JABOTABEK RAILNEWS コラム

ジャカルタの電車を中心に、インドネシアの鉄道をご紹介しています。

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JABOTABEK最古参の車両

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ジャカルタの電車に乗っていると、外国人乗客は珍しいらしく、良く地元の人々から声をかけられます。とりわけ、私が日本人の鉄道ファンと分かると、彼らから多くの質問を受け、これに答える羽目になります。以前にもコラムに記しましたが、最も多い質問は、「今乗っているこの(日本製中古)電車は、何年製ですか?」というものです。そして、私が「19XX年製です」と答えると、彼らの反応は決まっています。「そんなに古いのですか!こんなにきれいなのに!」というものです。
 
実際、日本から導入された中古電車は、JABOTABEK独自で新車として導入した車両と比べて、そのメインテナンスの良さは一目瞭然です。新車には日本からの輸入車両も含まれるので、このメインテナンスの差が「日本で運転(メインテナンス)されていた期間の長さ」によることは明らかです。さてそれでは、そのメインテナンスの良い日本製中古車両の中でも、最も車齢の長いものはどれでしょう?
 
答えは、旧東京メトロ東西線5000系です。とりわけ、冒頭写真の5809車を始めとする東急車両・川崎車両製の9両は、1966119日竣功という古い歴史を誇っています。もちろん、ジャカルタ首都圏の全電車の中でも最古参車両です。19661月と言えば、東京オリンピック開催から13カ月後、日本がオリンピック後の経済的低迷を脱し、「いざなぎ景気」と呼ばれる高度成長を開始した、記念すべき年の始めに当たります。当時、東西線はまだ高田馬場・九段下間のみの部分開業で、5809車を始めとする2次車は、同年3月の中野・高田馬場間、および九段下・竹橋間延伸開業に向けて増備されたものでした。以来、既に45年近くが経過していますが、現在もなお美しい車体を保ち、元気に活躍しています。
 
さて、(以下個人的なお話で恐縮ですが)私が初めて5000系に乗車したのは、1969年のことでした。当時の私は小学生、杉並区内の井の頭線沿線に住んでいました。この年、荻窪の近くの区立科学館で、毎週土曜午後に科学教室が開催されることになり、理科好きだった私は、担任の先生にお願いして、これに参加することにしました。荻窪へは井の頭線で吉祥寺へ出て、中央線に乗り換えて通います。そこで初めて5000系に出会いました。
 
当時の5000系は7両編成(同年中に、一部89両化されたと記憶)、東西線中野・西船橋間が全通したのに伴い中央緩行線を三鷹まで乗り入れ、吉祥寺にも姿を見せるようになっていました。国鉄線内を走る見慣れぬステンレスカーに私は興奮し、これに乗る楽しみを味わうため、ますます頑張って科学教室へ通ったのは言うまでもありません。ちなみに、この教室で学んだことの一部がその後自分の職業選択にも繋がっており、言い換えれば私の人生は5000系に出会ったことで、「こうなった」とも言えるのです。
 
さて、5000系一番の思い出は、何と言っても「ウェーン」という動物の鳴き声のような、(当時の)コンプレッサー(CP)の作動音です。AR-2型ロータリーCPが搭載された車両は、振動が少なく快適なのですが、初めて乗車した時はこの「ウェーン」に驚かされました。が、後にはすっかりお気に入りとなり、この音を楽しむため、わざわざCP搭載車両を選んで乗車したのを覚えています。
 
二番目の思い出は、大型の扇風機です。当時、我が地元の井の頭線に3000系冷房車2編成が登場、中央線では残念ながらそこまでのサービスは期待できませんでした。けれども、東西線からやって来る5000系には(おそらく3次車以降で)直径50cmの大型扇風機が搭載され、強力な首降り送風が可能でした。この送風は私のお気に入りであり、暑い夏も快適に科学教室へ通うことができたのでした。
 
5000系は、1964年の一次車登場から2007年の東西線引退まで43年間、日本の経済成長を支えた陰の主役の一つでした。中央線、総武線沿線の大勢のビジネスマンを毎日都心のオフィスへと運んだからです。冒頭の「快速・大手町」表示は、そんな5000系の、誇らしい栄光の日々を今に伝えています。
 
最後になりますが、5000系にはJOBOTABEK導入後、新たな「誇らしい」歴史が加わりました。導入直後の200774日、スルポン線複線化完工に伴う記念列車に抜擢され、ユドヨノ大統領一行を乗せて同線を駆け抜けたのです。「大統領閣下の電車」として充当されたのは、第66編成ではなかったかと思われます。残念ながら以後、インドネシア共和国大統領がジャカルタ首都圏の電車に試乗される機会は、ありません。ファンとしては、公共交通機関整備のため、是非また乗車していただきたいのですが。
 
東京メトロ東西線5000系 − いつまでもジャカルタ首都圏で活躍してほしい車両のひとつです。以上、JABOTABEK 最古参の車両について記しました。
 
 
冒頭写真は、JABOTABEK最古参車両の一つ、「快速・大手町」表示の第59編成5809車(ボゴール電車区にて、20101010日撮影)、下の写真はJABOTABEK導入直後の第66編成5016車他8連(パルメラ・クバヨラン間にて、2007721日撮影)
 
