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今から20年ほど前のことです。当時、仕事の関係で北スマトラ州の小さな田舎町に住んでいた私は、休日を利用してバンドンへ旅行することにしました。北スマトラからバンドンへは、大旅行です。早朝に自宅を出て州都メダンまで車で1時間半、そこから首都ジャカルタまで飛行機で2時間半、渋滞の中、1時間かけて空港から市内Gambir 駅へ向かい、インドネシア国鉄(当時)の急行Parahyangan 号を利用してバンドンまで、さらに3時間以上かかったと記憶しています。
さて、Gambir 駅にたどりついた私は、暑さと眠気の中、駅のベンチに腰かけて、半ば朦朧としながらParahyangan 号の到着を待ちました。当時のGambir駅は、現在のような立派な高架駅ではなく、地上線に路面電車のような低いプラットホームが設けられているだけの粗末なものでした。Parahyangan 号の到着まで、通勤型電車が何本か発着してゆきました。 その、通勤型電車のひとつに、私は眠気から覚まされました。電車の到着とともに、自動ドアが開けられるのですが、ドア開放に合わせて、乗降用ステップが自動で降りてくるのです。そして、乗降が終わり、自動ドアが閉じられると、これに連動して乗降用ステップがこれまた自動で上昇し折りたたまれるのでした。しかも、面白いのは、ステップの動きです。何ともぎこちなく、「パタッ、パタッ」という感じで、とてもユーモラスで、かわいらしいのです。まるで生き物のよう、あるいはロボットのよう ... と言った方がいいかもしれません。 このような電車を見たことなのない私には、とても新鮮な驚きでした。バンドン旅行も楽しかったのですが、今になってみると、この旅行で覚えていることと言えば、自動昇降ステップを除けばほんのわずかしかありません。あの車両は一体何だったのでしょう。鋼製車だったことと、年代から考えると、KL3−76〜84系だったと思われます。現在では、ドアは開放されたまま、自動昇降ステップも機能しておらず、車両の老朽化が進んでいますが、「最先端ハイテク車両」だった時代もあったのですね。 |
車両
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