと思います。

 最終日の夜は、実習でお世話になった地元の方々を招いて、報告会(反省会)を開催しました。学生1人1人が、地元の方への御礼を兼ねて実習の感想を述べていくのですが、毎年、この時のみんなの表情が最も輝いているような気がします。

 おそらく、これまでの彼らの人生の中で、初の体験・見聞ばかりだったでしょう。普通に都市的な環境の中で過ごしてきた学生にとって、原発の問題にしても、食の様々な問題にしても、どんなに座学で勉強したとしても、基本的には自分とは遠い世界のブラックボックスに近い実感であっただろうからです。
 そのギャップを埋めてくれた今回の実習は、大変だったとも思いますが、彼らにとって大きな財産になったと思われます。

 最終日、全員元気で実習を終了。我々を乗せた予定どおり船は祝島を離れていきました。
 
 大学としてはこのような実習に留まらず、様々な形での地域支援と連携に取り組み、地域経済の発展に寄与することはいうまでもありません こうした体験を経た学生諸君が、祝島の人たちとその運動を忘れず、これからも「脱原発」と「食」の大事さ、資源環境保全の重要性を長期的に意識の中に持ち続け自らの将来を決めていくこと、そして、その思いが実現するような社会を建設していく気持ちを持ち続けること、そのことこそが「連携」の「意義と役割」であり、現地への最大の恩返しではないかと思います。

 最後に、参加した2年生のレポートの一部を掲載します。いずれも素晴らしいレポートばかりでしたが、参加学生の気持ちを代弁しているものだと思います。

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 【Aさんのレポート】
 福島原発事故が起こってしまって・・・私は、スーパーで福島県産の野菜などが売れなくなっていることがすごく悲しくて悔しかった。他にも、米や、福島県以外でも東北産のもの、家畜や魚などが風評被害にあっていて生産者の方たちが絶望しているニュースなどを見てとてもショックを受けた。
 だから、祝島の人たちには同じような目にあってほしくないし、もう日本で同じような過ちを犯さないでほしいと思う。実際に現地に行って自分の目で見て話を聞いて、その思いは更に強くなった。他の若い人たちやあまり原発についてわかっていない人たちも同じように目で見て話を聞いて感じることが大切だと思う。
 そのような貴重な体験ができた私は、これから周りの人たちに私が感じたことを伝えるというのも、祝島や原発の周辺に暮らしている人たち、これからの日本の自然や食糧を守っていくために必要なことなのだと思った。


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 【B君のレポート】
 こんなに素晴らしい光景、文化、人々の心を、「原子力発電所」は消し去る可能性を持っている。そしてそれはこの祝島のケースだけに当てはまることではないのだ。日本中、いや世界中どこであったって「原子力発電所」は人々の生活を、文化を脅かす。
 このフィールドリサーチに参加するまでは「原子力発電所がなければ人々の生活をカバーできるほどの電力は供給できないのではないだろうか。故に多少はその存在を認めざるを得ない。」と考えていたが、祝島での生活を経てそんなことは微塵も思わなくなっていた。
 祝島での4日間の生活は本当に驚きの連続であった。初めて知ること、価値観の変化、そして原発問題。しかしなんといってもやはり、「祝島」という小さなコミュニティーが成し得る循環する農業や、人々の互いの絆の強さに対する感動が最も強い。できることなら来年も、再来年も祝島に訪れたい。本気でそう思える。この4日間は私の人生の中でも非常に大きな出来事になったはずだ。これほどに貴重な経験が出来たことを私はとてもうれしく思う。

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 現地の関係者の方々には、お世話になりっぱなしでありました。本当にありがとうございました。
 この場を借りて、心から御礼申し上げます。

                日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋  巌

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【写真左から1〜4枚目:現地の農家を手伝っていただいた野菜・果物、そして釣ったりいただいた魚。こうした食材で何をつくるかみんなで話し合って決めます。メニューはその場の食材で決まるのです。/5〜6枚目:大漁の魚!これをみんなでおろします。刺身、焼魚、ムニエル・・食べきれない量でした/7枚目:ある日の朝食メニューの一部。ひじき、かぼちゃ、まくわうり。シンプルですが最高に美味しい!/8枚目:島民の方により、何と天然のテングサからつくられる寒天によってコーヒーゼリーが振る舞われました!/9〜11枚目:氏本さんの豚肉もふんだんに!豚汁にハンバーグ、そして最終日は・・これほど美味しいものがあるかと思えるほど美味しい、その場でつくった無添加ベーコン!!もう最高でした!/11枚目:みりんなどを駆使し「なめろう」を成功させたゼミ生/12枚目:燃料も自給。火加減もこのように】

  今年度も、昨年度に続き、食材と燃料を全て現地調達し、調理も自らの手で行うという自給自足に取り組みました。今年度は、毎日の朝食を班決めで行い、最終日の夕食についてのみ全員で行いましたが、2日目の夕食についても、有志が調理に参加しました。
 お金を出せば何でも買えるいつもの私たちの食生活。原発などエネルギーや地域経済問題だけでなく、そうした「食」のあり方を見直し「本当の食」を体験するための取組みでした。4日間、今年も食事指導のお世話をしてくださったのが、芳川さんと堀田さんでした。
 自給自足2年目の今年は、食事の班分けは事前に行い、朝食当番は早朝集合ということで事前の伝達も行き届いていたので、昨年よりはみんなも覚悟ができていたようでした。

