JA1KAJ アマチュア無線日記

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16年ぶり二度目のツバルから戻ってきました

一般的に「ツバルに行ってきた」と言うと「沈むとこね」とか言われます。自身でも報道など色々されているのは見聞きしますからどんなもんかなぁと思ってました。

■ツバルに関する噂
ただ行く以前から気になっていたことは

1.そもそも世界的な潮位観測は勿論、ツバルにおける潮位観測でも科学的な視点から有為といえる様な平均潮位の上昇(※)はないのだと聞いていたこと(実際のデータも見ました)
2.ツバルが沈んでいるというならキリバスやマーシャルやモルジブや多くの環礁でも同じことが同時多発的におこりそうだがあまりそういう話は聞かないこと
(そういった箇所に渡航した機会に話をしたりする機会もありますがそんな話は話題になりません 勿論モルジブが国連で演説した等、演説した話は聞いたことありますが。具体的な事象が全世界的に恒常的に起こっているとまでは到底いえない状況でしょう)


一方で、水が上がってきたという映像、井戸水に塩が混じった、環礁がえぐられたといった話 そんな話も聞いていました。これらは現象としては間違いなく起きている様です。

※平均潮位ですので、ある特定時期の潮位の上昇、ことエルニーニョ等による一時的潮位上昇を否定しているものではありません

■ツバルに着いたら
16年ぶりのツバルについて驚きました

滑走路は舗装されている 
島の道路も片側1車線の立派な舗装道路が島を貫いている
縦貫道路だけでなく細かな道路まで舗装されている
やたらTAXIが走っている(中心部から端まで10キロなんてないのに)
バスが何台も走っている
政府の建物がたかだか1万人の国の政府の建物とは思えないほどの立派さ エアコン完備
商店がえらい増えた やたら冷蔵庫があり冷えた飲み物が沢山どこでも売っている
住宅がやたら増え道路が広くなりやしの木などが減った
訪問者が増えた かっては訪問者が年間100-200人が、観光客のみで1000人/年らしい(やたら日本人と台湾人がいる)

■実際どうなのか?
水が出ているのか出ていないのか 本当に島が削れているのか? 判るほどすごいのか?

正直そういった危機的状況であるとはまったく思えませんでした。

よくでてくる映像は大潮のなかでも本当に1年に1度一番ひどい大潮の時の映像です
とはいえ本当にひどいなら程度は少なくても普通の満潮でも何か起きているのかなあと思ったのですがそんなことはありませんでした。

海岸みても・・・昔とさして変わらず。 大きく変わったのは文化、人の生活。 そして建物や道路。

■話を聞くと
話を聞くとこんな話も聞きました

1)水が出た場所はもともと第二次世界大戦の際に米軍が埋め立てた地盤の悪いところでそもそも問題のある場所である
※フナフチ環礁は細く小さいので飛行場をそのままでは作れず、米軍は複数の途切れた島や沼地に周りの鳥から土砂を持ってきて埋め立てをして飛行場を作りました
2)海岸の浸食は一部箇所で発生しているが、その原因は第二次世界大戦の時、近年舗装道路を作る際に土砂を取るために内海や島の砂地(砂浜)を掘ってしまい穴だらけになっている。このためその穴に砂が流れ込み島を侵食させていると考えられる。
3)地下水の塩水化はおきている。が、人口増に加え国内からも人口がフナフチに集中する傾向にあり、狭い国土に密集して人が住んでいる。
このため過度な取水が塩水化や、場合によっては地盤への影響を与えている可能性がある

・・・これらの話、どう思います?

さらにマーシャルや他の地域でも1年に1度の大潮の中の大潮で島の土地が海水にさらされることがあるそうです。そしてそれは昔からあり、誰も気にしていない・・・ということなども聞きました

またある環礁における侵食の問題が取り沙汰された際、よく調べると確かに環礁の一部地域に侵食はあったものの、同じ環礁の別の位置では堆積が起こっており、その環礁として土地が減ったわけではなく自然の摂理による移動と考える方が自然であるという話もありました。

■環境破壊 文化破壊
環境保全を訴え、その聖地・象徴ともいえるこの島はひどくゴミだらけでした

環境をテーマに人が集まったり、モノを寄贈したりしています。どんどん物が集まり小さなとこですからそれがあふれかえっています。
物はいつかは壊れます。寄贈した物がゴミになったとて贈り主は回収しません。贈られた方は処分する能力も意志もありませんから島のある地域になにもせずただただ山積みされています
もちろん有害物質の入ったゴミもありますがかまわず山積みされ汚水は海に流れ込んでいます

