高橋巌ゼミブログ

農・食・地域・生活破壊の原発、TPP、改憲、全ての戦争策動、特定秘密保護法廃止!!311被災者支援を!【8.9万アクセス感謝】

高橋 巌【最近の論文・論説から】

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本ブログの主催者・日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室(高橋ゼミ)の教員・高橋巌が執筆した最近の論文・論説などの中から、掲載できるものをピックアップして掲載します。業績の詳細は、以下でご覧ください。http://kenkyu-web.cin.nihon-u.ac.jp/Profiles/69/0006803/profile.html
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【原発】祝島研究報告

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☆原稿部分は写真ファイルです。右下隅の「+」印をクリックすると、別ウインドウで拡大させて読むことができます。

 教員です。

 さる11/25(金)〜26(土)で行われた「全国農村サミット2011」のポスターセッションにおいて、
私と学部生有志学生グループが発表したポスターをここに掲載しておきます。

 今年の農村サミットは↓
 http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/52508741.html

 報告記事は、のちほど掲載します。

 なお、この祝島報告の基礎となったのは、以下でまとめた2年フィールドリサーチの現地調査です。こちらも是非ご覧ください。

http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/52586590.html
http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/52586789.html
http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/52586948.html
http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/52587082.html

 ※なお、ブログ上では学生個人名は省略しております。皆さん。お疲れ様でした!

            日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋  巌

(日本農村計画学会への寄稿小論に加筆修正したものです。11/14 3:30再加筆+11/15 2:20一部加筆)

             TPP−「国家的詐欺集団」による「魔境」への径−

                                   2011.11.13  高橋 巌

 TPP(Trans-Pacific-Partnership:環太平洋連携協定)とは、「原則として、即時または10年以内に段階的関税撤廃を行う貿易協定」のことである。2006年にシンガポール、NZ、チリ、ブルネイの4か国による「経済連携協定(通称P4)」が発効したのを皮切りに、2010年4月より米国、豪州、ペルー、ベトナムが、10月よりマレーシアを加えて、現在は9か国によりTPPの交渉を行っている。2010年10月、横浜で開催されるAPEC首脳会議に向けて、当時の管首相が突如「平成の開国」「日本のTPP参加」をぶちあげたことで、国内は騒然となった。この理由は、TPPが「関税等を例外なく撤廃する、究極の多国間自由貿易」であったこと、そしてそれが、民主党政権交代時の公約にも全くない「初耳」な内容であったことにある。

 その後、2011年3月11日の東日本大震災で棚上げとなったが、代わった野田首相は、最優先すべき被災地支援を放り出しながらTPP積極推進策動に明け暮れ、1,167万人の反対署名や、約8割以上の地方議会と約半数の国会議員が「反対」「慎重」を訴える中でも、首相・民主党執行部は「参加」意向を強めていった。そして11月11日、国会ではなく記者会見で「TPP参加に向けた協議を開始する」ことを表明、11月12日からのAPECで早速様々な協議入りをするに至った。当初「TPP参加絶対反対」を訴えていた民主党「慎重派」は、「首相発言は参加を意味しない」などと詭弁を弄し自らの責任を糊塗隠蔽しているが、すでに日米首脳会談で、早速野田首相は、オバマ大統領から牛肉問題など非関税障壁撤廃を強要されている有様で、事実上「交渉参加」以外の何物でもない状態に入ってしまった。

 TPPが「撤廃を目指す」とする関税とは、「国内産業の保護を目的、又は財政上の理由から、輸入貨物に対して課される税金」のことであり、国家が国内の産業をどのように保護するかを決定し、国家間の対等な貿易を確保するための最も基本的な措置である。この関税を自主的に決定する「関税自主権」は、独立国家の最前線に位置するものである。ちなみに、日本は江戸幕府が開国して以来、日清・日露の2つの戦禍を経てようやく関税自主権を勝ち取ったのが、皮肉にもちょうど100年前の1911年のことであった。また「非関税障壁」とは、関税によらない貿易制限のことで、検疫や国内で使用禁止の遺伝子組換食品、添加物利用等を理由にする輸入制限・国境措置等が上げられる。

 戦後、アメリカなどは、大戦の要因になったとされる「ブロック経済」を解消し、通貨の安定の一方で関税と非関税障壁など国境措置の撤廃をめざし、それらの段階的削減を以て「自由貿易」を推進しようとした。こうした考えは、1944年のブレトンウッズ会議で構想された戦後国際経済の枠組みで示され、戦後「世界銀行」「国際通貨基金」「ITO(国際貿易機関)」の3本柱によって、実行に移されることとなった。しかし、戦禍で疲弊し食料が絶対的に不足するアメリカ以外の諸国にとって、ITOという「モノ」に関する自由貿易原則を徹底するというハードルは、あまりに高過ぎるものであった。そこで、ITOの憲章を協定化し段階的に自由貿易を拡大しようとしたのが「GATT(関税と貿易に関する一般協定)」である。実は、GATTは、加盟各国の国内法よりも下位に位置する「取り決め」に過ぎなかったが、自由貿易拡大を意図する勢力は、日本の「コメ・乳製品等基幹的農産物の関税化」等が決まった1993年のGATT=ウルグアイ・ラウンドの「成果」を踏まえ、GATTをより強固にする貿易ルールを世界化することを目途に、「WTO(世界貿易機関)」を発足させたのである。 

