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4月1日付本欄で、同日に予定されていた「幻の改定ダイヤ(再評価のため7月1日まで実施延期)」についてお伝えしました。今回は、年末に計画されている、2011年ダイヤ改定計画の第2弾についてご紹介します。
4月1日に計画されていた改定ダイヤの特徴が、「急行廃止」とするならば、年末に予定されている改定ダイヤの特徴は、「運行系統の整理」にあります。これまで、37系統もあった運行系統を、何と5系統に集約しようというのです。このたびKCJが発表した、その5系統とは、以下のとおりです(現在の路線図は、こちらをご覧ください)。
ルート1: ボゴール‐マンガライ‐タナアバン‐ドゥリ‐ジャカルタコタ‐ジャティネガラ
ルート2: パルンパンジャン‐スルポン‐タナアバン
ルート3: タンゲラン‐ドゥリ
ルート4: タンジュンプリオク‐ジャカルタコタ
ルート5: ブカシ‐ジャティネガラ‐ジャカルタコタ
(いずれも、郊外から都心方向へ記述しています。)
以下に、解説します。
ルート1は、中央線(ボゴール線)郊外部分と環状線(西線+東線)を直通させるものです。「question mark (?)状運転」とでも呼ぶべき運行系統が出現します。日本で言えば、地下鉄大江戸線の光が丘-新宿(新宿西口ではない)間で、折返し運転するようなものでしょう。ジャティネガラからマンガライへと、あと一駅延長できれば、都心部は完全な環状運転になるのですが …。そのためには、現在の線路配置ではジャティネガラでスイッチバックしなければなりません。そこで完全環状運転を断念、この区間はルート5(後述)に譲ることとしたようです。なお、この系統は「ジャカルタコタ」を経由すると記述されていますが、コタへの直接乗り入れはないと思われます。何故なら、カンプンバンダンでスイッチバックの必要があるからです。おそらく、「環状線改良計画」などで報じられている、「ニュー・コタ」経由ではないでしょうか。「ニュー・コタ」とは、アンケ‐カンプンバンダン間の既存の環状線上に設置が計画されている、新駅のこと(建設は将来の話?)を指します。
ルート2および3は、スルポン線とタンゲラン線です。これら線区から環状線(西線)への乗り入れが廃止され、枝線として、完全独立すると思われます。ルート2では現在、ランカスビトゥン、メラックなど郊外から、中距離客車列車も都心へ乗り入れています。これらの列車も、タナアバン止まりになるのかもしれません。
ルート4は、タンジュンプリオク線です。この系統の運行には、休止区間の復活が必要です。すなわち、ジャカルタコタ‐アンチョール間の線路生活者の排除と、軌道、架線、橋梁改良工事です。運転が復活すると、カンプンバンダンが環状線(東線)との接続駅(立体交差)となるため、ルート1から「従来のジャカルタコタ」へは、同駅乗換えで行くことができるようになります。
ルート5は、ブカシ線から環状線(西線)のジャティネガラ - マンガライ間を経由して、中央線へ至るものです。現在の「ブカシ急行」ルートそのものです。また、バンドン、ジョグジャカルタ、スラバヤなどからの長距離優等列車ルートとも一致しています。
以上が、各ルートの概要です。
さて、5ルートへ整理統合する目的、基本思想は何でしょう。それは、運行系統同士が、平面交差しないことにあります。現行ダイヤでは、マンガライおよびジャティネガラ駅で、多くの列車が離合集散しています。構内への進入待ちのため、列車が長時間停車する事態が生じています。「ボトルネック駅」化しているのです。ダイヤ改定後は、この問題はほぼ解消され、列車の遅れは大幅に解消されると思われます。
一方、新たな問題点として、運行系統の分断による、乗換の増加が挙げられます。マンガライ、ジャティネガラ、タナアバン、ドゥリ、そしてカンプンバンダンが乗換駅となります。インドネシアでは、原則として列車を乗り換えるたびに、乗車券の再購入が必要となります。つまり、多くの乗客が、実質的な運賃値上げを余儀なくされるのです。運賃を、完全な距離制にするなどのシステム改善が行われない限り、乗客の理解を得ることは難しいと思われます。特に、これまで本線格であった中央線(ボゴール線)ユーザーからの強い反発が予想されます。何故なら、同線のボゴール - ジャカルタコタ間の列車運行が、マンガライで分割されてしまうからです。同線ユーザーはジャカルタ首都圏電車乗客の60%を占め、最大勢力です。円滑なダイヤ改定実施には、彼らの理解が不可欠となるでしょう。
2011年ダイヤ改定第2弾、次の正式発表を待ちたいと思います。
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