第6回 (08.05.02) セットバック(その1)風力発電の騒音を規制する基準のひとつとして、「セットバック(Setback)」という考え方がある。セットバックとは、一般には建物を道路などから後退させて建てることを意味するが、ここでは、「風電の影響から人の健康、安全性を守るため、居住地からどの程度離して建てるべきか」ということであり、欧米ではこの言葉が良く使われている。 セットバックの必要性は、風電が発生する騒音以外にも、タワーの倒壊、ブレードの破損(破片の飛散)、寒冷地ではブレードに氷結した氷の飛散(ice throw)などからの危険性回避が挙げられる。 特に、風電の騒音(低周波)が人の健康に悪影響を及ぼす事例が世界的に問題となってきたことから、新たにセットバックを設定する動き、あるいはこれまでのセットバックの距離を見直す動きがある。以下、それらの情報を紹介する。 1)ウィスコンシン州Trempealeau郡の条例 (Chapter21 Title: Wind Generator and Wind Generating Facility Ordinance for Trempealeau County 2007年11月28日最終ドラフト) http://windfarms.files.wordpress.com/2007/12/wind_ordinance_11-28-071-final-draft-_1_.pdf http://windfarms.wordpress.com/2007/12/18/wind-generator-and-wind-generating-facility-ordinance-for-trempealeau-county/ 本条例の目的は、住民の健康と安全を守るために風電施設の建設および稼働に関わる規制の枠組みを規定するものであり、21.06 一般要件(General Requirements for Wind energy Facilities)の中に、(17)セットバック(Setbacks: The following setbacks and separation requirements shall apply to Commercial Wind Turbines.)の規制がある。
その要点は下記の通りである(一部省略)。 ・公道、鉄道、電話線、電線など:風電全長(ブレード長を含む)の2倍以上の距離 ・現住構造物である、住宅、学校、病院、教会、就業場所、図書館:1マイル(1.6Km)以上の距離 なお、本条例には、騒音レベル(低周波を含む)の規制も含まれているが、その紹介は別途行うものとする。 ≪洋≫ (つづく) |
風力発電・海外情報
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ネット上には、風電の事故の写真やビデオ映像が数多く紹介されています。 ここでは、その1部を紹介します。下記のURLをクリックして下さい。≪洋≫ 1)写真 Common wind turbine accidents http://www.responsiblewind.org/docs/wind_turbine_accidents_in_pictures.pdf This is a windmill. The other ones are ........ http://www.pbase.com/wp/wind_turbine_photos 2)ビデオ映像 2-1)火災の例 Windmill on Fire in Palm Springs, CA http://www.youtube.com/watch?v=4N4HQv-UyUo&feature=related Exploding Wind Turbine Video is Destruction Delicious
http://gizmodo.com/360117/exploding-wind-turbine-video-is-destruction-delicious |
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(前回からのつづき) DBには、1MWを越す風電で、熱川と同じGE製と記載されている事故が9例報告されている。 出力は9例とも1.5MWであり熱川のそれと同じであるが、仕様の詳細は不明である。 9例の事故の内容は、ブレードの破損(5件)、機械的欠陥(2件)、構造的欠陥(1件)、環境破壊(1件)である。 以下その概要を、発生年月日順に紹介する。 1)事故の種類:環境破壊 発生年月日:2003年5月4日 発生場所:Dortmund-Eichlinghofen, Westphalia(ドイツ) 風電タイプ:GE 1.5MW (ハブ高100m、ローター直径77m) 内容:7日間に亘りオイルが地上に漏れた。 2)事故の種類:構造的欠陥 発生年月日:2005年2月1日 発生場所:Dorsten-Lembeck bei Marl, Westphalia(ドイツ)
風電タイプ:GE 1.5MW
3)事故の種類:構造的欠陥内容:ローターが破損し交換、稼動14ヶ月後のことであった。 発生年月日:2005年2月2日 発生場所:Dorsten-Lembeck bei Marl, Westphalia(ドイツ)
風電タイプ:GE 1.5MW
4)事故の種類:構造的欠陥内容:作動装置(actuator)のトラブルに続き、ローターの全面交換を行った。 発生年月日:2005年5月6日
発生場所:Weatherford, Oklahoma(米国)
風電タイプ:GE Wind 1.5MW内容:90mの風電が真ん中から折れ曲がり倒壊した。当時は微風であった。このサイト
では1.5MWの風電が71機建設され、事故は稼動6日目に起こった。
5)事故の種類:ブレードの破損 発生年月日:2007年1月28日 発生場所:Fenner Wind Farm, NY(米国) 風電タイプ:GE Wind Energy 1.5MW 内容:ブレードが削ぎ取られた(右写真)。原因が材質の 欠陥なのか、落雷なのか特定できず(情報がない)。 このサイトでは、2001年から20機のGE 1.5MW
が稼動している。
6)事故の種類:ブレードの破損(落雷)発生年月日:2007年4月26日 発生場所:Erie Shores Wind Farm, Ontario(カナダ) 風電タイプ:GE 1.5MW (塔高80m ローター直径77m) 内容:落雷でブレードが折れ曲がった。ウィンドファームの関係者は、「風電は落雷に耐
える設計となっているが、充分なものでない。機械部分は大丈夫であるが、ブレ
