児童文学と音楽の散歩道

8月13日 新ブログに移行しました。これからもよろしくお願いします。

全体表示

[ リスト ]

朝日新聞デジタル」の無料会員に登録しているので、
記事紹介のメールがどんどん入ってくる。
このサイトは、どの記事も冒頭部分は無料、無料会員に登録すると一日一本だけは「記事全文」が読めるという仕組み。
自宅では、同新聞を朝刊、夕刊とも宅配してもらっている。
こういう購読者には、デジタル版も無料で読めるサービスが欲しいところだが、いまのところそうなってはいない。紙の新聞と、デジタル新聞は全く別のものだが、そういう相互乗り入れがあってもいいのではないか。

それはともかく、本題だ。「いま児童書がアツい」というアオリで知らせが来た、その記事というのがこれ


児童書が上位、出版界に異変 残念な動物に大人もクスッ

朝日新聞デジタル 塩原賢 2017年9月12日03時01分


「おしりたんてい」の着ぐるみとの撮影会。約50組の親子が並んだ=埼玉県鶴ケ島市

イメージ 1


本のベストセラーに異変が起きている。取次大手による8月の月間ランキングは、1〜3位を児童書が独占。出版市場は縮小が続き、少子化の波にも洗われているはず。なぜそんなに売れているのか。

今月2日の土曜日。埼玉県鶴ケ島市の商業施設にある書店「yc vox ワカバウォーク店」前に親子連れの長い列ができた。

人気読み物シリーズの主人公「おしりたんてい」の着ぐるみが登場すると、子どもたちは大喜び。小学3年の北畑誠一郎くん(8)は「本を友だち同士で見せ合っている。謎を解決するところが楽しい」。

イメージ 2

2012年に最初の絵本が出て以降、読み物も含むシリーズ11点の累計発行部数は170万部。ポプラ社の高林淳一部長(42)はキャラクターを初めて見た時、「インパクトがありつつも上品ないでたちで人気が出ると直感した」。

まず3歳以上対象の絵本4点を続けて刊行。ファン層の成長に合わせ15年から小学校低学年向けの読み物を出した。絵本の何倍もの勢いで売れ始めたという。
児童書では夏休みを狙って6〜8月に人気シリーズの刊行が相次ぐが、今夏は売れ方が違った。7月下旬〜8月上旬、日販の週間ベストセラー10位内に5点がランクイン。昨年の夏休み中は3点が最多だった。8月は3週連続で1〜3位を独占。その一つが「おしりたんてい」の新刊だった。

イメージ 3


月間1、2位は「続ざんねんないきもの事典」と「ざんねんないきもの事典」(いずれも高橋書店)。「トラは笑っちゃうほど狩りがヘタ」など、動物たちのクスッと笑える生態を紹介し「大人にも受けた」(担当編集者)のが、ヒットにつながった。

12位に入った偕成社のシリーズ最新刊「そらの100かいだてのいえ」は、創業81年の老舗で過去最多の初版15万部で売り出した。

■SNSによる口コミ効果

一般的に、児童書はじわじわと人気に火が付き息長く売れ続ける。だが近年は、「爆発的に売れ出す本が多く出てきている」と日販の児童書仕入れ担当、奥田直樹さん(34)は言う。SNSによる口コミ効果が大きくなった影響とみる。
近年の児童書市場は堅調だ。出版科学研究所によると、14年以降前年比増が続き、16年は7・6%増。一方、出版市場全体では3〜5%ずつ縮小している。

東急田園都市線・たまプラーザ駅(横浜市)の商業施設に入る有隣堂たまプラーザテラス店の高樋純子店長(56)は「親は子どもに惜しみなくお金をかけている。学習要素の高い本はまとめて買っていく」。
消費行動に詳しいニッセイ基礎研究所の久我尚子主任研究員は、30代の子育て世代の高学歴化や、共働き世帯の増加などを挙げる。「教育意識の高い母親が自らの財布を持つようになったことで、児童書の購買増につながっている」

