風車建設差止め仮処分の申立て却下 1/2
昨年5月に別荘住民から提出されていた「CEF風車建設禁止仮処分」に対する地裁下田支部の決定が2月13日に出され、15日弁護士さんから届いた。結果はある程度の予想はしていたとおり「却下」だった。決定内容は景観侵害や騒音、低周波音の影響はあるものの、風車建設を差し止めるまでには至らないとしているが、環境影響評価については的確に予測したことにならない疑いがあるとしており、現実に騒音・低周波音による被害が発生しているので、今後の運動に明るい展望が開けそうです。
静岡地裁下田支部から出された「決定」は次のとおり。(原文のまま)
主 文
1 債権者らの申立てをいずれも却下する。
2 申立費用は債権者らの負担とする。
理 由
第1 申立ての趣旨
債務者は、別紙物件目録記載の土地(38万9004平方メートル)にドイツGE社製、別紙図面1記載の1500キロワットの風力発電機を建設してはならない。
第2 事案の概要
債権者らは、静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本所在の三井・大林伊豆熱川温泉別荘地(以下「本件別荘地」という。)に建物を所有し、或いは同所に居住する者であるが、債務者が債権者ら地元住民に対する事前の説明、協議を行わずに計画し、現在建設工事を行っている申立ての趣旨記載の風力発電機により、債権者らに受忍限度を超えた眺望権ないし景観利益の侵害並びに騒音及び低周波音の被害が発生すると主張して、上記風力発電機の建設を仮に差し止めることを求めた。
2 債務者は、東伊豆町奈良本地区における債務者の風力発電事業計画に関し、東伊豆町、奈良本区、奈良本財産区及び債権者ら本件別荘地の住民等に対する説明、協議等を行っており、また、上記風力発電事業は地球温暖化対策が急務とされている現代において極めて公共性の高い事業であるが、債務者が予定している風力発電機の設置により、債権者らの眺望ないし景観についての利益が侵害されることはないし、また、受忍限度を超える騒音及び低周波音の被害が発生する恐れもないなどと主張した。
第3 当裁判所の判断
1 本件記録中の疎明資料並びに審尋の全趣旨によれば、次の事実が一応認められる。
(1) 別紙債権者目録記載番号1ないし37の債権者らは本件別荘地内の建物に居住し、同番号38ないし41の債権者らは本件別荘地内に土地、建物を所有している。
(2) 債務者は、平成18年9月11日、東伊豆町において風力発電施設を建設しその電力を販売すること等を目的として設立された株式会社であるが、北海道根室市昆布盛149番地12に本店を置き、風力発電施設の開発と風力発電による電力の販売等を目的とするクリーンエナジーファクトリー株式会社(以下「クリーンエナジー」という。)の100パーセント出資により設立された同会社の子会社)であり、両会社の代表取締役はいずれも鎌田宏之である。
(3) クリーンエナジーは、風力発電施設を東伊豆町奈良本地区に設置する計画を立てたが、同施設を建設して風力発電事業を遂行するにあたり必要となる行政手続を確認するとともに、協議、説明等を行うべき地元地域を把握するため、平成15年未頃から東伊豆町との協議等を開始した。クリーンエナジーは、その後も、同町の他、奈良本区、奈良本財産区及び大川区を主な対象として上記風力発電事業(以下「本件事業」という。)に関する協議、説明を行い、平成18年5月9日頃、奈良本区及び奈良本財産区の両者からそれぞれ、クリーンエナジーが本件事業計画に係る風力発電施設を建設し、運転開始後20年にわたりこれを運営することについての同意を得、更に、同月23日、東伊豆町からも、東伊豆町土地利用事業の適正化に関する指導要綱に基づき申請及び承認を受けることを前提として、同様の同意を得た。そして、グリーンエナジーは、上記の各同意を得たことにより地元調整を実施したものとして、本件事業計画について資源エネルギー庁から補助金の交付を受けるため、同月26日頃、同庁に対し利用計画認定申請手続をし、同年10月頃、本件事業計画について補助金の交付が決定された。なお、同補助金の交付決定までの間、クリーンエナジーや債務者が、債権者ら本件別荘地の居住者等(これらの者は奈良本区や奈良本財産区等に所属していない。)に対し直接本件事業計画について説明、協議等を行った形跡はないが、債務者らは、同年12月以降翌19年2月頃までの間に本件別荘地の住民らに対して4回にわたる本件事業の説明会を開催したり、現地見学会を実施するなどし、また、同じ頃、本件別荘地の住民らで構成する天目地区風力発電連絡協議会等からの種々の質問に対し、回答書を送付するなどした。
