芳住 純の生活実感

こんなこと、皆さんも感じているでしょ?

作家の戯言

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米アカデミー賞で注目された映画「BABEL」が先週土曜日に我が国で封切られました。話題作の上陸に、多くの映画ファンが劇場に足を運んでいるようです。
5月1日、同映画を鑑賞中の観客が吐き気・めまいなどの気分の悪さを訴え、劇場側で暫く休むという事例が6都府県で計15人に及ぶことが、配給元であるギャガ・コミュニケーションズにより明らかにされました。ギャガは、次のHP上で急遽、本件に関する注意喚起を行いました。http://babel.gyao.jp/ 劇場でも、ポスター及びパンフレットで注意を呼びかけています。

1997年12月16日、テレビ東京系列の人気アニメーション番組「ポケットモンスター」において、今回と似た症状を訴える児童が多発しました。分析の結果、短時間のうちに閃光が明滅するシーンが視聴者の神経に何らかの影響を及ぼしたことが被疑され、その後、我が国の放送局は自主規制でこうした表現を行わないコードの変更を行いました。

1971年のユニバーサル映画「アンドロメダ・・・」(原題:THE ANDROMEDA STRAIN)の劇中で、ある研究者が赤色ランプの点滅に影響をうけ、てんかん様の症状に陥るというエピソードが描かれています。

これは、一般に“光刺激性けいれん”と呼ばれる発作で、特に1秒当たり3回の赤色点滅が繰り返されると引き起こされる場合が希にあると報告されています。症状は、意識障害、けいれん、不快感という形で現れ、ほぼ全てが一過性のものです。

同様の問題について、多色が同時に画面に現れ短時間のうちに表現を変えてゆく、いわゆるサイケデリックな演出方法でも指摘され、現在ではこうした手法はほとんど使われていません。

映像によって鑑賞者の精神に不当に介入する手法として、サブリミナル・コントロール(潜在意識操作)が挙げられます。かつてこの手法が映画で使用され、某清涼飲料の売上が有意に伸びた例があります。これは、鑑賞者の意識下に特定のメッセージを送り込むものとして危険視され、現在ではこの手法の使用は厳しく禁止されています。

このようなことは、映像表現者の間では常識となっています。

今般の事例において、なぜ映画鑑賞者の障害を防ぐことが出来なかったのでしょうか。表現者には、自らの良心と責任に基づく表現の自由が保証されています。製作サイドは、当然それを承知で公開に踏み切ったものと推定されます。

当該映画の監督は、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ氏です。

お好きなドラマは、どんなものでしょう。サスペンス、悲恋、スポ根、ラブコメ、あるいはウンチク物でしょうか。

どのようなシチュエーションであっても、ドラマには対立軸というものが必要です。

これまでも、主人公に批判的な“鏡”となるキャラクタを動員することはありました。小説「白い巨塔」の中で、財前に常に批判的であった親友、里見のようなキャラクタは、表現者として、あたかもシーソーのように物語世界のバランスを取るために必要なものです。里見の視点が、読者のそれとシンクロするように、作家山崎豊子は巧妙に仕掛けを作ったわけです。

カリカチュアとして取り上げるわけではありませんが、漫画「巨人の星」では、星飛雄馬のキャラを立たせたのは伴宙太ではなく花形満でした。

それが、従来の我が国における世界観の構図であったわけです。切磋琢磨しあう好敵手を配置することで、緊張感を持たせました。「君のやろうとしていることは間違っている」と、堂々と言える間柄。ここには、損得抜きの友情の存在が欠かせません。

ある時、黒船がやって来ました。

Snoopy(Peanuts)に登場するルーシーは、チャーリー・ブラウンに結構冷たい。彼の批判ばかりします。でもあの娘、ちょっと気になりませんか。

テレビ映画「スタートレック」には、マッコイという人物が登場し、主人公であるカーク船長を事ある毎に揶揄します。放映当時、なんでこのような不協和音を呼ぶキャラクタが存在するのか、理解に苦しみました。

皮肉屋というキャラクタの登場です。

皮肉屋は、場面に緊張感をもたらしません。主人公にとって、ある意味で耳障りな存在です。しかも身内。それだけに扱いが厄介です。何故そのようなキャラを立てなければならないのか。

皮肉屋は、主人公が辛い時、存在感を発揮してくれます。いつも皮肉ばかり言っていても、皮肉屋の一言で主人公が救われるというシチュエーションを演出する。その最後の最後のために、いつも文句を言わせる。これは、表現者にとっても鑑賞者にしても、とても忍耐のいることです。しかし、皮肉屋は、実はもっとも大切な主人公の理解者なのです。その存在感は、とても大きい。