児童書専門書店「クレヨンハウス」(東京都港区)の馬場里菜さん(30)は「幼児期の読み聞かせや小中学校の朝読書の広がりが下支えしている」とみる。

出版社も、子どもの成長に合わせて読書が継続するよう戦略を練る。一例が、漫画のような体裁が増えた児童文庫のカバーだ。09年創刊の角川つばさ文庫は、読書のハードルを下げようとカラフルなカバーで統一し、後発ながらシェアを広げた。「君の名は。」など映画の話題作の刊行にも力を入れる。服部圭子編集長(48)は「子どもが手にしたくなる本を意識している」。

将来的な活字離れ解消につながるのか。出版取次の社員時代から朝読運動に携わった佐川二亮(つぐすけ)さん(70)は「小中学校で読書が習慣化しても高校生になると不読率が急に上がる。生徒が自ら推薦書を選んで広める試みも一部の高校で始まっている。そうした主体的な読書環境の整備が必要だろう」と話す。(塩原賢)

■8月の月間ベストセラー(日販調べ)

①続ざんねんないきもの事典 今泉忠明、下間文恵ほか 高橋書店
②ざんねんないきもの事典 同上 同上
③おしりたんてい いせきからのSOS トロル ポプラ社
④モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット 佐久間健一 サンマーク出版
⑤肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい 西山耕一郎 飛鳥新社
⑥未来の年表 河合雅司 講談社
⑦AX 伊坂幸太郎 KADOKAWA
⑧かいけつゾロリのかいていたんけん 原ゆたか ポプラ社
⑨定年後 楠木新 中央公論新社
⑩死ぬほど読書 丹羽宇一郎 幻冬舎

以上、引用終わり。


■ネコパパに3分だけ時間をください

縮小傾向の書籍市場で、児童書が堅調というのは、児童文学依存症のネコパパにとっても朗報だ。
中小出版社の多い業界だけに、こういう話題がきっかけとなって書店の児童書売り場が活況となるのも良いことだと思う。
あらたな出版社の参入も期待できる。注目したいのは、は「ざんねんないきもの事典」を出している高橋書店が、「手帳の高橋」として知られている、あの会社であること。
児童書にビジネスチャンスあり、
と考えての参入だとしたら、これはなかなか凄いことだ。

ただ、ネコパパの目には…書店でちらっと眺めたことはあるにせよ、この三冊とも「手に取って読みたい」とは感じなかった本であることも、事実。
だから内容はよく知らない。
その上で、ちょっとだけ言わせてください。

おしりたんてい」は「しりつたんてい」のもじり?
子どもたちが下ネタ大好きなのはよく知っている。それに謎解きの面白さが加われば、鬼に金棒。でも、ネコパパの目には「ふうん、なかなか不気味なこと…」という気持ちが湧いてきて、ちょっと手を出しにくい。
なき長新太が漫画ネタにしそうな題材のような気もするけれど、漫画家としてはともかく、絵本作家としては決して使わなかっただろう。このキャラクターを使いこなすには、寸鉄人を刺す批判精神が必要と思うのだが…さて、そこは?

ざんねんないきもの
それってネコパパのこと?
生き物に関するあまり知られていない情報を提供する主旨のようだけれど、
「イルカは寝ると溺れる」とか「リスのしっぽは取れやすく、一度取れると回復しない」とか…なんだか、生き物たちを気の毒な見世物にしているような気がしなくもない。
「生き物に一層親近感がわく」とか「残念な生態にも着目するという着眼点が素晴らしい」と賞賛されているようだけれど、人間から見て「残念な」なんていう言い方、ちょっと傲慢じゃないのかな。
そもそもこの「残念な」という形容動詞で名詞を修飾する昨今流行の言い回しを、ネコパパは、あまり好きになれない…というか、大嫌いだ!上から目線で、侮蔑的な語感。これを児童書のタイトルにする感覚って、どうなんだろうか。

