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皆様、本年もよろしくお願いいたします。
2015年年頭においても、3年前の2012年年頭に「311の被害が全く解決もしていないのに、無邪気に年明けが喜べる状況にはない」と宣言した実態は、何ら改善されたとはいえません。
311からすでに4年を迎えようとしているのに、国・東電が主犯の人災による福島第一原発事故によって、原発から日々環境に放出される大量の放射性物質を封じ込めることは未だにできておらず、事故収束の目処は全く立っていません。さらに、約12万人以上といわれる原発事故を起因とする避難者の多くも、居住地に帰還できる見通しは立っていません。
にも関わらず、現政権と国は、避難の続く人たちの気持ちに寄り添っているとは到底いえません。
現在国は、福島県内を中心に大規模な「除染」を推進し将来の「帰還」を煽っています。
住宅地・学校敷地などごく一部で、「除染」が実効をあげ、生活環境の安全度が上がった例が全くなかったとはいいませんが、「除染」を実施する多くの地域で、空間線量が法で定められた公衆被曝線量の許容値まで下がらないばかりか、「除染」で生じた放射性廃棄物は処分の見込みも立たず天文学的な量に達しています。なにより、仮に宅地や道路、農地の「除染」はできても、山間部の山林は「除染」しようがない中で、放射能汚染被害のある中山間地域での居住や農林漁業の再建は極めて困難な状況にあります。
こうした福島県や周辺地域の悲劇を踏みにじるように、現政権や電力会社や業界のみならず野党の一部、一部関係行政まで、原発再稼働はおろか、新規建設や原発輸出まで画策し、またそれを支持している有様です。この国における政権当事者や一部の行政、関連業界に携わる人たちの行動や思考は、常軌を逸しているとしか言いようがありません。
311から3年を経て、なお日本で最大限に必要なのは、何より国際的な力を結集して一日も早く原発事故の収束を図るとともに、福島県を中心とする10万人を超える大量の避難したままの人たちを支援し、生活再建を図ることのはずです。そして、「除染」には限界がある中で、放射能汚染が極めて広範囲にわたり、数10年の単位でこれからも長期間続くことが明らかである以上、原発事故被害の少ない地域に住居や仕事の場を移して避難し、新しい生活を始めようとする人たちの希望に沿う支援を用意する必要もあるはずです。
しかし現政権は、それらの国を挙げて対応すべき最重要課題を放りだし、原発事故をはじめとする内政の矛盾を覆い隠すため、「ショック・ドクトリン」そのものの「火事場泥棒」ともいうべき「政策」を強行しています。
その最大の事象は、現代の治安維持法=特定秘密保護法の強行や、憲法破壊の「解釈改憲」、武器輸出解禁などで軍事強化に突き進み、周辺国との軋轢を強め国際的な緊張を煽っていることにあります。これは戦後の長い年月、先人がその立場を超えて守ってきた非戦・平和の国のあり方を突き崩すものであり、戦争にまで拡がりかねない形で無理矢理「外」に目を向けようとする、クーデター的暴挙です。
経済面でも、滅茶苦茶な「政策」が横行しています。まず、現政権による公約違反のTPP交渉参加強行です。このままTPP本来の目的に沿った形で交渉が決着すれば、農業・食料の分野のみならず、国内法を乗り越えた形で無秩序な投資家たちが跋扈することになり、「生活の全てが激変=改悪されかねない」恐るべき事態になることが懸念されます。
国内経済政策でも、実効性がないどころか見かけだけのバブル=自称「アベノミクス」で、極めてごく一部の富裕層・大企業だけに恩恵を授ける一方、かつ、急激な円安政策によって輸入物資は軒並み値上がりし、「景気はよくならず物価が上がる」スタグフレーション傾向が強まっています。さらに、一般市民は消費増税で追い打ちをかけられており、国の各種統計でも、増税強行以降、はっきりとした形で「景気減速」が示されています。
これに、セーフティネットを弱体化させ無為無策の米政策が惹起した米価大暴落、農業生産資材の高騰も加わり、農業者や中小企業者は青息吐息、廃業や離農が加速化しかねない状況にあります。
以上のような実態にある2015年年頭、私たちはこれをどう考えるべきでしょうか。