環境重視のはずが狭い島で車が沢山走っています。
官庁は冷房完備。やたら大きな建物です。巨大な電力を消費しているそうです。特に官庁の消費は大きくディーゼル発電機を余計に動かさないといけないそんな状況だそうです

バスなんかも数多く日本から寄贈されています。もらえば走らせたくなります。
スクールバスが壊れたといって日本から寄贈したバスはなぜか路線バスになって島を縦横に走りまわっていました。
本来歩ける距離、あるいは自転車で十分な島なのにバスに乗っています。

NGOは環礁の保全目的にマングローブを大量に植えていました。
しかしそもそもツバル(フナフチ環礁)ではマングローブは元来ほとんど見なかったと記憶しています。ましてや群生など・・そういった植生は大丈夫なのかと老婆心ながら思います。

むかし冷凍の肉などあまり買っているのをみませんでしたが、いまはみなわしゃわしゃそんなもの買っています。
魚はあまり食べなくなったのでしょうか?芋などもみかけなくなりました。

島にはかって僅かだけいたはずの豚が大量に飼われていました。
飛行場近くでは豚小屋がならび、そのし尿がすぐ脇の貯水湖に流れこみ汚染が進んでいました。海にも流れ込んでいるはずです。

また豚を飼うのは結構ですが、そもそも豚をそれほど沢山まかなえる様な飼料はないはずです。どうしているのでしょう?

内海はそもそも水がたまりやすく汚染しやすいのですが、ツバル(フナフチ環礁)と言えどもきれいではなくなっている様です。中心部の海では泳ぐのは子供くらいで、地元の人からは「中心部の海で泳ぐのはどうかねえ」と言われました。

海洋汚染はさんご礁の形成に問題がおきます。環礁の様な島の場合、海洋からの侵食を新たな有孔虫の堆積で島を維持していると考えられていますから、新たな堆積が減ると言うことになれば大きな問題になります。


こういった話が本当であれば、ツバルが抱える問題は(複合的な要素はあるにせよ)人口増、一極集中、環境(海洋)汚染、ゴミ問題、地下水取水問題、開発(砂の取得)、・・・といった事を背景にした国内問題である(その要素の方が強い)のかもしれません。


環境保護や温暖化の広告塔となったツバルには大量のお金が流れ込んできています。これは紛れもない事実です。プロモーションとしては成功しているのかもしれません。

でもこのお金、政府や色々なところから回りまわって島の人にも当然流れてきます。

この結果、島の営みや人々の考え方は変わってきてしまった様に思います。変わること自体を否定はしませんが、その前提は自身の力で変わっているなら・・・。そしてそれによる変化を自身で解決できるなら。

文明の味は一度食べたらなかなか元には戻れないものです。間違いなく環境バブルです
でもバブルはバブル。実態のない社会です。
どうやってこの生活を維持していくのでしょうか??

変な意味でナウルの様にならなければよいのだがと思うことしきりです。

■本当に島を思うと
われわれは何をしてあげるべきなのか? いわゆる援助の本質に関わる問題を考えてしまいます

島の生活を便利にと単に先進国の生活をさせてあげることが本当に彼らの望む社会とは思えません

ましてやコスト負担できない人に高コストのランニング費用がかかる、便利で手放せなくなってしまうものを渡してしまうのは非常に愚かなことでしょう。

そしてその便利さのつけが自身に降りかかる事など想像できないでしょう。


むかしツバルに行ったときに感じたことは 

幸せの指標はお金ではないし便利さでもない 

ということを教えられました。
物はなくとも幸せな形 それが確かにあの時あの島(国)にはありました。



1週間の滞在、且つ調査目的ではないので依然としてわからないことも多いのですが、どうも日本で流れている情報と実際に見聞きしたものとではかなり大きな乖離があるということ。それだけはよくわかりました。


いずれにせよ、今のツバルからはかって私が感じた 


「幸せの指標はお金ではないし便利さでもない」 


ということを今のツバルから私は微塵も感じられませんでした。残念でなりません


※写真は政府庁舎 台湾寄贈の建物 冷房も完備され駐車場には車が並ぶ 島(国)の規模からすると考えられない規模の建物

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