最後に一言。
児童書の売れ行き上昇は嬉しい。
でも、この記事を読んで、児童書とはみんなこういうものだ、とは思ってほしくない。子どもにも、大人にも。
それから「児童書がアツい」と書いた朝日の記者にも、いいたい。
突然、爆発的に売れることが「アツい」ことだと思っているのなら、その感覚はちょっと違うんじゃないかな。記者には、いい児童書をじっくり読んで、体の中から湧いてくる「アツさ」を、まず味わってみてほしいと思う。


閉じる コメント(4)

顔アイコン

> デジタル版も無料で読めるサービスが欲しい…
もう長く新聞は購読していませんが、以前、営業に来たおにいさんに「購読者にはネットのサービスを付けるなんてどう?」と提案したことがあります。
営業の現場と本体との連携が全然取れぬままやっている感じです。

児童書の売行き上昇、まずは大慶に^^。

> 「教育意識の高い母親が自らの財布を持つようになった
> ことで、児童書の購買増につながっている」
これはいいことですが、このような局面にも児童の生活格差や貧困の影が、反面にあるのでは、と心配です。

書店店頭の新刊書のキャッチコピーが、「こんな重大な問題が起きている!」という、‘ひたすら脅迫型’‥‥ある種ネトウヨ的文体ですが、こういうもので埋まってしまったのが、すでにネット普及以前の、十数年前からのような気がします。
これではマトモな感覚の大人の読書人が離れるのは当たり前です。

> 「残念な」という形容動詞‥‥あまり好きになれない…というか、大嫌いだ!
同感^^。こういうタイトルから、「じつは人間から見て‘残念’だったのは…」という逆転があれば面白いのですが。

2017/9/13(水) 午前 0:01 [ へうたむ ]

顔アイコン

> へうたむさん
形式は違えども同じ情報を得るために重複して料金を払えというのは、理不尽に思えます。これでは紙の新聞の売れ行き低下は押し留められないと思います。

出版業界、書店業界が過度に「売れ行き」を追究する結果が今の状況を生んでいる気がします。大事なことはまともな本を出している出版社がまともに収益を上げられるようにすること。

それには、図書館の役割がひとつの重要な要素だと思います。べストセラー本をたくさん購入する風潮を改め、小部数の良書を積極的に購入すること。私の住む市の図書館なんか、5000円以上の本はリクエストお断り、そのくせベストセラーはたくさん買っている。大きな勘違いだと思います。

残念な〇〇と言う言い方が廃れないのは、じつに残念です。

2017/9/13(水) 午前 9:17 [ yositaka ]

顔アイコン

何でも時代のせいにしてはイケナイと分かっています。
でも、出版社はどこも、ヒット作よりロングセラーが欲しい!
けれど、なかなか生まれない時代のような気がします。
公共図書館とて、スキで話題作の複本を買っているのではなく、
利用者のニーズを無視できず…。
多くの図書館が民間委託となったせいもあると思いますが。
でも、子供たちの中には、オトナの杞憂など知らず
「心が熱くなる本」を求め、読む子が今もいます。
そのキッカケが、「おしり」でも「残念」でも
いいのだと、私は思ったりしますけど。

多くの利用者も自治体も

2017/9/13(水) 午後 6:38 [ ユキ ]

顔アイコン

> ユキさん
もちろん、本を手に取ることそれ自体が優先なので、子どもたちが「おしり」や「残念」を読むこと自体には何の問題もありません。
ただ、大人に比べると「買ってもらう」立場の子どもは、情報量や経験値も含めて、選書の枠が狭いのは確かだと思います。大人には、その枠を少しでも広げる責任があるはずです。
読書好きに育つはずの子どもが読みっぱぐれないようにするためには、大人も選書眼を磨かなくてはね…

2017/9/13(水) 午後 7:58 [ yositaka ]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事