JABOTABEK RAILNEWS コラム

ジャカルタの電車を中心に、インドネシアの鉄道をご紹介しています。

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ふたつの「6000系」

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東京メトロからインドネシアへ譲渡された千代田線60002編成が、海路タンジュンプリオク港へ到着、その後、無事マンガライ工場へ搬送されました。今回の譲渡により、首都圏に在籍する日本製中古電車は346両となり、実に9系列に及ぶバラエティ豊かな車両群がジャカルタの街を駆け抜けることとなりました。
 
ところで、実はこの9種類の中に、同じナンバリングの系列が存在しています。都営三田線の6000形と、今回譲渡された東京メトロ千代田線の6000系です。その結果、(かつてKreta dan Kucing様のブログでも触れられていましたが)双方の6000系に共通するナンバーの車両が在籍することとなりました。車両番号の重複です。
 
重複しているのは、以下の6両です。
 
6126車: 都営6177F、東京メトロ6126F
6215車: 都営6161F、東京メトロ6115F
6226車: 都営6171F、東京メトロ6126F
(注) 都営車の編成番号は、インドネシア譲渡に伴う、編成組み換え後のもの
 
6000系と名がつく系列では、数学的には6000から6999まで、1000両もの車両番号を割り当てることが可能です。しかし、インドネシアへ譲渡された車両では、たまたま運悪くこのようなダブりが生じてしまったものと考えられます。ジャカルタ首都圏に在籍する「6000系」は合計92両にすぎず、都営と東京メトロでは、車両ナンバリング法も、異なっているからです。都営6000形のナンバリングは、10100の位で(日本時代の)編成番号、1の位が(日本時代の)号車番号を示しています。一方、東京メトロ6000系のナンバリングは110の位で編成番号、100の位が号車番号を示しています。
 
さて、それでは車両番号の重複に対し、インドネシア側ではどのような対策が取られるのでしょうか?考えられるのは、以下の4つです。
 
    2010年に制定された、車両ナンバリング規則を、都営、東京メトロ双方の6000系に厳格適用し、改番する。
    どちらか一方のみ、①を適用する。
    双方あるいは片方の系列に、簡単な記号を付加する。例えば東京メトロ6000系は6126M(メトロ)などとしてしまう。
    何もしない。
 
最後の④は「対策」になってないじゃないか!とのお叱りを受けるかもしれませんが、細かいことにはこだわらないこの国のことですから、あり得ない話ではないと思います。また、改番は、重複番号車両のみ、重複番号を含む編成のみ、系列全て実施・・・の3通りの可能性があるでしょう。
 
 今後のナンバリングが、注目されます。まずは、全般検査中の都営6171編成が出場する際、6226車の番号が、どうなっているかに注目したいと思います。
 
  興味のつきない、ジャカルタ首都圏の電車たちです。
 
写真は、東京メトロ6126車の譲渡により、重複ナンバーとなった、都営6126車、全般検査前の姿、スルポン駅にて撮影
 
 
 
インドネシア鉄道ホームページおよび地元報道によると、ジャカルタ首都圏に登場した「バティック電車(旧東葉高速鉄道10001060編成)」に続き、今度はジャカルタ・バンドン間の優等列車に「バティック客車」が登場しました。
 
バティック客車が連結されたのは、ジャカルタ市内のガンビールとバンドン間を結ぶディーゼル機関車牽引の客車列車「アルゴ・パラヒャンガン号」です。編成中のエクゼクティヴ客車1両、K1 – 02527のエクステリアに、バティックをモチーフとしたデザインが施されました。216日から営業運転に入っています。
 
バティックは、インドネシアのろうけつ染め布地を指し、独特の模様から成っています。2009年には、ユネスコの世界無形文化遺産に認定されました。ここで、バティック客車と呼ばれているのは、この独特の模様をモチーフとしたデザインが、客車のエクステリアに用いられているからです。デザインしたのは、バンドン工科大学美術デザイン学部の男女学生3名で、ビニール製のスティッカーとして印刷、客車に貼り付けられています。バティック客車をデビューさせた目的を、インドネシア鉄道のスリスティオ営業担当取締役は、「インドネシアから世界(無形文化)遺産に登録されたバティックの名を守る、努力の証」と語っています。
 
なお、営業運転に先立ち、215日には、インドンネシア記録博物館からインドネシア鉄道に対し、「世界最初のバティック列車を運行させたパイオニア」との証明書が贈呈されました。
 
 
 