元々、我が国にもシニカルな文化が存在しました。暗に体制を皮肉るというのが、大衆芸能の粋というものです。ただ、「仮名手本忠臣蔵」のように、初演当初、実在の人物とはかけ離れた形で、お芝居として演出したのは、当局の弾圧を逃れるためであった便法でした。そのうえ、いわゆるガチンコ対決という構図をとったため、主人公である大石蔵之助は誰にも本心を明かすことなく、孤独な闘いを強いられました。もしそこに、皮肉屋がいたら、物語の様相は全く違ったものになっていたはずです。

現在制作・放映されている美少女系テレビアニメーションでは、必ず皮肉屋が登場します。しかし、彼ら彼女らはバイプレーヤーとしての意味付けしかされていないことに、すぐに気付きます。20年前のアニメ「機動戦士ガンダム」に出ていたカイ・シデンというキャラクタは、サイドストーリーとして語られることがありますが、皮肉屋としての資質に欠け、消化不良となりました。ジャパニメーションは世界ブランドとなりましたが、皮肉屋という重要なポジションをまだ、操ることが出来ていません。

文化の違い、と片付けてしまうのは、表現者の一人として、とても寂しいことです。

チャールズ・チャプリンのように、反骨精神で自ら一人二役・三役をこなせるエンターテインメントもいいのですが、悩める主人公をそっと支える皮肉屋の存在は、我々日本人の琴線に触れる可能性を秘めたフロンティアであるということを、指摘せずにはいられません。

皮肉屋というキャラクタ。使わなければ、ソンですよ。

毎朝6時から、NHKで都道県知事候補の政見・経歴放送がなされていました。わたくしは都民ではないので、東京都知事選への選挙権はありません。首都東京がどうなるのか、あなたも気になりませんか。14名の政見放送を観たのですが、皆さん個性派揃いであることを改めて知りました。

純文学の世界では、キャラクタを2人立たせる事が少なからず見られます。田山花袋の擬似自伝小説「蒲団」の中で、彼が立てたキャラクタは2人だけです。太宰 治の遺作となった「人間失格」でも、キャラは2人が立てられていました。

ミステリー文学の場合は、8人以上の登場人物を登場させることは珍しくありません。孤島あるいは雪山の山荘に集まった登場人物が、1人ずつ殺されていくというありふれた筋立ての場合、個々の登場人物には年齢・職業・学歴・性向などの説明的な記述をするのが普通ですが、読後記憶に残るのは犯罪を暴く主人公と真犯人の2人だけです。3番目に殺された人物のことを、あなたは覚えていますか。

勿論推理小説でも、キャラクタを1人ないし2人しか立てない作品は沢山あります。金田一耕介、シャーロックホームズ(ワトソンは読者の義眼)は個性の強いキャラクタとして1人を立てますし、明智小五郎の場合は宿敵である怪人二十面相と2人のキャラだけで連作されました。

キャラクタを立てる際、大勢の登場人物を描くのは、作家も読者も疲れます。ちばあきおの漫画「キャプテン」では、少なくとも9人を動員する必要がありますが、彼がキャラを立てたのは実は2人だけです。

例外としては、レンブラントの「夜警」という絵画があります。これは、当時の火縄銃手組合の依頼に基づき製作されたもので、集団肖像画と呼ばれることがあります。但し、この場合でも、鑑賞者の視線は、中央に描かれた人物に集中し、猥雑な印象が無いのが不思議です。彼は、敢えてそうした描き方をしたはずですが、これ以後、レンブラントに対する肖像画発注は激減したと伝えられています。レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」も、ユダ以外の使徒に視線が向けられることは稀でしょう。

いわゆる黄金比率は、二次元図形の場合、最も美しいと印象付けられる長辺・短辺の比率について、数値的に定義した命題(証明されない仮説)です。多角形や立体像の場合でも、黄金比率が成立している図形・作品が多く存在していることは、ご存知のとおりです。二点間・三点間の距離感を保つことが、表現者、鑑賞者双方にとって、無理の無い方法と言えるでしょう。

前衛芸術の場合、こうした命題を完全に無視していますので、一部批評家以外、一般的に評価されることはあまりありません。パースペクティヴ(遠近法)等の常識的な文法が適用出来ない作品に直面した場合、鑑賞者が戸惑いを覚えるのは仕方の無いことです。

キャラクタの立て方で、最大公約数を示すとすれば、4人であると、わたくしは考えます。主人公、ライバルあるいは敵対者、ヒロイン、そして理解者の4人です。ヒロインに理解者を兼務させれば3人となります。これ以上のキャラクタを立てることは難しく、表現者が苦労するだけではなく、鑑賞者にとっても迷惑なものとなります。主人公以外のキーマンを探す作業を鑑賞者がしなければならず、最悪の場合、主人公が誰なのかすら、鑑賞者に伝わらない場合があります。

