児童文学と音楽の散歩道

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それはともかく、本題だ。「いま児童書がアツい」というアオリで知らせが来た、その記事というのがこれ


児童書が上位、出版界に異変 残念な動物に大人もクスッ

朝日新聞デジタル 塩原賢 2017年9月12日03時01分


「おしりたんてい」の着ぐるみとの撮影会。約50組の親子が並んだ=埼玉県鶴ケ島市

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本のベストセラーに異変が起きている。取次大手による8月の月間ランキングは、1〜3位を児童書が独占。出版市場は縮小が続き、少子化の波にも洗われているはず。なぜそんなに売れているのか。

今月2日の土曜日。埼玉県鶴ケ島市の商業施設にある書店「yc vox ワカバウォーク店」前に親子連れの長い列ができた。

人気読み物シリーズの主人公「おしりたんてい」の着ぐるみが登場すると、子どもたちは大喜び。小学3年の北畑誠一郎くん(8)は「本を友だち同士で見せ合っている。謎を解決するところが楽しい」。

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2012年に最初の絵本が出て以降、読み物も含むシリーズ11点の累計発行部数は170万部。ポプラ社の高林淳一部長(42)はキャラクターを初めて見た時、「インパクトがありつつも上品ないでたちで人気が出ると直感した」。

まず3歳以上対象の絵本4点を続けて刊行。ファン層の成長に合わせ15年から小学校低学年向けの読み物を出した。絵本の何倍もの勢いで売れ始めたという。
児童書では夏休みを狙って6〜8月に人気シリーズの刊行が相次ぐが、今夏は売れ方が違った。7月下旬〜8月上旬、日販の週間ベストセラー10位内に5点がランクイン。昨年の夏休み中は3点が最多だった。8月は3週連続で1〜3位を独占。その一つが「おしりたんてい」の新刊だった。

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月間1、2位は「続ざんねんないきもの事典」と「ざんねんないきもの事典」(いずれも高橋書店)。「トラは笑っちゃうほど狩りがヘタ」など、動物たちのクスッと笑える生態を紹介し「大人にも受けた」(担当編集者)のが、ヒットにつながった。

12位に入った偕成社のシリーズ最新刊「そらの100かいだてのいえ」は、創業81年の老舗で過去最多の初版15万部で売り出した。

■SNSによる口コミ効果

一般的に、児童書はじわじわと人気に火が付き息長く売れ続ける。だが近年は、「爆発的に売れ出す本が多く出てきている」と日販の児童書仕入れ担当、奥田直樹さん(34)は言う。SNSによる口コミ効果が大きくなった影響とみる。
近年の児童書市場は堅調だ。出版科学研究所によると、14年以降前年比増が続き、16年は7・6%増。一方、出版市場全体では3〜5%ずつ縮小している。

東急田園都市線・たまプラーザ駅(横浜市)の商業施設に入る有隣堂たまプラーザテラス店の高樋純子店長(56)は「親は子どもに惜しみなくお金をかけている。学習要素の高い本はまとめて買っていく」。
消費行動に詳しいニッセイ基礎研究所の久我尚子主任研究員は、30代の子育て世代の高学歴化や、共働き世帯の増加などを挙げる。「教育意識の高い母親が自らの財布を持つようになったことで、児童書の購買増につながっている」

児童書専門書店「クレヨンハウス」(東京都港区)の馬場里菜さん(30)は「幼児期の読み聞かせや小中学校の朝読書の広がりが下支えしている」とみる。

出版社も、子どもの成長に合わせて読書が継続するよう戦略を練る。一例が、漫画のような体裁が増えた児童文庫のカバーだ。09年創刊の角川つばさ文庫は、読書のハードルを下げようとカラフルなカバーで統一し、後発ながらシェアを広げた。「君の名は。」など映画の話題作の刊行にも力を入れる。服部圭子編集長(48)は「子どもが手にしたくなる本を意識している」。

将来的な活字離れ解消につながるのか。出版取次の社員時代から朝読運動に携わった佐川二亮(つぐすけ)さん(70)は「小中学校で読書が習慣化しても高校生になると不読率が急に上がる。生徒が自ら推薦書を選んで広める試みも一部の高校で始まっている。そうした主体的な読書環境の整備が必要だろう」と話す。(塩原賢)

■8月の月間ベストセラー(日販調べ)

①続ざんねんないきもの事典 今泉忠明、下間文恵ほか 高橋書店
②ざんねんないきもの事典 同上 同上
③おしりたんてい いせきからのSOS トロル ポプラ社
④モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット 佐久間健一 サンマーク出版
⑤肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい 西山耕一郎 飛鳥新社
⑥未来の年表 河合雅司 講談社
⑦AX 伊坂幸太郎 KADOKAWA
⑧かいけつゾロリのかいていたんけん 原ゆたか ポプラ社
⑨定年後 楠木新 中央公論新社
⑩死ぬほど読書 丹羽宇一郎 幻冬舎

