JABOTABEK RAILNEWS コラム

ジャカルタの電車を中心に、インドネシアの鉄道をご紹介しています。

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東急8500系と逆転世界

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 ジャカルタの鉄道ファンに最も人気のある電車は何か、皆さんご存知ですか。
 
答えは東急8500系です。ある地元ファンサイトでは、冷房電車の人気ナンバーワンに輝き、東急80008500系の合計で全体の43%の得票を集めています。一方、別のサイトでは、東急8500系単独で日本製中古電車の人気ナンバーワンに輝き、全体の41%の投票を集めています。前者は、最近ジャカルタ首都圏に導入された東京メトロ7000系、「インドネシアの誇り」とされる国産のKRL-I系も含めた投票で得た得票率です。一方後者は、東京メトロ7000系や国産電車は含まないものの、東急8500系単独の得票率であることから、両者を考え合わせると、現段階で8500系が人気ナンバーワンであることが、推定されます。東急8500系がジャカルタで何故愛されるのか、周囲のファンに話を聞くと、「メインテナンスが良い」、「冷房の効きが良い」、「内装が良い」、「(ジャカルタ首都圏導入後の)カラーデザインが良い」などの答えが返ってきました。いずれも納得できるものばかりです。
 
 さて、またまた個人的な話題で恐縮ですが、東京メトロ5000系、東急8000系に引き続き、今回は私と東急8500系のつながりについて、少々述べさせていただきます。
 
私が、東急8500系と「濃いつき合い」をしたのは、比較的最近のことです。90年代終わりから2000年代半ばにかけて、通勤でお世話になりました。その頃、私は小田急線千歳船橋駅近くに住んでいたのですが、同線の混雑を嫌い、東急田園都市線用賀駅へ出ていました。同駅から、ガラガラの下り電車に一駅乗車して二子玉川へ、そこで大井町線の上り始発電車(当時)に乗り換えて、着席して読書しながら、大井町経由で品川のオフィスへと通っていました。
 
当時の田園都市線、とりわけ半蔵門線、東武線との3者相互直通運転開始前の同線は、車両のバラエティが現在ほど多くなく、まさに8500系王国でした。現在ジャカルタ首都圏に在籍する8500系全編成8604F8607F8608F86108613F8618Fが、田園都市線で活躍していました。朝、用賀(地下)駅ホームで下り電車を待っていると、8500系特有の走行音が、トンネルを通して、はるか彼方から聞こえてきます。私の記憶では、ホーム到達70秒ほど前から、わずかながら音が聞こえ始めます。この段階では、まだ力行状態で、電動機の回転数が上がり、速度も上昇しているようです。8M2Tの大出力を有する8500系の走行音は、なかなか強烈で、唸りとなってトンネル内に響き渡ります。続いてホーム到着30秒ほど前になると、トンネルからホームへ向かって突然風が吹き始めます。「空気鉄砲」の原理で、走行する車両がピストンになって、強い風を起こすからです。この力強い音と風に接するたび、「8500系、今朝も気合いが入ってるな。私も、今日一日頑張ろう」とファイトが湧いたものでした。こんなことで仕事上のモティヴェーションが上がるのですから、鉄道ファンとは単純な生き物ですね。世の人事担当者の皆さん、「鉄道ファン」をもっと雇用しましょう。彼らをやる気にさせるのは簡単です。人気路線にオフィスを構えるとか、駅の見えるオフィスを確保するとか ... あっ、それでは気が散ってだめかも。
 
さて、先日、日本へ帰国する機会があり、久々に田園都市線の8500系に乗車してみました。さぞや懐かしい思いがするだろうと予想していたのですが、どうも様子が違います。「懐かしい」と言うより、「物珍しい」のです。思えばジャカルタ在住3年半、最早ジャカルタの電車の方が日常であり、東京の電車の方が、非日常になってしまったようです。渋谷寄り1号車を見ると、「ここは女性専用車だから、乗っちゃいけないな」と、ジャカルタ基準で考えてしまう自分がいることに驚かされました。極論すると、「日本人」ではなく、「外国人」の目で乗車している気分なのです。
 