ードに直接落雷すると、そのエネルギーには耐えられない」、「会社としては、こ の種の事故が、3回/年起こることを想定し予算を計上している」と述べている。 本事故の報道の詳細は、http://www.windaction.org/news/9367 7)事故の種類:ブレードの破損 発生年月日:2007年11月15日 発生場所:Fenner Wind Farm, NY(米国) 風電タイプ:GE Wind Energy 1.5MW 内容:ブレードが折れ曲がった(右写真)。近くの住民
が自動車事故のような音を聞いている。同サイト
本事故の詳細は http://www.windaction.org/news/12695では、今年2度目のブレード破損事故である。 8)事故の種類:ブレードの破損
発生年月日:2007年12月3日 発生場所:Waymart Wind Farm, Pennsylvania(米国) 風電タイプ:GE Wind Energy 1.5MW 内容:ブレードのファイバーグラス層が剥がれ落ちた。原因は明らかにされていない。 9)事故の種類:ブレードの破損 発生年月日:2008年1月30日 発生場所:Prince Wind Energy Project, Ontario(カナダ) 風電タイプ:GE Energy 1.5MW 内容:猛吹雪による破損。風速200Km/時間(約55m/秒)に耐える設計であるが、そ ≪洋≫ |
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(前回からのつづき) CWIFのDBに掲載されている482件の事故のうち、出力が1MWを越す大型の風電に注目して訳者なりに解析を行った結果について報告する。 ちなみに、熱川の風電は1.5MWであり、東伊豆町のそれは0.6MWである。 482件の事故の内、1MWを越す風車の事故は52例ある(ただし、出力に関わる情報がなく空白になっている事故例も多く、実際は52例以上であると推察される)。事故の種類としては、ブレードの破損(18件)、火災(10件)が多く、以下、野鳥の被害を含む環境破壊(5件)、搬送中のトラブル(5件)、構造の欠陥(4件)などと続く。 このうち、ブレードの破損に注目すると、出力が1MW以下の場合は全事故に占めるブレードの破損の割合が 24%(104/430)に対し、1MWを越す場合は35%(18/52)であり、大型の風電でブレード破損の割合が高くなる。 ブレードの破損の原因についてみると、その多くは強風と落雷である。 強風によるブレードの破損で問題になるのは、「破片がどの程度の距離飛ぶのか?」ということであろう。 DBに飛距離の記載のある例をまとめると次のようになる。( )内の数字はDBの事故例の番号を示す。 ・飛距離100m以上:3例(67、71、132) ・ 〃 200m以上:3例(75、88、309) ・ 〃 300m以上:1例(68) 場合によっては、ブレードの破片が300m以上も飛ぶことがあり得るという結果である。 次に、火災(10件)について、出火原因などの記載のある事故例を紹介する。( )内の数字はDBの事故例の番号を示す。
・ タワー内の配電室から出火(169) ・ 落雷が原因と想定される(212) ・ タービン室から出火、火の付いた破片が数100m飛散(236) ・ 避雷装置があるにもかかわらず落雷により出火(264) ・ 落雷により出火(393)、 そして、いずれの場合も火災が高所であることから消火手段がなく、燃え尽きるのを見守るだけであった。 さらに、393の例では火の付いた破片が広域に飛び散り近くに延焼、2次火災も発生している。≪洋≫ (つづく) |
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英国のCWIF(Caithness Windfarm Information Forum、有志で構成される組織)は、そのホームページで世界の風電事故をまとめたデータベース(DB)を提供すると同時に、2008年3月31日現在でのまとめを行っている。 http://www.caithnesswindfarms.co.uk/ DBには、1975年から2008年3月31日現在までの482件の事故が収録されており、各事故について、事故の種類、発生年月日、発生場所/国、風電のタイプ(発電量、メーカーなど)、事故の詳細、などが記載されている。その中には、もちろん2007年1月の青森・岩屋ウィンドファームでの倒壊事故も含まれており、今回の熱川の事故も近々に収録されるものと思われる。 以下は、2008年3月31日現在でのまとめ(Summary of Wind Turbine Accident Data to March 31st 2008)の概要である。 http://www.caithnesswindfarms.co.uk/fullaccidents.pdf 風電事故は、風電の数の増加と伴に年々増加傾向にあり2007年の発生は合計68件であった。 全482件の事故の内で最も多いのは、ブレードの破損(122件)である。破片が400m以上飛んだという事故、あるいは破片が近くの建物の屋根や壁を突き破ったという事故もある。このため、英国のHSE(The Health Service Executive、政府機関)では、新しい風電の建設は住居地から欧州基準である2km以上離すべきであるとしている。またフランスでは、風電から500m以内は一般人の立入を禁止する措置が採られている。 2番目に多いのは火災(104件)である。火災の最も大きな問題は、ナセルが高いため消火活動が出来ないことであり、燃え尽きるまで見届けるだけということになる。従って、風が強い場合は、火の付いた破片が森や民家にまで飛ぶ危険性が生じ、特に乾燥時期にはその危険性が広範囲に及ぶことになる。 3番目に多いのは、構造の欠陥(58件)である。多くの場合、この問題は暴風雨時に発生し(本来は、暴風雨時にも耐えられるように設計されるべきであるが)、タービンの破損や塔の倒壊が起こる。また、単純な設計ミス、維持管理不足が原因で事故が発生する例もある。構造の欠陥に因る事故は、2007年の後半から2008年にかけて顕著な増加が認められる。≪洋≫
(つづく) |

底辺で、ささやかに生きている人には、関係ないですけど、政治的野心家や利潤追従の猛進的企業者や独善的な理想主義者がはびこると、危うい方向に事が進められて行きそうですね。そういう人は排除しなければいけませんね。
政治や経済のトップは市民への奉仕者であり、それを喜び生きがいにしている人物であって欲しいものですが、
そういう御仁は、なかなか居ないですね。例えば選挙権は底辺で生きる人の大きな武器ではないでしょうか、テロや革命と言った手段もありますが、あまり好ましくないですね。