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保線車両PBR400について

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ある快晴の日曜日、撮り鉄日和とばかりにボゴール駅へ出かけるも収穫は今一つ、「何か目新しい被写体はないものか」とキョロキョロしていると、構内の片隅に見慣れぬ黄色い車体 どうやら保線車両のようです。ぐっと近づき良く見ると、そこには「Plasser & Theurer」のロゴが 車体横には、跳ね上げられたプラウがあることから、バラストレギュレーター(バラストプロファイリングマシン)のようです。男の子は「はたらくのりもの」が大好き、しかも日本と違い間近で、場合によっては触ることができるとあって(良い子は絶対にマネしないでね)、興味津々です。
 
このマシン、オーストリアPlasser & Theurer社のPBR400型と呼ばれ、インドネシア鉄道に8両在籍しているものの1両です。配置区はジャカルタ、バンドン、PurwokertoMadiunJembur、そしてPrabumihです。製造年は1988年および1990年、123kWエンジンを搭載し、最高時速50kmで自走することが可能です。
 
バラストプロファイリングを行うために、2つの仕組みがあります。
 
ひとつは、プラウを用いるもので、前面と側面にそれぞれ1対が装着され、油圧で位置(高さおよび角度)を調整することができます。前面のプラウはそのポジションによって、「レール右外側のバラストをレールの左外側に移す」、「その逆」、「レール内側のバラストをレール両外側に移す」、「バラストをレール周辺に集める」という4つの機能があります。側面のプラウは、そのポジションによって、「レール外側遠くにあるバラストをレール近くまでかき上げる」、「レール外側近くにあるバラストをレールから遠くへ運び均す」、「レール外側にあるバラストを囲って別の場所に運ぶ」という3つの機能があります。言葉で説明するより、PBR400について解説したインドのサイト内図面を参照した方が理解しやすいと思います。
 
もうひとつは、最後部のスウィーパーユニットを用いるもので、回転ブラシとゴムホースが装着されており、枕木上の余ったバラストを側面外側へ運び出すことが可能だそうです。が、この機能については、それ以上詳しいことは、よくわかりません。
 
 最後になりますが、このPBR400型が実際にプラウイングを行っている様子をYouTube内で発見しました。ブラジルの例です。側面のプラウが通った後、レール外側遠くにあるバラストがかき上げられて、美しいバラストクラウンが形成される様子がよくわかります。いつか私も、実際の作業現場を見てみたいものです。
 
冒頭写真は、PBR400型を斜め前方から捉えたもの、前面のプラウ、跳ね上げられ格納された側面のプラウが見えています。一方、下の写真は斜め後方から捉えたもの、側面プラウの後方下位に、スウィーパーユニットの大きな覆いが見えています。快晴の美しい青空とサラック山をバックに、黄色い車体が鮮やかですね。
 
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参考文献
Redaktur Majalah KA 2008 SSP, USP & PBR, sang tukang cukur ballast, Majalah KA (Kereta Api), Edisi 28, November 2008, pp 22-23
 
 
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 前回このコラムで、インドネシアを代表する列車である、アルゴ・ブロモ・アングレック号によって引き起こされた衝突事故について、お伝えしました。その際、「アルゴ・ブロモ・アングレック号の災難は、実は今に始まったことではありません。2010年に入ってから、別の問題にも遭遇しています。」と結びました。そこで、今回は、その「別の問題」について述べたいと思います。
 
 2010年8月1日、インドネシア鉄道のイグナシウス社長は記者会見で、アルゴ・ブロモ・アングレック号、アルゴ・シンドロ号用客車に不具合があるとして、その使用を中止、当面、他の車両を充当すると発表、謝罪しました。不具合とは、台車が線路のわずかな乱れに対して過敏に反応してしまうというものです。この決定には、同年7月30日にジャカルタ市内のマンガライ駅構内で起きたアルゴ・ブロモ・アングレック号の脱線事故が決定的的役割を果たしました。しかし、同様の事故は、以前から度々起きていたようです。
 
 アルゴ・ブロモ・アングレック号に使用されているのは、K9と呼ばれるボルスタレス台車です。1997年から製造を開始、エクゼクティヴクラス列車に使用され、この台車を履く客車32両の使用が中止されました。その内訳詳細は不明ですが、1997年製と2001年製のエクゼクティヴクラス客車、食堂車、電源車から成るものと思われます。いずれも、K1-979XX、K1-20019XX、M1-979XX、M1-20019XX、BP-979XX、BP-20019XXなどのように、下3桁目に"9"が付いているのが、K9を台車を装着した客車です。なお、具体的な不具合箇所について、その後発表はなく、運用再開の目途についても、報じられていません。
 
 ところで、K9を履くアルゴ・ブロモ・アングレック号用客車は、白を基調とする、なかなかスタイリッシュな欧風の車体から成っていました。私は普段、あまり客車に目を向けることがなかったため、撮影した写真は少ないのですが、とりあえず冒頭にガンビール駅待避線(向かって左側)に停車中のものを掲げておきます。残念ながら、K9台車は写っておりません。今となっては、「撮影しておけばよかった」と悔やまれます。
 