東京の鉄道で、私を待ち受けていたのは、不思議な「逆転世界」でした。東急8500系、これから先も長いつき合いの中で、多くの発見があることでしょう。
 
 
冒頭写真は、ガンビール駅に停車中の8500系「偽の二子玉川」行き、下の写真は、「本物の二子玉川」駅に停車中の8500
 
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 2010年の暮れも押し詰まった1231日、ジャカルタ郊外のタンジュンプリオク港に、日本製中古電車を積載した貨物船が到着しました。陸揚げされた車両は、東京メトロ05080910F、計30両です。実は、この導入で、ジャカルタ首都圏に在籍する日本製中古電車300両を突破(326両)、2000年の初導入以来10年余りで、大きな勢力へと成長しました。ちなみに、326という両数は、西日本鉄道の保有両数にほぼ匹敵しています(もちろん、これ以外にJABOTABEKの独自車両もあり)。
 
 2000年に初めて導入されたのは、都営地下鉄三田線の600072両、無償譲渡でした。以来、JR東日本10316両、東京メトロ東西線500030両、東葉高速100030両、東急800024両、850064両、東京メトロ有楽町線700040両、東西線0550両が次々と導入され、ついに300両を突破したのです。大きな流れとしては、当初は都営地下鉄三田線6000形のみだったものが、次に東急の車両が一大勢力(88両)になり、現在は東京メトロの車両が最大勢力(120両)となっています。
 
 運用状況ですが、概ね順調です。都営地下鉄三田線6000形では、2両が衝突事故により損壊し運用を離れています。また、6171F8両が修理のためマンガライ工場に入庫しています。JR東日本103系は全車元気に活躍しています。東京メトロ東西線5000系、東葉高速1000形、東京メトロ有楽町線7000系は、もともとオリジナルの10両編成のまま導入されましたが、ジャカルタ首都圏のホーム有効長に対応させるため、中間2両が減車されて8両編成となりました。結果として、合計20両が運用を離れて、実質的に「部品取り」となっています(あるいは、なってゆくものと思われます)。同様の状況は、東京メトロ東西線05系の中間車10両でもこれから生じていくものと思われます。まとめると、在籍326両中、定期検査を除く運用離脱車両は40両、実質稼働車両は286両となっています(このうち、東京メトロ東西線05系40両は、まだ営業運転に入っていないが)。
 
 このような、比較的順調な運用状況は、車両自体の優秀さに加え、日本時代からのメインテナンスの賜物と思われます。鉄道利用者の一人として、関係者に心から敬意を表します。また、今後予定されている、東京メトロ千代田線6000系、JR東日本203系の導入も順調に進むことを願ってやみません。
 
 
 

3X年の時を超えて

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 以前、このブログで、「JABOTABEK 最古参の車両」と題して、東京メトロ5000系に関わる思い出を記しました。今回は、その続編、「3X年の時を超えて」と題して、東急8000系の思い出をご紹介します。
 
東急8000系は2005年からジャカルタ首都圏に導入が開始され、現在3編成24両が在籍しています。日本では1969年にデビューしました。世界で初めて回生制動を可能にした「界磁チョッパ制御」や、国内量産車初の「ワンハンドルマスコン」などが採用された、ハイテク電車となりました。
 
さて、私が8000系と最も濃いつき合いをしたのは、高校時代の3年間でした。東横線沿線の学校に通学していたからです。今から3X年も前のことになります。当時、8000系は最新鋭車両、一方、「雨ガエル」こと5000系もまだ健在で、先端が曲線となる渋谷駅では、かなりのホーム離れがあり、乗降に気を遣ったことを覚えています。
 