(4) 債務者は(なお、平成18年9月に債務者が設立された後は、本件事業計画について、クリーンエナジーが初期費用を負担し、債務者が風力発電施設の建設及び風力発電事業の管理、運営を行うものとされた。)、同年11月、東伊豆町の前記指導要綱に基づく土地利用計両の承認申請をしたが、その際、同町土地利用委員会に提出した事業概要書によると、本件事業計画は、申立ての趣旨記載の土地に同記載の風力発電機10基(各風力発電機は、タワーの高さが65メートル、3枚ある羽の長さが各33.5メートル、風車の直径が77メートル、基盤から風車の最高点までが103.5メートルとされている。以下、これらの風力発電機を「本件風車」という。)を設置し、総発電量1万5000キロワットとして、17年間の全事業期間を通じ、発電した電力全量を東京電力株式会社に販売するなどとするものである。
(5) 債務者は、本件事業計画について東伊豆町から前記指導要綱に基づく平成19年3月20日付けの事業計画承認通知を受けるとともに(なお、同通知においては、債務者に対し、「騒音、低周波、電波障害等については、事前に実施した環境影響調査の結果について検証を目的として継続的に測定を実施すること。また、調査の結果については、速やかに報告すること。」等が指示されている。)、宅地造成等規制法に基づく宅地造成に関する工事の許可を始めとして、本件事業に係る風力発電施設の建設工事等の実施に必要な許可や届出等の行政的手続を了した上、同年4月中旬から同工事に着工した。
(6) 本件別荘地は、伊豆半島の中程東寄りの、標高約300メートルから約600メートルの山間の南斜面に位置し、ほぼ東から南の方向には、熱川温泉等の町並みを間において、相模湾や伊豆大島から神津島までの島々を望むことができる(なお、このような海方向の眺望に本件風車が重なる可能牲があるのは、本件別荘地のうちの最も西寄りの一部分だけである。)。他方、本件風車は、本件別荘地の西側に、谷を挟んだ山の標高約600メートルから約750メートルの尾根伝いに10基建設され、本件別荘地とは直線で約350メートルから約500メートル離れているが、両者の位置関係は別紙図面2及び3のとおりである。同各図面から窺えるように、本件別荘地の西側及び北側に隣接する山や谷には、これまでのところ人工的な風物は見当たらない。
風車建設差止め仮処分の申立て却下 2/2 へつづく
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「風車建設差止め仮処分の申立て却下」拝読しました。コメントは500文字の制限があるので要点だけかいつまんで、仰るように債権者らが示した「低周波音環境影響評価はG特性音圧レベルの測定評価をしただけで、1/3オクターブバンド音庄レベルの測定評価をしていない」というのは「不完全」等と言う問題ではなく低周波音環境影響評価の体をなしていません。
風力低周波騒音被害は低周波音問題に於ける本質的問題を持っていると考えられます。それは文中に引用されている汐見文隆氏をして、「風力発電の音は低周波音症候群の考えで律するのは間違いのようです」とまで言わせしめている点からも伺われます。
是非ともこの裁判を通して低周波音問題の本質に迫って頂きたいと思います。
詳しくは下記をご覧頂けたら幸いです。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/9415/sikou/sikou21_080308furyoku.htm
[ yat*n*karas*200* ]
2008/3/28(金) 午後 5:12