JABOTABEK RAILNEWS コラム

ジャカルタの電車を中心に、インドネシアの鉄道をご紹介しています。

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 ブキットドゥリ電車区所属の2両の事業用気動車(救援車)のうち、NR02が車体更新し、「スズメバチ」顔になって全検出場しました。
 
  NR02は、NR01とともに主に電車の牽引を行っています。例えば、タンジュンプリオク港で陸揚げされた日本製中古電車の車両基地への輸送は重要任務の一つです。また、停電、事故あるいは故障を生じた際の電車牽引も行っています。さらに、工事現場への職員、機材輸送にも使用されています。
 
イメージ 3 これらの車両は、日本車両で製造された車長20mの気動車群の一部です。製造当時、MCW302系(1978年, 1980年および1981年製造)と名付けられたグループに属していたものと思われます。その後、KD3-872208(87235とする文献もあり)、KD3-872203(82227とする文献もあり)へと改番、さらに事業用車に転用される際、NR01、NR02へと再び改番されています。当初はPurwakarta、Cirebon、Sukabumi 地区などで就役、後に事業用車に転じる際、JABOTABEK 事業部(現KCJ)ブキットドゥリ電車区所属となりました。
 
イメージ 4 今回の車体更新では、山吹色に橙+白帯を伴う塗色に変更され、正面には「釣り目」の前照灯が新たに設置されました。また、車内は冷房化されました。なお、更新に伴い、NR02からNW-87201へと車番が三たび変更されています(Nは救援車、Wは空気ブレーキ装着車を示す)。
 
 車体更新中、相方のNR01は、ボゴール - スカブミ線のBumi Geulis号に使用されている気動車1両と臨時にコンビを組んでいましたが、現在は、元のコンビに戻って運用されています。なお、NR01は車体更新が行われていません。
 
 NR02の今後の活躍を、期待しています。
 
 写真は、「釣り目」前照灯が新たに設置され、「スズメバチ」顔になった正面(冒頭画像)、冷房、2段ベッドも設置されている車内(右上画像)、運転席(右中画像)、新たな車番表示(右下画像)です。
 
Foto: Adam Faridl al Faith
 
 
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 ジャカルタ首都圏で活躍する旧都営地下鉄三田線6000が、2010825日、運転開始から10周年を迎えます。2000年に東京都が無償援助としてインドネシア側に72両の車両譲渡した際、都は「適切にメインテナンスすれば、10年程度活躍できるであろう」とレターに記したそうです。その言葉が、ついに現実のものになろうとしています。6000形は今日まで、寿命や整備不良により廃車、運行不能となった車両は1両もなく、ジャカルタ首都圏における日本製中古電車全盛時代の礎を築いてきました。ここにあらためて、日イ関係者のこれまでのご努力に敬意を表したいと思います。
 
さて、都からインドネシアへの譲渡と営業運転開始までの経緯については、2009823日付コラムでお伝えいたしましたので、今回は営業運転開始後の6000形について、その動きを述べたいと思います。
 
イメージ 1(1)         8両化された車両
 三田線で運用されていた当時、6000形は全て6両編成でした。ところがジャカルタ首都圏の電車は、20m車で最長8両までの編成が組まれており、これに合わせて中間車2両を増結した8両編成が3本組成されました。これら3編成(6121F6161F6171F)は現在もなお、元気に運用に就いています。
 
(右写真は、6121F、ガンビール駅
 
 
 
イメージ 2(2)         オリジナルの6両編成
一方、6両編成も、7本在籍しています。このうち、編成替えが行われることなく三田線時代と変わらぬ姿で活躍しているのが、6271F6281F2編成です。三田線時代の伝統を引き継ぐ、まさに保守本流の編成です。
 
(右写真は、6281F、パルンパンジャン駅
 
 
 
 
 