 毎日早朝5時半、朝食担当班の火起こしから一日が始まります。薪をくべ、火が落ち着いたところで鍋を火に掛ける。メンバーは代わっても、3日間それが繰り返されました。 学生も、キャンプ以外でこうした経験はなかったでしょうし、キャンプにしても最近ではこれほどの手づくりの食事はあり得ないでしょう。

 そして食材を得るため、農家の人たちの懐に飛び込み農作業を手伝って野菜をもらい、漁師さんとの交流の中から魚を分けてもらったり、釣りをして夕食のおかずとなる魚を得ました。そして、燃料の薪も、農作業の時に自ら拾ってきたものを使うといった徹底ぶりでした。燃料に始まり、多くの食材を自分たちだけで調達して、食材のほとんど全てを島内産で賄うことによって、3日間のフードマイレージはほぼゼロという文字どおり「地産地消」の実践になりました。

 もちろん、調理は班分けをして学生全員で行いました。島でとれた海藻や干しエビ、魚でダシをとって島の野菜で味噌汁をつくる。魚を3枚におろし、刺身・焼き魚・ムニエル、さらにみりんなどを加え「なめろう」までを自らつくる。氏本さんの放牧豚の素晴らしい豚肉をスモークしベーコンにしたり、島内産のひじきを合わせハンバーグにする。ご飯は薪を燃やし、地元産の5歩づきの美味しいお米を釜で炊くという徹底ぶりでした。そして洗い物についても、合成洗剤を使わずリサイクルの布できれいに洗うといったやり方でした。
 もちろん調味料も含めて添加物ゼロ、文字どおりの自然食の食卓となりました。(つづく)

                日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋  巌

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【写真左から1〜7、12枚目:海の実習。船に乗せていただき釣りを!大漁でしたが、私の釣果はというと・・。/8〜9枚目:釣ったその場で魚をさばいて刺身に!これをやるともう、どんな魚も食べられます?/10〜11枚目:さらに漁船から海に入って泳ぎます!】

  農業実習に続いて行ったのが海の実習です(2班は日程が逆)。
 今年も、漁船2隻に乗せていただき、島を周遊しました。

 海からは島の全景を見渡すことができ、改めて島の美しさ、瀬戸内の自然の素晴らしさを満喫しました。
 さらに、漁業の実習と食材の調達を兼ね、釣りを体験することができました。今年は昨年より時間をかけたおかげでやはり大漁で、豊かな食材をゲットできたのですが、私の方の釣果は、学生の皆さんが取り尽くした後のせいか??さっぱりでした。

 何よりいい天気に絶景で、学生も興奮気味。さらに漁船から海に入り、思いっきり泳ぐことになりました。もちろん、水に不安がないように、今年は浮き輪も用意したので、泳げない学生も海の遊びを満喫できたと思います。私も大満足でした。

 一方で、原発建設現場を海上から間近で見ることにもなり、改めて原発立地の矛盾を目の当たりにしました。

 「本当にこんな所に原発ができるんだ!」「信じられないね」「おいおい、冗談じゃないよ、まだできてないし、第一つくらせるわけにはいかないよ」「本当にそうだよね」。

 決して強制したわけでもないのに、学生たちの間でこんな会話が自然に出てくる現地での学びは、さらに進んでいきます。
                                (つづく)
                              
            日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋  巌

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【写真左から1〜5枚目:農業班は自転車に乗りまずは生ゴミの回収。そして農場に向かいます/6〜9枚目:放牧豚は今年も元気!豚が開墾しつつある畑の草刈りなど農作業も行います。/10枚目:放牧豚を囲んで】

  さて、まずは農業実習の報告です。
 2日目から、2班に分かれて農業/海の体験実習を行いました。
 まず農業体験では、昨年に引き続き、Uターン者で地域おこしに取り組む氏本長一さんの「放牧養豚」のお手伝いをしました。

 これは、耕作放棄地に豚を放牧し、草木を食べて貰って農地復元を行うとともに、島内の生ゴミや農業残渣を回収して豚に飼料として給与し、資源の循環を行うという農法です。豚の放牧は全国でも珍しく、野を走り回る豚の姿に、学生の皆さんは最初戸惑いながらも大喜びでした。
 全員で自転車に分乗し、島内の家庭から出た生ゴミの収集を行い、豚の「ゴチソウ」をゲット。この島の豚たちは、これら島内の残飯や、豆腐店のオカラ、ビワなどの農業残渣、そして耕作放棄地を開拓するために、生い茂った草木を「主食」としているのです。輸入配合飼料で育つ一般の豚とは全く異なるものです。
 自由に放牧され、自然交配(一部人工授精)で生まれた豚の子供も野の中で育ちます。豚たちは残飯ほかは耕作放棄地で草木を掘り返し、これが農地復元になっているわけです。
 但し、やはり島のマンパワーが不足しており、農地の貸借問題などもあり、Iターン者などどんどん耕作を拡げるという方向にはまだなっていないようです。一刻も早く原発問題が収束し、農漁業を基軸に据えた地域づくりが必要であると、今年も実感させられました。

