JABOTABEK RAILNEWS コラム

ジャカルタの電車を中心に、インドネシアの鉄道をご紹介しています。

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   JABOTABEK RAILNEWSでは、「レポートNo.14200911月に掲載)」において、首都ジャカルタと西ジャワ州都バンドン間に振り子式気動車を運行させて時間短縮を図り、高速道路に対抗するというアイデアを記しました。このたび、同様のアイデアを含むいくつかの検討をインドネシアの鉄道専門家、ハルトノ氏が行った結果が、インドネシアの鉄道趣味雑誌に掲載されました。興味深い内容でしたので、始めに私から背景を記した後、記事概要をご紹介いたします。なお、記事については、記述上の単純な誤りについて一部修正したのみであることを、あらかじめお断りしておきます。
 
1.ジャカルタ・バンドン間の鉄道概要
 インドネシアの首都ジャカルタから西ジャワ州都バンドンへは、東西2つの鉄道ルートが開設されています。このうち、不通区間無く列車が運転されている東回りルートは、ジャカルタ市内から、ブカシ、チカンペック、プルワカルタ、パダララン を経るもので、1906年に全通しました。急峻な山岳ルートを含む全長168km(ガンビール・バンドン間)の路線です。
 
 ジャワ島の2大都市を結ぶこの路線には、1971年にパラヒャンガン号と名付けられた急行列車が運転を開始、大成功を収めました。この成功に意を強くしたインドネシア鉄道は、1995年、さらなるサービス向上を意図して、全車両がエグゼクティヴクラスからなる豪華列車、アルゴ・グデ号をデビューさせました。優等列車が次々と行き来する、鉄道全盛時代でした。
 
 ところが2005年、ジャカルタ - バンドン間に高速道路が完成すると様相は一変しました。鉄道旅客は激減 ... そのためパラヒャンガン号、アルゴ・グデ号とも運転本数と客車両数を減らし、それでも客離れに歯止めがかからないため両列車をアルゴ・パラヒャンガン号として統一、何とか命をつないできました。しかも、悪いことは重なるもので、線路の傷みが激しく高速運転ができなくなったため、両都市間の運転時間は現在、3時間4分となっています。なお、現在の列車は、いずれもディーゼル機関車牽引の客車列車であり、加速性能に劣っています。また、終着駅で折り返す際は、機関車の機回しが必要など、オペレーション上の問題も抱えています。
 
(以下、雑誌掲載記事概要)
 
 2.名古屋・高山間のキハ85系大出力気動車
 インドネシアと同じ1067mmの狭軌鉄道が山岳地帯に数多く敷設されている国があります。それは日本です。中でもジャカルタ・バンドンと良く似た状況にあるのが、名古屋・高山間(東海道・高山本線)です。全長162km、このうち平坦区間が96km、山岳区間が66kmです。山岳区間の最急勾配は25パーミル、最小曲線半径は250mです。対するジャカルタ・バンドン間は全長168km、このうち平坦区間が96km、山岳区間が72kmです。名古屋・高山間では、名古屋から岐阜間までが複線、岐阜以遠が単線です。このように、単・複線が混在することも、ジャカルタ・バンドン間との共通点と言えます。
 
 名古屋・高山間で運転されているのが、キハ85系気動車列車です。7両編成で冷房、回転式リクライニングシートつきの快適な車両です。1編成は4両および3両に分割され、需要により柔軟に対応できます。座席数は、先頭車1両につき60、中間車は64です。
 
 キハ85系気動車の運転速度は、平坦地で最高時速120km、山岳区間の25パーミル勾配で同じく75km/hです。動力はカミンズ社製350馬力NTA-855-R1ディーゼルエンジンを1両につき2基搭載、これと液体変速機を組み合わせて用いています。7両編成の合計出力は、350 x 2 x 7 = 4900馬力、これは、インドネシアのCC203形ディーゼル機関車2両分を上回っています。キハ85系による、名古屋・高山間162kmの所要時間は、1時間55分、対する客車列車、アルゴ・パラヒャンガン号による、ジャカルタ・バンドン間168kmの所要時間は、3時間4分となっています。
 