イメージ 3(3)         先頭車化改造6両編成
当初は72両のうち、8x 8本を運用し、残りは予備車とされる計画だったようです。ところが、途中から、6x 8本 および8 x 3本として、予備車無しとするよう、計画変更がなされました。これに伴い、先頭車が6両不足することとなったため、現地にて中間車(612661776182618762176227)の先頭車化工事が行われました。その結果、改造6両編成3本が出現しました。先頭車の形状は、編成ごとに異なっていますが、いずれもインドネシア人好みの流線形を意識した姿となっています。なお、あまり知られていませんが、いずれの編成にも愛称が付けられています。6126Fは「KRL Espass」、6182Fは「KRL Rakitan」、6187Fは「KRL Lohan」です。
 
(右写真は、6187F、「KRL Lohan」、ブカシ駅)
 
イメージ 4(4)         事故復旧車4両編成
 20081010日、カンプンバンダン駅近くで貨物列車と衝突した6181Fと、200984日にボゴール チレブット間でHolec に追突した6151Fが、後に編成を組み直し、新6151F、新6181Fとして、2009年から2010年にかけて再デビューを果たしました。このうち新6151Fは、前面を「となりのトトロ」の「ねこバス」風に改造、4両化されて「Si JantanあるいはDjoko Lelono 2」の愛称で呼ばれています。
 
(右写真は、新6151F、「Si JantanDjoko Lelono 2」、ブキットドゥリ電車区)
 
いかがでしたか。紆余曲折を経ながらも、6000形が今もなお元気に運用に就いている様子が、お分かりいただけたかと思います。残念ながら(4)の事故により被災した615562522両が戦列を離れていますが、原因はあくまでも事故であり、車両の寿命、あるいは整備不良によるものではありません。これから先、6000形があと何年間活躍できるか分かりませんが、JABOTABEK RAILNEWS では、変わらぬ活躍を願い、引き続きその姿を追い続けることといたします。
 
トップの写真は、インドネシア大学駅付近を行く、旧都営地下鉄三田線6000形 (2008. 3. 15)
 
 
 
 先日、地元英字紙に、政治・法務・治安担当調整相事務所に勤務するN氏(記事では実名)と名乗る人物による、首記に関わる記事が寄稿されました。内容は「個人的見解」とされていますが、事実上、政府上層部が日本製中古電車の導入をどのように考えているか窺い知ることのできる、貴重な資料と考えられます。政治・法務・治安担当調整相は、運輸省など一般省庁の大臣の上位に君臨しており、現在その任にあるジョコ氏は、ユドヨノ大統領と国軍士官学校時代の同期という、側近の一人です。中古電車の導入が政府中枢まで判断が委ねられる課題であったことが想像され、今日まで旧東京メトロ7000系の営業運転が開始されないことと、無関係でないかもしれません。それでは、前置きが長くなりましたが、以下、記事要約をご覧下さい。

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 「政府の中古ディレンマ」

 インドネシア政府は本年、国営のインドネシア鉄道を通して、4月の10両に始まる合計90両の日本製中古電車導入に着手した。これらは80年代に製造された冷房車両で、中央(ボゴール)線、スルポン線に投入され、混雑緩和が期待される。

 結果として中古電車を購入することになったが、この導入は政府内部に大きな議論を巻き起こした。「何故、中古なのか」、「何故、最新性能を有する新車でないのか」、「何故、先進国で時代遅れとなったものに、国家予算を使うのか」である。

 反対意見は、「スクラップ」の購入は必然的にメインテナンスコストを増大させるというもの、また、真っ黒な排気ガスを吐き出す中古バス、過積載で沈没する中古フェリーのような厄介な問題を引き起こすのではないかとの懸念もある。一方、賛成意見は、低コストの割には質が高いというものである。

 答えは、運輸省の限られた予算にあった。2010年の運輸省予算は16兆ルピア、これは国家予算の4.8%にすぎず、かつ70%は人件費で消えてしまう。そのため、施設などへの予算は限られる。最終的に政府が中古電車導入を決定したのは、新車導入よりはるかにコストが低いからである。中古電車の価格は輸送費を含め1両当たり10億ルピアであるのに対し、国営鉄道車両会社で製造される車両のコストは15ないし20億ルピアに達する。限られた予算の中では、中古電車購入を選択せざるを得ない。