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 Foto: Kevin Wilyan
 
地元鉄道ファンによると、217日、東京メトロ05がジャカルタ首都圏で営業運転を開始したとのことです。運用を開始したのは05- 07編成で、デポック急行の運用に就いたもようです。
 
05-07編成は、1990628日竣功の川崎重工製、東京メトロ東西線で活躍後、2010813日に05-02編成とともに海路タンジュンプリオク港に到着、陸揚げされました。その後、現地化改造を実施、先に到着していた有楽町線7000系と同じく、赤++白帯と朱色の排障器を纏い、ドアステップ、ドア手摺り取り付け、窓ガラスのスモークフィルム貼付などが行われました。
 
20101021日には中央(ボゴール)線で本線試運転を実施、10両編成のまま、マンガライ-ボゴール間を駆け抜けました。この2日前には05-02編成も本線試運転を実施しています。その後、運輸省の許可を取得、営業運転開始を待つばかりとなっていました。今回の営業運転開始に際しては、有楽町線7000系などと同様2両減車が行われ、8両編成化されました。なお7000系のデビュー時、すなわちジャカルタ首都圏における女性専用車のデビュー時のような記念行事は、今回は行われていません。
 
ジャカルタ到着後半年を経てようやく開始された営業運転、05系の今後の活躍に期待したいと思います。
 
(2月18日追加記述)
翌、2月18日には、05-02Fも、営業運転を開始しました。この日は05-07Fは運行されず、代わって05-02Fが運用に就きました。
 
 
冒頭写真は、営業運転初日、ジャカルタコタ駅12番線で出発を待つ、東京メトロ東西線05系07編成
 
 
   JABOTABEK RAILNEWSでは、「レポートNo.14200911月に掲載)」において、首都ジャカルタと西ジャワ州都バンドン間に振り子式気動車を運行させて時間短縮を図り、高速道路に対抗するというアイデアを記しました。このたび、同様のアイデアを含むいくつかの検討をインドネシアの鉄道専門家、ハルトノ氏が行った結果が、インドネシアの鉄道趣味雑誌に掲載されました。興味深い内容でしたので、始めに私から背景を記した後、記事概要をご紹介いたします。なお、記事については、記述上の単純な誤りについて一部修正したのみであることを、あらかじめお断りしておきます。
 
1.ジャカルタ・バンドン間の鉄道概要
 インドネシアの首都ジャカルタから西ジャワ州都バンドンへは、東西2つの鉄道ルートが開設されています。このうち、不通区間無く列車が運転されている東回りルートは、ジャカルタ市内から、ブカシ、チカンペック、プルワカルタ、パダララン を経るもので、1906年に全通しました。急峻な山岳ルートを含む全長168km(ガンビール・バンドン間)の路線です。
 
 ジャワ島の2大都市を結ぶこの路線には、1971年にパラヒャンガン号と名付けられた急行列車が運転を開始、大成功を収めました。この成功に意を強くしたインドネシア鉄道は、1995年、さらなるサービス向上を意図して、全車両がエグゼクティヴクラスからなる豪華列車、アルゴ・グデ号をデビューさせました。優等列車が次々と行き来する、鉄道全盛時代でした。
 
 ところが2005年、ジャカルタ - バンドン間に高速道路が完成すると様相は一変しました。鉄道旅客は激減 ... そのためパラヒャンガン号、アルゴ・グデ号とも運転本数と客車両数を減らし、それでも客離れに歯止めがかからないため両列車をアルゴ・パラヒャンガン号として統一、何とか命をつないできました。しかも、悪いことは重なるもので、線路の傷みが激しく高速運転ができなくなったため、両都市間の運転時間は現在、3時間4分となっています。なお、現在の列車は、いずれもディーゼル機関車牽引の客車列車であり、加速性能に劣っています。また、終着駅で折り返す際は、機関車の機回しが必要など、オペレーション上の問題も抱えています。
 
(以下、雑誌掲載記事概要)
 
 2.名古屋・高山間のキハ85系大出力気動車
 インドネシアと同じ1067mmの狭軌鉄道が山岳地帯に数多く敷設されている国があります。それは日本です。中でもジャカルタ・バンドンと良く似た状況にあるのが、名古屋・高山間(東海道・高山本線)です。全長162km、このうち平坦区間が96km、山岳区間が66kmです。山岳区間の最急勾配は25パーミル、最小曲線半径は250mです。対するジャカルタ・バンドン間は全長168km、このうち平坦区間が96km、山岳区間が72kmです。名古屋・高山間では、名古屋から岐阜間までが複線、岐阜以遠が単線です。このように、単・複線が混在することも、ジャカルタ・バンドン間との共通点と言えます。
 