 3NurenberghBayreuth間の振り子式気動車「ペンドリノ」
 ドイツは、ヨーロッパの中でも電気鉄道(軌間1435mm)が発達した国ですが、非電化区間も存在しています。例えば、NurenberghBayreuthは、その代表です。この区間には、振り子式気動車、VT-610形が運転されています。この列車は、ペンドリノの名で知られており、基本21編成です。乗客需要により、増結して運転されています。車両は、電気式気動車で、1両につき650馬力のディーゼルエンジンを搭載、オルタネータで発生した電力を、整流器、インバーターを介して、3相誘導電動機に送り、これが動力となっています。
 
 NurenberghからBayreuthへ向かう場合、当初は41編成(2+2)で出発、途中Pegnizで分割し、21編成が、Bayreuth行、残り21編成がHoft行となります。逆方向へは、Pegniz2つの編成が連結され、併結運転となります。同区間には、平坦区間と山岳区間が混在し、最急勾配25パーミル、最小曲線半径は600mです。なお、NurenberghBayreuth間の所要時間は56分です(距離に関する記述無し=訳者注)。
 
 4.北海道の281系振り子式気動車
 日本にも、いくつかの振り子式気動車があります。このうち北海道の札幌・岩見沢間(原文のまま=訳者注)で運転されているのが、281系です。1編成7両で、冷房、回転式リクライニングシートつき、平坦区間の最高時速130km/h25パーミル勾配かつ250m曲線半径の条件でも最高時速70kmで走行することが出来ます。1両につきカミンズ社製350馬力ディーゼルエンジンを2基搭載、液体変速機を使用しています。
 
 5.ジャカルタ・バンドン間に気動車を導入したら?
 ジャカルタ・バンドン間に、現行どおりディーゼル機関車牽引客車列車を運転していたのでは、高速道路に対する競争力はありません。日本あるいはドイツにおける山岳地帯の鉄道と同様、振り子式気動車を導入するか、大出力気動車を導入して速度向上を図る必要があります。下表のとおり、大出力気動車、あるいは振り子式気動車導入により、ジャカルタ・バンドン間の所要時間は現在の3時間4分から2時間8分ないし1時間54分まで短縮できると考えられます。上記の所要時間を達成するには、山岳区間であるプルワカルタ・パダララン間の最急勾配が16パーミルであることから、280馬力ディーゼルエンジンを1両当たり2基搭載した気動車を開発すれば良いと考えられます。
 
 もちろん、軌道改良などの付帯工事は不可欠です。既に線路容量が限界に近い、ジャティネガラ・チカンペック間の問題も解決しなければならず、投資額は少なくはありませんが
 
表: ジャカルタ・バンドン間の所要時間比較
 
イメージ 1
V: 平均速度、T: 所要時間、ジャティネガラ、ブカシ、チマヒ停車時間を含む
 
(雑誌記事概要、終了)
 
 いかがでしたか?ジャカルタ・バンドン間が、鉄道で2時間で結ばれれば、高速道路に対して十分な競争力があり、まして一旦道路渋滞が発生すれば、所要時間ではかなり有利に立てると思います。ただ、相当な投資額が必要なようです。利用者から見れば、ジャカルタ市内、バンドン市内のアクセスにも工夫がいると思われます。ジャカルタの大規模ショッピングモールなどでは、バンドンと直接結ぶマイクロバスが運行されており、非常に便利だからです。
 
 とは言え、JABOTABEKレポートNo.14にも記したとおり、この2大都市間の移動には、私なら迷わず列車を選びます。道路に比べて絶景が多く続き、かつ車内では食堂車で調理した出来たての食事をいただけるからです。これからも、鉄道には頑張ってもらいたいと思います。
 

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