 ところがWTOは、GATTと異なり国内法より優越的地位を占める強力な内容であったこと、自らの利害を優先する先進国と途上国との利害が一致しなかったことから、各国・地域での対立が深まっていった。この象徴が、1999年のシアトルで、先進国・途上国のNGO・労組等が一体となった闘いを展開し、新ラウンド成立が阻止されたことであろう。これ以降も全体的な妥結は困難を極め、自由貿易ルールの国際的拡大は暗礁に乗り上げた。このため、複数国・地域間でWTOルールに従い個別に交渉を行うFTA(自由貿易協定)・EPA(経済連携協定)が各地で展開されることになったのである。

 今問題になっているTPPは、このFTA/EPAの一種と解されるが、通常のFTA/EPAと根本的に異なるのが、FTA/EPAが自由化ルールを二国(地域)間で協議する「ポジティブリスト」方式が中心であるのに対し、TPPは「関税・非関税障壁を例外なく撤廃する」(僅かな例外のみを定めるネガティブリスト方式)という「究極の多国間自由貿易」であることで、関税自主権確立100年後の今、関税等を「全て取り払え」という強力なものなのである。

 自動車・電気など日本の基幹的企業各社や経団連、及びその利益代弁者である「連合」は、輸出拡大が見込めるとして、この「参加」を総じて歓迎しているほか、TPP推進派は「アジアにおける今後の貿易ルールづくりを主導する意味でも参加表明を急ぐべきだ」と主張している。しかし、農水省の試算では、食料自給率は約13%にまで低下するなど、農業生産と地域経済は甚大な悪影響を受けると予想されている。またTPPは、金融保険・医療・公共調達・労働・放送・投資の自由化など24もの分野において「貿易上の国境を廃する」ことを目指しているため、もし本格的に参加となると、ダメージは市民生活全般と全産業に及ぶと予想される。

 実際に、アメリカの最大の関心事は、農産物はもとより金融保険にある。アメリカは、日本の郵貯・簡保や農協共済など「国内にストックされたマネー市場」の流動化を目指し、これら市場開放こそが、自国の雇用と輸出の増大につながると攻勢をかけているのである。したがって日本医師会などは、混合医療導入による国民皆保険の崩壊と、それを見越したアメリカの保険会社の参入拡大などを懸念し強硬に反対している。そもそも内閣府試算でも、TPP参加メリットは1年で2,700億円程度のGDP増に過ぎず、また日本が加わるとすると、TPP参加国のGDPは日米両国で実に91.3%を占め、事実上「日米FTA」にしかならないというのが実態である。円高に加え現地生産が進む中では、各国への輸出拡大どころかアメリカへの輸出増も期待できない。他方、日本農業の最後の防波堤は完全に崩壊し、農業農村・地域経済の疲弊は急加速することになる。TPP推進派の数少ない根拠である「貿易ルールづくり」についても、日本にとってアジア最大の貿易相手国である中国はもとより、韓国やタイ、インドネシアなども参加しておらず、その実効性が疑問視されるほか、野田首相のTPP協議参加表明直前になって、交渉参加には長期間を要するため、ルール協議に間に合わないなどの問題が浮上してきた。結局TPPは、経団連を構成する一部大企業の海外進出拡大しかメリットはなく、「アメリカ属国化策動」でしかないという指摘は、極めて妥当であろう。

 TPPが最も恐ろしいのは、「ISD条項」により「自由貿易を侵害された企業」が国を訴えることができることである。国内法よりTPPルールの方が優越する上に、こうした企業訴訟で企業が勝てば、それが長期にわたってルールとして固定化してしまうのである。このような条項は、国内法より優越するというWTO原則自体にその基本があり、かつFTA/EPAでも、NAFTAに加入するカナダがガソリン添加物でアメリカ企業に訴えられ、事実上敗訴した例が最近よく取り上げられている。しかし、FTA/EPAではその運用が個別決定の領域にあるのに対し、TPPは、ISD条項が最も原則的かつ非妥協的な形で入っている点に、最大限留意すべきである。こうした形での非関税障壁撤廃攻撃が本格化すれば、食の安全・医療など国内のあらゆる分野で、国内法規制ができなくなる可能性が非常に高い。まさにこれは、形を変えた植民地化であって、江戸時代末期・黒船時代への回帰「魔境への径」といっても過言ではない。