 名古屋・高山間で運転されているのが、キハ85系気動車列車です。7両編成で冷房、回転式リクライニングシートつきの快適な車両です。1編成は4両および3両に分割され、需要により柔軟に対応できます。座席数は、先頭車1両につき60、中間車は64です。
 
 キハ85系気動車の運転速度は、平坦地で最高時速120km、山岳区間の25パーミル勾配で同じく75km/hです。動力はカミンズ社製350馬力NTA-855-R1ディーゼルエンジンを1両につき2基搭載、これと液体変速機を組み合わせて用いています。7両編成の合計出力は、350 x 2 x 7 = 4900馬力、これは、インドネシアのCC203形ディーゼル機関車2両分を上回っています。キハ85系による、名古屋・高山間162kmの所要時間は、1時間55分、対する客車列車、アルゴ・パラヒャンガン号による、ジャカルタ・バンドン間168kmの所要時間は、3時間4分となっています。
 
 3NurenberghBayreuth間の振り子式気動車「ペンドリノ」
 ドイツは、ヨーロッパの中でも電気鉄道(軌間1435mm)が発達した国ですが、非電化区間も存在しています。例えば、NurenberghBayreuthは、その代表です。この区間には、振り子式気動車、VT-610形が運転されています。この列車は、ペンドリノの名で知られており、基本21編成です。乗客需要により、増結して運転されています。車両は、電気式気動車で、1両につき650馬力のディーゼルエンジンを搭載、オルタネータで発生した電力を、整流器、インバーターを介して、3相誘導電動機に送り、これが動力となっています。
 
 NurenberghからBayreuthへ向かう場合、当初は41編成(2+2)で出発、途中Pegnizで分割し、21編成が、Bayreuth行、残り21編成がHoft行となります。逆方向へは、Pegniz2つの編成が連結され、併結運転となります。同区間には、平坦区間と山岳区間が混在し、最急勾配25パーミル、最小曲線半径は600mです。なお、NurenberghBayreuth間の所要時間は56分です(距離に関する記述無し=訳者注)。
 
 4.北海道の281系振り子式気動車
 日本にも、いくつかの振り子式気動車があります。このうち北海道の札幌・岩見沢間(原文のまま=訳者注)で運転されているのが、281系です。1編成7両で、冷房、回転式リクライニングシートつき、平坦区間の最高時速130km/h25パーミル勾配かつ250m曲線半径の条件でも最高時速70kmで走行することが出来ます。1両につきカミンズ社製350馬力ディーゼルエンジンを2基搭載、液体変速機を使用しています。
 
 5.ジャカルタ・バンドン間に気動車を導入したら?
 ジャカルタ・バンドン間に、現行どおりディーゼル機関車牽引客車列車を運転していたのでは、高速道路に対する競争力はありません。日本あるいはドイツにおける山岳地帯の鉄道と同様、振り子式気動車を導入するか、大出力気動車を導入して速度向上を図る必要があります。下表のとおり、大出力気動車、あるいは振り子式気動車導入により、ジャカルタ・バンドン間の所要時間は現在の3時間4分から2時間8分ないし1時間54分まで短縮できると考えられます。上記の所要時間を達成するには、山岳区間であるプルワカルタ・パダララン間の最急勾配が16パーミルであることから、280馬力ディーゼルエンジンを1両当たり2基搭載した気動車を開発すれば良いと考えられます。
 
 もちろん、軌道改良などの付帯工事は不可欠です。既に線路容量が限界に近い、ジャティネガラ・チカンペック間の問題も解決しなければならず、投資額は少なくはありませんが
 
表: ジャカルタ・バンドン間の所要時間比較
 
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V: 平均速度、T: 所要時間、ジャティネガラ、ブカシ、チマヒ停車時間を含む
 
(雑誌記事概要、終了)
 
 いかがでしたか?ジャカルタ・バンドン間が、鉄道で2時間で結ばれれば、高速道路に対して十分な競争力があり、まして一旦道路渋滞が発生すれば、所要時間ではかなり有利に立てると思います。ただ、相当な投資額が必要なようです。利用者から見れば、ジャカルタ市内、バンドン市内のアクセスにも工夫がいると思われます。ジャカルタの大規模ショッピングモールなどでは、バンドンと直接結ぶマイクロバスが運行されており、非常に便利だからです。
 