 現在ジャカルタにいる3編成、8003F8007F、そして8039Fは、いずれも当時東横線に在籍、私の高校生活を支えてくれました。ただし現在とは異なり、編成は、たったの5両でした(在学中に一部6連化したと記憶)。このうち、8039編成は、今なお日本時代の方向幕を掲げる唯一の8000系として、特にお気に入りの編成です。しかし、実を言うと高校時代の私は、この編成はあまり好きではありませんでした。何故なら、「冷房取り付け準備車」と称して屋根上に冷房装置の外キセのみを装着していたからです。暑い夏の下校時、屋根上に大きな箱を載せているのが遠くからでも分かることから、「冷房車が来た」と喜んだのも束の間、実は「準備車」と分かった時の落胆は忘れられません。詐欺師です。それに対して、8003F8007Fは、「正直者」の善良な車両でした。何故なら、屋根上に見られるのは、小型のベンチレーターのみ、つまり、非冷房車であることが、遠くからでも分かったからです。
 
異国にいるにもかかわらず、今でも8000系に乗車すると不思議な感覚に陥ることがあります。中央線の高架区間、例えば相対式22線のゴンダンディア駅に進入する時は、祐天寺駅に到着する錯覚を覚えます。また、高速道路を含め片側7車線もあるガトットスブロト通りをくぐり抜け、暗がりから解放されてチャワン駅へ進入する時は、同じく上り電車で渋谷隧道を通過して、代官山駅に到着した時のような感覚を覚えます。この電車に乗ると、高校時代の情景が蘇るのです。
 
それにしても、同級生の女の子が「Aさんは、B君と両思いらしいよ」などと車内でおしゃべりする中、隣で上の空で「今、弱め界磁しているのかなあ」、「回生制動はどこまで効くのかなあ」などと「電動機の気持ちになって」妄想に耽っていた高校時代の私は、今にして思えば相当の変わり者だったにちがいありません。もっとも今でも、「歳のせいか、逆起電力が発生しても、弱め界磁できなくなったなあ(体の疲労を取り払い、さらに頑張ることができなくなったなあ)」などと妄想している点は、本質的に何も変わっていませんが
 
以上、かれこれ3X年のつき合いとなる、旧友への思いを記しました。東急8000系、これからも、私の良き相棒であってほしいと思います。
 
 
 冒頭写真は、ジャカルタ到着後、まだ「伊豆のなつ」カラーだったころの8007編成、マンガライ駅付近にて20071231日撮影、下写真は、全般検査後の8007編成、ジャカルタコタ駅にて200913日撮影
 
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インドネシア唯一の鉄道趣味雑誌である「Majalah KA」の12月号に、鉄道車両のナンバリングに関わる新たな規則が掲載されていましたので、以下にご紹介いたします。この新規則に基づけば、日本製中古電車も、やがて改番されることとなりそうです。
 
インドネシアの鉄道は、2007年に制定された鉄道規則23号に基づいて運営されており、このうち車両分類については、2009年制定の規則56号に記されています。それによると、同国の鉄道車両は、機関車・客車および特殊装備車両に分類されています。客車はさらに、自走可能な車両(電車・気動車)と機関車に牽引される客車に分けられています。
 
今回の措置は、上記の車両分類に基づき、統一的なナンバリングを行う目的で制定されたもので、運輸大臣令2010KM45号として鉄道総局長から公布されました。このうち電車については、例えば以下のようにナンバリングされます。
 
K1 1 10 02
 
 ここで、「K1」はエクゼクティヴクラスであることを示します。冷房付きの日本製中古電車は、全てこのクラスに属するものと思われます。何故ならば、旧都営地下鉄三田線6000形先頭車化改造車、6151FJoko Lelono 2」は、衝突事故後改造の際、KL「1」…で始まる番号が付けられているからです。次の「1」は電車であることを表します。ちなみに、「0」であれば機関車牽引の客車、「2」は電気式気動車(KRDE)、「3」は流体式気動車(KRDH)を示します。さらに次の「10」は2010年にインドネシアで運転を開始したことを示します。最後の「02」は車両固有の番号です。K1 1 10 02とは、具体的には2010年に導入された、旧東京メトロ有楽町線70007117編成の2号車、7197に充当される可能性が大きいのではないでしょうか?
 
