前回は、環境影響評価書における低周波音予測をめぐる手法と各地の低周波音被害の状況を検証しましたが、今回は、景観侵害と日影の問題を取上げます。
疑問6 環境影響評価書における景観・日影問題−巨大風車の出現で住環境は一変する!
CEFは、環境影響評価書において、予測(風力発電設置後)は「浅間山その他の代表的3地点からは、概ね対象尾根を見渡せ、風車を確認することができ、視野全体に対して人工的景観要素が増加する。」とし、評価を「白を基調とした配色で周囲の景観に違和感なく調和しており、新たな景観資源の創出につながると評価する。」としています。
しかし、風車の出現が本当に周囲の景観に違和感なく調和し、新たな景観資源の創出につながるのでしょうか。高低差300mの山の稜線上に、100m超の巨大な風車が建ち、その風車に見下ろされる別荘地の住民は、静かな山の別荘地の景観には相応しくなく、風車の出現に伴う騒音や低周波音などにより、別荘地の居住環境の低下や資産価値の減少などを心配しているのである。
下図は、CEFが説明会で配布した資料の中にあった、風車完成後の景観予想図です。これなら遥か彼方に風車が点在して見える程度で、景観侵害はあまりないように感じられます。
しかし、風車の組立て完了後の写真は、次のように、写真2は3km離れた三菱地所の別荘地から見た風車。
写真を見比べると一目瞭然で、CEFの景観予想図と風車組立て完成後の写真の違いがはっきりと判ります。この違いは何でしょうか。CEFが景観への影響を出来る限り少なくしようとした証拠と言えるのではないでしょうか。地球温暖化に寄与し公共性の高い事業を行っていると自負する企業の行為とはとても思えません。
風車からの日影の問題は、CEFは環境影響評価書で特に検討していません。 この問題については、愛知県豊橋市の細谷風力発電所での視察時に、被害者の会の人から聞いた「風車の回転する影がとても気持ちが悪く、農作業をしていても気になり、仕事が出来なくなる。」という話や、テレビで見た愛媛県伊方町の三崎ウインドパークの風車の日影で、暗くなったり明るくなったりする光景を見て、確かにあまり感じの良いものではありません。
建築基準法の日影規制は、中高層建築物が周囲に落とす日影の時間を制限することにより、日照条件の悪化を防ごうとするもので、日影規制の対象となるのは建築物であり風車には適用されませんが、CEF風車は別荘地の西側の尾根沿いに10基が並ぶため、夕陽により風車の回転する影が確実に別荘地を照らすことは間違いありません。
次図は、別荘地と風車位置図に、太陽の沈む方角を記入したものです。
太陽は1年かかって、真西(春分)から北へ向かっていき、西北西を越え(夏至)、ゆっくりと南へ向きを変えて真西に戻り(秋分)、 西南西を越えて北に向きを変え(冬至)、再び真西に戻ってくる(春分)そうです。つまり、三井大林別荘地は、一年を通じて天気が良ければ夕方のなると、いずれかの風車の影に晒され、動く影に照らされるということが判ります。
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