児童文学と音楽の散歩道

♥子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれたネコパパ庵からお送りします

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30年以上にわたって愛用してきたパイオニアのレコードプレーヤーだが、近頃さすがに音の荒れが目立ってきた。
その間一度の故障もなく、三つの住居を移動して、無数の慰めをもたらしてくれたネコパパの友だったが、そろそろ引退の時か。
かわって購入したのはスイスに本社のあるトーレンスという職人的な会社の製品。
ネコパパはオーディオマニアではなく、音の出る機械もそこそこのものしか持っていない。
また気も小さいので、高価な買い物は苦手である。今回選んだTD190-2/TP19 も、その会社で作っている中で最も素朴な品だ。

しかし、出てくる音は派手さがなく、奥行きがある。
オーディオファンの杉本 良明さんのサイトhttp://audio.nomaki.jp/でも、
>これが驚くほどいい音なのだ。ある意味CDを聴くのがイヤになるくらいである。
と絶賛されていた。
ネコパパの再生装置はとても貧弱で、マッキントッシュの大型アンプを駆使する杉本さんのような再生音はまったく期待できないが、少なくともその片鱗は楽しめそうだ。

最近購入したLPを、いくつか聞いてみた。
これはいいな、と感じたディスクを紹介したい…


メンデルスゾーン 交響曲第三番『スコットランド』
■ペーター・マーク指揮 ロンドン交響楽団 1960年4月録音 日ロンドンGT2009
 
ステレオ初期の録音だが、名録音として知られている。遅めのテンポで、細部まで見渡せる鮮明さも手伝って、すみずみまで共感しつくした演奏。クレンペラーとともにこの曲の良さをあらためて発見できる。この曲は初期ロマン派というよりも、ロマン派的手法で作曲された現代音楽のように感じられる。


モーツァルト クラリネット協奏曲 イ長調
■フランソワ・エティエンヌ(CL)モーリス・エウィット指揮 室内管弦楽団 録音データ不詳 日エンジェル GR70098

明るい音色、早めのテンポですっきりとした演奏を試みると思いきや、曲想が沈むと一気にテンポを落として寂しさを際立たせる。第二楽章のテンポもぎりぎりの遅さだ。まさに19世紀的、文学的な演奏ぶりで、現代ではまずお目にかかれないスタイル。でも「すばらしい。いい曲だ」と心から感じさせる。
音は古く、どうも盤起こしだ。でもそれすら時代の雰囲気を伝えていて、良い。


ドヴォルザーク 交響曲第九盤『新世界より』
■ラファエル・クーベリック指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1956年録音 日ロンドンGT2003

ステレオ録音の実験をしているように斬新な響き。冒頭からこれでもかというほどいろいろなところから、いろいろな音が聞こえてくる。愉しい。特徴的なのは第二楽章で、イングリッシュホルンによる「家路」のテーマが、聞こえないくらいかすかな弱音で奏でられること。こんなこともできる、というデモンストレーションなのか、クーペリックの意図なのか。いまの耳で聴くと興味深いが、当時このレコードを大枚はたいて購入したファンは、がっかりしたか、怒り出したかもしれない。


バッハ ブランデンブルク協奏曲全曲
■グスタフ・レオンハルト指揮 レオンハルト合奏団 1976/77年録音 日セオンMLO9901/2

ピリオド楽器での演奏。でも、このスタイル独特の、硬すぎるリズム、早すぎるテンポ、癖のあるノンヴィブラート奏法などの「嫌いな感じ」をほとんど感じさせない。活気や歌心兼ね備えた、心豊かな演奏になっている。
このボックスには90ページに及ぶ「ファクシミリ版自筆楽譜」が添付されている。定価は二枚組で6400円と記載。LP時代とはこういう贅沢を楽しむ時代でもあった。


昨日、今日… イヴ・モンタン
■日フィリップス 1979/80年録音 FDX483

イヴ・モンタンの歌の魅力は今江祥智先生に教えられた。
『山の向こうは青い海だった』をはじめ、彼の作品には熱狂的なファンぶりを刻印したものが多い。フランス語はさっぱりながら、この歌手の奥深い語るような歌声には、艱難辛苦あろうとも生きることは素晴らしい、と聴き手を励ます力がある。いつか店長が「おいしいチョコレートのような歌声」と言っていたのを思い出した。
これは彼のおそらく最後のスタジオ録音。「枯葉」などの有名曲は含まれていないが、最小限の伴奏によって、まるで自分のために語られているような親密さが聴き手を包む。


アート・ペッパー・カルテット
■ラス・フリーマン、ベン・タッカー、ゲイリー・フロマー 1956年録音 日ビクター(タンパ)SMJ6022

ペッパーの哀愁に満ちた歌心がすばらしい。『ぺサメ・ムーチョ』など、この曲がこれほどの高みに達するのか、と思わせるほどの洗練である。ジャズのモーツァルトみたいな存在だな、とよく思う。一人の人間にはこういう才能は荷が重すぎるというべきか。だからこその、破滅型人生…


タイム・アウト デイヴ・ブルーベック・カルテット
■1959年録音 日コロムビア  45PX3C サウンド・ラボラトリー・シリーズ

おなじみの名盤。ひたすら美しい、ポール・デスモンドのサックス。
このLPは45回転盤で、オリジナルの最後の二曲がカットされている。発売は67年だから40年近く前のものだが、盤面は厚く、音は冴え、スクラッチノイズもほとんどないのは、当時の日本コロンビアの技術陣のこだわりの証だろう。

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おお、yositakaくん。アナログ・プレーヤーの新規導入、おめでとう!プレーヤーを替えると驚くほど音が変わることもありますよね。それは駆動系統、カートリッジ、アームなどいろんな要素が重なり合っての変化なんでしょうね。考えてみれば〜針先から伝わるほんの僅かな振動を、?mV(ミリボルト)というこれまた微力な出力に変え、それをまた大増幅してるわけだから・・・その入り口での拾い方如何で音が変わるのはもっともなことかもしれませんね。
てなこと言ってるわりには僕も全くの非オーディオ人間ですから、理屈のことはよくわかりません(笑)
それより、そのトーレンスの機種・・・78回転も使えるようですね。yositakaくん、その辺まで楽しんでいくぞ・・・という気分なんですね。素晴らしい(笑) 削除

2009/9/14(月) 午後 7:56 [ bassclef ] 返信する

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bassclefくん、さっそくコメントありがとう。
たしかにこれ、SPも聴けます。カートリッジ交換が必要ですが。
機会あれば、音を出してみたいですね。SPというものは、針が大きく、針圧が高いほどよい音になるといわれているので、この機材でどれほどの音なのかなあ。
まずは手持ちのLPを聴き直しています。

2009/9/14(月) 午後 9:48 [ yositaka ] 返信する

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