 もとより、2009年の民主党への政権交代を実現したのは、市民の新自由主義的政策転換の希求にあるのであって、農業分野では、従来の選別的担い手政策から、直接所得補償等で「多様な担い手」を確保し食料自給率を向上する政策転換にあった。そこに登場したのが、寝耳に水で自由貿易・新自由主義的政策の極北にして新自由主義者の最終兵器・TPPの強行という事態である。
 
 原発事故被害は収束どころか拡大の途をたどり、多くの被災者の暮らす仮設住宅は冬支度すら間に合わないというのに、「復興に全力を挙げる」といった野田政権・民主党は、この間復興など二の次・三の次にし、被災者を置き去りにしてTPP推進に血道を上げる始末であった。現政権は、議会制民主主義の体をなさないどころか、何ら道理のない「国家的詐欺集団」との批判を免れないであろう。

 我々は、TPPに伴う極めて大きな環境変化のもとで、農業・農村のあり方のみならず、市民生活全般を今後どのように展望するか、難しい課題に直面したといえる。

【参考文献】最近の金子勝・中野剛志・内橋克人各氏らの論考を参考にしたほか、アメリカによる一連の共済分野への「要求」については、高橋巌(2008)「協同組合とソーシャルキャピタル−総合農協の特質との関連で−」『協同組合研究』第27巻第1号、pp.11-27、など。


                  日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋  巌

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 教員です。

 以下で紹介した共著書『脱原発社会を創る30人の提言』が、7/15に発行の運びとなりました。
 私の論文名は「引き裂かれた関係の修復−原発を止めるためのムラとマチの連携を」です。
 (コモンズ、2011年7月15日刊、ISBN978-88187-084-2)

 http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/52104814.html

当初の発表と、若干著者が変わっていますが、タイトルどおり(私はさておき)蒼々たる方々の
並ぶ「30人」です。
 ここの末席に名を連ねる者として、社会的な情報発信に引き続き取り組まねばと、意を新たにして
います。

 どうかお買い求めの上、ご一読ければ幸いです。

 この場を借りて、出版・執筆にあたってお世話になった方々、様々な情報等をご教示いただいた
方々に、厚く御礼申しあげます。

                 日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室:高橋  巌

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 教員です。

 私が執筆した今年3冊目の本(著書論文)が出版されましたので、お知らせします。

 日大生物資源科学部・小林信一教授編著の『酪農乳業の危機と日本酪農の進路』(共著)筑波書
房、ISBN978-4-8119-0388-0 です。
 私は、第7章「四国における酪農組織再編の経過と今後の動向−徳島県を中心に−」を分担執筆
しています。

 本ブログでも報告した以下の調査と報告をベースにしたものです。

 http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/49983506.html
 http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/49865640.html
 
 以下もご覧ください(版元のHPにまだ未掲載なので、詳細データは反映しません)。
 http://www.bk1.jp/trcno/11032929?s=rss

 著者:小林信一、神山安雄、森剛一、清水池義治、斎藤武至、高橋巌、鈴木宣弘、木下順子、
 小澤壮行 (執筆順)

 私はかつて、1987〜1996年の間中酪(中央酪農会議)に在職し、その間酪農に全力を注いで働い
ていた人間ですが、当時は研究者ではなく、あくまで実務家あるいは調査者の立場でした。
 当時は、出版しても遜色ない報告書等を執筆してきた自負はあるものの、様々な事情でそのほと
んどは適いませんでした。

 その後、長い間酪農を離れたため、このお仕事をいただいてから、浦島太郎状態の情報の入れ替
えを含めて、皆さんに追いつくのに苦労しました。
 今回の本も、私のほかは、蒼々たる酪農乳業や酪農・畜産政策の専門家ばかりであり、拙稿につ
いては突込み不足もあって、反省点も残ります。
 しかし、久しぶりの酪農に関する公刊著書の出版を機に、再度酪農の問題を考え直してみようと
思っています。

特に、3.11原発事故以降、廃業を強要される酪農家や絶望の余り命を絶つ酪農家、一部で放射能
汚染が懸念される中で、消費にダメージが加わる牛乳・乳製品等々、大変な問題に曝されています。
 この本は、原発事故の前に編集されたものですが、今後はこの厳しい状況変化も、重要な検討課題
とするべきでしょう。

 特に酪農乳業、畜産分野の方々に、ご一読をいただければ幸いです。
 額に汗する酪農家の方々、日々製品を出荷される乳業者の方々、牛乳・乳製品を愛用する消費者
の方々に、少しでもお役に立つことを祈念しています。

                 日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋  巌 
 

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☆原稿部分は写真ファイルです。右下隅の「+」印をクリックすると、別ウインドウで拡大させて読むことができます。

 教員です。

 すでに、「研究・フィールド活動」の欄でお知らせした標記の『脱原発社会を創る30人の提言』
(コモンズ)については、7月中旬に刊行されます。

 お知らせした記事及び内容
 http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi/52072760.html

 チラシが別添のとおりできましたので、改めてお知らせします。

 一人でも多くの方にお読みいただき、一日も早い原発廃絶の一助になることを願っています。

                日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室:高橋  巌

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