もちろん私は政治家でもありませんし、社会運動を専業にする者でもありません。あるいは、行政当事者でもありません。
しかし、自分の持ち場である農・食・環境に関する教育・研究の仕事が、これらの状況と無縁であるとはとてもいえませんし、自分の仕事を通して、この事態の分析と、その回答・オルタナティブを模索し情報発信するようつとめる義務があると思っています。
むしろ、大学教員として社会に情報を発信していくことと、未来ある若者たちに社会と経済のことをしっかり考える機会と場を用意し「人に振り回されないよう、自分の頭で考える学びを支援する」ことは、とりわけ社会科学分野の大学と大学教員の最重要な使命であると考えます。
私なりの宿題ですが、一つの提案として考えていきたいのが、【原発現地に新型火力発電を建設する】ことです。危険な原発は廃炉を推進し、ガスタービンなどの最新型・効率的な火力発電を建設すれば、送電その他現状のインフラは当面活用できますし、地元の雇用も一定程度守ることができます。
もちろん、私自身もまだ研究途上ですし、一見、荒唐無稽のようですが、カナダで例があると聞いていますし、原発依存の地域経済転換や、再生可能エネルギーのシェアを高めることは一挙には無理で、中長期の課題です。かつ、現地雇用等も考慮すべき重要な課題ですし、当面こうした具体的な提案をしない限り、原発現地は、続々と無謀な再稼働を支持することは避けられません。
もちろん、政権が「原発からの転換」を決めれば、十分可能で最大級の現実的プランだと考えられるのですが、こうした大胆な政策転換の提起なども我々の重要な仕事であると思っています。
------------------ もともとこのブログは、研究室非公式HPの一部として、ゼミの行事報告や学生間の情報・意見交換のため、ゼミ学生=高橋ゼミ1期生の手により9年前に開設されたものです。古い記事を見ていただければ解りますが、開設当初の時期は非常に牧歌的な内容のブログでした。
時が流れ、2010年10月のTPP問題惹起と、2011年の311による大きな情勢変化以降は、このブログもその性格を変え、主としてこの2つの問題を中心に教員から情報発信する場となりました。
しかし残念ながら、(1)2013年後期以降、人事異動に伴い教員の校内業務が激増したことや、(2)現在、学科の公式フェースブックが開設され、ゼミ行事の速報はそちらで報告していること、(3)また、短報的な情報発信は教員が個人で対応しているツイッター(@IWASHI77 https://twitter.com/search?q=IWASHI77 https://twitter.com/IWASHI77)に移行したこと、の3点により、音楽活動の情報提供以外、このブログは更新が遅れがちな状況にありました。そのことは、ツイッターや著作以外で社会への「まとまった情報発信」する仕事が、私自身でなかなかできていなかったことを意味しています。
ブログは、まとまった情報発信が、タイムラグがある雑誌や著書の原稿・論文にはない迅速さでできる場でもあります。
非常に厳しい状況が続く中で、今年は何とかこの場をより活用し、情報発信の仕事も頑張っていこうと決意しているところです。もちろん、多少の時間差はお許しいただきたいですが、フェードアウトしがちな「新年の決意」に終わらせることなく、何とか頑張っていきたいと思っています。
なお、ゼミ行事の速報は学科公式HPとフェースブックを、短報的な情報発信は、引き続きツイッター(@IWASHI77:フォローを歓迎します)をご一読ください。
2015年の皆様のご多幸を祈念し、長文ながら新年のご挨拶といたします。
2015年1月
高 橋 巌
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高橋 巌【日常の記録・同窓会等】
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(白い丘の向こう側へ/北海道浜頓別町XCスキー) |

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寒中お見舞い申し上げます。 |




