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・改装という意味でリフォームという和製英語が一般的になっていますが、英語的にはリモデルという言い方が正しい言い回しです。ま、日本ではリフォームの方が一般的になっているのでいいのですが・・・。マンションであれ一戸建てであれ、構造的に鉄筋コンクリート、鉄骨、木造、木造壁式(2×4)など構造も様々です。そんないろいろなパターンに精通する建築家にリモデルは計画して欲しいものです。
・大規模に改装するときは(間取りを変えるなど)の時には、管轄の役所に対して建築確認申請も必要で、竣工後完了検査も受けなければなりません。新築の時には、ちゃんと出してもリモデルの時には出さない業者も多いので気をつけましょう。不法なことはやらないから「ま、いいか」というようなことではなく、建築確認申請の完了検査後に発行される検査済証は家の履歴書、あるいは「血統書」のようなもので、大事に扱うべきだと思います。あなたの大事な資産の血統は守ってあげてください。
●さて、リモデルでどんなことがやれるのでしょう。
多くの住居の場合、4LDKとか3LDKなどと、かつての住宅整備公団が呼称として使った家の間取りパターンの呼び方が一般的にも使用されるようになったものですから、戸建ても、マンションもおおよそそのパターンの縛りの中で計画されています。つまり「個室とリビングそしてユーティリティースペースの構成」というのが世間の一般的な住居のパターンです。確かにどのような部屋が欲しいかを聞くときの共通言語としては便利なのですが、住空間をデザインするときの感覚として建築家の立場からは、実はとても邪魔な概念です。4LDKなどという言い方をした瞬間、相手の頭にはもうある種の空間概念が出来てしまうほど支配的な概念として出来上がっているからです。
一時期結構人気番組だった「ビフォーアフター」というTV番組がありました。この中で展開される住居の構成は概ね4LDKなどという概念を越えた計画が多く、多くの人を魅了してきました。建築家が係わるリモデルはそうあって欲しいものです。この番組の唯一の問題点は、とても安価にリモデルが出来る印象を与えていましたが、それは番組スタッフが相当数手伝っていたり、設計監理料を含んでいなかったりというような背景があります。この事はHPをみると明記してありますので私の憶測ではありません。どうしてもリモデルという建築作業は人手を頼りにする部分が大きいので、人件費比率の高い世界なのです。それを踏まえた上でリーズナブルな計画をするのも建築家の努めでもありますが。鍛えられた建築家であればあの程度の改装は出来なくてはいけません。それがプロフェッショナルということでしょう。残念なことにこの番組はアスベスト問題などから「解体費用や解体の日数がかかり、番組として経費と時間がかかりすぎる」という理由で終了してしまいましたが、時々特番で続けるそうです。
リモデルでそんな風に、「この家がこんな風になるの!?」という感じでやるとインパクトがあるので視聴者の反応もいいのですが、なにもリモデルではなく、新築時からそんなカッコイイ住宅にすればいいのにね。という疑問が湧きます。今でこそ「デザイナーズマンション」という言い回しでちょっと個性的なマンションなどが登場してきました。今までもこれからも、そういう企画建築があまり出てこなかった背景を私は解っています。その理由は、
1.そのような計画が出来る能力を持った建築家は実はそう多数はいない。
という悲しい理由が一つ。建築士であっても建築家とは呼べないような人が多いという事実と、
2.ディベロッパーのビジネスの方向性として「安い方が売れる」という事実に基づいて計画が進められる。
ということなのです。つまり、何とかシステムキッチンや水回り、そしてリビングスペースに多少予算を割いて、あとは最低の予算で建築し、販売価格を下げる。というのが常識なので、力ある建築家が計画しても予算の制約を徹底的に受け、工夫に工夫を凝らしているけど、それは予算削滅のための努力で終わってしまい造形的な能力を発揮する場もなかったことなどです。
戸建てに関しては、モデルルームでは感動を味わうほど素晴らしい造りなのに、いざ計画にはいると「オプション」だらけで、モデルルーム並に計画しようものなら100万/坪(家具なし)というようなことになります。結局そんなことなら建築家にオリジナルの素敵な住宅をデザインしてもらえばよかったということになります。それでも、初めて手に入れるマイホームの喜びで、そのつけられないオプションはなんとか我慢することになるのです。
そんなわけで、リモデルにあたってどんなことが出来るのかという答えは非常に解答しにくいほど色々なパターンの話があります。ただ、あなたが想像するよりはるかに色々なことが出来るという事だけはいえるでしょう。建築家になりたくて子供の頃から色々空間のことを考えてきた。そしてプロとしてもう20年以上も空間のことを考え続けている。そんな人と一般の生活者が同じレベルだったら私が困ってしまいます。例えば、木造でも構造体を見せながら、外壁をペアガラスでガラス張りの住宅にすることさえ可能です。耐震構造的にも成り立たせ、熱の問題もペアガラスならクリアできます。
高気密高断熱住宅であれば、100平米くらいの住宅であればエアコン1台で家中の冷暖房が出来、個室構成ではなく吹き抜けや家具などのパーティションで面白く構成したあなたには想像もつかない住空間さえ提案できるのです。よく雑誌などで見る、超豪華な別荘という感じの大空間の邸宅でさえ、計画次第(高気密高断熱住宅)では冷暖房費は一般住宅と変わらないレベルで出来るのです。
RC(コンクリート造)の住宅は今は外断熱式で外気温や日光の直射熱から駆体を守り、内部を打ち放しコンクリートで構成しても寒かったり熱かったりする事はありません。そんなことはハウスメーカーではやってくれませんよね。
ただ、私が建築家として大事にしているのは、空間の大仕掛けや造形、適切な仕上げ材・意匠の選択などは長年の知識と知恵が必要ですし、それをこなすのがプロでしょう。しかしながら最終的な室内の装飾品やアフォロスタリー(カーテンなど)、そしてディスプレーなどは住人の方の個性を発揮する場ですから、そこまでは商業施設でない限り(商業施設は趣味ではなく戦略で進める)ご自分でセレクトされ、自分の個性を楽しんでもらうのが好ましいのではないかと思っています。アドバイスは勿論いたしますが・・・・。
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「すごい!」まるでこのブログだけで一冊の本を読んでいるような内容です。格闘技はイマイチ興味が湧きませんが後は全て興味津々!!更新が楽しみです
2006/8/13(日) 午後 10:48
コメントありがとうございます。そちらにもいってみました。ネコがお好きなようですね。今はいませんが私も室内飼いのネコがいました。ベンガルキャットといいまして、ヒョウ柄のネコです。 更新は続けていきます。ぜひまた感想を聞かせてください。
2006/8/14(月) 午前 5:55