以上、引用終わり。


■ネコパパに3分だけ時間をください

縮小傾向の書籍市場で、児童書が堅調というのは、児童文学依存症のネコパパにとっても朗報だ。
中小出版社の多い業界だけに、こういう話題がきっかけとなって書店の児童書売り場が活況となるのも良いことだと思う。
あらたな出版社の参入も期待できる。注目したいのは、は「ざんねんないきもの事典」を出している高橋書店が、「手帳の高橋」として知られている、あの会社であること。
児童書にビジネスチャンスあり、
と考えての参入だとしたら、これはなかなか凄いことだ。

ただ、ネコパパの目には…書店でちらっと眺めたことはあるにせよ、この三冊とも「手に取って読みたい」とは感じなかった本であることも、事実。
だから内容はよく知らない。
その上で、ちょっとだけ言わせてください。

おしりたんてい」は「しりつたんてい」のもじり?
子どもたちが下ネタ大好きなのはよく知っている。それに謎解きの面白さが加われば、鬼に金棒。でも、ネコパパの目には「ふうん、なかなか不気味なこと…」という気持ちが湧いてきて、ちょっと手を出しにくい。
なき長新太が漫画ネタにしそうな題材のような気もするけれど、漫画家としてはともかく、絵本作家としては決して使わなかっただろう。このキャラクターを使いこなすには、寸鉄人を刺す批判精神が必要と思うのだが…さて、そこは?

ざんねんないきもの
それってネコパパのこと?
生き物に関するあまり知られていない情報を提供する主旨のようだけれど、
「イルカは寝ると溺れる」とか「リスのしっぽは取れやすく、一度取れると回復しない」とか…なんだか、生き物たちを気の毒な見世物にしているような気がしなくもない。
「生き物に一層親近感がわく」とか「残念な生態にも着目するという着眼点が素晴らしい」と賞賛されているようだけれど、人間から見て「残念な」なんていう言い方、ちょっと傲慢じゃないのかな。
そもそもこの「残念な」という形容動詞で名詞を修飾する昨今流行の言い回しを、ネコパパは、あまり好きになれない…というか、大嫌いだ!上から目線で、侮蔑的な語感。これを児童書のタイトルにする感覚って、どうなんだろうか。

最後に一言。
児童書の売れ行き上昇は嬉しい。
でも、この記事を読んで、児童書とはみんなこういうものだ、とは思ってほしくない。子どもにも、大人にも。
それから「児童書がアツい」と書いた朝日の記者にも、いいたい。
突然、爆発的に売れることが「アツい」ことだと思っているのなら、その感覚はちょっと違うんじゃないかな。記者には、いい児童書をじっくり読んで、体の中から湧いてくる「アツさ」を、まず味わってみてほしいと思う。


虫歯と音楽

歯が痛い。

どうにも我慢ができなくなって、歯医者さんに行きました。
しばらく前に治療した奥歯の「被せ」が取れてしまい、ちょっと気にはなっていたのです。でも、痛みも無く特に支障もなかったから、そのうち行かないと…と思いながらずるずると引き延ばしていました。
そして、来るべきときが来ました。被せの取れたところに食べ物が引っかかってどうにも具合が悪いと思い始めたところに、いやな痛みが始まったのです。
覚悟を決めました。

「被せが取れたのは一番奥の一本。問題はその手前です。歯そのものが一部分折れて、なくなっています。ちょっと写真を撮らせてくださいね…」行きつけの歯医者さんが、いつもの笑顔で話します。
「うーん、状態は良くありませんね。一番奥はボロボロで、そのまま被せるのは危険です。手前はもう、神経が死にかけていて、歯茎の奥のほうまで黒く腐りかけてます。しっかり膿を出さないとだめですね」

それから約90分、麻酔をかけながらの治療が続きました。何をやっているのか、自分では見えないのですが、患部の奥のほうまで不可思議な道具をつかって膿をつつき出している様子です。痛みは無いものの、歯に器具が当たって、何かを引き抜いていくような振動がネコパパに伝わってきます。他の患者の治療も挟みながら、汗だくで治療を続ける先生…大変だったことでしょう。
なんとかその日の治療は終わり、あとは抗生剤を飲みながら消毒に通うことになりました。処置の終了までには当分かかりそうです。
もっと早くいけばよかった!と、何回目かの反省です。でも、今度ばかりは加齢による身体劣化を痛感しました。本気でケアすることにしましょう。

