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夜11時、雨が雪に変わり始めた頃、板橋の和泉宗家の稽古場に和泉元彌の謡が響き渡っていた。2月26日に長女の采明(あやめ)と姪の慶子(きょうこ)ちゃんが初舞台を踏む為、毎日の稽古も最近は深夜になる事もしばしば・・・。三歳の子供達ならとっくに眠っている時間。稽古がおおずめにきている為もあり元彌宗家が仕事で遅い時は帰宅後どんなに遅くなっても稽古がある。長男の元聖(もときよ一歳6ヶ月)も今年の元旦から稽古を始めていて、昨日は采明の稽古を約1時間、元聖の稽古を10分、その後姪の慶子ちゃんの稽古を付けている最中にその事件が勃発!した。采明も元聖も自分の稽古が終わり、和やかなムードで慶子ちゃんの稽古を見守っていたのだが元聖の手に車のおもちゃが・・・。「ぶーぶー」と言いながらこともあろうか稽古舞台に向かって進んで行ってしまった。後を追うはんなり嫁。楽しそうに元聖と車のおもちゃが稽古舞台に到着。「だめよ。」と嫁が元聖を抱き上げたその時だ「もときよぉおおおおー!!!」すごく大きな怒鳴り声で鬼のような形相になった宗家は元聖の手から車を奪い取り、床に投げつけた!!そして元聖をにらみつけ「舞台の上におもちゃを置くなぁーっつ!わかっつたかぁーっつ!」怖っつ!そりゃ怒られるのも当然のことだが・・・。床に粉々に大破した車のおもちゃを拾い集めながら「うえーん!うえーん!」泣いている息子をよしよししながら嫁は思っていた。[なにも投げつけて壊さなくったって・・・。]采明は素直に宗家に言った「おもちゃが壊れてかわいそうよ。痛いようって言ってるよ」稽古中の慶子ちゃんも半泣きである。そんなピリピリした稽古がようやく終わったのは夜中の1時をまわっていた。采明が言う「とと(宗家)、元聖のおもちゃ壊しちゃダメよ」稽古が終わったのでようやく笑顔でみんなと話ができる宗家は「壊れるとは思わなかったんだよ」と言っている。そこへ宗家の姉、三宅藤九郎がひとこと、「まっ、地雷みたいなもんだね」宗家の地雷、それはそれは恐ろしいのでどうかかわいい子供達がまた地雷を踏んずけないように祈るばかりのはんなり嫁であった。 |
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