jfumykのブログ

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(毎日 9月24日)
 
スポーツと資本主義の関係について、考えないといけない時期に来ている。
 
資本主義経済は電力によって支えられ、中でも原発が重要だと信じ込まされてきた。
リスクの高い原発を受け入れる見返りとして、地方都市にはさまざまな交付金が入るほか、
スポーツや文化施設などの環境が整えられる、ということが繰り返されてきた。
サッカーのナショナルトレーニングセンター、Jヴィレッジは東京電力によって作られ、
福島県に寄贈された。
 
東京でも、資本主義によって消費されたゴミを処理する焼却施設の近くに、
テニスコートや温水プールなどがある。
スポーツはいいものだ、というポジティブなイメージが、
どちらかと言うと社会的にネガティブなものを覆い隠したり、受け入れたりするための
道具として、ここ数十年、上手に使われてきている。
 
東日本大震災後、東京電力が女子サッカー部の活動を休止したことや、
Jヴィレッジが福島原発事故収束のための前線基地として使われていることについて、
我々研究者やメディアはもっと踏み込んで考える必要がある。
 
スポーツの下部構造が見えにくくなっている。
華やかな舞台の裏側には、見つめないといけない現実がある。
 
東京の渋谷区立宮下公園の命名権は年、間1700万円(10年契約)で、
スポーツメーカー「ナイキ」に売却。
有料のスポーツ施設が公園のかなりの面積を占め、夜間は施錠される。
誰もがいつでも利用する権利を持っている公共空間を、一企業が独占して
売り物にするなんてことがあっていいのだろうか。
 
サッカー日本代表は、飲料メーカー「キリン」の支援を受けている。
今のスポーツは、スポンサーの支援がないと成り立たないことは分かるが、
自律性まで失っているようだ。
 
ミュージシャンや役者の中には、福島原発事故の後、自分の意見をきちんと
表明する人たちがいる。
ところが、アスリートはいない。
 
理由は二つある。
スポーツは政治と無縁、という神話が根強く出来上がっていること、
スポンサーに気兼ねして、自由に発言する立場ではないことだ。
おかしいと思うことに対して、おかしいと言えないような状況を変えていかねばならない。
 
いい兆候もある。
女子サッカーのワールドカップでは、選手が試合前に人種などさまざまな差別の撤廃を
訴える宣言をしていた。
 
スポーツは、世界や社会をいい方向に変えていく力を持っている。
研究者として、そうした萌芽や試みを見逃さず、意味や言葉を与える仕事をしていきたい。
そうすれば、100年後は大企業に支配されない、
今よりも自律的なスポーツの世界が実現できるだろう。
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◇やまもと・あつひさ
 
1973年生まれ。筑波大大学院博士課程人間総合科学研究科修了。
著書に「オリンピック・スタディーズ」(共著)、「現代スポーツのパースペクティブ」(共著)。
 

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