■モーツァルトと歯痛

こんな日は、音楽を聴くのも億劫なんですが、気になることがありました。
歯医者さんで流れていたBGMです。なんだかモーツァルトが多い。ネットを見ると、確かに、モーツァルトを推奨する歯医者系サイトの記事がいくつもあります。ゆらぎの高周波がいいのだそうです。どうも眉唾…でも…こんなのもある。モーツァルト自身、歯痛に悩んでいた、と。
根拠はモーツァルトの手紙、ですか。そうなると信憑性はありそうですね。

モーツァルトは死の前年から、彼は頭痛や歯痛に悩まされ始めたようです。当時の彼は、フリー作曲家としての人気が急落、そこで宮廷副楽長の地位を狙うも失敗、妻の療養と称する温泉滞在費も嵩み、厳しい経済状態だったらしい。
その当時のモーツァルトの手紙です。宛先はフリーメーソンの同志で、富裕な織物商だったヨハン・ブフベルク

ウィーン、1790年4月8日
あす金曜日に、ハーディク伯爵が、シュタードラー五重奏曲(クラリネット五重奏曲)と、私があなたのために書いたトリオ(弦楽三重奏のためのディヴェルティメント)を聴かせてもらいたいということです。 勝手ながら、それにあなたをご招待いたします。…私自身お目にかかり、じかにお話したいのですが、頭全体がリューマチ性の痛みですっかり縛られたようです。そのための私の苦境もいっそう身にしみて感じられます。差し迫っています。できましたらお助けください。
ウィーン、1790年5月初め
残念ですが、じかにお話するために外出できません。
なにせ歯の痛みと頭痛がいまだにひどく、特にまだ強い病変を感じます。…いまはあなたに率直に打ち明けました。どうぞあなたに出来るだけのことで結構です。あなたの真の友情の気持ちが許すかぎりのことを尽くしてくださるよう、心からお願いいたします。
―『モーツアルト書簡全集6』(海老沢 敏訳.白水社刊)より

借金の無心状でした。
プフベルクはどうやら好人物だったらしく、死の直前までモーツァルトに援助を続け、死後も返済を請求しなかったようです(のちに妻コンスタンツェが全額返済)。
ちょうどこの時期、モーツァルトが書いていた曲は「弦楽四重奏曲第22番変ロ長調 K.589」「第23番ヘ長調 K.590」。プロシャ王に献呈した、彼の最後の弦楽四重奏曲です。
アルバン・ベルク四重奏団の若き日の演奏で聴いてみました。独テルデックCD。

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チェロを得意としたプロシャ王を意識して、第一ヴァイオリンとチェロが主要旋律を掛け合いで演奏します。それだけに、渋く内面的な趣があり、そこに晩年の作品に共通する諦観が、澄んだ響きの中に溶け込んでいく。
歯痛、頭痛をこらえながら書いた曲としてはあまりにピュアです。確かに聴く側の痛みは和らぎますね。



シューマンの「歯の痛み」

歯痛そのものを題材にした曲も発見しました。
ロベルト・シューマンの「歯の痛み」です。
これはイギリスの詩人ロバート・バーンズの詞に曲をつけた混声合唱曲です。バーンズはあの「蛍の光」の作詞者でもあります。訳詞が見つからないのですが、どうやら「歯痛は地獄の苦しみ」と、のたうちまわって痛がる様子を歌っているらしい。ところが、曲はなぜか明朗でロマンティックな曲想です。
これは痛みを紛らわそうとするカラ元気でしょうか。
シューマン、わざわざこんな詞に曲をつけるくらいですから、自分も歯痛で苦しんだ経験があるのでしょうね。いかにも神経症で有名な作曲家らしいと思います。



■ビル・エヴァンスの前歯

ジャズで虫歯といえば、ピアニストのビル・エヴァンス…だそうです。ネコパパは知りませんでした。

wiki参照。
エヴァンスの薬物乱用は1950年代後半から重篤化。ヘロインに体を蝕まれ、金銭的にも余裕はなく、一時的な断薬には成功しても、結局晩年まで薬物との縁は切れなかった。レコードジャケットなどでは、堅く口を結んだ肖像写真が多く使われていた。歯を見せなかったのは、喫煙と麻薬の影響でひどい虫歯になっていたのが一因で、兄ハリーとの音楽に関する1960年代の対談フィルム動画などでは、対話するエヴァンスの前歯がボロボロの状態であるのが伺える…

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確かに、インテリ青年然とした風貌のポートレートは、みんな口をしっかり結ぶか、くわえ煙草でしたね。
そういうことでしたか。
問題の動画も、視聴しました。YOUTUBEにあります。真摯に音楽論を語るエヴァンスですが、前歯がほんとうに痛々しいことになっています。ついそこに目が行くので、リンクはやめときます…
と、いうことで…しめくくりはエヴァンス・トリオの「枯歯」
いや、「枯葉」をどうぞ。

皆様、歯痛が気になったら、すぐに歯医者さんに行きましょうね。





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