 インドネシア鉄道は、新しい規則に基づいたナンバリングを開始しており、先般デビューした「Argo Jati」号用新型客車は、既にこれに従っています。一方、ジャカルタ首都圏には500両近い電車が在籍していますが、これらを全て改番するにはかなりの時間が必要と思われます。とは言え、今後東京メトロ千代田線から6000系が導入されると、旧都営地下鉄三田線6000形との識別が難しくなることを考慮すると、いずれかの時点で新ナンバリングが適用されるものと予想されます。旧東急東横線8000系「8039」車など、「栄光のナンバー」を有する車両も、改番される日が近づいているようです。
 
 
 冒頭写真は消え行く運命にある?旧東急東横線8000系、栄光の車番「8039」、下写真は「KL1-」が付けられている、旧都営地下鉄三田線6151先頭車化改造車
 
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インドネシア唯一の鉄道趣味雑誌「Majalah KA」の10月号にJABOTABEK鉄道の車両検査に関する記事が掲載されていました。普段あまり目にしない情報と思われますので、ここにそれをご紹介いたします。
 
 ジャカルタ首都圏の全ての電車は、定期的に検査を受けなければなりません。それらは、毎日行う検査、月に一度、半年に一度、年に一度行うもの、そして2年に一度行う全般検査から成っています。このうち、毎日、月に一度、半年に一度、年に一度の検査は、デポック、ブキットドゥリ、およびボゴールの各「車庫」で行い、一方、2年に一度の全般検査は、原則としてマンガライ工場で実施されることになっています。このほかマンガライ工場では、車両の改造と、他の「車庫」では簡単に修理できない重大な故障車両の修理も担当しています。例えば、台車、ギアボックス、電動機そして車輪の修理です。
 
 ところが、近年車両数が増加したにも関わらず、マンガライ工場の検査スペースは12両分しかないため、最近では同工場で全般検査を受ける車両は、非冷房エコノミー車と、旧都営地下鉄三田線6000形に限定、残りの車両は担当人員をデポック車両基地に派遣した上で、同車両基地にて全般検査を実施しています。
 
 ところで、これら車両検査によってメインテナンスされている、ジャカルタ首都圏の電車の稼働率は、一体どれくらいでしょうか。同誌に20106月現在の稼働表が掲載されていましたので、過去に私が収集したデータも含め、手元で稼働率の推移を集計してみました。結果は下表のとおりです(表右下クリックで拡大可能)。
 
 インドネシアにおいては、車両稼働率は、(実際に稼働している車両数)/(稼働可能な車両数)で表されます。「稼働可能な車両数(Siap Guna = SG)」とは少々誤解を招きやすい表現ですが、実際には在籍数に近い数字です。現況では、稼働不可能に陥り「保管」扱いとなっている、Holec50両を除く全ての車両が、「稼働可能な車両」として登録されています。一方、「実際に稼働している車両(Siap Operasi = SO)」からは、全般検査に入っている車両などは除かれているようです。
 
この表からわかることは、JABOTABEK 鉄道が新製車両として導入した、Rheostat(抵抗制御車)、Holec、Hitachiの稼働率が近年大きく落ち込んでいることです。特にHolecは、現在(2010年)、稼働率わずか31%です。全製造数128両のうち、26両がKRDE(電気式気動車)化され、50両がスクラップ同然で「保管」状態、これらを除く52両が「稼働可能な車両」で、そのうち16両しか「実際に稼働している車両」が残っていません。なお、日本製中古車両については、一部の形式で、20106月時点で数字上低い稼働率が記されていますが、201011月現在、旧JR103系は100%、旧東京地下鉄東西線5000系と旧東葉高速鉄道1000形は、それぞれ80%の稼働を確認しています。
 
RheostatHolecなどのエコノミー非冷房車の置き換えが急務であることが、この表からも理解できます。
 
以上、JABOTABEK 鉄道の車両検査と稼働率について記しました。
 
 
 (冒頭写真は、デポック車両基地の検査ピットに入った旧東急85008608編成)
 
 
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JABOTABEK鉄道の車両稼働状況と稼働率
 
 

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