 集めた生ゴミを唯一の島外からの資源であるフスマと生ゴミを手でミキシングし、豚に与えます。ほとんどの学生は豚の側に行くのはおろか、間近で見るのも初めての者ばかり、それも日本では極めて珍しいケージの中に居ない放牧された豚とあって、びっくりしていましたが、空腹を訴えたり愛嬌を振りまく豚に慣れていました。

 このあと、豚が開墾した畑で草刈りを行い、今年も1945年に被曝した稲の説明を受けました。これは1945年に長崎で被曝した稲を毎年作り続けているもので、68年経った(つまり68代後の世代)今も、実がほとんど入っていないのです。放射線によりDNAを傷つけることの恐怖を改めて実感するもので、原爆の恐怖はもとより原発と人類が共存できないことを立証するものです。
 
 このように学生たちは、土にまみれ、海からのさわやかな風が吹き抜ける畑で、色々な学びを重ねていきます。
                                           (つづく)
                                

            日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋  巌

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【写真左から1枚目:柳井港から祝島へ。素晴らしい海の景色が続きますが、やがて原発建設予定が目に入ってきます/2〜6枚目:初日の講義・ヒアリング。/7枚目:地域住民の方へのヒアリング調査。熱が入ります/8枚目:島の人たちの熱意が伝わる原発反対の大看板/30年以上、1200回近くもの間毎週月曜に続けられる原発反対デモ/9枚目:初日の夜、公民館で地元との方々との記念撮影です】

  教員です。

 大変遅くなりましたが、2013年9月上旬に実施された当ゼミフィールドリサーチの報告です。
 数回に分けて報告します。

 我々のゼミでは、昨年に引き続き、今年も山口県上関町祝島を訪問しました。
 祝島に行くようになったのは2011年度からのことです。この経緯については、昨年度、一昨年度の報告で詳細を記載しているので、お読みいただければ幸いです。
 
 昨年度記事↓
http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/53367643.html
http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/53368252.html
http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/53377616.html
http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/53377695.html
http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/53377766.html

 今年はゼミ所属2年生15人、大学院生と3年生引率学生2名で17名というメンバーでした。
 祝島は、瀬戸内海に浮かぶ周囲約12kmの小さい離島で、瀬戸内のすばらしい自然環境の中、一本釣りや遊漁を中心とする漁業と、無農薬栽培のビワ生産など、島の人たちは農漁業を中心に生活を営んでいます。一方で、島の対岸約4kmの地点に中国電力上関原発の建設が予定され、一部で埋立工事が始まっていました。しかし祝島では、住民の約9割が原発建設に約30年間反対を続けており、原発に関連した助成金の受取りや漁業権放棄などを拒否しています。

 私たちは、これまでと同様に、事前学習会(ゼミ)では、食と放射能問題、原発と再生可能エネルギーなどについて学び、その上で、祝島の概況を学習し、現地に入りました。
 決して便の良いとは言えない(ゆえに自然の宝庫なのですが)離島において、今年も大人数でありがらも、現地の方々のご協力により、無事にすばらしい実習を終えることができました。
 この場を借りてお世話になった現地の皆様に、重ねて御礼を申し上げます。

 初日、まずは祝島に行く船の出る山口県・柳井港に現地集合しました。
 夕方に島に着き、3か所に分散した宿舎に荷を置いて、まず1グループの宿舎である「みさき旅館」さんに集まり夕食を摂ります。
 食後、祝島の概況を伺うため公民館に集合して学習会を行いました。「現地概況説明」は、祝島町内会長:元教員の木村力氏、「祝島の地理・歴史の概況」を上関町教育委員会:教育委員長の橋部好明氏にお願いしました。
 そして、何より祝島にとってとても大きな問題である「上関原発反対運動の歴史と現況」については、地元で30年以上反対運動を続けている島の自治組織「上関原発反対祝島島民の会」会長・清水敏保氏から、また、翌日から実習でお世話になる氏本長一氏と、食事づくりでお世話になる「こいわい食堂」の芳川氏、Iターン者である堀田氏らから挨拶と説明を受けました。

 今年のヒアリング調査は、全体の場だけでなく、宿に宿泊したメンバーは島の住民である宿の経営者の方にヒアリングをするとともに、食材調達などでお世話になった島民の方に積極的に話を聴くよう指示し、また調査票もそのように設計していました。さらに、毎週月曜日に行われ、1200回近くにわたり実施され実にギネスブックに掲載されるほどの、島民の方による原発反対デモの実態を学ぶこととしました。島の人たちが自主的に続けてきた、のどかでいて、しかし緊張感を漂わせたデモは、このような社会的事象を初めて見る学生たちの胸を打つものがあったと思います。
 
 このように、大学の教室だけでは知り得ない実態的な学びは、明日からの実習でさらに深められていくこととなります。
                                             (つづく)
      
                日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋  巌

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