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今月1日、南米パラグアイで邦人2名を含む4人が、武装グループにより不当に逮捕・監禁されました。彼らの目的は、身代金です。裕福な外国人を誘拐すれば“一攫千金”という忌むべき認識があるようです。
誘拐ビジネス。銃を使ったこんな簡単な方法で、巨額の富を得られると知った者は、累犯します。それだけではなく、模倣犯を生むという波及効果すら及ぼします。
わたくしたち日本人は、これまで「水と安全はタダ」という生活習慣のなかで暮らして来ました。昨今では、この神話ですら、崩れつつあることには、わたくしとして、落胆の域を出るものではありません。
かつて1970年、いわゆるよど号ハイジャック事件が起こった際、我が国の政府は、超法規的措置として、武装集団である日本赤軍(当時:共産主義者同盟赤軍派)に事実上降伏し、無策のまま要求に応じただけでなく、北朝鮮への逃亡を看過しました。これは、日本国民としてショックな出来事であり、我々は自国民ですら信用できないのか、という問題を提起したものです。当時の政府は「人命最優先」を貫かざるを得ませんでした。日本に安全保障の感覚が決定的に欠如していたことを公に認めた事例として、多くの教訓を残しました。
本件に関して、4月20日、身柄が解放されました。交渉人の仲介を経て、先に解放された女性を除く邦人1人、パラグアイ人2人の解放について、日本円1,600万円余りの身代金支払いに応じることにより、人質は無事に解放されました。現在、邦人は安全な施設で保護されています。
このような事例が存在すると、外国人誘拐が簡単なビジネスと認識させます。カネが無くなったら、また誘拐すればいい。彼らはそうして学習し、同じことを繰り返します。そのうえ、新規参入する者を誘発します。こんなに割りのいいビジネスは無い。
日本人として、海外で日本と同様の生活を送れるという安易な考え方は、厳に戒められるべきです。我々の軽々しい行動で、日本が卑しめられるということを、認識しなければなりません。
ここで、わたくしの立場を明らかにしておきます。邦人・異邦人の別なく、こうした卑劣な犯罪に対しては、決して屈してはならない。犯罪者に、そうした行為は割に合わないということを徹底的に印象付けることが大切です。超法規的措置など絶対に取らない。「君、死ぬ気があるのか」というところまで徹底的に追い詰める。その上で武力制圧も止む無し。犠牲者は出るでしょうが、これが法治国家のあるべき姿では無いでしょうか。犯罪者を検挙し、処断する事によって、誘拐は割に合わないということを、実力をもって示すべきだと、わたくしは考えます。公安当局者各位に申し上げる。あなた方は、法執行官です。躊躇無く、法令を執行して下さい。
こうした誘拐事件に被災したご家族の方におかれましては、お金で命が買えるなら、と思われるでしょう。
パラグアイ人など10人が、事件に関与したとして逮捕されました。全容解明までには、時間がかかるものと思われます。実際、身代金を手にした主犯格は、現在逃亡中です。
治安国家。実は、貧困層を抱える国々では奇麗事では無いのです。そういう土壌があるということを、我々は心しなければなりません。
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