日本人向けの「西遊記」では、メインキャストは4人ですが、主人公は孫悟空です。師匠である三蔵法師、沙悟浄、猪八戒はそれぞれに豊かな個性を持っていますが、鑑賞者の目障りになるような挙動を見せることはありません。

グループ音楽ユニットの場合でも、大抵はリードボーカルのキャラクタを立てるのが普通で、堺正明(スパイダース)や沢田研二(タイガース)などがその典型です。ジャニーズ事務所系が理解出来ないという方は、無意識のうちに主人公を探す文法に拘束されているからです。ジャニーズは解らなくてもTRFなら解るというのは、リードボーカル北村夕起のキャラが立っているからです。

“船頭多くして船山に登る”の言葉どおり、メインキャストは少人数、その上、鑑賞者に解りやすいキャラを1人だけ立てるというのが、表現者の要諦です。

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もうすぐ二日間のお休みだわ。何をして過ごそうかしら。先生、ディズニーランドでも連れて行って下さいよ。お天気、良いらしいですよ。

いや実はな、吉村には申し訳ないが、仕事を取ってきた。イベントの仕事だ。CMやイベントは、短期で美味しい仕事なのだ。済まん、頼む。

またお休み無しですか。がっかり。先生に労って欲しかったのに。もう、これは貸しですからね。で、どんなイベントなのですか。

朝は早いが、それほど時間はかからない。これが今回のイベントのパンフ用に描き起こしたイラストだ。自治体主催のイベントで、写真を使わず、判りやすいイラストでと代理店とも調整した。既に印刷に回してある。

へーっ、“お誘い”という雰囲気でしょうか。この二人の間に、文言が入るのですね。よし、わたくしも頑張ってお仕事します。そのかわり、来月のお給料も、期待していますよ。

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予算の限られたイベントのビラは、簡潔で、親しみの持てるものに仕上げる必要があります。今回の作例では着色しましたが、モノクロの単色刷りイラストで予算を削減することも求められます。イベント・興行のポスターでは多色刷り写真が使われることが普通ですが、NPOや地方自治体主催のビラでは、潤沢な予算をかけられません。プロの作家に発注することすら出来ないほどです。多くは事務職員が描くのではないでしょうか。今回の作例が、少しでもご参考になれば幸いです。

様々な愛のかたち

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ああ〜、いいオトコいないかなぁ。年収1億とか、そんなことは関係ないから、優しく接してくれる方がいたら、すぐにでもお嫁にいっちゃうのに。ねえ先生、出会いの機会って、どうすれば得られるのでしょう。やっぱり出会い系なのでしょうか。

おいおい、出会い系で無駄遣いすることは薦められないぞ。吉村の業界では、同業者どうしの交流もあるだろう。お前、初恋はいつだった。

ええっと、わたし、女子高だったから、ちょっとイビツかも知れないけれど、先輩と仲良くしてもらいました。一緒に手をつないでもらった時、とっても嬉しかったのを思い出します。

同性の先輩を慕う気持ちは、誰にでもあることだ。先輩も後輩を守ってやりたいという思いを抱くのは、自然なことだ。吉村の場合、兄弟姉妹がいらっしゃるのだろうが、外の世界では、他人との人間関係を取り結ぶことが非常に重要だ。わたくしは、相手が男性でも同性でも構わないと思う。そうしたふれあいが、情操を育み、ホルモンの分泌を促すものだと考える。それが成熟した大人を生む源となるのだ。

そうですよね。何か、先生に認めてもらったようで、今まで恥ずかしくて言えなかったですけれど、先輩に優しくされると、ホロっときてしまいますもの。もしかして、わたしのことを、好意を持ってくれているのかな、って。

青く、甘酸っぱい、淡い経験だな。しかし、出来れば男性との経験も、持ってもらいたいものだ。今回の作例は、丁度吉村の青春時代のように、同性同士のふれあいを表現してみた。聞いた話では、こうした形もあるらしい。ゲイの人もいるだろう。男性・女性を問わない。

わたしにも、こんな経験があったら、なんて思ったことがあります。

しかしな、これからは良い男性を探して、楽しい家族を作ってくれ。子供も産んでな。女だけの喜びを享受してくれ。

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今回の作例は、極端なシチュエーションだと思われます。普通の生活をしていれば、異性とのふれあいが
自然です。しかし稀に、ゲイの方も存在し、我が国でも同性どうしで同棲するということはあると聞いています。わたくしは敬虔なキリスト教徒ではありませんし、そうしたライフスタイルも許容出来ます。いろいろな愛の形があってもいいのではないでしょうか。幸せならば、それでいい。愛されていると感じられれば、それでいい。わたくしは、そう考えるのです。

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