 しかし、「これでは国内産業が育たない」、「国内で新車を製造すれば、少なくとも国外へ資金流出しない」という反対意見も根強い。最終的に政府が用意した回答のひとつに、「新たな商品開発の時間的余裕を確保すること」が挙げられる。300両の電車が必要であるとして、国内で短期間にどうやって製造するのか。

 ところで、どのような理由であれ、購入した製品は安全性とコンプライアンスの面で、Euro II emission standard などの認証を受ける必要がある。また、国内産業を保護する必要もある。例えば、フェリーのように、エンジンは輸入しても船体は国産化するなどの措置が必要である。さらに、中古製品購入には、スペアパーツやメインテナンスのこともあらかじめ考慮すべきである。事故を起こさないため、中古品の寿命について知っておくことも必要であろう。

 予算の制約は時に中古品の購入を余儀なくさせるが、市民の安全確保が購入前に最も考慮されるべきことである。
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 いかがでしたか。多方面から考察された、冷静かつ現実的な意見であると思います。乗客の安全確保を第一に考えていることも、正しい判断と言えましょう。付け加えるとすれば、2000年以来導入されている日本製中古車両の良好な運行実績が挙げられます。メインテナンスの困難さから廃車となった車両は1両もありません。逆に、最新式の車両はメカニズムが複雑すぎ、却ってメインテナンスに支障をきたす可能性があります。かつてVVVFインバータ制御方式による当時最先端の新車導入を行い、後に整備に難儀した歴史が想起されます。現場で何が起きているかをこの目で見ることも、重要だと思います。
  
 
 今回は前回に引き続き、インドネシア鉄道HPの一部である、「インドネシア歴史遺産鉄道(Indonesian Heritage Railway)」のご紹介です。このサイトに記述されたインドネシアの鉄道遺産のうち、ジャカルタ首都圏のものをご紹介してゆきます(写真は筆者撮影)。

(3) 電気機関車ESS3201号機
イメージ 1 この機関車は、1925年にタンジュンプリオク - ジャティネガラ間が電化されたのに合わせ、インドネシア初の電気機関車として導入された、ESS3200型と称される機関車のうちの1両です。ESSとは、当時の鉄道名、Elektrische Staats-Spoorwegen を表していいます。この形式の電気機関車は、当時6両(3201〜3206)製造されましたが、現存しているのは、この3201号機のみ、オランダのWerkspoor 社で制作され、Heemaf 社の765kw パワーユニットを搭載しています。長らく地元の人たちから、「ボンボンちゃん(Si Bon Bon)」と呼ばれて愛されてきました。

 1930年には、電化区間がBuitenzorg (現在のボゴール)まで延長されたのに伴い、タンジュンプリオク - ボゴール間の運用に就き、環状線でも客車を牽引して活躍しました。その後、1976年にジャカルタ首都圏の鉄道が電車化されるまで、約50年間にわたり就役しました。第一線を退いてからは、長らくインドネシア鉄道マンガライ工場に放置されていましたが、インドネシア鉄道保存協会の手で修復が施され、2007年に完工しました。2009年4月から9月までタンジュンプリオク駅で展示され、ユドヨノ大統領夫妻による視察の栄誉を受けた後、再びマンガライ工場へ戻され、現在もそこに保存されています。

 右上写真は、タンジュンプリオク駅にて展示中のESS3201号機です。

インドネシア歴史遺産鉄道のHPアドレス:http://indonesianheritagerailway.com/

イメージ 1 Holec の低前照灯化が進められています。

 6月3日にはKL3-98208編成が全検出場し本線試運転を実施、その際、KL3-2000204編成に続き、前照灯が正面窓下に分散配置されているのが確認されました。

 これまでHolec の前照灯は、正面窓上位に2 灯が集中配置されていました。

 
イメージ 2 右上写真は、従来どおり正面窓上の高位置に前照灯が集中配置されているKL3-97236編成(マンガライ駅にて)。
右下写真は、新たに正面窓下の低位置に前照灯が分散配置され、中央線で下りエコノミー運用に就くKL3-98208編成(ガンビール駅にて)、




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