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新海誠監督の新作です。
アヤママと夫婦50割2400円で見てきました。
サブタイトルは英語で「ウェザリング・ウィズ・ユー」
これ、直訳と違うなと思いながら見ていました。おしまいまで見て、自宅でゆっくり考えて、本当のタイトルは英語の方だな、と思いました。
「君と天気する」
ひとりの少年とひとりの少女、たった二人のつながりが、間を飛ばして世界の運命と直結する。これもまた「君の名は。」同様、セカイ系の物語の典型と言えそう。
死に直面する母親の病室の窓から、一点の光指す場所を見つけた少女は、病院を飛び出し、そこに向かって走る。
一方、閉塞した島から家出してきた少年は、船上で突然滝のような雨に襲われ、海に飲まれようとしたところを、間一髪で救われる。
この、全く無関係に思われた二人が、何かに操られるかのように出会った、その瞬間から、物語は危ういほどに加速度をつけて暴走を始め、「いくところまでいってしまう」ような、衝撃的な結末に向けて突き進んでいく。
「君の名は。」で題材とした「隕石衝突とタイムスリップ」という古典SFの仕掛けは、今回は一層シンプルなものになっている。J.G.バラードやカレル・チャペックのような「破滅もの」の枠組み。
とはいえ、話の土台となる「世界観」の構築度はかなり大雑把で、製作スタッフの関心は、とことん細密に描きつくされた「都市の雨」の無数の表情と、美しさ、その中を、ほとんど生きる衝動だけで動き回る、登場人物の躍動する身体性を屹立させることに注力されているようにも感じました。
どうしてそうなる、と突っ込みたくなる部分は多いのですが、そんなことは承知の上で描いて描いて描いて描きまくる。そこが潔い。
ラストシーンの扱いは、相当に思い切った大胆なもので、ひっかかりはあるし、異論も出そう。「君の名は。」のようには素直に「感動」させないぞ、という意識がはっきり出すぎて、マニアックになってしまったかも。リアリストのアヤママは、どうにも納得できないようでした。
でも、見てよかった。
ネコパパとしては、登場人物全員の怖いものなしの生命力と、人を信じる力の大きさに、前作以上の拍手を送りたいと思います。
観客の対象年齢も、これまでよりも5歳は引き下げられた感じなのもいい。「ジュブナイル」から「児童文学」に近づいてきました。
これはお薦めです。
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私も「天気の子」を観ました。正直言って新海誠監督の感性についていけませんでした。なぜそうしたのか、なぜそうなるのか、そうならなければいけないのか、突っ込みどころ満載でした。行き当たりばったりの映画というのが私の感想です。不自然さが目立つのです。それを非日常として素直に楽しむことができない私がいました。これを観た10代、20代の人の感想を読んでみたいです。「君の名は。」も、その良さがよくわからない作品でした。
2019/8/9(金) 午後 8:47
> ハルコウさん
お気持ちはよくわかります。特に中盤までは、ようやるなあ、開き直ってるなあ、と何度も思いました。でも、なぜでしょう。だんだんとそれが爽快感に変わってくるのです。本来なら出口なしの閉塞に閉じ込められそうな登場人物たちが、この空間ではかろうじて息ができ、解放される。映画の中では作り事であっても、見ている側には、なにかしら愉快な気持ちが湧いてくる。ネコパパにはいまもその愉快がのこっているんです。
若い人たちはどうなのか、いすれ感想を聞いてみるつもりです。
2019/8/10(土) 午後 6:07 [ yositaka ]
2回観てしまいました。
フェリーの上で穂高は、荒天になるので、船内に入るように放送があったのに、逆にデッキに出ていったんでしょう。
あの落ちてきた水のかたまりは、ひながどこかで晴れさせたことと関係しているのかも。
東京が海に沈んでしまって、下町に住んでいた人たちの生活が、平然と営まれるのは?毎日雨ばかりなら、桜が咲くこともないでしょう。洗濯物は乾かず、何もかもカビていく。
東京に雨ばかりなら、どこかは砂漠になっているはずです。
君の名は、は能力が遺伝で受け継がれてきたわけで、それほど不自然には感じませんでしたが、今回の世界観は受け入れられませんでした。
2019/8/12(月) 午後 8:36 [ gad***** ]
> gad*****さん
コメントありがとうございます。
いやはや、結末部分についてはまったくおっしゃる通りだと思います。
リアリストのアヤママは、あまりの納得のできなさに憤慨していました。
でもパンフレットの文面では、新海監督は「怒らせたい」と語っているので、そのへんも、おそらく想定内なんでしょう。策にはまったのかも。彼は「この映画の寿命は数か月」なんて、挑発的なことも言っています。
受け入れられないと思いつつ2回見てしまう気持ち、よくわかります。私ももう一回見たい。TVでいいですけれど。
2019/8/12(月) 午後 10:23 [ yositaka ]
実は2回目は、下の娘の付き添いで、一回目は真ん中の娘と一緒に(これは自発的)観ました。先程下の娘と、いろいろ突っ込みどころについて話し合っておりました。
2019/8/12(月) 午後 10:28 [ gad***** ]
> gad*****さん
娘さんたちのご意見も拝聴したいですね。
2019/8/12(月) 午後 10:42 [ yositaka ]
weather は動詞もあり、映画のタイトルは「君と困難を切り抜ける」というのが、この映画の本来の姿なんでしょう。日本語のタイトルに騙されてはいけないようです。
2019/8/13(火) 午後 7:48
> geezenstacさん
なるほど、そういうアクティブな意味も持たせているんですね。日本語だとなんとなくぼーっとした感じの子と思ってしまいますが(それは脳天気)内容とのギャップがまた面白い。狙っていると思います。
2019/8/13(火) 午後 9:12 [ yositaka ]
「ウェザリング」には「風化/経年劣化(経時変化)」という意味があります。
つまりあの英語サブタイトルは「一緒に天候操作」みたいな意味と同時に「朽ちる世界で君と」とか「変わりゆく君と」みたいな含意も込められた秀逸なタイトルだと思うのです。
通りすがりにお邪魔しました
2019/8/16(金) 午後 6:37 [ ハンザキ ]
> ハンザキさん
コメントありがとうございます。「風化」の意味が有ることは確認していたのですが、それを「朽ちる世界で君と」と解釈できることには気づきませんでした。
たしかにそれは内容と一致します。意味の重層性は明らかに新海監督の基本姿勢ですので、意図された可能性は高いですね。
2019/8/20(火) 午前 6:27 [ yositaka ]