 とは言え、JABOTABEKレポートNo.14にも記したとおり、この2大都市間の移動には、私なら迷わず列車を選びます。道路に比べて絶景が多く続き、かつ車内では食堂車で調理した出来たての食事をいただけるからです。これからも、鉄道には頑張ってもらいたいと思います。
 

10番ホームの杖

 早朝のジャカルタコタ駅、いつものように「撮り鉄」しながら10番ホームをぶらぶらと歩いて行くと、普段はガランとしているホーム先端に、何やら大きな荷物が置かれているのが目に入りました。それは食料品や農産物などを輸送するための白い布袋と、紺色の大きめのレジ袋のように見えます。近づいてみてびっくり、袋の前にヒトが倒れているではありませんか。
 
さらにそっと近づいてみると、そこにいたのは、小柄で痩せ形の男性、ピクリとも動かず、横向きに倒れています。行き倒れかと心配して凝視すると、わずかに肩が上下するのがわかりました。どうやら呼吸しているようです。まずはホッと一安心したところで、失礼ながらこの男性の持ち物と容貌を、しばし眺めてしまいました。
 
 年齢は20歳くらいにも見えますが、良く見ると40代半ばくらいにも見えます。うまく説明できないのですが、年齢不詳としかいいようがありません。紺色長袖のウインドブレーカーを羽織っていますが、靴やサンダルはなく裸足、手足は泥にまみれて薄汚れています。持ち物のうち、白い袋には空のペットボトルがびっしり、廃品回収が仕事のようです。紺色「レジ袋」の中身は日常品のようですが、中を開けて見るのは、もちろん遠慮しました。
 
 ジャカルタの鉄道駅では、構内のあちこちで寝そべっている人を見かけます。けれども、彼らは屋根の下、タイルなどの床上に寝そべっているのが普通で、屋根のないホームの先端、しかも線路のすぐ脇に寝そべる人はほとんど見かけません。大きな荷物を運んで来て、疲労と空腹で倒れて寝込んだのでしょうか。時折そばを通り過ぎる地元の人たちも、見て見ぬふりをして、無言で去ってゆきます。
 
 インドネシア経済は、毎年6%の成長を続けており、絶好調と言われています。街中には豪華なショッピングモールや高層アパートが次々と建設され、道路には新車が溢れています。しかし、その富が一般庶民まで回ってくるのは、まだまだ先のことのようです。こんな時、いつも心が傷むのですが、自分に何かできることはないだろうかと考え出すと、いろいろな思いが頭の中をぐるぐる回るだけで、結局、何もしてあげられない自分がそこにいるのに気づきます。
 
 さて、そんなことを考えながら、彼と彼の荷物をぼんやりと眺めていると、白い袋の上に一本の棒が乗せられているのが目に入りました。始めそれは廃品回収のための作業棒かと思いましたが、そうではありません。何故なら、廃品回収用の棒は普通金属製で、ペットボトルなどを拾えるよう、先端が「かぎづめ」状だからです。ところが、この棒は木製で直線状、どう見ても杖にしか見えません。ことによるとこの男性は、足が不自由なのかもしれません。
 
 「杖」に近寄って見ると、それは手垢にまみれ、薄汚れていました。ところが、さらに良く見ると、最上部、傘で言えば柄の部分に、何かが彫られています。それは人の顔でした。ちょうど仏像のようであり、あるいはお地蔵さんのようでもあります。とても穏やかな「いい顔」をしており、ちょっと微笑んでいるようにも見えます。
 
 「とっても心暖まる、いい顔だなあ」と思って見ていると、その顔が誰かに似ていることに気づきました。けれども、なかなか思い出せません。そして再び倒れている男性の顔を見た時、ハッと気づきました。そうです。持ち主の男性、その場に倒れているこの男性の顔にそっくりなのです。何故この男性が「年齢不詳」にしか見えないのか、20歳くらいにも見えるし、40代半ばくらいにも思えるのか私にはようやく分かりました。仏像やお地蔵さんが、年齢不詳に見えるのと一緒です。
 
イメージ 1 この男性の日常は、きっと厳しいものにちがいありません。生きていくだけで精一杯に思えます。けれども、どうしてこの「杖に彫られた顔」のように、穏やかな表情をしているのでしょうか。何だか私は、神々しいものを見たような気がしました。
 
 残念ながら、その日は所用があり、私は早々にコタ駅を立ち去らねばなりませんでした。この男性が、その後どうなったのか、どこへ向かったのかは、定かでありません。
 
 
 

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