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お嬢様に、咲夜と半径6m以内で暮らせという命令の2日目。
俺は、ベットから目覚めて異変を感じざるを得なかった。
「ふぁ〜あ…あれ? おかしいな俺ってこんな声だったっけ?」
そう、昨日まで男の声だったのだが、見事に女の声に変わっている…。
さらに俺は、いつも枕元に置いてある自分のややガンメタの眼鏡を取ろうと眼鏡を見たら、
なんと、紅いふちの眼鏡が置いてあった。フレームはしかも…ここは想像に任せる。
仕方なく、俺はその眼鏡をかけ洗面所に向かう。眼鏡の度はぴったりだった。
鏡を見て俺は驚愕した。なぜかって? そりゃあ、自分が見事に『女』になっていたからだ。
「な、なんだと?!」
今の自分をキャラにたとえると…黒髪で背が高くて眼鏡をかけているチルノみたいな感じだ。
しかし、声は女なんだが、口調は男の俺のままだというなんとも不思議な感じだ。
これは、どうすればいいんだ…? と考えていたら、後ろから足音が近づいてきた。
「どうしたのかしら? うるさいわね?」
どうやら、俺が声を上げた為に咲夜が起きてしまったらしい。
しかも、今この姿を見られたら何を言われるか…。
が、しかし俺は何も行動に移さなかった。何故かって? そりゃあ、咲夜からは逃げられないからだ。
「だ、誰かしら? 残月?」
「まあ、そうだ」
咲夜は俺の今の姿を見てものすごく驚いている。今までに見たことも無いくらいに。
「貴方…もしかして元々女かしら?」
「ち、違う。断じて俺に女装なんて趣味は無い」
「じゃあ、何で女になってるのかしら?」
「俺が聞きたい」
「ふふふ…今日はさらに弄りがいがあるわね」
咲夜は、とんでもないことを考えているようだ。この後の自分の身が心配だ。
「まあ、ここに居ても何も進まない、とりあえずお嬢様の所に行ってみよう」
「それもそうね…」
「なあ、咲夜? 俺は何を着ればいいんだ?」
今、俺の部屋に有るのは、執事服と黒のBDUと服ではないが、Kimber Custom Covert IIだけだ。
「私のメイド服の予備を貸してあげるわ」
このとき、俺は嫌な予感しかしなかったが、今の俺にはそれ一択しかない。
「わかった、それを貸してもらうよ…」
俺は、何とか咲夜に手伝ってもらって、メイド服を着た。
意外と着るのは難しかったことに驚いた。
で、今は紅魔館ロビーに居る。
「お嬢様? 何で自分は女になっているのでしょうか?」
「それは…」
と、お嬢様が後ろを振り向いた。そこにはスキマから上半身だけを出した、八雲 紫が居た。
「私がやったのよ〜、性別の結界をちょっと弄ってね♪」
「な、何故です?!」
「おもしろそうだったからに決まってるじゃない」
全く…俺の周りには、Sしか居ないのか…?
と、いきなり咲夜が紫の方へ寄っていった。
何か耳打ちをしているらしい。
あ、咲夜がお嬢様を手招きした。アノ3人は俺(女)をどうしようとしているんだ?
ん? 今紫が何かスキマから取り出した。スク水? ネコ耳?
まさか女化した俺に着せようとしているのか? なんて事を心配していたら、咲夜が俺を呼ぶ。
「ちょっと、残月来なさい」
「ん?」
俺は、嫌な予感しかしなかった。だってそうだろう? 今まで咲夜に呼ばれてろくな事が無いのだから。
しかし、逃げるとさらにろくな事にならないので俺はおとなしく従った。
「残月、この紅茶飲んでみなさい」
「え? ああ、分かった」
咲夜は、俺に紅茶を差し出した。いつの間に用意したんだか…
俺は、差し出された紅茶を一口飲んでみる。普通の紅茶だった。
しかし。
頭に違和感を感じる。それに目にも。
「凄いわね…」
と、お嬢様が言う。でも、俺には何が凄いのか分からない。
「お嬢様? 何が凄いんですか?」
「ちょっと、咲夜。残月に鏡を持ってきてあげなさい」
「はい、お嬢様」
数十秒後。咲夜が手鏡を持ってきた。そして俺に渡した。
俺はその手鏡を覗いてみた…すると、信じられないものが生えていた。
それは、「ネコ耳」だ。一応触ってみる。感想は、ふっさふさでふもっふだった。
「…え?!」
「残月〜それは永琳特製の薬の効果よ」
紫が俺に説明する。でも、俺はいつ薬を飲まさせられた?
「ちょっと、待ってください。俺はいつそんな薬を飲みましたっけ?」
「ふふふ、咲夜が貴方に飲ませた紅茶…」
「…あ!」
「そうよ〜貴方はまんまと引っかかったのよ」
紫は、にやにやしながら俺を見ている。なんか無性に悔しい気分だ。
「で、コレはいつ元に戻るんですか…」
「そうねぇ〜、1週間くらいかしらね」
それを聞いて俺は絶望した。しかし、さらにお嬢様から追撃が入る。
「ねえ、紫? ネコ耳に合わせて男に戻すのも1週間後にしない?」
「それ、いいわねレミリア。」
「でしょう? 咲夜もいいわよね?」
「はい、お嬢様と紫様がよければ」
口ではこう言っているが、咲夜は何を考えているのだろうか…。
「じゃあ、決定で。私は、行くわね」
「じゃあね紫〜」
スキマが閉じ、紫は行ってしまった…。俺はどうしろと?
とりあえず、俺はお嬢様の前から失礼させていただき、自分の部屋に戻ってきた。
咲夜も一緒に。まだ半径6mルールは続行しているのだということらしい。
「なあ、咲夜? しばらく『私』にしたほうがいいか?」
「…ど、どっちでもいいんじゃないかしら」
「お〜い、咲夜〜声裏返ってるぞ」
「気にしないでいいわ。執事長なんだから一々ツッコまないでいいわよ!」
お、今日は逆転勝利となるか?
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