 一日も早い復帰を願っています。
 
 
 
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イメージ 2 インドネシア鉄道が保有する特別客車「ヌサンタラ(Nusantara)」については、かつてフォトギャラリー18に乗車記を掲載しました。その後、本年4月に検査入場を実施、外装が一新されているのが確認されましたので、以下にお伝えします。
 
 ヌサンタラは、インドネシア鉄道が保有するKereta Wisata(観光車両)と呼ばれるグループに属する、特別客車中の1両です。別名Kereta Presiden(大統領車両)、その名の通り、長年にわたり大統領専用車両として使用されてきました。そのため、一般に貸し出されるようになった今でも、観光車両よりVIP車両と認識されることが多いようです。
 
イメージ 3 1967年製の車体に、K-5(日本ではNT11)と呼ばれるコイルばね台車を履き、車両番号は I-67501です。I とは、特別(Istimewa)を意味します。インドネシアの数ある客車の中で、I で始まる車両は、このヌサンタラ 1 両のみです。団体専用として希望者に貸し出され、300KVA以上の電源車を併結した長距離列車に、不定期に連結されています。内装は、インドネシア諸島「ヌサンタラ」をイメージ、定員は19名で、2名分の寝室も備えられています。通常は編成の最後尾に連結され、バルコニーから外の景色が眺められる他、バー、トイレ、荷物室、オーディオ・ビデオセット、冷房などが装備されています。
 
イメージ 4 このたびの検査入場では、外装が通常のエクゼクティブクラス客車のカラーリング(灰白色を基調とし、白・黄・灰色の帯などが加わる)から、白を基調とし、インドネシアの伝統的幾何学デザインによる、赤帯が加わるものに変更されました。また、車体側面上部には、インドネシアを代表する鳥の一つ、極楽鳥が描かれました。内装については確認していませんが、出場後に乗車されたジャカルタ在住日本人の U氏によると、一部リニューアルされたものの、基本的にはこれまでの内装がそのまま活かされているようです。
 
イメージ 5 なお、インドネシア鉄道は、このヌサンタラを含め合計3両の特別客車(他に、バリ、トラジャ)を保有していますが、その貸し出しに力を入れており、これを行う子会社、PT KAI Perwisata を設立させたとのことです。
 
 
冒頭写真はヌサンタラ側面、その他の写真は右上から右下に向かって、バルコニー側、ヌサンタラのロゴ、極楽鳥の描画、車両番号表示です。
 
 
 
 

Arek Surokerto 追加情報

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 かつてジャカルタ首都圏で電車(ABB-Hyundai)として活躍、その後電気式気動車(KRDE)に改造されて東ジャワのスラバヤ地区に転出した「Arek Surokerto」については、これまでにも何度かJABOTABEK RAILNEWS でお伝えしてきました(JABOTABEKレポート15フォトギャラリー22)。このたび、地元の鉄道雑誌にArek Surokertoに関わる最新記事が掲載され、追加情報が得られましたので、以下に記します。
 
 (1) 種車ABB-Hyundai に関わる追加情報
 
 ABB-Hyundai 電車は、ドイツABB-Henschel 社と韓国Hyundai 社で製造された車体、部品を、インドネシアの国営鉄道車両製造会社である、INKA社で組み立てたものです。車体、部品供給の内訳は、ABB-Henschel 社が、電気部品、制御システム、誘導電動機、SIVを担当、一方Hyundai 社が、台車、車体、連結器及び内外装を担当しました。しかし、運転開始後は、誘導電動機の故障が絶えず、1994年にはHolec との衝突事故が発生、復旧後も2回の故障に見舞われ、その後営業運転から外されてしまいました。
 
 (2) KRDEへの改造
 KRDEへの改造は、同様に故障が絶えなかったHolecから始まり、その成功を見てABB-Hyundai へも拡大されました。改造に際しては、1編成4両から5両へと増車されたのに伴い、T車は新造されました。その際、台車にはINKA 社製ボルスタレス台車が採用されました。また、新たにディーゼルエンジン、オルタネータ、整流器、インバータ制御装置、誘導電動機が設置されました。
 
 (3) Arek Surokerto に関わる追加情報
 上記のとおり、Arek Surokerto の制御システムにはVVVFインバータが採用されています。ディーゼルエンジンの出力は、別の文献(559KW)と異なり、1基あたり485KWとされています。 TEC車2両にそれぞれ1基ずつ、合計2基が設置されています。 一方、誘導電動機の出力は1基当たり180KWで、M車2両に合計8基が設置されています。
 
 以上、KRDE Arek Surokerto に関する追加情報を中心に記しました。「車両紹介」の項の記述は、後日アップデートする予定です。なお、Arek Surokerto は現在、スラバヤ地区のインドネシア鉄道第8事業部シドトポ機関区に2編成が所属、スラバヤ - モジョケルト間の通勤輸送(1日4往復)に使用されています。
 
 冒頭写真はモジョケルト駅で出発を待つ第1編成、KDE3-09201F
 
 
 
 
 
 

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